以前の記事2007/6/7「玉掛作業」につづき、第2弾です。
前回は、玉掛け作業の概略を紹介しましたが、今回はもう少し踏み込んで、記載いたします。
「玉掛」は、作業の安全性と深く関与しており、作業手順を守ることが、非常に大切になります。
以下、手順書です。
1.準備
1)打合せ
・各者作業分担の確認、手配を行ないます。
2)玉掛用具の点検
・素線切れ、キンク、腐食等の点検。
3)立入り禁止措置
・柵、看板などを設置します。
2.本作業
1)玉掛け
・荷の重心を見極めます。
・半掛けなどで、荷がすべって落下しないよう、確認をする。
・吊荷にあった玉掛方法を決定し(多々の方法があります)、適切な玉掛用具を選定する。(下図参照)
・荷の重量を見極める。
・吊角度は60度以内とする。(吊角度が大きいと、ワイヤー切断の原因になります)
・吊角度、吊荷重にあった強度のワイヤーを使用する。
・介錯ロープをつける。
2)フックの誘導
・玉掛者にフックが当たることのないよう、合図者が誘導する。
・合図者は運転士から見やすく、安全な場所に位置して合図する。
・吊荷の重心の真上に誘導する。
・玉掛者はフックの誘導状況を確認する。
3)フック掛け
・フックから外れないように荷を固定する。
・外れ止めが機能しているか確認する。
・ワイヤーによじれ、重なりがないよう、確認する。
4)ワイヤーロープを利かせる
・ワイヤーロープと荷で手を挟むことのないよう、注意する。
・玉掛けワイヤーロープが張るまで手の平で押さえ、張り具合を見ながら手を離す。
5)地切りをする
・吊り荷の重心にフックがくるようにする。
・合図者は、玉掛者が退避し、吊荷から3メートル以上離れてから20~30センチ巻き上げる。
・吊荷が不安定な場合、降ろしてやり直す。
・合図者は、クレーンオペからよく見える位置で、決められた合図方法で明確に合図する。
・合図は指名された者が明確に行う。
6)巻き上げる
・介錯ロープで誘導する。
・巻き上げるときは、作業者は吊荷から3メートル以上離れ、介錯ロープで誘導する。
・吊荷は堅固に固定し、吊荷に合った玉掛用具を使用する。(はかま、ワイヤモッコ等、下図参照)
・玉掛者は、必要に応じシャックル等を使用する。
7)止める
・床上2メートル、又は2メートル以上で障害物に当たらない安全な高さで荷を一度止める。
8)移動する
・移動方向は明確に指示する。
・移動方向に人や障害物がないよう、又、荷振れを起し激突することのないよう、注意して誘導する。
・異常があった場合、クレーンを止める。
・合図者は移動方向に人や障害物の無いことを確認しながら誘導する。
9)巻き下げる
・荷降ろし場所を、早めに指示する。
・作業員が吊荷の下に入り、吊荷と接触することのないよう、注意する。
・荷の真上で一旦静止する。
・周囲に人がいれば立ち退かせる。
10)ちょい下げ
・台木を正しく設置する。
・ワイヤーや当て物が下敷きにならないか確認する。
・吊荷と台木の間に足を挟むことのないよう、気をつける。
11)ロープ外し
・玉掛者は荷の安定を確かめてから、ワイヤーを緩める。
・フックを適当な位置まで下げて止め、ワイヤーロープを外す。
・ワイヤーロープを引き抜く場合、荷の転倒や崩壊に気をつける。
・ワイヤーを引き抜く時ワイヤーがはねて、人に当たることのないよう、確認する。
・ワイヤーはゆっくり引き抜く(勢いよく引き抜かない)
・運転士に終了の合図をする。
以上で完了です。
これらの手順が、スムーズに関係者全員に熟知され、作業を進めてゆくことが、玉掛け作業における安全確保には大切なことです。
また、重大災害になる可能性が高いこの作業は、一人でも油断することなく、互いに協力し合い、決まり事を守り、手順を踏まえ、安全に対する意識を高く持ち、作業をすることが、事故を未然に防止する一番の手段ではないでしょうか。
実際の現場にて、荷を吊って玉掛け作業を行っているところです↓

一般的な、玉掛け作業の、安全注意事項です↓

イラスト標識:玉掛は正しく必ず有資格者でWB42
434安全標識 94-C 玉掛作業者の基本心得
300安全標識 53-X 玉掛重心 900X600 合成コ゛ム
車両系建設機械の安全作業計画書に関して、記載致します。
今回の記事より、カテゴリーに「33.安全管理」なる分類を、追加致しました。
以前より、安全関係の記事はたくさん掲載したいと考えているのですが、なかなか筆が進まず、ようやく三度目の記事です。
過去記事は、以下になります。
2008/8/3「安全大会AED(自動体外式除細動器)講習」
2007/5/15「安全掲示板」
少し横道にそれますが、労働安全衛生法及び関係政省令の体系として、一番基本になるのは「日本国憲法第27条」です。
つまり、
「全ての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
児童は、これを酷使してはならない。」
ここからすべてが始まり、次に「労働基準法」が、くるのです。
さらに、労働安全衛生法(安衛法)、労働安全衛生法施行令(安衛法施行令)、労働安全衛生規則、関係省令(安衛則)と体系づけられています。
そのなかで、「安衛法第29条2」が、以下です。
「機械が転倒するおそれのある場所・労働省令で定める場所において、作業をおこなうときは、元方事業者として関係請負人に対して、関係請負人が危険防止措置が適切に講ぜられるよう、技術上の指導をするとともに、危険防止のための必要な資材の提供や関係請負人と共同して、危険防止の措置を講じなければいけない」
さらに、「安衛法第634条の2」において、
「法第29条の2の労働省令で定める場所とは、「機械が転倒する場所」であり、対象機械は、「移動式クレーン」「基礎工事用機械」である」とあります。
そして、「安衛法第30条の2の五項」にて、
「特定元方業者は、作業の工程、作業に使用する機械・設備等の計画を作成するとともに関係請負人が作成した作業計画が、特定元方の計画と適合しているか、確認と指導しなければならない」とあり、
「安衛法 第155条」において、
「車両系建設機械は、作業方法・運行経路・機種・能力を定め、計画に基づき作業を行う」と決められています。
車両建設機械作業計画書の一般的な記載項目です。
1.作業所長、元方管理者、担当者名
2.作業所名、会社名、作成者名
3.作業期間
4.機械名称、能力、台数、所有者、運転者
機械の種類としては、
□整地・運搬・積込機械
□掘削機械
□基礎工事用機械(杭打ち機含む)
□締固機械
□解体用機械
□コンクリート打設用機械
などがあります。
5.作業計画内容、作業主任者名、作業識者名、指揮者名、作業場所及び作業範囲と運行経路図
(機械位置、付随する機械設備、移動経路と移動位置、安全通路、立入禁止区域、制限速度、誘導者位置等を記入)
下図参照(クリック拡大↓)

6.合図の方法
・手 ・笛 ・旗 ・無線等を明記
7.危険範囲立入禁止措置
・監視人 ・バリケード ・トラロープ ・カラーコーン ・警報装置
8.地形
・平地 ・傾斜地( 度) ・段差地 ・作業面(広い)(狭い)
9.地質
・硬岩 ・軟岩 ・礫 ・砂礫 ・砂 ・シルト ・粘性土 ・泥炭
10.埋設物・架空線近接と防止措置
埋設物 ・無し ・有り(GL-m) 架空線 ・無し ・有り(離れ m)
防護方法( )
11.機械転倒危険場所と防護の方法
・無し ・有り
防護方法( )
12.作業方法・内容
(具体的、簡潔に記入)
13.安全対策
(予測危険に対する措置)
以上のような計画書を作成し、作業前及び作業中にも、確認しながら建設機械を使用しなければなりません。
これは、法律で決まっていることなのです。
その大義は、最初に紹介した日本国憲法ではないでしょうか。
全ての国民の労働に対する権利と義務です。
各車両系建設機械の写真です↓

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某建築現場の安全大会にて、AED(Automated External Defibrillator)について、全員で勉強をしました。
消防本部の方々における、救命講習会です。
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
AEDは、操作方法を音声ガイドしてくれるため、簡単に使用することができます。
講習を受けるには、公的団体では、各地の消防本部や日本赤十字社がAED講習会を開催しています。
病院や保健所で独自に行っているところもあります。
民間団体では、アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)公認講習を開催する日本ACLS協会や、メディックファーストエイド社、国際救急救命協会が、一般市民向けにトレーニングを提供しています。
操作はいたって簡単で、AEDの発する指示音声に従ってボタンを押すなど2~3の操作のみで、取り付けもピクトグラムで分かりやすく説明されており、医療知識や複雑な操作なしに電気的除細動が実行されます。
AEDによる除細動の施行と併せて、そばにいる者が心臓マッサージ・人工呼吸を継続して行うことも救命のために不可欠です。
日本では救急車が現場到着するまで平均で約6分強を要しますが、心室細動の場合、一刻も早く電気的除細動を施行することが必要とされており、6分も待つ余裕は全くありません (カーラーの救命曲線によれば心停止3分で死亡率はおよそ50%)。
救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、救急隊員や医師が駆けつけてからAEDを使用するよりも救命率が数倍も高いことが明らかになっています。
このようなことから、建築工事現場等においても、AEDを配置するとともに、現場に携わっている全員がAEDに関する知識を有することが、非常に大切だと考えます。
AEDが登場し始めた当初は、一セットあたり100万円以上でしたが、2007年には30万円程度になっています。
家電量販店でも販売しています。
もちろん、レンタルもあります↓
「救命コム」AEDレンタル・販売/救命トレーニングマネキンレンタル・販売
マンションにおいては、「AED収納宅配ボックス」もあります。
ぜひ、安全大会等で、全員で勉強してみてはいかがでしょうか。
これからの時代、ますますこのような機器の需要が高まり、設置箇所数、台数が増えていくと思います。
下記写真において、左側が講習会の状況で、右側が、心臓マッサージを練習している状況写真です。

続いて、人工呼吸をおこなっている写真と、設置ステッカーです。
会社玄関に設置して社会に貢献Philips フィリップス ハートスタート HS1 AED (自動体外式除…
現場に掲載する安全掲示板です。
通常、現場事務所の近くに設置し、朝礼等は、この掲示板の前にて行う事が多いです。
なにを掲示しなければならないという決まりは特別ありませんが、通常掲示するものを紹介します。
まず最初に作業主任者の掲示です。
作業主任者とは、労働安全衛生法(安衛法14条)とその関連法令(安衛令6条、安衛則16、17条)により定められた労働災害防止のための、一つの制度です。
事業者が業務を労働者におこなわせる場合において、その業務の全部又は一部に「労働災害の危険性・おそれ」がある場合、それらの業務を行う労働者の中から一定の要件(資格)を満たす者を「作業主任者」として選任し、当該作業に従事する労働者に対する指揮を行わせなければならないこととされています。
事業者から作業主任者に選任されるためには、当該業務に関連する免許を所持するか、又は都道府県労働局長等が行う技能講習を修了していなければなりません。
各工種の作業により、作業主任者が必要になります。
例えば、型枠工事の場合は、支保工の高さが3,5m以上の作業の場合、作業主任者が必要になります。
次に有資格者表示です。
ここで表現される有資格者とは、技能検定により、取得した技能士免許資格をあらわします。
技能検定は、労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、これを公証する国家検定制度です。
労働者の技能と地位の向上を図り、国の産業の発展に寄与しようとするものであって、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に基づいて実施されています。
技能検定は、労働者の技能習得意欲を増進させるとともに、労働者の雇用の安定、円滑な再就職、労働者の社会的な評価の向上に重要な役割を有するものです。
平成15年度には全国で約45万人が技能検定を受検し、約18万人が合格しており、技能検定制度が開始された昭和34年度から平成15年度までの累計では、延べ約661万人が技能検定を受検し、延べ約296万人が合格して技能士となっています。
他には、「安全施工サイクル」「今月の安全スローガン」「無災害記録表」「安全当番」「お知らせ」「クレーンなどの合図法」「玉掛けワイヤー点検項目」等を掲示する事が多いです。
下記写真は一般的な安全掲示板です↓
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