今回は、某建築工事現場にて行われた消防竣工検査のなかの、水圧解錠の検査を紹介します。
カテゴリーは、「000.建築関連法」の「02.消防法」としました。
このカテゴリーとしては、初めての記事です。
そもそも、消防法(しょうぼうほう、昭和23年7月24日法律第186号)とは、
「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」(1条)を目的とする法律です。
その内容は、下記の章に分類されています↓
* 第1章 – 総則(第1条~第2条)
* 第2章 – 火災の予防(第3条~第9条の3)
* 第3章 – 危険物(第10条~第16条の9)
* 第3章の2 – 危険物保安技術協会(第16条の10~第16条の49)
* 第4章 – 消防の設備等(第17条~第21条)
* 第4章の2 – 消防の用に供する機械器具等の検定等(第21条の2~第21条の16の6)
* 第4章の3 – 日本消防検定協会等(第21条の17~第21条の57)
* 第5章 – 火災の警戒(第22条~第23条の2)
* 第6章 – 消火の活動(第24条~第30条)
* 第7章 – 火災の調査(第31条~第35条の4)
* 第7章の2 – 救急業務(第35条の5~第35条の9)
* 第8章 – 雑則(第35条の10~第37条)
* 第9章 – 罰則(第38条~第46条の5)
* 別表 – 第1、第2(第21条の46関係)、第3(第21条の46関係)
この消防法の下位法令として、下記があります↓
* 消防法施行令
* 消防法施行規則
* 危険物の規制に関する政令
この法律に基づくと、消防検査とは、
「消防法17条
学校・病院・その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は政令で定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持しなければならない」
に基づき、建築物が適正かどうか判断し、検査するものです。
つまり通常、工事などで消防設備を新設・改修した場合に最終検査として消防が立ち会って機能検査をするものをいいます。
部分的な中間検査も実施されています。
不具合がある場合や指摘事項がある場合は、是正措置をしないと、検査済票が交付されません。
これが交付されないと建物の使用自体が違法行為となります。
これと似たものに、消防査察があります。
査察はすでに使用している建物を見て、問題がないか消防がチェックするものです。
消防査察で指摘を受けると、改善計画書とか改善回答書などの書類を作り、提出します。
原則的にはこのような書類を出して、改善すれば査察は完了です。
現在の消防法では、消防が建物の使用禁止命令を出すことができますので、これが出ると建物を使用することが、できなくなります。
消防検査の内容としては、
火災の発生時に安全に避難する事ができるか
停電の時に誘導灯が動力なしに点灯するか
火災報知器が正しく作動するかどうか
消火栓・消火器などが的確な位置に配置されているか
など多種多様にわたっており、大きな建物になると、一日がかりにもなります。
そのなかで今回は、水圧解錠装置の検査です。
この装置は、万一、火災等が発生した場合に、外部から消防放水の水圧で手動シャッター等を開放する装置です。
シャッター等を破壊することなく、素早く開放できますので、敏速な消火・救助活動が行えます。
この他にも検査を受ける設備は下記のようなものがあります。
消火設備
*消火器具 *屋内消火栓設備 *スプリンクラー設備
*泡消火設備 *粉末消火設備 *不活性ガス消火設備
*ハロゲン化物消火設備 *水噴霧消火設備 *屋外消火栓設備
*動力消防ポンプ設備 *ドレンチャー設備
警報設備
*自動火災報知設備 *ガス漏れ火災警報設備 *漏電火災警報器
*消防機関へ通報する火災報知設備
*非常警報設備[非常ベル・自動式サイレン・放送設備]
避難設備
*避難器具 *誘導灯 *誘導標識
消火活動上必要な施設等
*消防用水 *排煙設備 *連結散水設備
*連結送水管 *非常コンセント設備 *無線通信補助設備
火災発生のおそれのある設備及び少量危険物等の届出
熱風炉・炉・厨房設備・温風暖房機・ボイラー・給湯湯沸設備・乾燥設備サウナ設備・
ヒートポンプ冷暖房機・火花を生ずる設備・放電加工機燃料電池発電設備・変電設備・
発電設備・蓄電池設備・ネオン管灯設備
水圧解錠装置は、火災時に、送水口に消火ホースで水圧をあたえることにより、鍵を使用せずに錠前を解錠することができます。
それでは、消防の水圧解錠検査です。
某倉庫新築現場にて、外部に設置した鋼製両引戸に、水圧解錠を取付けました↓
(クリック拡大)
左側の写真が、外部から見た装置です。
消のマークは、シール張付けです。
その下の装置に、水をかけます。
そうすると、右側写真(内部)の赤丸部分の棒状シリンダーが下がり、鍵を解錠します。
仕組み自体はとても単純です。
なお、放水する水圧の規定等が定められております。

放水状況です↓
(クリック拡大)

設置届けの用紙の見本です↓
(クリック拡大)

わたしの30年前の卒業研究のテーマは、「アメリカにおけるシステム防災の仕組み」というものでした。
その当時の担当教授が、日本における火災防止設備は、「花魁のかんざし」だ。
このような表現をよく使っていました。
つまり、たくさんあって豪華に見えるが、役には立たない。
火災予防にたいして一番有効な設備は、「スプリンクラー設備」であって,これさえ全ての建物に完全に設置していれば(もちろんメンテも含めて)他は何一つ必要としない。
簡潔に基本的なことを話せばこのような内容でした。
30年後の今も、わたしの頭の中に残っています。
(昨晩の夕食の献立を忘れるほどの、とりあたまのなかに。。。)
確かに、前述した、消火設備・警報設備・避難設備だけをとっても非常に多くの設備規定があります。
しかし、スプリンクラー設備の一番のマイナス要素は、費用です。
イニシャルコストもかかりますが,ランニングコストもかかります。
(用語の意味は以前の記事を参照)
また、絶対に誤作動を起こしてはいけません。
全てがそれこそ水の泡です。
いろいろな諸条件のなかで、単純に導入するのは、現在の消防法では困難な部分も多いのではないでしょうか。
もちろん一定の用途・規模の建物には必ず設置しなければならない規定には、なっているのですが。
とにかく、火災は起こってしまってからでは手遅れです。
その被害は全てのものを消失してしまいます。
建物を造る側にも、使用する側にも、同じように、常に火災に対して関心を持ち、注意することが必要ではないでしょうか。
(消防法は奥が深く、後日また紹介したいと考えております)
特殊消化剤強化液の威力で抜群の消化力てんぷら鍋火災の消火に最適わが家の消防士 シュッパー
消防設備士のことなら – sirube
新しい親カテゴリーを本日より作りました。
「000.建築関連法」と名付けます。
建築に、関連のある法律を、わかりやすく紹介することを目的とします。
気楽に眺めていただければ幸いです。
さて、最初に紹介するのはカテゴリー「01.建築基準法」です。
建築基準法(けんちくきじゅんほう、昭和25年5月24日法律第201号)は、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律で、建築法規の根幹を成す法律です。
建築に携わっている人間であれば、必ず一番に触れるのが、この基準法です。
それぞれに、建築物を建設する際や建築物を安全に維持するための技術的基準などの具体的な内容が示されています。
目次です。
* 第1章 – 総則(第1条~第18条)
* 第2章 – 建築物の敷地、構造及び建築設備(第19条~第41条)
* 第3章 – 都市計画区域内の建築物の敷地、構造及び建築設備(第41条の2~第68条の9)
o 第1節 総則(第41条の2・第42条)
o 第2節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等(第43条~第47条)
o 第3節 建築物の用途(第48条~第51条)
o 第4節 建築物の敷地及び構造(第52条~第60条)
o 第4節の2 都市再生特別地区(第60条の2)
o 第5節 防火地域(第61条~第67条)
o 第5節の2 特定防災街区整備地区(第67条の2)
o 第6節 景観地区(第68条)
o 第7節 地区計画等の区域(第68条の2~第68条の8)
o 第8節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地 (第68条の9)
* 第4章 – 建築協定(第68条の10~第68条の26)
* 第5章 – 建築審査会(第69条~第77条)
* 第6章 – 雑則(第84条~第97条の6)
* 第7章 – 罰則(第98条~第103条)
* 別表
o 別表第1
o 別表第2
o 別表第3
o 別表第4
最初に、基準法に示されている、建築の定義を紹介します。
第1章 総則(第1条−第18条の3)の中の、(法2条十三号)に、下記のように書かれています。 「建築」建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
さてそれでは、その建築物とは何を指すのでしょうか?
これは、同じ(法2条一号)に、記されています。
「建築物」
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの
(これに類する構造のものを含む)
これに附属する門若しくは塀
観覧のための工作物
地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫
その他これらに類する施設
(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く)
をいい、 建築設備を含むものとする。
どうでしょうか。 結構、迷いますよね。
ちなみに下記は建築物です↓
1. 現場の事務所
2. 球場、競馬場
3. 電話ボックス・アーケード
4. サーカスのテント小屋
ただし、サイロ、ガスタンクなどは建築物からは除外されるようです。
施工屋あがりの私なので、法律は専門ではありませんが、施工する際に当然必要となる法規を中心に記事を書きたいと考えています。
今後、基準法をはじめとし、建築士法、建設業法、都市計画法、各施行令などなど、紹介してゆきます。
数ある建築法令集の中でも、私のおすすめは下の4冊です。
建設業法、消防法等の関連法も載っているものもあり、使いやすいものを手に入れてみてください↓
![]()
車両系建設機械の安全作業計画書に関して、記載致します。
今回の記事より、カテゴリーに「33.安全管理」なる分類を、追加致しました。
以前より、安全関係の記事はたくさん掲載したいと考えているのですが、なかなか筆が進まず、ようやく三度目の記事です。
過去記事は、以下になります。
2008/8/3「安全大会AED(自動体外式除細動器)講習」
2007/5/15「安全掲示板」
少し横道にそれますが、労働安全衛生法及び関係政省令の体系として、一番基本になるのは「日本国憲法第27条」です。
つまり、
「全ての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
児童は、これを酷使してはならない。」
ここからすべてが始まり、次に「労働基準法」が、くるのです。
さらに、労働安全衛生法(安衛法)、労働安全衛生法施行令(安衛法施行令)、労働安全衛生規則、関係省令(安衛則)と体系づけられています。
そのなかで、「安衛法第29条2」が、以下です。
「機械が転倒するおそれのある場所・労働省令で定める場所において、作業をおこなうときは、元方事業者として関係請負人に対して、関係請負人が危険防止措置が適切に講ぜられるよう、技術上の指導をするとともに、危険防止のための必要な資材の提供や関係請負人と共同して、危険防止の措置を講じなければいけない」
さらに、「安衛法第634条の2」において、
「法第29条の2の労働省令で定める場所とは、「機械が転倒する場所」であり、対象機械は、「移動式クレーン」「基礎工事用機械」である」とあります。
そして、「安衛法第30条の2の五項」にて、
「特定元方業者は、作業の工程、作業に使用する機械・設備等の計画を作成するとともに関係請負人が作成した作業計画が、特定元方の計画と適合しているか、確認と指導しなければならない」とあり、
「安衛法 第155条」において、
「車両系建設機械は、作業方法・運行経路・機種・能力を定め、計画に基づき作業を行う」と決められています。
車両建設機械作業計画書の一般的な記載項目です。
1.作業所長、元方管理者、担当者名
2.作業所名、会社名、作成者名
3.作業期間
4.機械名称、能力、台数、所有者、運転者
機械の種類としては、
□整地・運搬・積込機械
□掘削機械
□基礎工事用機械(杭打ち機含む)
□締固機械
□解体用機械
□コンクリート打設用機械
などがあります。
5.作業計画内容、作業主任者名、作業識者名、指揮者名、作業場所及び作業範囲と運行経路図
(機械位置、付随する機械設備、移動経路と移動位置、安全通路、立入禁止区域、制限速度、誘導者位置等を記入)
下図参照(クリック拡大↓)

6.合図の方法
・手 ・笛 ・旗 ・無線等を明記
7.危険範囲立入禁止措置
・監視人 ・バリケード ・トラロープ ・カラーコーン ・警報装置
8.地形
・平地 ・傾斜地( 度) ・段差地 ・作業面(広い)(狭い)
9.地質
・硬岩 ・軟岩 ・礫 ・砂礫 ・砂 ・シルト ・粘性土 ・泥炭
10.埋設物・架空線近接と防止措置
埋設物 ・無し ・有り(GL-m) 架空線 ・無し ・有り(離れ m)
防護方法( )
11.機械転倒危険場所と防護の方法
・無し ・有り
防護方法( )
12.作業方法・内容
(具体的、簡潔に記入)
13.安全対策
(予測危険に対する措置)
以上のような計画書を作成し、作業前及び作業中にも、確認しながら建設機械を使用しなければなりません。
これは、法律で決まっていることなのです。
その大義は、最初に紹介した日本国憲法ではないでしょうか。
全ての国民の労働に対する権利と義務です。
各車両系建設機械の写真です↓

土木、建築、港湾、トンネル等の機械技術と施工技術を扱う建設機械の技術専門誌【年間購読】建…
<NHK DVD>[DVDソフト] 働くクルマ Working Vehicles Graphic 081003kd2p
マルカNゲージスケール建設機械車両コレクションシリーズザ・建機ハイパーコンストラクションタ…
現場に掲載する安全掲示板です。
通常、現場事務所の近くに設置し、朝礼等は、この掲示板の前にて行う事が多いです。
なにを掲示しなければならないという決まりは特別ありませんが、通常掲示するものを紹介します。
まず最初に作業主任者の掲示です。
作業主任者とは、労働安全衛生法(安衛法14条)とその関連法令(安衛令6条、安衛則16、17条)により定められた労働災害防止のための、一つの制度です。
事業者が業務を労働者におこなわせる場合において、その業務の全部又は一部に「労働災害の危険性・おそれ」がある場合、それらの業務を行う労働者の中から一定の要件(資格)を満たす者を「作業主任者」として選任し、当該作業に従事する労働者に対する指揮を行わせなければならないこととされています。
事業者から作業主任者に選任されるためには、当該業務に関連する免許を所持するか、又は都道府県労働局長等が行う技能講習を修了していなければなりません。
各工種の作業により、作業主任者が必要になります。
例えば、型枠工事の場合は、支保工の高さが3,5m以上の作業の場合、作業主任者が必要になります。
次に有資格者表示です。
ここで表現される有資格者とは、技能検定により、取得した技能士免許資格をあらわします。
技能検定は、労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、これを公証する国家検定制度です。
労働者の技能と地位の向上を図り、国の産業の発展に寄与しようとするものであって、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に基づいて実施されています。
技能検定は、労働者の技能習得意欲を増進させるとともに、労働者の雇用の安定、円滑な再就職、労働者の社会的な評価の向上に重要な役割を有するものです。
平成15年度には全国で約45万人が技能検定を受検し、約18万人が合格しており、技能検定制度が開始された昭和34年度から平成15年度までの累計では、延べ約661万人が技能検定を受検し、延べ約296万人が合格して技能士となっています。
他には、「安全施工サイクル」「今月の安全スローガン」「無災害記録表」「安全当番」「お知らせ」「クレーンなどの合図法」「玉掛けワイヤー点検項目」等を掲示する事が多いです。
下記写真は一般的な安全掲示板です↓
サイト内検索
カテゴリー
月別記事
最新コメント
- 鉄筋のかぶり確保 に kazzzz より
- 鉄筋のかぶり確保 に tsutomu takarada より
最新 24時間 人気記事ベスト3
- 塗膜防水工法(ウレタン防水): 91 view(s)
- 軽量鉄骨天井下地(LGS工法): 86 view(s)
- 現場経費と一般管理費: 75 view(s)






