2010年09月06日>☆サイト更新☆>>おすすめ建築月刊誌 >>新刊9月号掲載
5 月 10
建物を建てる際に、必ず必要になる工種が土工事です。
基礎を築造するためには、地面を掘削し、支持地盤面に建物を築造するわけです。
今まで2度ばかり、土工事に関して記事(土工事、土工事その2)にしましたが、今回は一歩踏み込んだ基本を述べてゆきます。
土工事の範囲は、掘って(掘削、根切り、根伐、根堀)、埋めて(埋戻し)、余った土を捨てる(残土処分)に分かれます。
最初に、「根切り」における品質管理事項です。
(1) 根切りは、所定の形状及び寸法を有すること。(施工図等に基づき施工する)
(2) 床付け面は、上部の構造物に対して有害な影響を与えないように、平たんで整ったものであること。
(3) 周辺の状況、土質、地下水の状態等に適した工法とし、関係法令等に従い、適切な法面とするか又は山留めを設ける。
(4) 根切り箇所に近接して、崩壊又は破損のおそれのある建築物、埋設物等がある場合は、損傷を及ぼさないよう処置する。 (特に隣家等は気の使うところです)
(5) 根切り底は、地盤をかく乱しないように掘削する。
なお、地盤をかく乱した場合は、自然地盤と同等以上の強度となるように適切な処置
を定め,監督職員の承諾を受ける。
(6) 寒冷期の施工においては、根切り底の凍結等が起こらないようにする。(シート養生等)
(7) 根切り底の状態、土質及び深さを確認し、監督職員の検査を受ける。
なお、支持地盤が設計図書と異なる場合は、監督職員と協議する。
次に「埋戻し」です。
(1) 埋戻しに先立ち、埋戻し部分にある型枠等を取り除く。
(2) 埋戻し及び盛土は、所定の材料を用い、所要の状態に締め固められており、所要の仕上り状態であること。
所定の材料とは、掘削した土で埋めるのか、購入した土で埋めるのか、どこかにある土を持ってくるのか等を指します。
(道内では、購入土は火山灰が多いです)
(3) 埋戻し及び盛土の材料及び工法は下表により、種別は特記による。
なお、埋戻し及び盛土は、各層300mm程度ごとに締め固める。
A 種 山砂の類 水締め,機器による締固め
B 種 根切り土の中の良質土 機器による締固め
C 種 他現場の建設発生土の中の良質土 機器による締固め
D 種 再生コンクリート砂 水締め,機器による締固め
(4) 埋戻し及び盛土の種別がB種又はC種で、土質が埋戻し及び盛土に適さない場合は、監督職員と協議する。
(5) 余盛りは、土質に応じて行う。
埋戻しに関しては、以前も記事(埋戻転圧状況)にしていますので、読み返してみてください。
最後に「残土処理」ですが、建設発生土の処理は、設計図書特記によります。
特記がなければ、構外に搬出し、関係法令等に従い、適切に処理しなければなりません。
土工事においては、災害及び公害の防止にも、下記のような注意を払う必要があります。
(a) 工事中は、異常沈下、法面の滑動その他による災害が発生しないよう、災害防止上必要な処置を行う。 (法面養生等、日常の管理が大切です)
(b) 構外における土砂の運搬によるこぼれ及び飛散、排水による泥土の流出等を防止し、必要に応じて清掃及び水洗いを行う。 (公共の道路を汚さないよう処置が必要です)
(c) 掘削機械等の使用に当たっては、騒音・振動その他現場内外への危害等の防止及び周辺環境の維持に努め、必要に応じて適切な処置を講ずる。
(d) 給排水管、ガス管、ケーブル等の埋設が予想される場合は、調査を行う。
なお、給排水管等を掘り当てた場合は、損傷しないように注意し、必要に応じて緊急処置をし、監督職員及び関係者と協議する。
(これは、結構この仕事に従事している方は、経験していると思います。
水道管を切った、ガス管を損傷したという話は数多く、非常に綿密な事前調査が必要です)
(e) 工事に支障となる軽易な障害物は、すべて除去します。
また、予想外に重大な障害物を発見した場合は、監督職員と協議する。
(遺跡、爆弾などで、私も20年前、東京の現場で不発弾を発見した経験があります)
土工事は、建築工事の初期の段階での工種であり、着工時の慌ただしさに振り回されることなく、確実な施工管理が要求されます。
また、最初から目視出来ない部分を施工する難しさもあり、臨機応変な対応が必要となります。
下写真は、某現場における基礎掘削状況です↓
天候に恵まれ、このような作業は気持ちがよいものですね。

建築工事共通仕様書(2009年度版)
4 月 14
前回「2007-03-31」に引き続き、山留工事です。
親杭横矢板工法を、紹介します。
この工法は、山留工法では最も一般的なものです。
鉛直に設置した親杭(レール、H鋼等)に、掘削の進行に伴って横矢板をかませ、山留め壁としながら掘り進む方法です。
止水性はありませんが、比較的硬い地盤でも、多少の玉石層でも、施工は可能です。
打ち込み時の、振動/騒音が問題になる場合がありますが、オーガー等の削孔併用で低減が可能になります。
ヒービング現象(矢板背面の土の重量によって掘削底面内部に滑り破壊が生じ、底面が押し上げられてふくれあがる現象)の起る様な軟弱粘土層には不適です。
今回施工しているのは、親杭が300*300H鋼+木製横矢板厚さ40mmです。
山留めの管理としては、計測管理が一般的です。
目的は、周辺地盤、隣接構造物、地中埋設物の沈下・移動及び土圧・水圧、山留め架構の応力、変形等を測定し、計画上の諸条件と比較検討して、山留めの崩壊、隣接構造物の転倒、地中埋設物の損傷、周辺地盤の障害の危険を事前に把握して、速やかに対処する事です。
計画で最も重要な事は、計測結果に対して、適切な判断をする事であり、あらかじめ限界となる値を定めておき、その値に近づいてきたとき、具体的な措置がとれるよう準備しておく事です。
通常、山留め壁頭部の移動量を、トランシット、下げ振り等により測定します。
いずれにしても、様々な諸条件を充分把握し、安全第一で施工管理する事が大切であると考えます。
下の写真は、掘削しながら、矢板を入れ込んでいる作業状況です↓

掘削と土留め
★★★仮設構造物の設計新刊です(2007年4月発行)
3 月 31
山留め工事を紹介します。
山留めとは、地下構造物、埋設物等の施工中、掘削の側面を保護して周囲地盤の崩壊や土砂の流出を防止するためのものです。
敷地に余裕のある場合、あるいは掘削が簡易な場合は、掘削部周辺に安定した斜面を残し、山留め壁等を設けない工法(オープンカット工法)とするのが一般的です。
当然、費用がからんでくるので、積算時点において、工法も含め、施工計画を立てる必要があります。
また、工法によっては、土量も変わりますので、土工事の見積もりに、深くかかわってきます。
山留めにかかる荷重は、土圧、水圧、載荷荷重等があります。
それらを仮定するには、土質、地下水位、周辺の建築物や地盤上の荷重、周辺の状況等の要素を取り入れなければなりません。
工法の種類には、自立式、切ばり式、地盤アンカー式等があります。
土が崩れてこないように、壁を作るわけですが、その壁の種類は、多々あります。
大きく分けると、既成矢板方式と、場所打ち方式があり、既成矢板には、親杭横矢板壁(H形、I形)、鋼製矢板壁があり、場所打ちには、柱列山留め壁と、連続地中壁があります。
適切な工法を選択するためには、地盤条件、掘削の規模、山留め壁に要求される剛性・止水性、振動・騒音等の公害及び工期・工費等を総合的に検討する必要があります。
今回紹介しているのは、市内某マンションにおける掘削深さ4,5mにおいて、親杭横矢板壁(300*300H鋼)にて、山留めをおこなっている施工状況です。
最初の写真が、施工機械、下の写真が、H鋼打込完了写真です。

建築技術者のためのJASS 3山留め工事Q&A
1 月 17
建物の土間下砂利の厚さを測っている写真を紹介します。
一般的に、地業工事とは、基礎や基礎スラブを支えるために、それより下の地盤に設けた各種の杭、割石、砂、砂利及び均しコンクリートの工事を指します。
基礎工事においては、土を掘ったあとに、砂利を敷き込み転圧し、その上に均しコンクリートを打設し、基礎を構築します。
砂利地業に使用する砂利は、切込み砂利、切込み砕石または再生クラッシャーランとし、粒度は、JIS-A-5001による「C-40」程度のものとします。
締め固めには、ロードローラー、タイヤローラー、振動ローラー、振動コンパクター、ランマー等を使用します。
締め固めを過度に行うと床付け地盤を破壊し、さらに深い地盤をも乱すこともあるので、注意して適度な締め固めを行うことが必要です。
また、締め固めによる沈下量を事前に見込んでおき、転圧後に、地業表面が所定の高さになるように施工します。
締め固めによるくぼみ等には、めつぶし砂等を用い表面を平らにします。
私は、30年ほど昔にバイトで、工務店で働いていました。
そのときに、たしか<たこ>と称したと思いますが、直径30〜40cm程度の丸太に棒が4本付いていて、それを二人が向かい合わせに構え、その<たこ>を持ち上げて、砂利を転圧していました。
朝から晩まで、どすんどすんと持ち上げては突いて作業をしていました。
たしか、どこかの塀の基礎下砂利でした。
建築工事など何一つわからず、いま考えると、当時ランマーが無かったとは思えないのですが、いまとなっては懐かしい想い出です。
もちろん、2日で限界に達し、やめてしまいました。

話題沸騰!魔法のブロック・砂利のスミの餌や糞など微生物が残さず分解。バイオ・ミニ・ブロック!
1 月 08
建築工事現場のオイルタンク周りの埋め戻し状況です。
一般的に、埋め戻し土には腐食土や粘性土の含有量が少なく、透水性の良い砂質土を用いるのがベターです。
よって、土の粒度試験により均等係数が大きい、山砂が適しています。
締め固めは、川砂及び透水性の良い山砂の類の場合は水締めとし、透水性の悪い山砂の類及び粘土質の場合は、まきだし厚さ約30cm程度ごとにローラー、ランマーなどで締め固めながら埋め戻すことが原則です。
下記の写真は、30cmごとに、ランマー転圧を行い埋め戻しをしている作業状況です。
赤いスプレーで、30cmごとにしるしを付けています。
寒冷期に凍結土を埋め戻しの材料として使用すると、凍結土が溶けた際に地表面に、凹凸を発生させるのでさけるべきです。
また、設備電気工事の埋設配管周りも、地盤沈下の原因になりやすいので、十分な転圧が必要です。
埋め戻しに先立ち、埋め戻し部分の型枠材を撤去したあと、作業を実施します。
これは、型枠材を存置すると腐食により地盤の沈下を生じるためです。

最新コメント