新しいカテゴリー「24.外構工事」です。
建築工事において、外構とは、敷地内の建物以外の外廻りの工事をさすことが一般的です。
種類としては、排水工事(枡、側溝など、これは設備工事と重複します)、植栽工事、舗装工事、附帯工作物工事(門、塀、ゴミ置き場、看板、車庫、物置など、これらは雑工事等に含む場合もあります)、その他(縁石、ライン、化粧砂利、芝張など)があります。
今回は、舗装工事の中の、アスファルト舗装について記述します。
前回、前々回と「アスファルト防水工事」の記事を書きましたが、そもそもアスファルト(Asphalt)とは、原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質の素材です。
粘度の高い液体であり、常温ではほとんど流動しないものが多く、道路の舗装や防水剤などに使われます。
アスファルト舗装とは、そのアスファルトと骨材を結合して作った表層を持つ舗装で、一般的に上から表層、基層、上層路盤、下層路盤の4層からなり、その下を路床と呼びます。
表層から下層路盤までが舗装にあたり、大型車の交通量が少ない路線では表層と路盤のみで構成されることが多いです。
それでは、それぞれの言葉の定義です。
1.表層
道路の表面(最上層)のことで、一層が5cm程度のアスファルト混合物の層です。
その層の役割は交通荷重を分散して下層に伝達するとともに、交通荷重による流動、摩耗、ひびわれに抵抗し、平坦ですべりにくく、快適な走行が可能な路面を確保することです。
2.基層
表層の一つ下層に敷設される5cm程度のアスファルト混合物の層です。
表層に加わる交通荷重を路盤に均一に伝達します。
重車両の交通量に応じて省略されることがあります。
3.路盤(上層路盤・下層路盤)
路盤は、上層から伝達された交通荷重をさらに分散させ路床に伝達します。
上層路盤
基層(または表層)の下層に敷設される層を指します。
下層路盤
上層路盤の下の層です。
4.路床
舗装の直下にあたる約1mの部分。
路床は舗装と一体になって交通荷重を支持し、路床の下部にある路体に対して交通荷重をほぼ一定に分散させます。
盛土区間では良質土により十分に締め固められた層が構築され、切土区間の多くでは現地盤がそのまま用いられます。
軟弱地盤では、一定の厚さの地盤を良質土で置き換えたり、セメントや石灰等による安定処理工法が施されます。
続いて、アスファルト舗装の工法です。
施工時の気温が5℃以下の場合は、原則として、施工を行わず、また、作業中に雨が降り出した場合は、直ちに作業を中止します。
それでは、順番に紹介します。
(1) アスファルト乳剤の散布
乳剤とは、道路舗装の表層(及び基層)を施工する際、防水効果を得たり、合材との接着をよくするためにまかれる褐色の液体です。
また舗裝の継ぎ目にも隙間からの破損等を防ぐために流し込まれます。
水とアスファルトを界面活性剤を使って混合させたもので、水分が蒸発すると黒色になりアスファルト分だけが残ります。
表層と基層間に撒かれるものをタックコート、合材と路盤間に撒かれるものをプライムコート、継ぎ目に流し込まれるものをシールコートと呼びます。
乳剤の散布量は,プライムコート1.5ℓ/m2,タックコート0.4ℓ/m2程度を標準とします。
アスファルト乳剤の散布に当たっては,散布温度に注意し,縁石等の構造物は汚さないようにして均一に散布します。
下記写真は、プライムコートを散布している工事状況です(クリック拡大)

(2) アスファルト混合物等の敷均し
アスファルト混合物等は、所定の形状、寸法に敷き均します。
アスファルト混合物等の敷均しは、原則として、フィニッシャによるものとします。
ただし、機械を使用できない狭いところや軽易な場合は、人力によることができます。
アスファルト混合物等の敷均し時の温度は,110℃以上とします。
アスファルト混合物等の敷均しに当たっては、その下層表面が湿っていないときに施工します。
アスファルト混合物等の敷均し作業中に雨が降り出して作業を中止する場合は、既に敷き均した箇所のアスファルト混合物等を速やかに締め固めて仕上げを完了します。
アスファルト混合物等は、敷均し後、所定の勾配を確保し、水たまりを生じないように、締め固めて仕上げます。
以上で完了です。
実際に、アスファルト舗装を施工する場合には、
フィニッシャーマン(フィニッシャー運転)
アジャスターマン(フィニッシャーのアジャスター調整)
レイキマン 2人程度(フィニッシャーの施工した端の処理や最終的な合材の調整)
スコップマン2人程度(レイキマンの処理した合材の処理や大まかな合材調整)
ローラーマン 2人程度(プレートや振動ローラやコンバインドローラやタイヤローラでの転圧)
などの、役割を行なう人員が必要になります。
施工の善し悪しも、このチームにより決定します。
安全面では、重機災害防止および、アスファルト合材の温度が150℃近辺になるので、真夏の舗装作業の、熱中症対策を十分に取る必要があります。
下記写真は、某現場において、フィニッシャーによるアスファルト合材敷設状況です(クリック拡大)
アスファルト防水-その2に引き続き、その3です。
前回は、プライマー塗付及びアスファルト溶融まで記述しました。
いよいよ、ルーフィングの貼り付けです。
某現場のアスファルト防水材料です↓(クリック拡大)
何と、背景に雪が!!

作業手順です。
(d) アスファルトルーフィング類の張付け
(1) 出隅、入隅、下地目地部等は、一般部分の張付けに先立ち、下記の増張りを行ないます。
(ア) コンクリートスラブの打継ぎ箇所及び著しいひび割れ箇所には、幅100mm 程度の絶縁用テープを張り付け、その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りします。
(イ) 出隅及び入隅並びに立上りの出隅及び入隅には、幅300mm 以上のストレッチルーフィングを最下層に増張りします。
ただし、屋根露出防水の絶縁工法における出隅及び入隅では、幅700mm 以上のストレッチルーフィングを用いて、平場へ500mm以上張り掛けて増張りします。
増し張りは、最初に行う大切な作業です。
(2) 平場の張付け
(ア) アスファルトルーフィング類の張付けは、空隙、気泡、しわ等が生じないように平均に押し均して、下層に密着するように行ないます。
下記写真は、溶融釜より、アスファルトを取り出している作業状況です↓(クリック拡大)

さらに、ルーフィングを張付けている作業状況です↓(クリック拡大)

なお、空隙、気泡、しわ等の生じた場合は、各層ごとに直ちに補修します。
(イ) アスファルトルーフィング類の継目は、縦横とも、原則として、100mm以上重ね合わせ、水下側のアスファルトルーフィングが、原則として、下側になるよう張り重ねます。
ルーフィング材料に100mmのラインが入っていますので、それに合わせます。
その部分の材料の写真です↓(クリック拡大)

水下が下側というのは、基本中の基本です。
(ウ) アスファルトルーフィング類の上下層の継目は、同一箇所にならないようにします。
(エ) 立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付けます。
ただし,立上りの高さが400mm未満の場合は、平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができます。
なお、立上りと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は、立上り部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に150mm以上張り掛けます。
次に立ち上がりです。
(3) 立上り部の張付け
(ア) 各屋根及び屋内保護防水工法における防水層の立上り部の納まりは、最上層が所定の位置にくるようにし、下層になるほど30mm程度ずつ短くして、端部が厚くならないようにし、次に幅100mm程度の網状アスファルトルーフィングを増張りし、溶融アスファルトで目つぶし塗りをして押さえたのち、端部にシール材を塗り付けます。
(イ) 各屋根露出防水工法における防水層の立上り部の納まりは、所定の位置に各層の端部をそろえ、押え金物で固定した上に、シール材を充填します。
(ウ) 押え金物は、ステンレスビスを用いて、両端を押さえ、間隔450mm程度に留め付けます。
(4) ルーフドレン、和風便器、配管等との取合い
じつは、漏水の原因のほとんどがこの部分の施工です。
よって、非常に大切です。
(ア) 各層を、よくなじませながら入念に施工します。
(イ) ルーフドレン回りは、最下層にドレンのつばとスラブ面の両方に張り掛けるように300mm以上ストレッチルーフィングを増張りし、平場のルーフィング類を張り重ねます。
また、ドレン回りの増張りとパラペットの入隅の増張りとが重なる部分は、一方を省略することができます。
(ウ) 和風便器及び配管回りは、最下層及び最上層に網状アスファルトルーフィングを増張りします。
(エ) 配管類の場合は、ステンレス製既製バンドで防水層端部を締め付け、上部にシール材を塗り付けます。
ここまででルーフィング貼り付けは完成です。
このあと、保護層(断熱材、コンクリート、レンガ積み、モルタル塗等)がある場合は、施工して一連の防水工事の完了です。
保護層を設けない場合は、保護仕上げ塗料(アクリル樹脂を主成分とするエマルションタイプの防水工事用保護塗料)などを塗布します。
この材料は、耐候性、耐久性に優れ防水層を熱や紫外線から保護します。
また、最近はいろいろなタイプの軽歩行用屋上仕上げ材も、使われています。
いままでの記事において、建物を漏水から守るべき防水工法として、アスファルト防水、無機質浸透性防水、ウレタン防水、シート防水を紹介してきましたが、今回は基本である「アスファルト防水」を一歩踏み込んで記載します。
過去記事「アスファルト防水」も合わせて目を通してみて下さい。
基本的にアスファルト防水とは、アスファルトルーフィングを、260〜 280℃で溶融させたアスファルトで、コンクリート下地等に貼り付けていき、同じ工程を繰り返しながら2枚から3枚以上、複数貼り重ねて防水層を作り上げる工法です。
ルーフィングの材質は、合成繊維不織布や有機繊維原紙、ガラス繊維などの基材にアスファルトを含浸塗覆させて、作られています。
この防水工法は、100年以上の歴史を誇り、現在でも日本建築学会や官公庁の防水工事共通仕様書の標準仕様として、防水業界の主流工法となっています。
それでは、工法です。
大きく分けると、密着工法と、絶縁工法があります。
密着仕様とは、下地に防水層を全面密着させる仕様であり、アスファルト防水では押えコンクリート仕上げの「押え防水」や、室内防水(厨房・浴室など)などに採用されます。
絶縁仕様は、下地に対して防水層を部分接着させる仕様で、ルーフィングを施工する前に「穴あきルーフィング」を敷き込み絶縁機能を設けます。
これは、下地の挙動からアスファルト防水層の破断を防ぐ目的で開発され、露出防水では下地からの湿気による防水層のフクレを防ぐ目的もあり、脱気システムと併用されます。
次に使用材料です。
(a) アスファルトプライマー
これは、どのような仕様の防水層においても、一番最初にコンクリート下地に塗布する材料です。
アスファルトを主成分としたもので、アスファルトの接着に適するものとし、アスファルトルーフィング類製造所の指定する製品とします。
下記写真は、某現場にて使用したプライマー材料です↓(クリック拡大)

(b) アスファルト
溶融釜にて溶かして使用します。
JIS K 2207(石油アスファルト)による防水工事用アスファルトとします。
(c) アスファルトルーフィング類
下記のような種類があります。
(1) アスファルトルーフィング-JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)
(2) 砂付ストレッチルーフィング-JIS A 6022(ストレッチアスファルトルーフィングフェルト)
(3) 網状アスファルトルーフィング-JIS A 6012(網状アスファルトルーフィング)合成繊維ルーフィング
(4) 砂付あなあきルーフィング-JIS A 6023(あなあきアスファルトルーフィングフェルト)
(5) ストレッチルーフィング-JIS A 6022ストレッチルーフィング1000
(d)その他の使用材料
(1)防水層端部の止水に用いるシール材
ゴムアスファルト系とし、アスファルトルーフィング類製造所の指定する製品とします。
(2) 絶縁用テープ
アスファルトルーフィング類製造所の指定する製品とします。
(3) 押え金物
材質及び形状寸法は、特記によります。
特記がなければ、アルミニウム製 L-30×15×2.0(mm)程度とします。
(4) 成形キャント材
入隅に使用し、アスファルトルーフィング類製造所の指定する製品とします。
(5)他に専用の断熱材、伸縮目自在等を使用することがあります。
それでは、施工手順です。
(a) 防水層の下地
(1) 平場のコンクリート下地は、基本的に、直均し仕上げとします。
(2) 立上りは,コンクリート打放し仕上げとします。
(3) 入隅は,半径50mm程度の丸面又は45度に仕上げます。
出隅は、45度に仕上げます。
入隅に成形キャント材を使用することも出来ます。
コンクリートの乾燥状態の確認が必要です。
(b) アスファルトプライマー塗り
コンクリート下地等の場合は,次によります。
(1) 下地が十分乾燥したのちに清掃を行い、塗布します。
(2) 塗付けは、ルーフィング等の張りじまい部まで、均一に行い、乾燥させます。
(3) 塗付けは、下地以外の箇所を汚染しないように行ないます。
(c) アスファルトの溶融
アスファルトの溶融がまは、次によります。
(1) 設置位置は、できるだけ施工箇所の近くとします。
(2) コンクリートスラブの上に設置する場合は、熱による悪影響のない構造形態の溶融がまとします。
(3) 完成した防水層の上に設置してはなりません。
(4) アスファルトは,局部加熱が生じないよう小塊にして溶融します。
(5) アスファルトの溶融温度の上限は、アスファルト製造所の指定する温度とし、同一アスファルトの溶融を3時間以上続けない。
また、溶融中に異状な色合を生じたものは、使用しない。
(6) 溶融したアスファルトは、施工に適した温度を保つように管理する必要があります。
(7) 屋根保護防水断熱工法の断熱材等の張付け用アスファルトの温度は、断熱材に支障のないものとします。
この後、いよいよアスファルトルーフィング類の張付けに入ります。
以降、後日、記事に致します。
RC造のマンション屋上防水状況です。
屋上における防水は、現在いろいろな工法が出てきています。
アスファルト防水は、以前からの一般的に一番信頼性のある工法ですが、この工法をもとに、外断熱工法および、環境問題に対応した工法などがだんだん出てきています。
アスファルト防水は、ルーフィングの組み合わせと層数を変えることによって、要求レベルに応じた防水性能を持たせることが可能であり、建物の種類と部位、耐用年数に対応して、適切な防水層を選択することが出来ます。
また、熱工法といわれ、溶融釜にて、熱溶融した液状アスファルトでルーフィングを積層させていく工法(2層〜3層が主流)です。
ただし、アルファルトの煙や臭気が発生するので、昨今の環境下ではその点が、難点ではあります。
アスファルト防水の他には、大きく分けると、シート防水、塗膜防水などがあります。
今回、下記写真にて紹介しているのは、全層改質アスファルトルーフィングの積層工法で、「BANKS工法」といいます。
「Build up Asphalt roofing Non Kettle System」の略です。
従来のトーチ工法の進化型ですね。
作業環境・周辺環境がクリーンで作業安全性が高い防水です。
溶融釜など大型機材が要らず、小型の工具で施工が出来ます。
防水工事は、奥が深く、進歩のスピードも速いので、これからもいろいろな種類の防水工事を紹介していきます。
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