以前、屋根板金工事のカテゴリーにて、折板貼(屋根工事)前編、後編を紹介しました。
今回は、その折板材料を、工場で加工して現場搬入するのではなく、現場にて成形加工する場合の手順を、記述いたします。
屋根に使用する板金材料は、通常「一枚物」で施工することが、常識です。
これは、漏水という概念から考えてもあたりまえのことです。
特に、折板は屋根の棟から軒先までを一枚の板で葺くことを前提に開発されたものなので、長さ方向には、原則として、継ぎ手を設けません。
よって、折板は長尺材であることが多いため、長さにより運搬が不可能になり、工事現場での加工(現場成型)を行うこととなります。
道路交通法上の運搬制限や道路事情等により、トレーラー等にて運搬出来る長さは、通常24、25m程度です。
つまり、それ以上のスパンの場合は、現場成型することが、基本となります。
ただし、現場に持ち込んでも、現場での加工スペース等の制約から所定の長さの製品を加工出来ないこともあります。
このような場合にやむを得ず流れ方向に継ぎ目を設けることが考えられますが、本来避けるべきことであり、計画段階から対応を考えなければなりません。
壁板金に関しても、つなぎ目が入らないほうが、ベターであることに変わりはないのですが、屋根ほどではありません。
折板屋根の、現場成型を行う要点として、次の条件を考慮することが、大切です。
1.成型機設置スペース(加工範囲)
2.レッカー設置スペース
(レッカー働量/吊り上げ重量・高さ等)
3.加工材料置き場、製品置き場
4.必要電源
3相交流200V 50A以上
(エンジンジェネレーター使用の場合は40KVA以上)
以上を考慮し、下記の施工手順により、加工してゆきます↓
1.レッカーを設置する。
下記写真は、某現場において、成型機と板金のコイルが搬入してきている状況です↓
(クリック拡大)

2.成型機を設置する。
一般的な成型機です↓
(クリック拡大)

3.成型機に材料を挿入する。
某現場にて、材料を成型機にとおしている状況です↓
(クリック拡大)

4.走行中の成型機
成型機を動かして材料を加工します↓
(クリック拡大)

5.成型機より排出
6.成型機より受取り仮置き
7.荷揚
クレーンにて荷揚げをします↓
(クリック拡大)

ここから先は、以前の記事にて説明しております。
現場成形を行う場合は、最初に記述した四つの条件が非常に大切になりますので、事前の施工計画を密に行う必要があります。
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前回に引き続き「折板貼」後編です。
屋根「折板貼」の固定の方法には一般的に3種類あります。
1.重ね式折板
折板本体をタイトフレームの剣先ボルトで貫通し、ナットとパッキンで締め付ける工法です。
最もオーソドックスで、比較的小規模な倉庫・工場やガレージ等に使用されています。
2.ハゼ式折板
折板本体の接合部分を「ハゼ」と呼ばれる加工を施し、タイトフレームと折板本体を「吊子」と呼ばれる金具で固定する工法です。
最終工程として、ハゼの締め付けが必要となります。
重ね式と異なり、屋根上部にボルトが突起しないことや、施工性がよいことから、大型物件や長尺屋根(10~20m超)に使われています。
また、ハゼの形状から、丸型と角型があります。
3.勘合式折板
折板本体の接合部を勘合できるように加工を施し、タイトフレームに固定する工法。
ハゼ式折板と共通する部分が多いが、ハゼ締め工程がなく、一発仕上げが可能です。
それでは、折半の施工手順です。
1.タイトフレーム設置
前回の記事にて紹介しました。
2.折板設置
工場にて加工した材料を、荷揚げ機器(移動式クレーン等)にて、所定の位置に設置します。
一枚一枚、数名でタイトフレームに折板をはめ込んでゆくわけです。
3.ハゼ式折半の場合、ハゼの締め付けを行います。
最初に手動の機械で荒締めを行い、その後専用器で、数度締め込みます。
4.面戸等を取付けます。
下記写真参照↓(クリック拡大)
左側が軒先に使用する「軒先面戸」、右側が棟側に設置する「水上面戸」です。

5.棟包み等を取付けます。
下記写真参照↓(クリック拡大)
片流れの屋根の、「棟包み」です。

6.最後に、細部のシール等をおこない、清掃をして完成です。
現在、折板で使用される素材のうち、最も多いのが、ガルバリウム鋼板もしくはカラーガルバリウム鋼板です。
また、折板には、専用の裏貼り断熱材があり、断熱・防露などに効果を上げています。
とにかく、工場、倉庫等、皆さんの近くにあるこのような建物の屋根は、ほとんどこの折板工法にて、製作されています。
ちょっと視線を上に上げて、のぞいてみてください。
最後に、面戸の種類と、細部詳細図を掲げておきます↓
(クリック拡大)
軒先部分の詳細(左側)と、ケラバ部分の詳細(右側)です↓

セッパン金属屋根ルーフデッキ 88 タイプ 折板 長さ2000ミリ 厚み0.6ミリ 2P19May09
屋根板金工事第2弾です。
前回は、長尺金属板葺の「立平葺」を紹介しました。
今回は、屋根金属板葺きの「折板貼」です。
ちょっとばかり詳しく紹介しますので、2回に分けることに致しました。
さて、折板(せっぱん)葺き屋根は長尺を生かし倉庫・工場・店舗などの大型建築に多く用いられます。
さらに二重葺き屋根・断熱工法・R型やアーチ型屋根などの特殊工法により様々な対応が可能な工法です。
折板の材料は、断面の構造に重点を置いて開発されたものです。
大型屋根、長尺屋根に調和する意匠性、強度、経済性を備える金属屋根の代表的な屋根工法です。
また、梁・母屋に直接屋根材を葺くことができますので、野地板がいらず、工期の短縮にも対応でき、強風地帯においても強靭性を発揮するとともに、雨仕舞にも高い性能が期待できます。
(400〜500㎡程度であれば、3、4日で施工可能です)
その工法は、板厚0.6~1.2mmの鋼板を用いて山高を大きく成型し、およそ2m~6mの間隔の梁の上に固定用の金具(タイトフレーム)を取り付け、その上に固定するというものです。
タイトフレームはいわば折板の下地材で、屋根の流れ方向と直角に取付けます。
一般的には、鉄骨下地に溶接して設置します。
下記写真は、某現場における、タイトフレームの材料と取付状況です↓
(クリック拡大)


折板は、他の屋根に比べて非常に長さを長くできることが可能で(場合によっては100m超も可能)、トラックで運搬できない場合は、機械そのものを建設現場へ持ち込んで、その場で成型しながら屋根を伏せることも可能です。
下記写真は、トレーラーにて某現場に折板を搬入したときの状況です↓

前編はここまでとします。
次回はいよいよ屋根を葺いてゆきます。
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