型枠支保工を解体する手順を説明します。
この作業には、危険がたくさん含まれています。
以前の記事(型枠支保工と安全)にて、支保工の概略を少しばかり記事にしたのですが、今回はその支保工の解体作業です。
作業する上での資格は、型枠支保工の組立等作業主任者(令6)が必要になります。
これは、組立時と一緒です。
それでは、作業の手順と安全のポイントを説明します。
作業に入る前の準備として下記事項を確認します。
1 作業前のミーティング
・作業の方法、手順
・作業の場所、作業床
・関係者以外の立入禁止措置をする
・保護具等の使用
2 使用機械、資機材、設備等の点検
・電気系統(キャブタイヤケーブル、電工ドラム、プラグの損傷)等、電動工具の使用前点検
・玉掛ワイヤロープ、支保工材、締付材等、資機材
・脚立、足場板、立馬、ローリング、足場等の仮設設備
・高所作業車、フォークリフト等の機械
3 作業員の適正配置
・新規入場者教育の実施をする
・作業主任者の配置をする
・有資格者の確認をする
・資格証の携帯を確認する
次に実際の作業に入ります。
最初に、せき板の在地期間の関係もありますが、通常、柱、壁、梁側型枠の解体を先に行います。
<柱、壁、梁側の解体>
1 建入直しのパイプサポート、チェーン等を取外す
・安全な作業床であるか、墜落の危険はないか確認する
・床の端部、開口部周囲では安全帯を使用する
・墜落の危険のある場所では水平ネット等の養生を確認する
・照明は充分確保されているか確認する
2 フォームタイをゆるめ、端太パイプを取外す
・横端太パイプを取外す際、パイプを足の上に落とさない
・たてパイプを取外す際、倒れやすいので注意する
・外壁の場合は二人以上で作業をし、物を落とさないように注意する
3 型枠パネルを取外す
・転用できるように、出来るだけ傷めない
・足場上では反動のかかる無理な動作はしない
<梁底、床版型枠の解体>
1 梁下、床版下の資材を片付ける
2 床コンクリート面を養生する
・直仕上げ済みの場合はベニヤ等で養生する
3 根がらみ及び水平つなぎを取外す
⇔作業中開口部より墜落
⇔飛来、落下
⇔激突され
⇔落下物が当る
⇔反動により足場から転落
4 最後に残すパイプサポートを一旦ゆるめ、再び取付ける
5 最後に残すパイプサポートを残し、その他のパイプサポートを取外す
・根太の配置を考え、よく検討して決める
6 パイプサポートを外した部分の大引を取外す
・取外したサポートは直ぐに片付ける
・大引、根太が落下しないよう確認して取外す
7 残したパイプサポートを引き出し、大引、根太を落とす
・周囲に人が居ない事を確認する
8 桟木、合板パネルを取外す
⇔飛来、落下
⇔根太、大引が落ちた時跳ね る
⇔飛来、落下
⇔足場から転落
⇔資材が落下する
⇔足場から転落
最後に後片付けを行います。
1 残材を整理する
・掃き掃除(清掃)
・毎目作業終了後に片付け
・ベニヤ、桟木の切れはし、ごみ屑は整理袋や篭に入れ、指定場所まで運ぶ
2 仮設資材を整理する
・不良材、不用材は早期に返却、除去する
3 機械工具類を片付ける
・機械のスイッチを切る
・機械工具を点検する
・風や雨に対する養生をする(異常時の措置)
・整理整頓、片付を行う
4 作業終了の報告を行う
以上、作業手順を並べてみました。
下記の漫画絵は、支保工解体作業中の状況です。
型枠支保工における安全作業を紹介します。
まず、支保工の種類ですが下記のものがあげられます。
1.金属管(単管、パイプ端太)
2.金属管(パイプサポート)
3.木製端太
4.コラムクランプ、ビームクランプ
5.鋼管枠(枠組足場によるもの)
6.鋼製仮設梁
7.木製仮設梁
8.システム型枠
9.その他(組立鋼柱、ステージング、特殊ビーム等)
このような材料、システムによって組立てられた支保工は、コンクリート打設に伴う様々な荷重に充分耐えられるものでなければなりません。
よって、支保工に関して、労働安全衛生規則により、安全作業が細かくうたわれています。
<安衛則237条>材料は、著しい損傷、変形、腐食がない事
<安衛則238条>支柱、梁の鋼材はJIS適合品を使用する事
<安衛則239条>支保工の構造は、型枠の形状、コンクリート打設方法に応じた堅固な構造のものを使用する事
<安衛則240条>組立図は、届出の要否に関係なく作成し、支柱・梁・つなぎ・筋かい等、部材の配置・接合部・寸法を明記する事
<安衛則241条>設計荷重と許容応力度の確認を行う事
<安衛則242条>型枠支保工についての措置等
<安衛則243条>段状の型枠支保工の形状
<安衛則244条>コンクリートの打設作業時においては、型枠支保工を点検・補修させ、異常を認めたら作業を中止させる
<安衛則245条>支保工の組立時には、関係者以外の立入り禁止措置及び悪天候時は作業中止とする
<安衛則246条>支保工の組立作業主任者を作業グループ毎に配置する
などなどがあります。
また、型枠支保工の支柱の高さが3,5m以上のものは、安衛法88条2項によるところの、建設物・機械等設置届けが必要な工事となります。
下記写真は、某マンションの型枠支保工状況です。
鉄骨造基礎の型枠取付状況です。
型枠工事の定義は、一言でいえば、コンクリート(躯体)を形成するための器を作成することです。
鉄筋で作られた建物の骨組に、コンクリートを流し込むために、ベニヤ板及び金物を使用し、器を作成し、躯体形状を確立します。
コンクリートが固まった後に、解体工が型枠を取り外せば建物の形が出来上がります。
ここまでの作業を、通常型枠工事の範囲とします。
又、このような型枠を取付ける作業をする職種を型枠大工と称します。
躯体精度は、型枠工事により優劣が決まります。
そのため、厳密な計画と慎重な施工が肝要です。
通常のRC造建築工事費の比率からみると、躯体工事の35~40%、全工事費の11~14%程度を占める重要な工事です。
型枠は、コンクリートに直接接するせき板、せき板を支える支保工及びせき板と支保工を緊結するセパレータ、締付け金物等から構成されます。
支保工とは、床・梁等を支える根太、大引、支柱(パイプサポート)、支保梁、支柱の座屈を防止する水平つなぎ、ブレス等をさします。
型枠は、コンクリート硬化後に取りはずすものですが、コンクリートの自重や工事中の荷重に十分耐える強さを持ったものでなければなりません。
また同時に、取付け、取りはずしが容易であり、かつ、繰り返し使用できるものであることが望ましいです。
コンクリートが打ち込まれてからせき板と支保工が取り除かれるまでの間は、コンクリートにとって初期の養生期間になるので、型枠はコンクリート養生を阻害するものであってはなりません。
様々な施工上の決まり事がある型枠工事ですが、今後たびたび紹介致します。
型枠取付け状況です↓
(クリック拡大)
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