以前より、ずっとこのテーマの記事を載せたかったのです。
いろいろ知識を向上させてから、多種多様にわたり、紹介する予定でした。
しかし、なかなか奥が深くて、いつまでたっても、経験さえままなりません。
そこで、あまり深慮せず、わかる範囲でゆっくり書いてゆくことにします。
さて、その命題は「産業廃棄物処理」です。
私は、建築現場に長く携わっているのですが、マニフェスト(後ほど説明)ひとつとっても、非常に複雑です。
もちろん、不法投棄などがいまだに行われている実態を鑑みると、このシステムは有効ではあるのでしょうが。。。
「クレダス」
「建設系産業廃棄物」
「マニフェスト制度」
「中間処理業者」
「最終処分場」
「PCB廃棄物」
「産廃処理委託契約書」
「運搬経路」
「有価物」
「収集運搬業者」
「アスベスト」などなど。
産廃に伴う専門用語は数知れません。
今回は、そのなかの「マニフェスト」を、ほんの一部かじってみたいと思います。
カテゴリーは新たな気持ちで「35.産廃処理」としました。
さて、まずは「産廃」の説明から。
産業廃棄物(さんぎょうはいきぶつ)とは、下記に掲げる廃棄物を指します。
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、
燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
輸入された廃棄物(船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物
(政令で定めるものに限る。
廃棄物処理法第15条の4の5第1項において「航行廃棄物」という。)
並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)
事業活動ですから、家庭ゴミは入りません。
もちろん建築工事現場にて処理する廃棄物は、ほとんど産業廃棄物です。
それでは、産業廃棄物管理表(マニフェスト)とは、
産業排出事業者が、収集運搬業者または、処分業者に対して産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、委託した廃棄物の最終処分までの流れを常に把握して、不法投棄を防止し及び適正な処理が行われるように監視する為のものです。
その「マニフェスト」の種類は、A.直行用(7枚綴り)と、B.積替用(8枚綴り)があります。
さらに、これら2種類には、それぞれ単票と連続票の2種類があり、計4種類となります。
単票は手書きであり、連続票はコンピュータ用です。
この他に、建設9団体発行の建設廃棄物用のマニフェストがあります。
さっそく、7枚綴りの実際のマニフェスト(産業廃棄物管理表)を、紹介します。
下記写真は、某建築工事現場にて実際に使用する前の状態のものです↓
(クリック拡大)
最初にA票です。

続いて、B1,B2票です。

続いて、C1,C2票です。

そして、D票です。

最後に、E票です。

この厄介で複雑な7枚綴りをどのように使用するのかを、紹介します。
マニフェスト各票の流れ
1.産業廃棄物引渡し時
排出事業者(建築工事現場では元請け業者等)は,マニフェスト(7枚複写)に必要事項を記入し、廃棄物と共にいったん7枚とも収集運搬業者に渡します。
収集運搬業者は、所定欄に署名のうえ、A票のみを排出事業者に返します。
(A票は排出事業者が保管)
2.運搬終了時
収集運搬業者は、運搬を行った者の氏名・運搬を終了した年月日等を記載し、残りのマニフェスト(B1票からE票)を、廃棄物と共に処分業者に渡します。
処分業者は所定欄に署名のうえ、B1票B2票を収集運搬業者に返します。
収集運搬業者はB1票を保管し、B2票を排出事業者に送付(運搬終了後10日以内)し、運搬終了を報告します。
(早くも、かなり、ややこしくなってきました)
3.処分終了時
処分業者は処分終了後、マニフェストの必要事項(処分を行った者の氏名・処分を終了した年月日)を記入し、収集運搬業者にC2票を、排出事業者にD票(最終処分の場合はE票も併せて)を送付(処分終了後10日以内)し、C1票は自ら保管します。
処分(中間処理)業者は受託した産業廃棄物を中間処理した残渣(中間処理産業廃棄物)の最終処分が
終了するまでの間、E票を保管します。
収集運搬業者は、B1票と返却されたC2票の照合により、委託された廃棄物が適正に処理されたことを確認します。
4.最終処分終了時
処分業者は自ら交付したマニフェスト(2次マニフェスト)等により中間処分産業廃棄物の最終処分終了を確認した後、保管していた排出事業者のC1・E票(1次マニフェスト)に最終処分終了年月日、最終処分の場所を記載の
上、E票を排出事業者に返送(最終処分終了を確認した日から10日以内)します。
5.返送されたマニフェストの確認
排出事業者は、A票と収集運搬業者、処分業者から戻ってきたB2票、D票、E票を照合し、返送されたマニフェストを保管します。(5年間)
6.マニフェストの送付期限
排出事業者は、マニフェスト交付の日からB2・D票は90日(特管産廃は60日)、E票は180日以内に送付を受けないときは、委託した廃棄物の運搬、処分の状況を把握すると共に、法律に定められた「適切な処理」措置を講じます。
「適切な処理」:廃掃法第12条の三第7項-規則第8条の二十九生活環境の保全上の支障の除去又は発生の
防止のために必要な措置を講ずるとともに、規定する期間が経過した日から三十日以内に、様式第四号による報告書を都道府県知事に提出しなければなりません。
ざっと流れを書いてみました。
一度では覚えきれません。
簡単にそれぞれの用紙の役割をまとめると、
【 直行用マニフェスト (7枚複写) 】
産業廃棄物が処分業者に直接運搬される場合
A票 排出事業者の控え
B1票 運搬業者の控え
B2票 運搬業者から排出業者に返送され、運搬終了を確認
C1票 処分業者の保存用
C2票 処分業者から運搬業者に返送され、処分終了を確認
D票 処分業者から排出事業者に返送され、処分終了を確認
E票 処分業者から排出事業者に返送され、最終処分終了を確認
こういうことですね。
皆さんの周りに7枚綴りの書類・伝票類はどの程度、あるのでしょうか。
少なくとも私の周りにはありませんし、知りません。
地球規模のリサイクルですが、これほど複雑な管理を世界中でしているのでしょうか。
とても疑問に感じます。
どの部分に、何をどのように記入するのかに関しては、またの機会に致します。
以前は、現場管理は、「施工管理」「工程管理」「原価管理」「安全管理」などといわれていましたが、昨今は、これにもうひとつ、「環境管理」が、必要になってきたのではないでしょうか。
図解入門ビジネス 最新産廃処理の基本と仕組みがよーくわかる本 (How‐nual Business Guide Book)
図解産業廃棄物処理がわかる本
共通費(積算基準)後編です。
前回は、共通費のひとつである現場管理費の内容迄、紹介しました。
今回は、一般管理費から記述いたします。
一般管理費の項目内容としては、下記が挙げられます。
1.役 員 報 酬
取締役及び監査役に要する報酬
2.従業員給料手当
本店及び支店の従業員に対する給与、諸手当及び賞与 (賞与引当金繰入額を含む)
3.退 職 金
本店及び支店の役員及び従業員に対する退職金 (退職給与引当金繰入額及び退職年 金掛金を含む)
4.法定福利費
本店及び支店の従業員に関する労災保険料、雇用保険料、健康保険料及び厚生年金 保険料の事業主負担額
5.福利厚生費
本店及び支店の従業員に対する慰安、娯楽、貸与被服、医療、慶弔見舞等の福利厚 生等に要する費用
6.維持修繕費
建物、機械、装置等の修繕維持費、倉庫物品の管理費等
7.事務用品費
事務用消耗品費、固定資産に計上しない事務用備品、新聞参考図書等の購入費
8.通信交通費
通信費、旅費及び交通費
9.動力用水光熱費
電力、水道、ガス等の費用
10.調査研究費
技術研究、開発等の費用
11.広告宣伝費
広告、公告又は宣伝に要する費用
12.交 際 費
得意先、来客等の接待、慶弔見舞等に要する費用
13.寄 付 金
社会福祉団体等に対する寄付
14.地 代 家 賃
事務所、寮、社宅等の借地借家料
15.減価償却費
建物、車両、機械装置、事務用備品等の減価償却額
16.試験研究償却費
新製品又は新技術の研究のための特別に支出した費用の償却額
17.開発償却費
新技術又は新経営組織の採用、資源の開発並びに市場の開拓のため特別に支出した 費用の償却額
18.租 税 公 課
不動産取得税、固定資産税等の租税及び道路占有料その他の公課
19.保 険 料
火災保険その他の損害保険料
20.契約保証費
契約の保証に必要な費用
21.雑 費
社内打合せの費用、諸団体会費等の上記のいずれの項目にも属さない費用
以上になります。
さて、ここからが今回の本題である「率」の話です。
公共工事の場合、予定価格を算出するわけですが、その根拠となるのが公共建築工事積算基準をはじめとする積算基準類です。
これは、国の機関が共通して使用する統一基準であると共に、品質確保の上でも重要な基準として位置付けられるものです。
この基準を参考に、各都道府県、市町村はそれぞれ独自の基準を作成しています。
それでは最初に、共通仮設費の算定です。
(1) 共通仮設費は、費用を積み上げにより算定するか、過去の実績等に基づく直接工事費に対する比率(以下「共通仮設費率」という)により算定します。
(2)当該共通仮設費率に含まれる内容は下表とします↓
(クリック拡大)
(3) 共通仮設費率は、下表によるものとします。
なお、共通仮設費率に含まれない内容については、必要に応じ別途積み上げにより算定して加算します。
一般的に、設計図書などに共通仮設積み上げ分の指示が記述してあります。
これがどういうことかというと、(2)の表に出ている項目は、各社により考え方で費用に差が出てきやすい部分です。
よって、予定価格を決定する際に、率を用いるのです。
例えば、(2)の表に載っていない「仮囲い」という項目が共通仮設費の工事施設費には含まれています(これは前回の記事に載っています)。
「仮囲い」は、材料、材質、施工区間、損料期間、運搬費などを図面上で指定することが出来、指定することにより、適正な価格をはじき出すことが可能です。
これを「共通仮設の積上分」と呼び、以外の項目は率によって計算するのです。
ちょっと、わかりにくいですね。
下表クリック拡大
それではちょっと計算してみます。
新営建築工事で、
直工費がちょうど1億、共通仮設の積上分が500万とします。
その時の共通仮設費は、
率(Kr)=4.83×(100000)^-0.0168=3.98%
100,000,000*0.0398+5,000,000=8,980.000
となるわけです。
(私は、このような計算はすべてGoogleの検索窓にて計算しています。
※入力してreturnで答えがすぐ出て、とても便利です)
これ以外にも、電気設備、機械設備、昇降機設備工事の率がおのおの決められています。
共通費に関して、2週にわたり前編・後編と掲載しましたが、とても書ききれなくなりました。
現場管理費、一般管理費の率は、追って近々記事に致します。
また、率の補正、その他工事、単独・分割発注などなど、独特の決まり事がたくさんありますので、すべて後日紹介します。
公共建築工事標準単価積算基準は、国土交通省のホームページからも閲覧することが出来ます↓
国土交通省 >> 官庁営繕関係統一基準 >> 公共建築工事標準単価積算基準
設計業務等標準積算基準書―設計業務等標準積算基準書(参考資料)〈平成21年度版〉
【送料無料】★パソコンソフト コベック【税込】建設原価ビルダー2
最近、書いていなかった「30.見積書」カテゴリーの記事です。
3年前に書いた、2006/10/14「建築工事の見積書」と、2006/10/15「現場経費と一般管理費」の記事を、公共工事の観点から、再記述致します。
そもそも、公共工事(こうきょうこうじ)とは、一般に、国、都道府県、市区町村などの行政府が道路や橋などの社会資本の整備を目的として行われる工事のことです。
原則として競争入札(一般競争入札・指名競争入札)によって発注先を決定しますが、小規模または小額の工事の場合は、随意契約もあります。
今回は、「公共建築工事共通費積算基準」より、共通費の考え方を綴ってみます。
この本は、
「著者:建築コスト管理システム研究所 /国土交通省
出版社:建築コスト管理システム研究所 /大成出版社」
で、この記事の最後に紹介しています。
さて、ここでいうところの「積算」とは、広義には「計算結果を累積していくこと」であり、狭義(建築分野)では「設計図書に基づいた対象とする建築物の事前原価としての工事価格を予測すること」と、定義されます。
それでは、共通費の定義から。。。
共通費の区分と内容です。
共通費は、「共通仮設費」「現場管理費」及び「一般管理費等」に区分されます。
それぞれの内容は下記です。
A.共通仮設費
共通仮設費は、各工事種目に共通の仮設に要する費用とする。
B.現場管理費
現場管理費は、工事施工に当たり、工事現場を管理運営するために必要な費用で、共通仮設費以外の費用とする。
C.一般管理費等
一般管理費等は、工事施工に当たる受注者の継続運営に必要な費用で、一般管理費と付加利益からなる。
このように説明されています。
私の以前の解釈(現場経費と一般管理費)より、ちょっとニュアンスが違いますね。
それでは、最初に共通仮設費の項目内容から紹介します。
1.準備費として、
敷地測量、敷地整理、道路占有料、仮設用借地料、その他の準備に要する費用
2.仮設建物費として、
監理事務所、現場事務所、倉庫、下小屋、宿舎、作業員施設等に要する費用
3.工事施設費として、
仮囲い、工事用道路、歩道構台、場内通信設備等の工事用施設に要する費用
4.環境安全費として、
安全標識、消火設備等の施設の設置、安全管理・合図等の要員、隣接物等の養生及び補償復旧に要する費用
5.動力用水光熱費として、
工事用電気設備及び工事用給排水設備に要する費用並びに工事用電気・水道料金等
6.屋外整理清掃費として、
屋外及び敷地周辺の跡片付け及びこれに伴う屋外発生材処分等並びに除雪に要する費用
7.機械器具費として、
共通的な工事用機械器具(測量機器、揚重機械器具、雑機械器具)に要する費用
8.その他として、
材料及び製品の品質管理試験に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
以上です。
除雪に要する費用が、屋外整理清掃費に含まれていることなどは、私はちょっと違和感をおぼえてしまいます。
つづいて、現場管理費です。
1.労務管理費
現場労働者及び現場雇用労働者の労務管理に要する費用
・募集及び解散に要する費用
・慰安、娯楽及び厚生に要する費用
・純工事費に含まれない作業用具及び作業用被服等の費用
・賃金以外の食事、通勤費等に要する費用
・安全、衛生に要する費用及び研修訓練等に要する費用
・労災保険法による給付以外に災害時に事業主が負担する費用
2.租税公課
工事契約書等の印紙代、申請書・謄抄本登記等の証紙代、固定資産税・自動車税等の 租税公課、諸官公署手続き費用
3.保 険 料
火災保険、工事保険、自動車保険、組立保険、賠償責任保険及び法定外の労災保険の保険料
4.従業員給料手当
現場従業員及び現場雇用労働者の給与、諸手当(交通費、住宅手当等)及び賞与
5.施工図等作成費
施工図等を外注した場合の費用
6.退 職 金
現場従業員に対する退職給与引当金繰入額及び現場雇用労働者の退職金
7.法定福利費
現場従業員、現場労働者及び現場雇用労働者に関する労災保険料、雇用保険料、健康 保険料及び厚生年金保険料の事業主負担額並びに建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額
8.福 利 厚 生 費
現場従業員に対する慰安、娯楽、厚生、貸与被服、健康診断、医療、慶弔見舞等に 要する費用
9.事務用品費
事務用消耗品費、OA機器等の事務用備品費、新聞・図書・雑誌等の購入費、工事写真代等の費用
10.通信交通費
通信費、旅費及び交通費
11.補 償 費
工事施工に伴って通常発生する騒音、振動、濁水、工事用車両の通行等に対して、近隣の第三者に支払われる補償費。
ただし、電波障害等に関する補償費を除く。
12.原価性経費・配賦額
本来現場で処理すべき業務の一部を本店及び支店が処理した場合の経費の配賦額
13.その他
会議費、式典費、工事実績の登録等に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
この現場管理費は、各会社により金額が大きく変わるところではないでしょうか。
特に給料の考え方は、金額の割合も多くなる部分です。
つまり、管理する現場に携わる現場員の人数*日数*金額という試算になるのですが、ここのばらつきは当然起こりうるわけです。
また、その他には、竣工式、宿泊、夜食代、研修費用などなど各企業の個性の出る項目でもあります。
次回は、最後の一般管理費の項目内訳と、それぞれの共通費の率の計算方法を紹介します。
つまり、例えば一億の工事の場合「共通仮設費はいくら、現場管理費はいくら、一般管理費はいくらとする」という計算式があるのです。
この分野は、私自身も現在学んでいる最中で、結構奥が深く、累乗だの、ログ(Log)だのと、いろいろな数式を駆使しているのです。
まるで学生時代に戻ったように頭が逆回転してしまいます。
そこのところを具体的に記載しますので、後編はお楽しみに。。
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