建築物を断熱するのは、次の3つの理由によります。
1.表面結露を防ぐため:結露防止
2.燃料費・暖冷房費低減のため:省エネルギー
3.居住性を向上させるため:居住性向上
断熱材は大別すると、発泡プラスチック系、無機質繊維系(グラスウール等)及び木質繊維系(インシュレーションボード等)に分類されます。
過去記事においては、断熱材現場発泡工法(ウレタン吹付け工法)を主に紹介してきました。
今回は、無機質繊維系であるグラスウールを紹介します。
グラスウールとは、短いガラス繊維でできた、綿状の素材です。
建築物における断熱材として広く用いられるほか、吸音材(遮音ではない)としてもスピーカー等や防音室の素材として用いられています。
防火性にも優れており、アスベストの代替材としても広く使われています。
特徴としては、下記が挙げられます。
* 価格が安いわりに断熱性能が良い。
* 切断・曲げなど、自由に加工することができる。
* 材料の厚さ・サイズが豊富です。
厚さは、壁用で50mm・75mm・100mmなどがあり、床下用で42mm・80mmなどがあります。
サイズは、壁用で 430mm×1370mm・430mm×2740mmなどがあり、床下用で263mm×1820mm・415×1820mm・820×1820mmなどがあります。
その他に、天井用等で、ロール状に巻かれている長物もあります。
* 密度も豊富です。
密度は10kg/m³・16kg/m³・24kg/m³・32kg/m³などがあります。
* 断熱性能は、厚さにほぼ比例します。
* 火に強く、防火性能が高いです。
このため、一定の厚さ以上のグラスウールを入れた壁に、石膏ボードなどを組み合わせて、防火構造の壁を作ることができます。(耐火壁,耐火間仕切)
また、万一燃焼しても、発熱量が少なく、有害ガスをほとんど発生しません。
* 優れた吸音効果があります。
このため、断熱以外の目的で、住宅の天井裏に使われたり、病室・ホテルの個室・放送室・スタジオ・体育館の壁に使われたりもします。
製法は、建築物や自動車の窓に使われていた廃ガラスが、現在の主な原料で、溶かしたガラスを火炎法・遠心法などで綿状とし、接着剤としてフェノール樹脂を添加して、板状・ロール状などに整形したものが製品となっています。
安全性として、材料の砕けたガラス繊維は微細で鋭利な繊維となり、吸ったり接触すると口の中に砂が入ったようになる、目が痛くなる、手が痒くなる、という症状が出やすいため、ゴーグルおよびマスクの使用が必要です。
吸引時の安全性は、ガラス繊維は非結晶性であるために肺がんなどの原因になることは証明されておらず、石綿と比較すると危険性は相対的に低いとされています。
グラスウールは建築断熱材料として、世界中で最も多く使用されています。
アメリカでは住宅用断熱材の8割、日本でも5割以上にグラスウールが使用されています。
それほど、一般的に普及している材料です。
グラスウールの施工時において注意しなければならない事項のひとつとして、水にぬれた場合の処置があります。
施工時の急な雨濡れなどでグラスウールが濡れてしまった場合、グラスウールの繊維自体には吸水性はありませんが、一時的に保水してしまうことがあります。
このような場合には乾燥させる等、適切な処置を取った上で再施工を行なう必要があります。
保水したまま使用すると、断熱性能の低下等につながってしまうことがあります。
やはり、一番の特徴は、建築物に使用する断熱材料の中でも、コストパフォーマンスが非常に優れている素材であるということではないでしょうか。
施工ポイントで最も注意することは、隙間無く、きちんと敷き詰め(張付ける)ことです。
下記写真は、左と中央がグラスウール材料で、右側が某倉庫壁にGWを使用している施工写真です↓(クリック拡大)

【送料無料】 吸音 ・遮音パネル
以前の記事にて、耐火被覆工法の一つとして、「マキベエ」と名打つ、巻付け工法を紹介しました。
今回は昔より、一般的に施工されている「岩綿吹付け工法」を掲載します。
岩綿吹付けは、不燃材料で、耐火性に優れており、耐火被覆の代表的な工法です。
鉄骨骨組等の耐火被覆で用いられ、ロックウール粒状綿を主原料とし、セメントを硬化材として、専用の吹付け機を用いて鉄骨などの下地に吹付け、被覆を構築する工法です。
一定の被覆層をつくる有機物を含まない現場施工の不燃製品です。
耐火・断熱・吸音性に優れさまざまな用途に使用されています。
もともと岩綿とは、石綿代用品として発明された鉱石を原料とした繊維状物質保温材です。
各種プラントや、船舶・車輌などの産業分野で幅広く使用されている他、建築用としても耐火・断熱・防音を目的としてビル・工場・一般住宅に 至るまで数多くの建物で使用されています。
数年前から世間を騒がしている「石綿」との違いを、一言でいうのなら、「結晶構造」という物の違いです。
石綿(アスベスト)は、非常に小さい針のような形の結晶が集まって出来ています。
そして、この結晶の面に従って剥がれたり破けたりしやすい性質があります。
よって、壊れるほど小さい針になるので、肺の細胞などに刺さってしまい、最終的には癌の原因となります。
一方,岩綿(ロックウール)は,人工的に天然の岩石を高熱で溶かして,それを細いノズルから噴出させて繊維状にしたものです。
ガラス繊維と同じく、結晶構造をもっていません。
よって、細かい針状の結晶が飛び散るということがありません。
つまり、アスベストとロックウールの大きな違いは,繊維の径で,一般的にロックウールの方が数百倍,数千倍,径が大きいため、空気中に飛散しづらく、健康を損ねる危険性が非常に低いのです。
岩綿吹付け工法の、主な特徴として下記が挙げられます。
1.耐火性・不燃性に優れています。
2.吸音性能・断熱性に優れています。
3.ロックウール(粒状綿)とセメントを材料としているので、軽量で、施工性に優れています。
4.現場吹付け施工なので、複雑な形状にも容易に適用でき、継ぎ目のない連続した被覆層が形成できます。
5.施工・乾燥がともに速く、高層階への圧送もできるので、工期の短縮となり経済的です。
6.もちろん、火災にあっても発煙もなく有害ガスの発生もありません。
国土交通大臣認定の、吹付けロックウール被覆耐火構造で認めている施工方法には、次の2つの工法があります。
1.乾式工法(工場配合材料を用いる工法)
ロックウールとセメントをあらかじめ工場にて混合した材料を吹付け施工機械で圧送し、ノズル先端の周囲から噴霧される水で包み込み、材料を湿潤させながら均一に下地に吹付ける工法。
2.半乾式工法(セメントスラリーを用いる現場配合工法)
水とセメントをあらかじめ攪拌装置のあるスラリー槽で混合し、吹付け施工機械で圧送されたロックウールをセメントスラリーと混合しながら均一に下地に吹付ける工法。
耐火材吹付けの施工における注意事項です。
(a) 耐火材吹付けの材料及び工法は,建築基準法に基づき認定を受けたものとします。
(b) 施工に先立ち,支障となる浮き錆,付着油等は除去しなければなりません。
(c) 耐火材の吹付け厚さは,確認ピンを用いて確認します。
スラブ及び壁面については2m2程度につき1箇所以上とし、柱は1面に各1箇所以上、梁は1本当たり、ウェブ両側に各1本、下フランジ下面に1本、下フランジ端部両側に各1本差し込んで確認します。
なお、確認ピンは,そのまま存置しておきます。
(d) 吹付けを行う場合は,十分な養生を行い,飛散防止に努めます。
これは非常に大切な作業のひとつであり、吹付けに際し、粉じんが外部に飛散しないように、シート等で囲い、必要に応じ、作業区画毎に養生囲いを行わなければなりません。
下記写真の左側は、ロックウール材料です。
右側は、吹付け施工機械です。

左が、鉄骨造の梁に、岩綿を吹付けている施工状況写真です。
右側が、柱における岩綿の吹付け厚さを、確認ピンを用いて確認している写真です。

スリーエム ヘルスケア(3M) 防じんマスク No.6000/2091-RL3No.6000/2091-RL3 M 1個
サイト内検索
カテゴリー
月別記事
最新コメント
- 鉄筋のかぶり確保 に kazzzz より
- 鉄筋のかぶり確保 に tsutomu takarada より
最新 24時間 人気記事ベスト3
- 塗膜防水工法(ウレタン防水): 92 view(s)
- 軽量鉄骨天井下地(LGS工法): 86 view(s)
- 現場経費と一般管理費: 75 view(s)





