今回は、建築工事現場における災害事故例を紹介します。
紹介する災害事故は、下記です。
土建区分 建築
工事区分 解体工事(足場組立)
災害種類 墜落・転落
事故の型 墜落
職種 鳶工
年齢 19歳
発生年月 200×年×月
発生時刻 15時50分
負傷程度 両足骨折(頚骨)
経験年月 1年9ヶ月
現場就労日数 60日
請負次数 三次
被災者は、ビル解体工事の防護足場の塔屋外部足場用の防音パネルを、事前に切断していた既存手摺から屋上端部へ運搬していました。
その際、残した巾木につまづきバランスを崩し、前のめりに転倒し、そのまま外部足場と躯体間(幅約70cm)から約17m下に墜落、被災しました。
(墜落途中、ダクトフード、壁つなぎパイプにぶつかる)
1.屋上まわりの層間養生を行っていたが、材料不足のため他の作業員が材料を取りに行っている間に、次の日の段取りのため防音パネル移動を職長代理(当日は通常の職長が不在)が指示し、行った。
2.層間養生は各層に行う計画となっていたが、次工程(重機による建物解体)に追われていたため、後からまとめて行う手順となっていた。
3.上記について、担当者は1次業者に是正指示を出していた。
発生原因
1.墜落の恐れがある場所に立入った
(立入禁止措置を行っていなかった)
安衛法29,31
安衛法21,23 安衛則519,540
2.作業主任者の選任が不明確 安衛法14 安衛則565
3.下から行う層間養生が行われていなかった。
防止対策
1.現場巡回時に危険箇所の点検、及び立入禁止措置状況の点検を徹底する。
(元請、事業者)
2.作業主任者の選任を確認し指示命令系統を明確にする。
3.「決められたことは、守る、守らせる」
守られていないときは、作業を中止し再指導を行うこと。
参考になったでしょうか。
日々の作業の一つ一つに対し、安全意識を強く持ち、工事を進めてゆくことが大切ですね。
今後もこのような記事を掲載する予定です。
事故・災害事例とその対策―再発防止のための処方箋
危険な場所のフェンス、パイプ類などの安全保護にトラクッション マルガタ TRC-69A
今年度は、これが最後の記事になります。
来年度もよろしくお願いいたします。
とある現場(役所)にて、技能士選定通知書を作成し、提出することになりました。
今回は、この「技能士」に関して、記事に致します。
技能士(ぎのうし)とは、技能検定に合格した人に与えられる国家資格です。
法律では、職業能力開発促進法第50条に規定されています。
技能検定に合格しないと名乗ることはできない名称独占資格であり、名乗った場合は法律で罰せられます。
労働技能の認定は厚生労働省が所管し、中央職業能力開発協会に委託されたものを各都道府県職業能力開発協会が試験実施することが多いですが、一部の職種では民間の指定試験機関が実施します。
等級として、特級、1級、2級、3級の区分がある職種と、単一等級のみで区分がない職種があります。
外国人研修制度や技能実習制度の外国人の研修生や実習生に対しては、「基礎級」として、基礎1級、基礎2級、随時3級の区分があり、職種の中で作業や業務の内容によって分類されている職種もあります。
1級、および、単一技能等級の技能検定合格者は、当該職種の職業訓練指導員免許を取得することができます。
また、2級の技能検定合格者は、職業訓練指導員試験の実技試験が免除されます。
建設業については、建設業法第7条第2号ハの知識及び技術又は技能を有するものと認められる者、解体業については解体工事業に係る登録等に関する省令第7条1項のホの技術管理者になることができます。
技能検定の職種に応じた建設業関係の技能士一覧は下記です↓
建設関係技能士
造園技能士
さく井技能士
建築板金技能士
冷凍空気調和機器施工技能士
石材施工技能士
建築大工技能士
枠組壁建築技能士
かわらぶき技能士
とび技能士
左官技能士
れんが積み技能士
築炉技能士
ブロック建築技能士
エーエルシーパネル施工技能士
コンクリート積みブロック施工技能士
タイル張り技能士
配管技能士
浴槽設備施工技能士
厨房設備施工技能士
型枠施工技能士
鉄筋施工技能士
コンクリート圧送施工技能士
防水施工技能士
樹脂接着剤注入施工技能士
内装仕上げ施工技能士
スレート施工技能士
熱絶縁施工技能士
カーテンウォール施工技能士
サッシ施工技能士
自動ドア施工技能士
バルコニー施工技能士
ガラス施工技能士
ウェルポイント施工技能士
建築図面製作技能士
塗装技能士
路面標示施工技能士
広告美術仕上げ技能士
現在、1級技能士現場常駐制度が運用されています。
これは、
官庁営繕に関する関係省庁連絡会議が決定した公共建築士事標準仕様書の建築工事編及び機械設備工事編において、技能士について次のように規定され、個別の営繕工事の発注の際、特記仕様において技能士の適用及び適用対象工事種別が示された場合に、当該工事の適用工事種別の作業について1級技能士現場常駐の義務が課されるものです。
今回私が提出した書類(技能士選定通知書)は、この制度に基づいています。
「平成16年版 公共建築工事標準仕様書(抄) 」
1・5・2 技能士
技能士は次により、適用する技能検定の職種及び作業の種別は、特記によります。
(1) 技能士は、職業能力開発促進法による一級技能士又は単一等級の資格を有する者とし、資格を証明する資料を、監督職員に提出する。
(2) 技能士は、適用する工事作業中、1名以上の者が自ら作業をするとともに、他の技能者に対して、施工品質の向上を図るための作業指導を行う。
実際に私が作成した、技能士選定通知書です↓
(クリック拡大)
建設業ではありませんが、変わったところで、ウェブデザイン技能士(ウェブデザインぎのうし)があります。
この資格は、国家資格である技能検定制度の一種で、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関(特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会) が実施するウェブデザインに関する学科及び実技試験 (ウェブデザイン技能検定) に合格した者を指します。
これからの時代、技能士に限らずいろいろな資格は、ますます重要視されると考えています。
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カテゴリー「05.建設リサイクル法」を新設してから、半年経ちます。
今回は、肝心のこの法律の基本に関して簡単に記述いたします。
この法律(建設リサイクル法)は、平成12年5月24日、第147国会において成立、5月31日に完全実施されました。
その概要は、
- 建築物等に係わる分別解体等及び再資源化等の義務付け
- 分別解体等及び再資源化等の実施を確保するための措置
- 解体工事事業者の登録制度の創設
- 再資源化及び再生資材の利用促進のための措置等
となります。
当時は、講習会などがたくさん開かれ、この新しい法律に関して理解をしてゆきました。
もう少し、ごくごく簡単に表現すると、
「コンクリート、アスファルト、木材など特定資材を用いる建築物を解体する際に廃棄物を現場で分別し、資材ごとに再利用することを解体業者に義務づける」
このような法律です。
この法律ができた経緯が、環境省のホームページに掲載されています。(抜粋↓)
近年、廃棄物の発生量が増大し、廃棄物の最終処分場のひっ迫及び廃棄物の不適正処理等、廃棄物処理をめぐる問題が深刻化しています。
建設工事に伴って廃棄されるコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材の建設廃棄物は、産業廃棄物全体の排出量及び最終処分量の約2割を占め、また不法投棄量の約6割を占めています。
さらに、昭和40年代の建築物が更新期を迎え、今後建設廃棄物の排出量の増大が予測されます。
この解決策として、資源の有効な利用を確保する観点から、これらの廃棄物について再資源化を行い、再び利用していくために、建設リサイクル法が制定されました。
それでは、もう少し掘り下げてみてゆきます。
A.一定規模以上の建築物や土木工作物の解体工事、新築工事等では、分別解体と再資源化の実施義務があります。
一定規模以上の建築物や土木工作物の解体工事、新築工事等(対象建設工事)については、その建築物等に使用されているコンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート(特定建設資材)を現場で分別することが義務づけられました。
また、分別解体をすることによって生じたコンクリート廃材、廃木材、アスファルト廃材(特定建設資材廃棄物)について、再資源化が義務づけられました。
ここで言うところの一定規模以上の規定が下記条文です↓
対象建設工事(第9条)
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事及び特定建設資材を使用する新築工事であって、その規模が一定基準以上のものをいいます。
- 床面積 の合計が80㎡以上の建築物の解体工事
- 床面積の合計が500㎡以上の建築物の新築・増築工事
- 1・2以外の建築工事で請負代金額が1億円以上の工事
- 建築物以外の工作物の解体工事または新築工事等で請負代金額が500万円以上の工事
ここは非常に大事な条文なので覚えておくと役立つでしょう。
ここまで何度が出てきている「特定建設資材」の定義は、次の4品目です。
1.コンクリート
2.コンクリート及び鉄からなる建設資材(RC造を解体した鉄筋混じりのコンクリートガラ等)
3.木材
4.アスファルト・コンクリート
次に、届出に関してです。
B.対象建設工事の届出等
第10条 対象建設工事の発注者又は自主施工者は、工事に着手する日の7日前までに、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
(1) 解体工事である場合においては,解体する建築物等の構造
(2) 新築工事等である場合においては,使用する特定建設資材の種類
(3) 工事着手の時期及び工程の概要
(4) 分別解体等の計画
(5) 解体工事である場合においては,解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み
(6) その他主務省令で定める事項
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち主務省令で定める事項を変更しようとするときは、その届出に係る工事に着手する日の7日前までに、主務省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 都道府県知事は、第1項又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る分別解体等の計画が前条第2項の主務省令で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から7日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る分別解体等の計画の変更その他必要な措置を命ずることができる。
なお、私が働いている北海道の場合、この届出は、札幌市のみ様式が多少違うのです。
皆さん方の地域ではいかがでしょうか。
詳しい情報がありましたら、御教授ください。
簡単にさわりの部分、基本的な事項に関して説明しました。
今後、この法律は、徐々に熟成し、完成されてゆくと思います。
現に、毎年のように、更新されています。
私は、この分野は得意ではないのですが、勉強してゆかなければと感じております。
「国土交通省のリサイクルホームページ」は、いろいろな事項が分かりやすく書かれています。
当然最新情報ですので、頻繁に覗いてみることをおすすめします。
建設リサイクル法に関する工事届出等の手引(案)
【送料無料選択可!】廃棄物処理リサイクル法令ハンドブック (単行本・ムック) / 溝呂木 昇 編著
久しぶりのカテゴリー「33.安全管理」の記事です。
00.建築関連法「04.労働安全衛生法」より、
第4章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第20条~第36条)
第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)の中の、
「1.協議組織の設置及び運営を行うこと。」に関して説明します。
建設業や造船業において、元請・下請間や下請間同士の連絡調整不足による災害を防止するために、特定元方事業者には、協議組織の設置が義務付けられています。
これは、全ての関係請負人が参加する組織となっています。
(安衛法第30条、安衛則635条)
一般的には、「災害防止協議会「安全衛生協議会」などと呼ばれていますが、安全衛生法にも、安全衛生規則にも、その呼称については書かれていません。(私の調べた範囲ですが。。)
さて、基本的な言葉の説明ですが、
特定元方事業者とは?
特定事業(建設業・造船業)を行う元方事業者のことであり、
元方事業者とは?
一の場所において行う、事業の仕事の一部を、請負人に請け負わせている事業者で、最も先次の請負契約における注文者
のことを指します。
ここで、安全衛生法第30条をすべて記載します。
なお、「法庫.com」さんの、法令を参考にさせていただきました。
「労働安全衛生法」
(特定元方事業者等の講ずべき措置)
第30条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
1.協議組織の設置及び運営を行うこと。
2.作業間の連絡及び調整を行うこと。
3.作業場所を巡視すること。
4.関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
5.仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
6.前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
この、第30条の安全衛生法に基づいて、次の安全衛生規則第635条が、規定されています。
(協議組織の設置及び運営)
第635条 特定元方事業者( 法第15条第1項 の特定元方事業者をいう。以下同じ。)は、 法第30条第1項第1号 の協議組織の設置及び運営については、次に定めるところによらなければならない。
(1) 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。
(2) 当該協議組織の会議を定期的に開催すること。
2 関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。
(安衛則第635条)
この中で、(2)会議を定期的に開催すること。
この文章なのですが、通常、開催される協議会は、月に一回程度です。
この「定期的」という言葉がどの程度を指しているのが具体的な日数は、決められていません。
(これも私の調べた範疇ですが。。。)
いずれにしても、このような法に基づいて、一定の協議会を開く義務が特定元方事業者には課せられているということです。
以前の記事「車両系建設機械作業計画書」にも書きましたが、
労働安全衛生法及び関係政省令の体系として、一番基本になるのが「日本国憲法第27条」です。
ここからすべてが始まり、次に「労働基準法」が、くるのです。
さらに、労働安全衛生法(安衛法)、労働安全衛生法施行令(安衛法施行令)、労働安全衛生規則、関係省令(安衛則)と体系づけられています。
某現場における、災害防止協議会の議事録です↓
一般的には、このような内容で開催されていることが多いようです。
(クリック拡大)
A4用紙で1枚なのですが、3枚の写真に分けています。



実際に某現場における、災害防止協議会の様子です↓
(クリック拡大)

常日頃、法に基づいた協議組織を確実に運営し、現場を安全に進めることは、現場員の当然の義務と言ってよいでしょう。
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