1994年、鉄筋のガス圧接工事標準仕様書において、鉄筋ガス圧接部の検査における主たる検査方法の位置づけが、従来の引張試験から、外観検査と超音波探傷検査に変わりました。
最近は、超音波探傷試験が主流となっています。
また、国土交通省大臣官庁営繕部「建築工事共通仕様書」では、鉄筋ガス圧接部の抜取試験方法は超音波探傷試験を標準としています。
原理としては、超音波を鉄筋圧接部に照射し、その反射波を検出することにより、内部の欠陥の有無を測定します。
測定器は、超音波探傷器を使用し、斜角探触子を検査部分にあてがいます。
圧接部に鉄筋軸方向から2反触子K走査法で超音波を入射させると、圧接面が完全に金属結合して欠陥が存在しなければ入射波は圧接面を通過し、反射しません。
しかし、圧接面に欠陥が存在すればそれによって超音波が反射され、その反射波から得られる情報を使って圧接部の評価を行うことができます。
抜取引張試験に比べて、超音波検査は、下記の長所があります。
- その場で合否判定の結果がでます。
- 実際の構造物に使う部材の判定ができます。
- 必要に応じて全数検査が可能です。
超音波探傷試験手順です↓
1.1ロットは、1組の作業班が1日に行った圧接箇所とします。
2.試験の箇所数は1ロットに対し30箇所とし、ロットから無作為に抜き取ります。
3.試験方法及び判定基準は、JIS Z 3062(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)によります。
4.試験従事者は、当該ガス圧接工事に関連がなく、超音波探傷試験の原理及び鉄筋ガス圧接部に関する知識を有し、かつ、その試験方法等について十分な知識及び経験のある者とし、証明する資料等を監督職員に提出します。
5.ロットの合否判定は、ロットのすべての試験箇所が合格と判定された場合に、当該ロットを合格とします。
6.不合格ロットが発生した場合の処置は、合格ロットはそのまま受入れ、不合格ロットは全数検査とします。
7.圧接工事の中止および再開
不合格ロットが発生した場合、圧接工事を中止し、工事の再開は、欠陥の発生原因調査、発生防止措置を施した後に、監理・責任技術者の承認を得なければなりません。
以上が作業手順です。
抜取引張試験手順を示している、以前の記事(鉄筋圧接引張試験5/3)と比較してみてください。
超音波試験が抜取引張試験に比べ、如何に品質管理に適しているのか明確になると思います。
某マンション現場における圧接部超音波試験状況です↓
現在、超音波検査は、主流となり、鉄筋工事を管理する上で欠かせないものとなっています。
JISハンドブック(非破壊検査 2007)
鉄筋工事におけるガス圧接作業に関しては、以前も記事(2007/12/14ガス圧接)に致しましたが、今回はそのガス圧接部分の、破壊検査である引張り試験を紹介します。
鉄筋の圧接部分の検査は、圧接箇所の全数について外観試験を行い、その後、超音波探傷試験又は引張り試験による抜き取り試験を行います。
引張試験は、現場にて抜き取った供試体(鉄筋)を法的試験機関で引張試験機にかけ、切断されるまで引っ張り、基準通りの強度をもっているかを判断する試験です。
引張り試験による抜き取り試験の試験箇所数は、1作業班が1日に施工した箇所数とし、採取数は1ロットに対して3本としています。
作業班ごとの外観試験に合格したもののうち最も外観の悪いものについて行い、その採取箇所は監督職員が指定することが望ましいです。
試験片を採取した箇所は、同種の鉄筋を再圧接により継ぎ足して修正します。
ただし、鉄筋がD25以下の場合にはコンクリート打設等に問題が無ければ鉄筋の納まりを考慮して重ね継ぎ手として修正しても構いません。
試験片の形状は、圧接部を中央とし、長さを以下の規定以上とします。
(10*d*d)+つかみ代以上
※d=異形棒鋼の場合は公称直径、棒鋼の場合は表示の直径
ロットの合否判定は、抜き取った試験片の全数が母材のJIS規格引張り強さ以上で、かつ、圧接面での破断が無い場合を当該ロットの合格とします。
母材のJIS規格引張り強さ以上でも、圧接面で破断した場合に不合格としているのは、圧接面破断を起こすような技量では、圧接技量資格者を信頼出来ないという理由によります。
抜取り試験で不合格ロットが生じた場合には、直ちに圧接作業を中止し、欠陥の発生箇所、圧接面に発生している欠陥の種類を調べて破断面欠陥の発生原因を究明します。
原因が明らかになった時点で、再発防止のための改善措置を検討し、施工計画書の修正等を行った後、作業を行うこととします。
以前から使用されてきたこの試験方法は、下記のような短所があり、品質確認の有効的な手段としては必ずしも満足できるものではありません。
1.抜取率を大きくする事は実質的に不可能であり、目標品質に応じた抜取率を選べない
2.切り取った箇所の再圧接は、端面の処理や加圧の困難さ等の理由により品質的に劣る恐れがある
3.試験結果を得るのに時間を要し、工程的な支障が大きい
そこで最近では、現場で簡便に検査・判定可能であり、高い欠陥検出能を有する非破壊検査法として超音波探傷検査が多く用いられています。
機会を設け、この検査方法に関しても紹介したいと考えています。
下記写真は、某現場における圧接試験体を、試験機関にて検査をしている状況です↓


図解鉄筋コンクリート造建築の積算新版
RC造(鉄筋コンクリート構造)の鉄筋工事において、柱の剪断破壊(せんだん破壊)に抵抗するための鉄筋を、フープ筋または帯筋といいます。
柱の主筋の外回りに水平に巻いて配筋します。
通常の帯筋の他にスパイラル筋と称する螺旋状に連続した形状もあります。
この形状は、継目がないため強度が均一になります。
最近、高層の建築物などでは、「溶接閉鎖型せん断補強筋」と呼ばれる材料が多用されるようになってきました。
これは、電気抵抗溶接(フラッシュバット溶接)によって閉合したせん断補強筋です。
せん断補強筋の溶接部の強度は、母材強度と同等以上の強度を有しています。
継ぎ手が無いため、地震などによって大きな変形が起こっても耐力低下が少なく、安全性の高い構造物の建設が可能となっています。
特長として、定着用の余長、継手がいらず、重量の軽減が図れます。
また、フックが無いため、コンクリートのまわりがよくジャンかなどの発生を少なくし、均一な打設ができます。
フラッシュバット溶接とは、車のボディー等に使われている溶接方法で、溶接材料の介在をせず高電圧による圧接方式です。(従来はアプセットバット溶接と呼ばれていました)
従来のフープを使用している建物において、震災などで、フックが伸びきってはずれ、柱が圧縮力に耐えきれなくなり、座屈し、ワンフロアーだけつぶれてしまうというような事故が起きております。
それだけにフープの性能は非常に重要です。
溶接閉鎖型剪断補強筋は、たくさんのメーカーにていろいろな品名にて、販売されています。
一般的に、加工径は、D10~D16(SD295A、SD345、SD390)、最小加工寸法は、300×300です。
高強度棒鋼を使用した製品もあります。
柱により高い強度と粘り強さをもたせ、耐久性、耐震性を高めています。
近年、鉄筋コンクリート構造建築物の高層化に伴い、RC部材のせん断補強筋に高強度鉄筋を採用するケースが増えており、高強度棒鋼に対する需要も高まっています。
鉄の高騰とともに、災害に対する安全意識が高まっています。
経済性を考慮することも大切ではありますが、今後この分野での技術推進は、ますます発展していくと確信しております。
下記は、某マンションの柱帯筋の写真です。
ワイヤメッシュ(溶接金網)を、紹介します。
建築物構築において、ワイヤメッシュは主に、コンクリートのひび割れ防止等に使用されます。
構造体としては、鉄骨造デッキプレートのスラブ等に敷込み、使用することもあります。
材質は、鉄とステンレスの2種類があり、大きさの一般的な種類は、6*100*100、6*150*150、3*100*100(それぞれ、太さ*升目の大きさ)などがあります。
製品1枚の標準規格寸法は、網幅1m×網長さ2mおよび網幅2m×網長さ4mです。
上記以外の寸法については注文生産となるようです。
製作方法は、縦線と横線を直角に配列させ、交わった点を電気抵抗溶接して製造します。
線径2.0mm以下の溶接金網は、ファインメッシュ金網となります。
敷き込む際の、溶接金網の重ね継手については、日本建築学会「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」によると、下記の規定があります。
1)応力を伝達する溶接金網の重ね継手は、外縁の横線間隔距離を一目+50mmかつ150mm以上とする。
2)ひび割れ防止用など、構造耐力を要しない場合の継手では、最外縁の横線間隔距離を横線間隔
(1目)かつ100mm以上とする。
溶接金網(JISG3532鉄線を使用したCDメッシュ・ワイヤーメッシュ)は工場で一貫した品質管理のもとで規格管理されるため、製品の安定化と配筋精度が確保されるという特徴を持っています。
また、工期の短縮・コストの低減を図れます。(現場にて鉄筋加工組立に比較すると)
コンクリートの打設時には配筋の乱れが少なく、コンクリート硬化後のひび割れ防止には非常に効果的です。
かぶり厚さの規定は、鉄筋に倣います。
標準網目寸法は、50,75,100,150,200,250,300mmで、寸法許容差は、網目寸法に対して±10mm又は±7.5%のうちいずれかの値とします。
北海道では、ロードヒーティングの保護コンクリートのひび割れ防止等に使用することもあります。
下記写真は、某鉄骨造店舗新築現場において、デッキスラブの上に敷いている状態を、スタッフを用いて写している状況です。
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