記事数17回目の鉄筋工事です。
前回は、壁開口補強筋を紹介しました。
今回は、スラブ開口補強筋です。
RC造の場合、床(スラブ)に開口を設ける際には、当然ですが、鉄筋にて補強を施します。
その形状は壁と同じように、開口部四方周辺と、開口部の四方隅に斜めに補強します。
一般的に、開口部の寸法が700mm以上になる場合は、受け梁等を開口端部に設置します。
700mm以内の場合は、下図に倣った補強筋を施します。
これは、鉄筋配筋要領図、標準配筋要領図、 鉄筋コンクリート構造配筋標準図、国土交通省大臣官房長官営繕部「公共建築工事標準仕様書」をもとにした標準図、において、基準とされています。
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つまり、スラブ開口が700mm以下の場合は、開口によって切られる鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、隅角部に斜め筋を上下の鉄筋の内側に配筋します。
ここには、壁開口補強と同じように、L1という表現を使用しています。
再掲しますが、L1とは、鉄筋の太さ×40です。
例えば、D13ですと、13*40=520mmとなります。
スラブ開口の最大径が両方向の配筋間隔以下で鉄筋を緩やかに曲げることにより、開口部を避けて配筋できる場合は、補強を省略することができます。
孔径が100 mm以下のとき等は、床スラブ配筋間隔以下となるので、補強は設けず、200mmくらいまでは緩やかに曲げて納めます。
スラブ配筋が、縦横200mmで、そこに設備スリブ150φがぶつかった場合なども同様です。
下記写真は、某現場において、設計図書に基づいた、スラブ開口補強の状況です↓
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写真を見ると、開口補強筋がどのように入れられているのか、一目瞭然だと思います。
スラブ開口補強は、鉄筋工事の数あるチェックポイントのひとつです。
確実な施工管理が求められます。
ALC(Autoclaved-Lightweight-Concrete)とは、高温高圧蒸気養生処理して作られた「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる建築材料です。
セメント、石灰、硅砂等を主原料とした多孔質のコンクリートです。
比重0.6前後ですから、ALCは水に浮きます。
しかし、吸水性もあります。
日本におけるALCの歴史は古く40年程前迄さかのぼります。
建築基準法に基づき「ALC構造設計基準」が認定されたのは、昭和58年になります。
もともと、ALCの生まれはヨーロッパで、1930年ごろスウェーデンで工業生産化され、北欧を中心に広がっていったそうです。
ALCの特徴は、下記が挙げられます。
1.不燃であり、有毒ガス・煙をだしません。
2.アスベスト含有率0%です。
3.ホルムアルデヒドをはじめとした有害化学物質を一切含んでいません。
4.高い断熱性能があります。
ALCの断熱性能はコンクリートの約10倍です。
5.遮音性能も評価できます。
6.現場で作るコンクリートに比べ、工期が短くなるほか、品質が安定しています。
7.ALC板の内部には重量を軽くするために多数の気泡があり、水分を吸収しやすく、水分を吸収したALC板は性能が低下してしまいます。
施工の際には、このような特徴を捉え、理解することが大切です。
特に、外壁等に使用する場合は、雨水に対する処理を充分検討する必要があります。
(皮膜塗装の種類、地盤面からの基礎立ち上がり寸法等)
ALCは建物のいろいろな部位に採用されています。
1.外壁
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm 200mm
鉄骨造(C型鋼胴縁下地) -ALC厚- 50mm
木造 -ALC厚- 35mm 37mm 50mm
2.床
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm
木造 -ALC厚- 35mm 75mm 80mm
3.屋根
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm
4.間仕切
鉄骨造 -ALC厚- 75mm 80mm 100mm 120mm 125mm 150mm
5.耐火野地板(屋根下地) 鉄骨造 -ALC厚- 50mm
6.耐火被覆(柱・梁) 鉄骨造 -ALC厚- 50mm
外壁部分の、ALC施工手順です。
現在、ALCパネルの厚さは、50mm、もしくは100mmが一般的であり、施工方法が違います。
50mm以下の薄形パネルは、ビスにより下地胴縁に取付ける構法です。
それに対し、100mm以上の壁における施工方法は下記によります。
1.工事範囲、構法の確認、取付け位置の確認、施工図の確認
2.足元金物工事-ALCを取り付ける為に基礎の部分に、フラットバー金物を取付けます。(階高、風荷重によりアングル金物になる場合もあります)
3.下地金物工事-ALCを取り付ける為に各階の鉄骨梁の部分に、アングル金物を取り付けます。
4.建込み工事-ALC専用取付金物を下地金物に取り付けて、建て込みます。
5.シーリング工事-ALCを建て込んだ後、版と版の間にシーリングをします。
6.清掃して、ALC工事完了です。
壁ロッキング構法では出入隅部やベランダ等の腰壁との取合いおよび、階毎の水平目地にパネル伸縮目地を設けます。
伸縮目地のクリアランスは出入隅部では10~20mm、腰壁や他部材との取合いでは20mm、階毎の水平目地では10mmを標準とします。
左が、現場に外壁用ALC100mm材料を搬入してきた状況写真で、右側が外側スラブ面に下地のアングルを溶接している作業状況です↓

足元下地アングルの取付け完了写真と、作業員2名にて100mmの版を吊りながら設置している作業状況です↓

ALC建築設計のポイント
今回は,型枠の床版取付状況を記載します。
基本的に、型枠は、せき板と支保工から構成され、作業荷重、コンクリートの自重及び側圧、打込み時の振動及び衝撃、水平荷重等の外力に耐え、かつ、所要の品質が得られるように設計する必要があります。
また、有害な水漏れがなく、容易に取外しができ、取外しの際コンクリートに損傷を与えないものとします。
このようなことを踏まえて、<床版型枠の組立手順>です。
1.作業床の整理
あたりまえのことですが、サポートを立てる床上を整理整頓し、また、凹凸がある床又は土間の場合など沈下および滑動の恐れがあるときは敷板、端太角等で補強します。
2.パイプサポート長さを調整する
パイプサポートの変形、ガタ、専用ピンの有無を点検し、階高に合わせて長さを調整します。
パイプサポートの專用ピンは確実に差込む必要があります。
また、サポートの継ぎ足しは2本までとし(3本以上継いではならない)、必ず、指定のボルトで継ぐ(9㎜×4本)ことが大切です。
差込式補助サポートは、抜け落ちないようにしっかり差込みます。
3.パイプサポート、大引を取付ける
サポート、大引きは、施工計画図又は型枠支保工計算書通りに配置します。
標準型サポートを支柱として使用します(水平繋のある場合を含む)。
スパンの長い所では両端と中央を先に立て、高さを決めた後に間のサポートを立てる手順とします。
大引架けは、1組3人以上で合図良く架けていきます。
サポートや大引の手渡しは確実に行い、大引は梁から水平継ぎを取るようにします。
4.根太を取付ける
根太聞隔は施工計画図通りに組立て、根太の長い跳出しがないように組立てます。
材料を仮置する場所は、計画図に従い支保工等を補強します。
5.床版型枠を張る
床板を張る前に、床下の照明設備の有無を確認します。(貼ると内部が暗くなるため)
梁側の通りを修正し、通り糸を張って割付図通りに張りつけていきます。
スラブ型枠上でベニア等を切断する場合はシート等養生して行い、壁型枠の中へ切断くずが入らないようにします。
危険個所では、親綱を利用して安全帯を使用することが大切です。
作業進行方向を前向き姿勢で行い、一枚ずつ釘止めをしていき、スラブと柱、梁の接合部は正確に堅固に組立てます。
コンクリート打設時に、セメントペーストが漏れないように、隙間なく取付けます。
結束する等、材料の飛散防止措置をすることも大切です。
6.床版の高さを調整する
根太を組み、スラブを張り、鉄筋組立て後、高さを再度チェックし、サポートで調整します。
7.水平つなぎを取付ける
水平つなぎは、施工計画図に従い、各サポートの直角2方向に専用クランプで緊結します。
8.金物等を取付ける
床版の上に基準の取付用の墨を出し、その墨に基づき、取付物、インサート、開口部等を取付けます。
9.組立後の点検を行う
コンクリート打設前に下記事項を、作業主任者が点検します。
A.施工計画図通りか
B.サポートの本数、間隔は良いか
C.まっすぐに立っているか
D.ピンは正規のものか、ずれていないか
E.水平繋ぎの取付けは良いか
F.締付及び緊結は良いか
G.床版型枠の高さ、取付金物等を検査する
以上の手順をふまえ、各工程ごとに作業の確認を行い、適切な枠を取付けることが大切です。
梁の上にて根太を掛けている作業状況です↓

160)【マキタ】現場での型枠づくりや、造作作業に最適!マルノコ盤2703
壁仕上げの工法の一つに、吹付タイル塗装があります。
左官工事(壁塗工法)の一つで、陶磁器質調タイルの肌合いを、吹き付け作業によって得る工法です。
仕上がりの表面がセメント系の複層仕上げ材で、外装用に使われることが多いです。
建築工事共通仕様書においては、「15章 左官工事」の「5節 仕上塗材仕上げ」に分類されています。
よって、官庁工事などの見積書内訳は、左官工事に分類されますが、実際、塗装業者が施工することが多く、民間物件では、塗装工事の見積項目に入れることもあります。
通常、吹付工事とは、吹付タイルやリシン、スタッコなどの仕上材をコンプレッサーを使い、壁仕上げの下地面に吹き付けて仕上げる工事の総称です。
工事手順として、コンクリート面やモルタル塗などの下地に、下塗りをして、主材のベースを吹き付け、模様吹きの上塗りをします。
仕上げは、ローラーやコテ、コンプレッサーなどを使って表面にクレーター状の凹凸模様を付けて仕上げます。
主原料は、合成樹脂などの結合材とけい砂、寒水石、軽量骨材などです。
防水性を高め、モルタルなどの湿式工法の下地材のヘアークラックにもある程度追随できる材料(弾性タイル)もあります。
塗装材としての特徴は、下地への密着性、耐久性に優れており、施工がある程度容易で、安定した仕上がりが可能であることが挙げられます。
ただし、吹き手によってはむらが出たりすることがあり、下地が悪ければ当然剥離、クラックなどの問題が出てきます。
もちろん作業環境における温度管理なども大切です。
コンクリートの場合の下地調整の手順は下記です。
(1) 目違いは,サンダー掛け等により取り除く。
(2) 下地面の清掃を行う。
(3) セメント系2種下地調整塗材(C-2)を,1~2mm程度全面に塗り付けて,平滑にする。
ただし,スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は,省略する。
(4) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は,(3)の下地調整塗材(C-2)に代えて,セメント系1種下地調整塗材(C-1)を平滑に塗り付けることができる。
(5) 下地の不陸調整厚さが3mmを超えて10mm以下の場合は,(3)の下地調整塗材(C-2)に代えて,セメント系下地調整厚塗材2種(CM-2)を平滑に塗り付ける。
下地調整塗材以外の下地調整材には、合成樹脂系シーラー及び合成樹脂パテがあります。
実際に現場において施工する際は、現物見本板を作成し、施工管理をします。
塗装工事は、たくさんの種類の材料があり、たくさんの施工工程があります。
適正な環境で、適正な材料を、適正な工程にて、施工することが大切です。
また、略語がいろいろあり(たとえば、基本的なところでOP,SOP,EP,AEP,WEP,OSCL,CL……)、新しい材料、工法等も出てきています。
下記写真は実際に現場において、吹付けをおこなっている作業状況です↓

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