過去に2度ほどクロスに関する記事を掲載しました。
2006/12/25天井クロス張状況、2007/11/18クロス張り(内装工事)
今回は、材料に関して記述いたします。
そもそも建築工事における、壁紙とは可撓性のあるロール状またはシート状の壁紙のことをあらわします。
通常は、建物の壁面や天井面等の内装仕上げに用います。
建築業界では「クロス」とも言われています。
他の仕上げ材料に比べ、クロスは上から貼るだけで下地を隠し、安価でスピーディーに工事ができるという経済性を持ち合わせた仕上材です。
特にビニールクロスは加工しやすく、高い印刷技術によっていろいろなデザインの種類があり、様々な建物の、新築からリフォームに至る迄、使用されています。
ただし最近では環境における汚染が、指摘されています。
つまり、材料が含んでいる化学物質が健康に与える影響や、焼却時に有害物質を発することによる環境汚染です。このことにより、素材における塩化ビニル使用量を減らしたり、不揮発性の可塑剤(かそざい)を目指すなどの取り組みが行われています。
また、建材や家具に使われる化学物質によって、アレルギーや吐き気、めまいなどがおこる、シックハウス症候群も、問題になっています。
その原因と考えられる化学物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、フタル酸ジエチルヘキシルなど)に対しても充分な対策をとる必要があります。
現在の、壁紙はいろいろな機能を備えています。
列記しますと、
1.汚れ防止・抗菌機能
2.スーパー汚れ防止(ミラクロス)
3.スーパー耐久性
4.吸放湿性
5.表面強化
6.消臭
7.耐水性
8.マイナスイオン
9.ホルムアルデヒド消去
10. 蓄光
その他にも防火性、カビ抑制、防塵、吸音、ほつれ防止などの機能を持ったクロスもあります。
一番大切なことは、建物の用途にマッチし、住環境を充分考慮し、適正な仕上げ材料を検討し決定することではないでしょうか。
下記写真は,ビニルクロスと、クロス用接着剤の材料です↓

以前(2006/12/25)の記事天井クロス張状況にて、クロスの材料、種類、特徴等を主に紹介しました。
今回は、施工面を重点的に記述します。
建築工事共通仕様書では、クロス張り工事は「19章内装工事」の「8節 壁紙張り」に分類されています。
適用範囲は、モルタル面、コンクリート面及びボード面に施す各種壁紙張りとなっています。
仕様書による材料の定義は、下記です。
(a) 壁紙はJISA 6921(壁紙)により,建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたものとし,品質及び防火性能は特記による。
ただし,壁紙のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければ,F☆☆☆☆とする。
(b) 接着剤は酢酸ビニル樹脂系エマルション形等とJIS A 6922(壁紙施工用及び建具用でん粉系接着剤)を混合したものとし、使用量は固型換算量(乾燥質量)30g/m2以下とする。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量は,特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
(c) 素地ごしらえに用いるパテ及び吸込止め(シーラー)は、壁紙専用のものとする。
(d) 湿気の多い場所、外壁内面のせっこうボード直張り下地等の場合は、防かび剤入り接着剤、防かび剤入りシーラーを使用する。
(e) 下地に使われる釘小ねじ等の金物類は,黄銅,ステンレス製等を除き,錆止め処理をする。
———————————————————————————–
さて、施工は当然、下地処理からです。
石膏ボード面の素地ごしらえは、乾燥、汚れ付着物除去、穴埋めパテかい、研磨紙ずり、吸い込み止めと進んで行きます。
JIS A 6921(壁紙)に定める隠ぺい性3級のもので,素地面の見え透くおそれのある場合は,素地面の色調を調整します。
張付けは,壁紙を下地に直接張り付けるものとし、たるみ、模様等の食違いのないよう、裁ち合わせて張り付けます。
具体的には、ブラシ等を使用し、クロス表面をこすって中に入った空気を外へ出し、ヘラを当ててカッターで不要な部分をカットし、1枚目を張り付けていきます。
2枚目を張る際には、1枚目と隣り合う部分を同じく1cmほど重ねて張っておき、2枚重ねてカットします。
つなぎ目にローラーをかけて密着させると、ジョイント部分は、ほとんど目立ちません。
最後に、防火材料の指定又は認定を受けた壁紙には、適切な表示(シール貼り)を行います。
クロスを張る際に欠かせない道具が、自動糊付け機と呼ばれる機械です。
使用方法は、まず接着剤を水で溶いて攪拌し、機械に入れます。
クロスの材料を、機械の裏側にセットします。
機械の回転式のカッター部分で、クロスが自動でカットされ、材料に接着剤がローラーで塗布されて出てきます。
その後、接着剤がクロス表面につかないように、つづら折りに保管しておきます。
接着剤は半日程度乾くことがありません。
下記写真は、壁部分のクロス張り付け状況と、糊付け機械です。
内装工事において、床を張る際に接着剤を塗布します。
建築工事共通仕様書における、ビニル床シート、ビニル床タイル及びゴム床タイル張りに使用する接着剤を紹介します。
床張り用接着剤は、施工箇所により、分類されます。
一般の床に使用される種別としては、酢酸ビニル樹脂系、ビニル重合樹脂系、アクリル、ウレタン樹脂系、ゴム系ラテックス系があります。
地下部分の最下階、玄関ホール、湯沸室、便所、洗面所等、湿気及び水の影響を受けやすい箇所は、エポキシ樹脂系、またはウレタン樹脂系を使用します。
接着剤のホルムアルデヒド放散量は、設計図書にうたわれていない場合は、F☆☆☆☆とします。
下地補修をする場合に使用するポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタル等は、床材製造所又は接着剤製造所の指定する製品を使用します。
下地面の清掃を行った後、接着剤を所定のくし目ゴテを用い、下地面へ平均に塗布します。
ビニル床シートの場合は必要に応じて裏面にも塗布し、空気だまり、不陸、目違い等のないようにベタ張りとします。
接着剤が硬化するまで適切な方法で養生を行います。
張付け時の室温が5℃以下又は接着剤の硬化前に5℃以下になる恐れのある場合は、施工を中止とします。
下記写真は、接着剤塗布状況と、材料です。
床にフロアを貼り付けている作業状況です。
フローリングとは、床を覆うための木質系の素材、およびそれらを用いた床のことです。
最近のマンション主要室(居間、洋室等)の床材は、ほとんどがフローリング材です。
理由としては、カーペットや畳と比較して、光沢があるために見た目の高級感があり、平滑であるため清掃しやすく、ハウスダストやダニなどが低減でき清潔感がある事が大きいのではないでしょうか。
また、強度、耐磨耗性などの点でも優れています。
材料としては、ナラ、オーク、チークなどの硬い木が多いですが、檜、桐、杉といった質感のよい木材を使った製品もあります。
製品寸法として、長さ、幅は様々ですが、厚さは12mm~15mmが一般的です。
フローリングの種類は、単層と複層に分けられます。
単層とはいわゆる無垢材です。
無垢ならではのおもむきがあり、経年変化によってより深い風合いを演出できます。
ただし、乾燥による狂い(変形)は複層材より大きく、取り扱いは難しいです。
複層材とは、数層の下地合板の上に、0.3~2mm程度の厚さの木を張ったものを、指します。
最近は、シックハウス症候群の予防に対応した低ホルムアルデヒド製品、床暖房対応製品、マンション用に特に遮音性能を高めた製品などがあります。
フローリングの施工方法は下地によって、釘打工法と直貼り工法があります。
釘打工法は木造建築物等で、フローリング材を釘により下地に施工する方法です。
床の下地の角材(根太)の上に直接床材を張る根太(ねだ)工法と一度合板等を捨て張りした捨張工法があります。
捨張をしたほうが、たわみ・反りは軽減できます。
もちろん単価はアップしますが。
直貼り工法はフローリング材を接着剤のみで下地に施工する方法です。
下地がモルタル面や捨て張りされている場合等、下地が平面で、強度を有する場合に使用します。
一般的には直貼り専用のフローリング材が用いられます。
コンクリート建造物等の躯体床面に強度がある場合に用いられる工法です。
現在フローリングの種類は、多種にわたり、適材適所に対応しています。
価格面も考慮に入れ、実用的に優れた製品を選択する事が重要ではないでしょうか。
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