帳場の一日(その4)問題勃発
前回の続きです。
D職員は、自分で判断するのは不可能と考え、主任に声を掛けました。
D職員
「主任、設備でスリブを入れ忘れたといっています」
C主任
「どこの場所だ」
D職員
「X5通りの梁です」
C主任
「よし、そこに、案内しろ」
D職員
「はい」
C主任が、現地の状況を確認します。
C主任
「大工と、鉄筋と、設備の職長を全員事務所に集めろ」
D職長
「はい。わかりました」
全員が、事務所に集まりました。
そのまえに、主任は、設計図書をみて、スリブ補強方法を再確認します。
主任が現在の状況を全員に説明しました。
設備職長
「みなさん、申し訳ありません」
C主任
「さて、対応策ですが、第1案としてすべて鉄筋を取り除き、スリブを入れなおす。
第2案としてなんとか現在の状態で、スリブを入れ、補強ができないか検討するということになります」
「枠をバラスなんてことになったら、来週のコンクリは一日延びてしまう」
C主任
「もちろん、結論が出た時点で、工程の話は再検討します」
「○○鉄筋さん、今回入れ忘れた部分は、150Φスリブなので、ウェブレン片面1枚、スタラップ両サイド2重巻きという仕様ですが、どうですか?」
鉄筋職長
「ウェブレンを入れるのは、バンドを緩めれば問題ない。
ただし、両サイドにバンドを足すのは、ばらさない限り不可能だ。
ワリバンなら、なんとか巻けるのだが。。。。」
C主任
「わかりました。ちょうど、今日もう少しで配筋検査で、設計事務所さんが来られるので相談してみよう」
「それでだめなら、すべてやり直すこととします」
「○○工務店さんは、結論が出るまで、X5通りの型枠を返す作業をストップしてください」
「また、○○設備さんは、他にもそういう箇所がないのか再点検してください」
「工程も含めて、結論が出た時点で、もう一度打ち合わせをしましょう」
「手を止めて申し訳なかったが、協力してください」
「以上です」
各職長は、それぞれ現場に戻っていきました。
鉄筋職長が言っているワリバンとは、梁のバンドすなわちスタラップ(STRP下記写真参照)を通常は、1本の鉄筋を四角に折り曲げてフックをつけ、主筋に巻いていくのですが、それを上下二つに分けて加工し、上と下から差込つなぎ合わせることです。
また、ウェブレンとは、梁貫通孔せん断補強材の商品名です。
いろいろな商品、商品名がありますので、興味のある方は調べてみてください。
全員が出て行った後に主任はいきさつを、副所長に報告しました。
B副所長
「わかった。設計事務所には、私からも相談してみるよ」
その後、副所長は、所長に話をしました。
所長は、
「きちんと対応するように。それと○○設備の社長が明日来る予定なので私から現場管理のことを話しておくから」
ここで、まずはひと段落です。
これからもいろいろな出来事を書き綴る予定です。
下の写真は、梁の鉄筋の標準的な納まりです。
工事写真を撮影するときなどは、このような記述を黒板に取付けて、撮影します。
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はじめまして、帳場シリーズを
いつも楽しみにしております。
私事で恐縮ですが、現在住居(集合住宅)が
耐震補強工事の真っ只中。
施工内容から監督・職人さんの人間観察まで
毎日面白く過ぎていきます。
こちらのシリーズも非常に参考になりますので
これからも続けていってくださいね。
引き続き楽しみにしております。
最後に、体にお気をつけてお仕事頑張って下さい。
こんにちわ。いつも楽しく拝見させていただいております。
実は私も建築関係の仕事についているのですが、私の疑問を尋ねてみてもよろしいでしょうか?
瑕疵についてですが、いったいどこまでが瑕疵ととらえれば良いのと思いますか?
建築物は工場で生産しているわけではないので、さがし出せば「隙間」などは数限り無くあります。業界の他の皆さまはどう考えているのでしょうかね?
<p> ショコラさんと匿名さんへ。<br />
コメントありがとうございます。<br />
体は、かなりぼろぼろになりつつありますが、このシリーズを書き続けていきたいと考えています。<br />
瑕疵についてですが、以前<竣工式と起工式>の記事の際にも書きましたが、法律的に通常の瑕疵は2年、構造上重大な瑕疵は、10年などの考えではなく、現場を進めてゆく毎日のなかで、オーナー、設計、施工会社が、お互いに納得するまで話し合い理解することが大切ではないでしょうか。<br />
例えば、クロスを張る際には、<br />
「天井との取合及び入隅はこのように施工しています(現場を全員で見て確認する)。<br />
この部分は建物の動き、材料の収縮によって隙間が発生する可能性があります。<br />
隙間の処理に関しては、当社は2年間は瑕疵と考え、適正な対応をさせていただきます。<br />
以上ご理解願います」<br />
このように、一つ一つ確認しながら進めてゆくのが、大事だと考えます。<br />
つまり、施工会社にとって、瑕疵とは考えていなくとも、顧客にとっては、重大な瑕疵と考えている部分が多々あるということです。<br />
理想論を述べましたが、実際は、私も悩むことが多いです。<br />
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