いままで、「33.安全管理」のカテゴリーは、12回、記事を書いてきました。
今回は、電動工具の絶縁を調べる機器を紹介します。
最近は、携帯にも便利で、簡易な優れものが多々そろっています。
そのなかで「テンパールMC−3」を、現場で使用しました。
この機器の特長は、下記です。
- ポケットサイズで携帯可能です。
- 2つの項目が同時チェックできます。
- a.電動工具のACラインと本体表面間の絶縁良否
- b.電動工具の本体表面とアース線(プラグ側)の導通
- 操作は測定ボタンを押すだけです。
- 合否結果がランプ点灯(4種類)ですぐわかります。
- 二重絶縁工具も付属の接続リード線を使用して測定可能です。
それでは、さっそく測定してみます。
- 電動工具のプラグを、本器のコンセントに差し込みます。
- アース線を本器のアース端子に接続します。
- 付属の測定リード線のプラグを本器のシャーシ端子に差し込みます。
- 測定リード線のクリップを電動工具の本体表面に接続します。
- 電動工具のスイッチをON状態に保持します。
- 本器の測定ボタンを押します。
実際に、現場において測定をしている状況です。
測定している電動工具は、電動ピックと、電動サンダーです↓
(クリック拡大)


測定結果がすぐに表示されます。
四つの、合格ランプ・不良ランプ・断線ランプ・電池ランプが、それぞれ点灯します。
この測定結果によって、以下の判断がなされます。
※合格ランプ
絶縁抵抗1Mω以上・アース線良
※不良ランプ
絶縁抵抗1Mω未満・アース線良
※断線ランプ
アース線不良または、測定リード線接続不良
※電池ランプ
本器の性能が保たれる電池電圧のとき
下記写真は、異常な場合と、正常機器の場合のランプ点灯状況です↓
(クリック拡大)
この機器の仕様です。
- 絶縁測定 JIS C 1302-1994 に準拠
- 定格電圧 DC500V
- 定格測定電流 0.5mA
- 判定値 1MΩ以上”合格”
- 無負荷電圧 650V以下 導通測定
- 判定値 500Ω以下
- 使用温湿度範囲 0~40℃
- 保存温湿度範囲 -10~60℃
- 使用電池/電池の寿命 単3電池 4個/100回/日の測定で約1ヶ月
- 電池消耗表示 電池ランプによる
- 絶縁抵抗 DC500V 50MΩ以上(内部電気回路と外箱間)
- 耐電圧 AC3700V 1分間(内部電気回路と外箱間)
- 質 量 約210g(電池含)
- 外形寸法(mm) L165×W71×H35
- 付属品 測定リード線:1本、接続リード線:1本、単3電池:4個、 自己チェック用抵抗1ヶ、携帯用ケース1ヶ
- 型式 MC-3A
- 標準価格 14,400円
これから先も、現場において安全は最優先されます。
安全を充分考慮し、 感電事故などを起こさないためにも、このような簡易で正確な、点検機器が必要と考えます。
今回は、建築工事現場における災害事故例を紹介します。
紹介する災害事故は、下記です。
土建区分 建築
工事区分 解体工事(足場組立)
災害種類 墜落・転落
事故の型 墜落
職種 鳶工
年齢 19歳
発生年月 200×年×月
発生時刻 15時50分
負傷程度 両足骨折(頚骨)
経験年月 1年9ヶ月
現場就労日数 60日
請負次数 三次
被災者は、ビル解体工事の防護足場の塔屋外部足場用の防音パネルを、事前に切断していた既存手摺から屋上端部へ運搬していました。
その際、残した巾木につまづきバランスを崩し、前のめりに転倒し、そのまま外部足場と躯体間(幅約70cm)から約17m下に墜落、被災しました。
(墜落途中、ダクトフード、壁つなぎパイプにぶつかる)
1.屋上まわりの層間養生を行っていたが、材料不足のため他の作業員が材料を取りに行っている間に、次の日の段取りのため防音パネル移動を職長代理(当日は通常の職長が不在)が指示し、行った。
2.層間養生は各層に行う計画となっていたが、次工程(重機による建物解体)に追われていたため、後からまとめて行う手順となっていた。
3.上記について、担当者は1次業者に是正指示を出していた。
発生原因
1.墜落の恐れがある場所に立入った
(立入禁止措置を行っていなかった)
安衛法29,31
安衛法21,23 安衛則519,540
2.作業主任者の選任が不明確 安衛法14 安衛則565
3.下から行う層間養生が行われていなかった。
防止対策
1.現場巡回時に危険箇所の点検、及び立入禁止措置状況の点検を徹底する。
(元請、事業者)
2.作業主任者の選任を確認し指示命令系統を明確にする。
3.「決められたことは、守る、守らせる」
守られていないときは、作業を中止し再指導を行うこと。
参考になったでしょうか。
日々の作業の一つ一つに対し、安全意識を強く持ち、工事を進めてゆくことが大切ですね。
今後もこのような記事を掲載する予定です。
事故・災害事例とその対策―再発防止のための処方箋
危険な場所のフェンス、パイプ類などの安全保護にトラクッション マルガタ TRC-69A
今年度は、これが最後の記事になります。
来年度もよろしくお願いいたします。
久しぶりのカテゴリー「33.安全管理」の記事です。
00.建築関連法「04.労働安全衛生法」より、
第4章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第20条~第36条)
第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)の中の、
「1.協議組織の設置及び運営を行うこと。」に関して説明します。
建設業や造船業において、元請・下請間や下請間同士の連絡調整不足による災害を防止するために、特定元方事業者には、協議組織の設置が義務付けられています。
これは、全ての関係請負人が参加する組織となっています。
(安衛法第30条、安衛則635条)
一般的には、「災害防止協議会「安全衛生協議会」などと呼ばれていますが、安全衛生法にも、安全衛生規則にも、その呼称については書かれていません。(私の調べた範囲ですが。。)
さて、基本的な言葉の説明ですが、
特定元方事業者とは?
特定事業(建設業・造船業)を行う元方事業者のことであり、
元方事業者とは?
一の場所において行う、事業の仕事の一部を、請負人に請け負わせている事業者で、最も先次の請負契約における注文者
のことを指します。
ここで、安全衛生法第30条をすべて記載します。
なお、「法庫.com」さんの、法令を参考にさせていただきました。
「労働安全衛生法」
(特定元方事業者等の講ずべき措置)
第30条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
1.協議組織の設置及び運営を行うこと。
2.作業間の連絡及び調整を行うこと。
3.作業場所を巡視すること。
4.関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
5.仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
6.前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
この、第30条の安全衛生法に基づいて、次の安全衛生規則第635条が、規定されています。
(協議組織の設置及び運営)
第635条 特定元方事業者( 法第15条第1項 の特定元方事業者をいう。以下同じ。)は、 法第30条第1項第1号 の協議組織の設置及び運営については、次に定めるところによらなければならない。
(1) 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。
(2) 当該協議組織の会議を定期的に開催すること。
2 関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。
(安衛則第635条)
この中で、(2)会議を定期的に開催すること。
この文章なのですが、通常、開催される協議会は、月に一回程度です。
この「定期的」という言葉がどの程度を指しているのが具体的な日数は、決められていません。
(これも私の調べた範疇ですが。。。)
いずれにしても、このような法に基づいて、一定の協議会を開く義務が特定元方事業者には課せられているということです。
以前の記事「車両系建設機械作業計画書」にも書きましたが、
労働安全衛生法及び関係政省令の体系として、一番基本になるのが「日本国憲法第27条」です。
ここからすべてが始まり、次に「労働基準法」が、くるのです。
さらに、労働安全衛生法(安衛法)、労働安全衛生法施行令(安衛法施行令)、労働安全衛生規則、関係省令(安衛則)と体系づけられています。
某現場における、災害防止協議会の議事録です↓
一般的には、このような内容で開催されていることが多いようです。
(クリック拡大)
A4用紙で1枚なのですが、3枚の写真に分けています。



実際に某現場における、災害防止協議会の様子です↓
(クリック拡大)

常日頃、法に基づいた協議組織を確実に運営し、現場を安全に進めることは、現場員の当然の義務と言ってよいでしょう。
業種別安全衛生規程&書式集―「メンタルヘルス」・「過重労働」問題にも対応!
日本法令書式提供WEBシステム日本法令 ネット703 Word /Excelでつくる 簡単作成!建設工事管理…
仮設工事における外部足場に関して、記述致します。
以前、「外部足場組立状況」という記事を掲載しました。
その時は、建築工事における足場という概念、種類、形状などを書かせていただきました。
今回は、その足場の「手すり先行工法」を紹介します。
建設業における死亡災害のうち、墜落による落下災害が過去にもっとも多く、その中でも足場からの墜落による災害が、非常に高い割合を占めています。
そこで、足場からの墜落災害等を防止する有効な対策として、足場の組立・解体時の「手すり先行工法」が開発されました。
一言で表現すると、手すり先行工法とは、足場の組み立て・解体作業を、常に二段手すりが先行されている状態で行うことが出来る工法です。
この工法の主目的は、
足場の設置を必要とする建設工事において、手すり先行工法による足場の組立て、解体又は変更の作業を行うことにより、働きやすい安心感のある足場作りと、労働者の足場からの墜落等を防止し、併せて快適な職場環境の形成に資することです。
手すり先行工法には、「手すり先送り方式」「手すり据置方式」「手すり先行専用足場方式」の3方式があります。
基本的な組立解体方法は、
◆足場の組み立て作業を行う場合…
労働者が一層上の足場の作業床を設置する前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手摺りを先行して設置。
◆足場の解体作業を行う場合…
最上層の作業床を取り外すまで、最上層の作業床の端に手すりを残置。
となります。
それでは、それぞれの工法を説明します。
手すり先行工法による足場設置基準(概要)
A.手すり先送り方式
足場の組立・解体または変更の作業で、足場の最上層に床付き布枠等の作業床を取付ける前に、最上層よりいっそうしたの作業床上から、建枠の脚柱等に沿って上下スライド等が可能な手すり又は手すり枠を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

B.手すり据置方式
足場の組立・解体または変更の作業において、足場の最上層に作業床を取付ける前に、最上層よりいっそうしたの作業床上から、据置き型の手すり又は手すり枠を当該作業床の端となる箇所に先行する方式であり、また最上階の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の据置き手すり機材を残置して行う方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

C.手すり先行専用足場方式
鋼管足場用の部材及び付属金具の企画の適用除外が認められた枠組足場であり、足場の最上層に作業床を取付ける前に、当該作業床の端となる箇所に、最上層より一層下の作業床上から手すりの機能を有する部材を設置することができ、かつ最上層の作業床を取り外す時は、当該作業床の端に手すりの機能を持つ部材を残置して行うことが出来る構造の手すり先行専用のシステム足場方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

下記写真は、某現場において手すり先行工法の「据置工法」にて施工している状況です↓
(クリック拡大)

某現場における、手摺先行足場の、完成です↓
(クリック拡大)

足場上の高い緊張状態が要求される作業を改善するためには、関連する労働安全衛生関係法令の全ての規定を満たした上で、定められた基準を満たす働きやすい安心感のある足場とすることが大切であると考えます。
働きやすい安心感のある足場構築に向け、最善の工法を採用することが、これからの労働災害防止に大きく関与してくるのではないでしょうか。
いずれにしても、今後、仮設工事(足場)等に限らず、いろいろな工種において、このような安全に対する新しい工法が採用されてくるようになると思います。
今回の記事は建設業労働災害防止協会のガイドラインを参考にさせていただきました。
足場作業の安全―労働安全衛生規則改正
新しい足場の安全基準
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