耐火被覆工事 塗装工事

鉄骨造を火災から守る「耐火塗料」について、とてもわかりやすく、語ります。。。(経験談)

2013年9月2日

今回は、カテゴリー17.耐火被覆工事の、「耐火塗料」です。

鉄骨を、耐火被覆する工法は、数種類あります。

以前、紹介した記事は、下記です。

2007年6月10日・・耐火被覆「マキベエ」は、とても環境に優しいです。

2008年6月15日・・岩綿吹付工法(耐火被覆)

2013年8月12日・・岩綿吹付状況を、ビデオで見よう!(建築物耐火被覆)

今回の「耐火塗料」も建築物の耐火対策の一つです。

鉄骨の柱・梁などに、直接塗布して使用します。
(塗膜厚さは、1〜4mm程度)

その材料が、火災時などに、200〜300度の熱が加わると発泡します。

そして、塗膜が、25〜40倍くらいに膨らみ、断熱層を形成し、鉄骨への熱の伝達を抑えるのです。

「耐火塗料」による耐火塗装は、他の工法と違い、外観は鉄骨に塗装を施しただけのように見えます。

よって、鉄骨そのものを建物の意匠として、露出させることが出来るのです。
(内部の面積を少しでも有効に使用できます)

これが、耐火塗料の一番の特徴です。

つまり、塗装と同じように鉄骨に塗り、それ自体で仕上げになるということです。

ただ、通常の塗装とは違い、鋼材(鉄骨)の厚さや大きさに応じて耐火材としての 必要膜厚が異なります。

よって、膜厚管理や既定の塗膜厚を塗布するには、相応の手間と技術を要します。

材料費は、岩綿吹付け工法などと比較すると、高価となります。

メーカーにより、ウェスタ、タイカリット、セラタイカ、タイカコート 他、いろいろな種類があります。

耐火塗料は、建築基準法で材料認定を取得する必要があります。

認定内容には、1時間と2時間の耐火認定があります。

さて、私が今回、使用した材料は、日本ペイント㈱の「タイカリット」です。

屋内にも、屋外にも使用できます。

下表が、メーカーの仕様表です↓
(クリック拡大)

1時間耐火仕様工程

下記写真は、最初の工程で、下塗りの、サビ面露出損傷部に使用する材料と、塗装状況です。

「ハイポン 20 デクロ(変性エポキシ樹脂塗料)・ハイポンエポキシシンナー」
(クリック拡大)

耐火塗料03 耐火塗料04

続いて、主材の、材料です↓

「タイカリットS-100ベースコート、ベースコート用シンナー」
(クリック拡大)

耐火塗料01 耐火塗料02

次に、現場にて、主材の塗装吹付け状況(耐火層)の写真です↓

(クリック拡大)

耐火塗料05 耐火塗料06

さらに、主材の塗装吹付け2回目と、上塗り(色づけ)状況の写真です↓

(クリック拡大)

耐火塗料07 耐火塗料08

施工上の注意事項です。 (日本ペイント㈱「タイカリット」パンフレットより抜粋)

(l) 乾燥は低温時に著しく低下し、乾燥過程で種々の塗膜欠陥を生じることがありますので、5℃以下の気温が連続する場合、施工しない。

(2) 塗装時ならびに 塗料取り扱い時は換気を十分行い 、火気厳禁です。

(3) 一度に厚塗りすると、乾燥不良となり、種々の問題を起こしますので、適当な膜厚で塗装する。

(4) 雨がかかると塗膜が流れたり、塗膜性能が出ない場合がありますので、雨養生を行なう。

(5) 塗付け量はロスを含まない塗付量で、膜厚は標準の数値です。
被塗物の形状 、素地の状態、 気象条件、希釈率および測定機器 ・測定方法により幅を生じます。

(6) 鋼材の厚さによって耐火性能を付与する膜厚が異なります。

(7) 作業前に容器に記載している「安全衛生上の記載事項」を参照ください。  

この工法は、上塗り塗料の色選択が可能ですので、幅広い色彩が施工出来ます。

また、優れた付着性があり、従来の耐火被覆材のように、剥離・脱落がありません。

鉄骨造の様々な、建造物に霞適です。
(下記参照)

劇場/映函館/オフィスピル/ステーシヨンピル/
公共施設/病院/ホテル/ケアセンター/
学校/体育館/美術館/図書館/スポーツ施設/
百貨店/展示場/ショッピングセンター/
ショールーム/倉庫/工場/精密機械工場/駐車場/工レベーター/空港/
などなど。。。

ただし、現状コスト面から、耐火被覆には岩綿吹付け工法が一般的です。

今後、もう少し価格が経済的になれば、この工法の需要は、爆発的に拡大すると思います。

 

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