壁仕上げの工法の一つに、吹付タイル塗装があります。
左官工事(壁塗工法)の一つで、陶磁器質調タイルの肌合いを、吹き付け作業によって得る工法です。
仕上がりの表面がセメント系の複層仕上げ材で、外装用に使われることが多いです。
建築工事共通仕様書においては、「15章 左官工事」の「5節 仕上塗材仕上げ」に分類されています。
よって、官庁工事などの見積書内訳は、左官工事に分類されますが、実際、塗装業者が施工することが多く、民間物件では、塗装工事の見積項目に入れることもあります。
通常、吹付工事とは、吹付タイルやリシン、スタッコなどの仕上材をコンプレッサーを使い、壁仕上げの下地面に吹き付けて仕上げる工事の総称です。
工事手順として、コンクリート面やモルタル塗などの下地に、下塗りをして、主材のベースを吹き付け、模様吹きの上塗りをします。
仕上げは、ローラーやコテ、コンプレッサーなどを使って表面にクレーター状の凹凸模様を付けて仕上げます。
主原料は、合成樹脂などの結合材とけい砂、寒水石、軽量骨材などです。
防水性を高め、モルタルなどの湿式工法の下地材のヘアークラックにもある程度追随できる材料(弾性タイル)もあります。
塗装材としての特徴は、下地への密着性、耐久性に優れており、施工がある程度容易で、安定した仕上がりが可能であることが挙げられます。
ただし、吹き手によってはむらが出たりすることがあり、下地が悪ければ当然剥離、クラックなどの問題が出てきます。
もちろん作業環境における温度管理なども大切です。
コンクリートの場合の下地調整の手順は下記です。
(1) 目違いは,サンダー掛け等により取り除く。
(2) 下地面の清掃を行う。
(3) セメント系2種下地調整塗材(C-2)を,1~2mm程度全面に塗り付けて,平滑にする。
ただし,スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は,省略する。
(4) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は,(3)の下地調整塗材(C-2)に代えて,セメント系1種下地調整塗材(C-1)を平滑に塗り付けることができる。
(5) 下地の不陸調整厚さが3mmを超えて10mm以下の場合は,(3)の下地調整塗材(C-2)に代えて,セメント系下地調整厚塗材2種(CM-2)を平滑に塗り付ける。
下地調整塗材以外の下地調整材には、合成樹脂系シーラー及び合成樹脂パテがあります。
実際に現場において施工する際は、現物見本板を作成し、施工管理をします。
塗装工事は、たくさんの種類の材料があり、たくさんの施工工程があります。
適正な環境で、適正な材料を、適正な工程にて、施工することが大切です。
また、略語がいろいろあり(たとえば、基本的なところでOP,SOP,EP,AEP,WEP,OSCL,CL……)、新しい材料、工法等も出てきています。
下記写真は実際に現場において、吹付けをおこなっている作業状況です↓

早わかり塗料と塗装技術新版
新年2本めの記事です。
某マンションの各戸玄関ドア枠(スチール)部分の塗装状況です。
建築塗装は、内外部に施され、仕上げとしての美装のためだけではなく、各種劣化外力(雨水、飛散物質、炭酸ガス、経年劣化等)から被塗物を保護することによって建築物の耐久性を向上させることを目的としています。
塗膜の性能に最も影響を及ぼす要因は、使用する塗料の耐久性があげられます。
耐久性比較の種類としては、耐候性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐油性などがあります。
今回紹介している塗装は、合成樹脂調合ペイント(SOP塗装)の、はけ塗りです。
主体樹脂が、長油性フタル酸樹脂で、耐酸性、耐アルカリ性は、ありませんが、最も一般的で安価な塗装材です。
通常、鋼材等に各種「鉛系錆止めペイント」を下塗りし、その後の中塗り、上塗りに用いることが多いです。
他の特徴としては、長所として、
1.はけ塗り作業に適しており、はけ目やだれが少なく、表面光沢を持つ平滑な仕上がり塗膜がえられる。
2.酸化重合で硬化するため乾燥時間が8〜16時間程度と速い。
3.固形分が多く肉持感があり固くて汚れが付着しにくい。
4.黄変しにくく耐候性に優れており、耐油性や80°C程度までの耐熱性がある。
短所として、
1.吸水性が比較的大きく、長期間にわたる耐水性は期待できない。
2.塗膜の耐アルカリ性が劣るため、コンクリート、モルタル、ボード類等の素地には適用できない。
などがあげられます。
塗装に使用する塗料その他の材料は、定められた品質及び性能を有するものを使用することが一番大切なことです。
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