先週は、継杭の溶接について、紹介しました。
今回は、その検査方法を紹介します。
その試験は、浸透探傷試験(カラーチェック)(JIS Z 2343)です。
これは、材料の非破壊検査法の一種で、一般に行われている方法は、染色浸透探傷法です。
簡単に手順を書きますと、
最初に、溶接部に浸透性のよい赤色の液を吹付けて割れ部分に浸透させます。
その後、一度ふき取り、さらに白色になる現像液を吹付けます。
これに、にじみ出た赤色により欠陥を発見する方法です。
英語では、PI (penetrant inspection) やPT(penetrant testing, 浸透探傷試験)とも呼ばれ、材料表面に開口した傷(クラック)を探し出すことができます。
吸水性の良いものやポーラス(多孔質)なもの以外のほぼ全ての材料に使用できますが、検出できるのは表面の開口している傷のみです。
クラックは大きな応力のかかる場所などに生じる亀裂ですが、クラック端は半径が非常に小さいため応力が集中し、クラックは次第に進展して材料の強度低下や破壊を招きます。
これを事前に発見する「カラーチェック」は、非常に大切な検査です。
浸透探傷検査は、以下に挙げる観察方法・余剰浸透液の除去方法・現像方法の組み合わせでひとつの検査方法となります。
①観察方法による分類: 染色浸透探傷検査と蛍光浸透探傷検査
②余剰浸透液の除去方法による分類: 溶剤除去性浸透探傷検査・水洗性浸透探傷検査・後乳化性浸透探傷検査
③現像方法としては、速乾式現像法・湿式現像法・乾式現像法・無現像法
このような各方法を組み合わせ、例えば、「染色浸透探傷検査・溶剤除去性・速乾式現像法」などとなります。
特に、浸透液の除去に溶剤を使用する染色浸透探傷検査はダイ・チェック (dye check) と呼ばれることもあります。
それでは以下、検査作業手順です。
- 前処理 – 表面の洗浄
- 浸透処理 – 浸透液の塗布、浸透
- 洗浄処理 – 浸透液の除去
- 現像処理
- 観察
- 後処理 – 現像液の除去
まず被検査材料の表面を清浄にし、乾燥させた後、検査用の浸透液(赤色など)を塗布してクラックに染みこませます。
下記写真は、某現場における浸透液塗布状況です↓
(クリック拡大)

塗布にはスプレーのほか刷毛塗りなどの方法もあります。
浸透時間は浸透液の種類や被検査物の材質・温度などにより決めます(一般的に5~10分程度でそれより長い場合もあります)。
適当な浸透時間経過後に、材料表面からいったん浸透液を除去します。
既述したように、これには水洗と溶剤による方法とがあります。
このとき、クラック内にのみ浸透液が残るような、適度な洗浄が必要とされます(たとえば、洗浄液を直接スプレーするのではなく、ウエスに含ませて拭う、等)。
下記写真は、某現場における洗浄液塗布状況です↓
(クリック拡大)

表面が乾燥したら現像液(白色など)を塗布する。
下記写真は、某現場における現像液塗布状況です↓
(クリック拡大)

これにより、クラック内にしみこんでいた浸透液が材料表面ににじみ出し、指示模様を描く。
下記写真は、某現場における塗布完了状況です↓
(クリック拡大)


所定の時間内に、目視により観察・判定を行ったら、材料表面の浸透液や現像液を除去して終了です。
※利点と制限
他の非破壊検査と同様、材料を破壊せずにクラックの検出を行うことができるため、出荷物の全品検査などに用いることができます。
特に染色浸透探傷は、特別な設備を必要とせず現場で手軽に実施できるという大きな利点があります。
また、磁粉探傷検査や電磁誘導による渦電流検査等の電気/磁気を用いる方法と違い、非金属材料にも一般に適用できる点が優れています。
一方で、いずれの浸透探傷検査法も、表面に露出したクラックしか検出できないという欠点をもちます。
さらに、原理上、液体を吸いこむ性質を持つ多孔質の表面をもつ材料(ある種の金属材料や複合材料、木材・スポンジ・発泡材料など)には適用できません。
材料内部にクラックが存在すると思われる場合には、超音波探傷検査や放射線透過検査といった、別の非破壊検査方法を用いる必要があります。
いずれの試験を選択するかは、現場の状況・材料・工法等を十分に検討し、担当監督員に確認し、決定する必要があります。
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建造物の基礎における「杭工事」は、過去6回ほど記事にしています。
今回は、継杭の溶接工法を紹介します。
継杭とは、必要な杭の長さが、一本の杭では足りない場合に、継手を設けて打設時に連結して打ち込む杭のことをいいます。
先に打ち込む杭が下杭、それに継ぐ杭が上杭と呼ばれます。
例えば、施工杭長が15mという事であれば、上杭C種=7mと下杭A種=8mの2本杭を溶接で連結し施工したりします。
杭の現場継手は、溶接継手と無溶接継手とありますが、今回は溶接継手の半自動溶接という方法を、記述します。
こういった特殊作業には、専用の資格が必要となり、資格を持った技能者が施工に当たります。
継杭溶接の一般的な仕様です。
A.杭の継手の工法は、特記による。
特記がなければ、アーク溶接による溶接継手とする。
B.継手の施工に当たっては、上下杭の軸線を同一線上に合わせる。
C.継手の溶接は、溶接方法に応じた次の技能資格者が行う。
a)手溶接を行う場合は、JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)によるA-2H程度、または(社)日本溶接協会規格 WES 8106によるFP-A-2Pの技量を有する者。
b)半自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準) によるSS-2H程度、若しくは(社)日本溶接協会規格 WES 8106によるFP-SS-2P又はFP-SA-2Pの技量を有する者。
c)自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841によるSS-2F又はSA-2F以上の技量を有し、自動溶接に 1年以上従事した者。
d)a)又はb)によることが困難な場合は、手溶接にあってはA-2F、半自動溶接にあってはSS-2F又 は、SA-2Fの技量を有し、1又は2と同等以上の能力があると認められる者。
D.溶接施工は、JIS A 7201(遠心力コンクリート杭の施工標準)及び(社)日本溶接協会規格 WES 7601(基礎杭打設時における溶接作業標準)による。
E.溶接部の確認は、JIS A 7201の9.6溶接部の検査による。
F.準備作業
杭継手溶接部における表面の錆・泥土などの溶接に有害な付着物を、ワイヤーブラシ及び布などで除去する。
気温が0℃から-15℃の場合は、溶接部から100㎜以内の部分をプロパンバーナーで36℃以上に余熱してから行う。
G.溶接ワイヤー
溶接ワイヤーは、JISZ3313「軟鋼及び高張力鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤー」を使用する。
また、ワイヤー径は、3.2㎜とする。
H.溶接機
溶接機は、半自動溶接機を使用する
I.溶接施工
a)降雨、または強風(10m/S以上)の時は施工しない。
ただし、ある程度の風で溶接部及び溶接工が影響を受けないようにシートで防護処置を行う場合は、責任技術者の承諾を受けて行う。
b)溶接ワイヤーの保持は、適当なアーク長さと角度を保ち、運棒に注意して十分な溶け込みを確認する。
c)溶接は、全周溶接とし、余盛りは3㎜以下とする。
d)溶接完了後は、スラグを取り除く。
J.外観検査
溶接完了後は、目視によって、溶接部に欠陥がないか検査する。
建込みから、溶接までの作業手順です。
A.上杭の建込
①上杭を下杭と同様の手順で、吊り込む。
②下杭・上杭の溶接端板をウエス・ワイヤーブラシで清掃する。
③下杭に建込バンドを取り付ける。
④上杭を下杭に載せる。
⑤上下の杭軸が一直線になるようにして、溶接開先部の食い違い量は2㎜以下、ルートかんかくは4㎜以下に調整する。
⑥溶接開先部を仮止め溶接する。
⑦建込バンドを外す。
B.継手溶接
①開先部の泥や錆をワイヤーブラシで取り除く。
②継手溶接を行う。
下記写真が、某現場における継杭溶接状況です↓
(クリック拡大)



杭工事は、奥が深いので、これからも度々紹介する予定です。
建築工事標準仕様書・同解説 JASS 3・土工事および山留め工事、JASS 4・杭・地業および基礎工事
【送料無料選択可!】建築工事担当者のための施工の実践ノウハウ (単行本・ムック) / 志村 満 著
今回は、ホテルなど洒落た建築物の天井に多くみられる、曲面天井を記事にします。
過去に「軽量鉄骨天井下地」を、紹介しました。
(これは、私のこのサイトの一番人気の記事です)
その際に、軽量鉄骨の材料、下地の組立て等について説明をしました。
曲面天井も、この基本は変わりません。
それでは、天井が曲線になっている場合の、施工方法を紹介します。
まず、軽量鉄骨のCチャン部分を、特注にて、R(アール)サイズにて、製作します。
(当然納期はかかります)
その部分に、バー材を流して、下地を作ります。
これから先の部分の施工方法は、平面部分と変わりません。(軽量鉄骨天井下地参照)
R半径がきつい(つまり半径50センチなど)場合は、ランバー合板などを用いて、製作し、その上に仕上げ(クロス/塗装など)を施します。
この場合は、木工事の範囲とします。
スラブからインサート+吊棒を使用して、吊り下げます。
ボードは、曲面に対応している製品があります。
例えば、「FGボード」です。
この製品は、繊維混入せっこう板で、下記の特性を持っています。
- 曲面施工が容易です。
- 可撓性が非常に良いので緩やかな曲面に対してはドライ工法、厳しい曲面もウェット工法により施工が可能になります。
- 寸法安定性に優れています。
- 強力な靭性です。
- 軽量にもかかわらず、靭性はフレキシブルボードに匹敵します。
- 曲げ強さは、けい酸カルシウム板より強く、しかも耐衝撃性は、他の内装用せっこうボードに比べて優れています。
- 加工性に優れています。
- 遮音効果があります。
また、通常の石膏ボードでも、多少のR(半径)であれば、施工は可能です。
石膏ボードは、ある程度の可撓性があるので、わん曲率の小さい部分の曲面はそのまま下地に添わせて矯正しながら施工できます
(下表参照、クリック拡大)
また、ボード表面を加湿し(湿らせる)、表面の柔軟化を促して留付ける方法もあります。
さらに、わん曲率の大きい場合は、ボードの片面の表面紙を等間隔に切って折り曲げると、いかなる曲面にも施工することが出来ます。
(下図参照、クリック拡大)


某現場にて、R加工した曲線の軽量下地の写真です。
(クリック拡大)
このような流れにて、曲面天井は作られます。
ポイントは、その曲面の半径により、またその複雑さによって、下地の作り方を変えるところでしょうか。
いずれにしても、曲面を作る(施工する)のは、天井に限らず壁でも床でも、苦労します。
また、耐久性、ひび割れ、クラック、仕上げ材の隙間なども、平面に比べると発生率が高いです。
施工計画、作業手順などを十分に検討してからの、製作が望まれます。
08 世界で一番やさしい建築材料 (エクスナレッジムック 世界で一番やさしい建築シリーズ
●革より柔らかい新素材を使用しています。●柔軟性・通気性・透湿性に優れ、快適に作業ができ…
新しい資格に、挑戦することにしました。
それは、「福祉住環境コーディネーター(FJC)2級」です。
最初に、この資格がどのようなものなのか、説明します。
今後まもなく、日本の人口の4~3分の1が、65歳以上の高齢者となります。
そこで、この高齢化が進む中、福祉と建築の両方の知識を持ち、高齢者や障害者などの要介護者の住環境をサポートする必要性があります。
このニーズに応え、住宅改修や福祉用具に関する業務を行なう資格つまり、福祉住環境コーディネーター検定試験というのが、創設されました。
(1990年に東京商工会議所にて)
まだ、新しい資格ですが、今後益々多くの場所での活躍が期待されています。
資格を持っていると、可能になる具体的な仕事のひとつとして、
介護保険による住宅改修費支給申請に必要である「住宅改修が必要な理由書」の作成があります。
いずれにしても、注目される福祉の資格であることは間違いないと思います。
試験には、1級、2級、3級があります。
1級は、2級を持っていないと受けることができません。
わたしは、今年度第26回の2級試験を受講する予定です。
試験日は、今年の11月27日(日)で、受講料は、6,300円です。
合格基準は、15項目から100点満点中70点以上で合格になります。
マークシート方式で、五肢択一問題になっています
制限時間は、2時間です
正誤を判断する問題が多いのが特徴です。
2級の基準は下記です↓
- 3級レベルの知識に加え、福祉と住環境等の知識を実務に活かすために、幅広く確実な知識を身につけます。
- また、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる能力を求めます。
- 介護、医療、福祉、建築、福祉用具に関する専門の知識を身につけ、それらを適用できるまで深く理解している。
- 福祉住環境に関する様々な問題点を抽出でき、クライアントのニーズ、経済的状況、福祉制度、建築による対応、福祉用具による対応等を総合的に勘案し、各専門職と連携し最適な解決策を提案できる知識・技能を有している。
詳しくは、「東京商工会議所 検定試験情報」に掲載されています。
ちなみに、2級の合格率は、50%前後、1級は、5〜6%のようです。
さて、勉強方法ですが、独学としました。
参考書は、2冊購入しました。
最初の一冊は、ユーキャンの資格試験シリーズの、「2011年版U-CANの福祉住環境コーディネーター2級速習レッスン」です。
Amazonより、内容抜粋します↓
東京商工会議所発行『公式テキスト 改訂版』に対応!
重要論点を「福祉」「医療」「建築」「福祉用具」の4編60レッスンにまとめて、ていねいに解説しました。
イラスト・図表を用いたやさしい文章で、はじめて学ぶ方にもよくわかる学習の基本書です。
また、理解度のチェックに役立つ確認テストを、レッスン毎に収載しています。
―おもな特長―
- 2011年1月発行、東商『公式テキスト 改訂版』にしっかりと対応しています。
- 重要論点に絞った構成-4編60レッスンにまとめて、わかりやすく解説。第18~25回の本試験分析も反映し、効率的な学習をサポート!
- 「用語」「プラスワン」などの欄外補足も充実。
- レッスン末の「チャレンジ!過去&予想問題」で、学習を終えたところから理解度の確認が可能。知識の定着につながります。
まだ、購入して、1週間ほどしか眺めていませんが、とてもわかりやすい内容になっていると感じています↓
2011年版U-CANの福祉住環境コーディネーター2級速習レッスン (ユーキャンの資格試験シリーズ)
もう一冊は、東京商工会議所で発行している「福祉住環境コーディネーター検定試験 2級公式テキスト」です。
4,725円(税込)で、B5 サイズ、448 ページの、とても立派なテキストです。
これを全部覚える必要はないと言われているのですが。。。
購入は、アマゾン・楽天・ヤフー他いろいろ探してみたのですが、2011年改訂版は見当たりませんでした。
結局、直接、東京商工会議所から、購入しました↓
(クリック拡大)
試験らしい試験を受けるのは一体いつ以来でしょうか?
たしか、宅建を受講したのが、30代半ばでしたか。
そうなると、およそ20年ぶりです。
目的は、自己のスキルアップと、
建築士資格との共有で、多少、付加価値が上がるのではと、勝手に考えています。
頭の中はかなり、収縮していると思いますが、試験に向けて地道に勉強したいと思います。
試験を受けた時点で、もう一度お知らせ致します。
最終的に、今年度2級合格を目指し、来年度1級が取得出来れば理想なのですが。。。
’11-12年版 福祉住環境コーディネーター2級短期合格テキスト
【送料無料】U-CANの福祉住環境コーディネーター2級過去&予想問題集(2011年版)
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