とても長い題名になってしまいましたが、FRC断熱パネルを紹介します。
前回の記事にて、外断熱のことを少し書かせていただいたのですが、これは、その工法の一つである「FRC断熱パネル」を使用した外断熱工法です。
FRC断熱パネルは、GRC板耐アルカリ(ガラス繊維強化セメント板)と断熱材を、複合したコンクリート型枠断熱パネルです。
特徴として、型枠の性能を兼ね備えているため、型枠合板(コンパネ)を使わずに、外壁面・スラブの施工が可能です。
また当然ですが、この工法により、資材の節約、施工の大幅な効率化が可能となります。
表面材に使用するFRCは耐久性、耐水性に非常に優れています。
また、断熱材の吸水性がほとんどないため、寒冷地でも地面の近く(建物の下部)での使用が可能です。
このパネル材は、昭和60(1985)年9月5日付建設省住指発第510号通達に基づく耐火性能試験(2時間)加熱試験に合格し、防火上支障がないものとして認められています。
また、断熱材は、ノンフロン断熱材「スタイロフォーム」を標準採用しています。
FRC断熱パネルは、接着剤と専用アンカーを用いる後貼り工法も可能です。
建物外部からの作業が主体となるため、居住者が入居したままで施工ができ、既存建物の外断熱改修工事に最適です。
今回は、この「後張り工法」の作業手順を、写真を取り混ぜながら紹介致します。
一般的な作業手順です。
1.工事計画
A.対象建物の現状調査
B.取付け躯体の調査
C.施工図の作成(パネル割付図等)
D.パネル調査(種類/仕様/コーナー本数など)
E.施工計画書作成
F.開口部金物等の製作
2.取付け工事前作業
A.障害物排除
B.パネル/資材搬入
某現場にて,使用した材料です。
下記写真参照↓
左より,材料搬入、寸法確認、専用目地材料です。

左より、専用接着剤、専用アンカープラグ・ピン・ワッシャー、アンカー頭専用埋め材です。

C.材料検査
D.足場組立/確認
E.開口部金物/配線/突起物処理
F.既存壁面下地調整
G.墨出し
H.パネル裁断/加工
下記写真は,パネルの切断加工状況です↓

I.寸法等検査
前編は、ここ迄とします。
次回、後編では、いよいよパネルを躯体に、張付けてゆきます。
外断熱住宅はここが凄い!
ほんとうの200年住宅―驚異の耐火・外断熱の家
型枠工事において、断熱材、複合板などをコンクリートと一緒に打ち込む施工方法があります。
これは、型枠合板に、素材(断熱材・複合板など)を取付けて、打ち込む場合と、素材そのものを型枠代わりにして、打ち込む場合があります。
当然、使用する金物(セパレーターなど)が違ってきます。
外断熱工法も、その一つです。
この工法は、積雪寒冷地の厳しい気象条件に対応する有用な建築技術の一つであり、北海道内における採用実績も多数あります。
また、地球環境保全の視点からも優れた建築技術として認識されています。
一方で、材料・工法の手順、施設の熱的特性に配慮した設備の設計手法、運転手法の確立等は標準化されていません。
それぞれのメーカーにて、それぞれの工法があるといったところでしょうか。
一般的に、外断熱工法とは、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等熱容量が大きな構造躯体の外側に断熱を施す工法を指します。
外壁については、構成上の分類をすると、下記となります。
(1)断熱材の施工方法による分類
ア. 打込み工法:
断熱材を型枠に取付けるか、又は断熱複合板を型枠にしてコンクリートを打設し、躯体と一体化する工法
イ 後張り工法:
コンクリート打設後、接着剤等を使い断熱材を躯体に取付ける工法
打込み工法は工程短縮に効果があり、特に型枠として用いる場合は型枠材の軽減となりますが、断熱材の種類が水を吸わない発泡系に限られます。
一方、後張り工法は型枠取外し後の施工となり、打込み工法と比べて工程が増えますが、断熱材及び仕上材の選択範囲が広まります。
(2)通気層の有無による分類
ア 通気層工法:
断熱材と外装材の間に通気層を確保する工法
イ 密着工法:
断熱材と外装材を密着する工法
通気層工法は内部結露の原因となる水蒸気や侵入した雨水の排出に対し有効であるため、繊維系の断熱材ではこの工法による必要があります。
一方、密着工法は外装材と断熱材を一体化した複合板を用いるもの等があり施工性や経済性の点から実施例が多いです。
複合板の種類は、下記のような材料があります↓
# 木毛セメント板+断熱材
# 石膏ボード+断熱材
# フレキシブルボード+断熱材
# 珪酸カルシウム板+断熱材
# 繊維混入パーライトセメント板+断熱材
# 合板+断熱材
# ベニヤ+断熱材
それぞれ、不燃用、耐火用、型枠打込用などが、製品として出荷されています。
外断熱建物は、選定した材料・工法等によって、経済性や環境負荷低減に対する効果等に差異が生じます。
よって、総合的な視点から材料・工法を的確に選定することが大切になります。
いづれにしても、今後、積雪寒冷地における建築技術の主流のひとつになりうる工法だと考えています。
下記写真は、某現場にて複合板にて、外枠を施工している状況です↓
(クリック拡大)

外断熱工法の具体的手法は、再機会を設け、記事にするべく取り組んでおります。
やっぱり赤レンガの家に住みたい! ―究極の耐火・外断熱工法「200年住宅」の凄さを公的機関で実証
21世紀は、外断熱の時代。家作りの急所が何故、隠されたままなのか?「いい家」が欲しい。改訂2…
以前、「床張用接着剤塗布状況」の記事において、ビニル床シート貼りの施工を紹介しました。
今回は、床の長尺シート材等を貼る際に、用いられる溶接工法を記してみます。
ビニル床シートは、張付けに先立ち、仮敷きを行い、巻きぐせを取ります。
下地はよく清掃の後、約 500g/m2の接着剤を櫛目ごてでむらなく塗布します↓(クリック拡大)

貼付けは貼付け方向を正しく取り、空気溜まりを押し出しながら隙間なく平らに貼付けます。
柱,出入口回り,改め口などのの周囲の凹凸も、出入りにならって隙間なく貼付けます。
張付け後は、表面に出た余分な接着剤をふき取り、ローラー掛け等の適切な方法で圧着し、必要に応じて、押縁留めをして養生を行ないます。
さて、シート床材の溶接です。
目地溶接作業は、全面接着工法で納めた後、12時間以上経過してから行ないます。
1.目地切り
ビニル床シート張付け後、接着剤が硬化したのを見計らい、はぎ目及び継目の溝切りを、溝切りカッター等を用いて行ないます。
溝は、V字形又はU字形とし、均一な幅に床シート厚さの2/3程度まで溝切りします。
このとき必ず、床厚の1/3が残っていることが必要です。
下図参照(クリック拡大)

2.溶接作業
溶接作業を開始する前に、溝切した目地をよく清掃しておきます。
熱溶接機を用いて、目地溶接棒をスピードノズルに差し込み、底部が床面と水平になるように角度を保ちながら溶接機を手前に引き、溶接作業をします。
ビニル床シートと溶接棒を同時に溶融し、余盛りができる程度に加圧しながら溶接します。
左側より、溶接作業図、溶接棒材料、溶接作業写真です(クリック拡大)

3.目地仕上げ
溶接完了後、溶接部が完全に冷却したのち、余盛りを削り取り、平滑にします。
床面に溶接済みの目地棒にトリムガイド(K-605)をあてがい、スパチュラナイフ等で2回に分けてカットします。
1回目はトリムガイドにより粗切り(少し残す)されますので、2回目のカットで目地棒を床面と同一になるように丁寧に仕上げます。
カット作業図↓(クリック拡大)

これで溶接作業完了です。
最後に仕上げとして、接着剤の硬化後、全面を水ぶき清掃し、乾燥後は、ビニル床シート製造所の指定する樹脂ワックスを用いてつや出しを行ないます。
床張り作業は、手直しが非常に、大変なので、張る前に下地状況も含め、綿密に作業計画を立てる必要があります。
貼り終わってから、下地等の凸凹が目立ち、やり直し等にならないよう、施工前の段取り及び調査を綿密にしなければなりません。
【緊急地震速報ステッカー】 床貼り用 緊急地震速報を聞いたら あわてて外に飛び出さない
巾木取付を紹介します。
「巾木(はばき)」とは、床と壁の継ぎ目で、壁の最下部に取り付ける細長い横板を称します。
床と壁の境目となり、汚れたり、壊れやすい壁の下部を保護するのが目的です。
掃除機などが当たって破損しやすい箇所を保護しています。
また、部屋空間の色彩をコーディネート(壁と床)させるのも、巾木の重要な役目のひとつです。
通常材質は、ビニールソフト巾木、木製巾木が使用されています。
今回は、ソフト巾木について、記述します。
ソフト巾木は、木製に比べて、非常に安価です。
参考価格です↓
270 円/m(高さ60mm)
290 円/m(高さ75mm)
320 円/m(高さ100mm)
また、種類が非常に多岐にわたっており、部屋のトータル的なデザインを損なうことがありません。
傷つきにくく、よごれが取りやすい上、抗菌性もプラスされています。
施工が容易であることも特徴のひとつです。
一般的な、抗菌性軟質ビニル巾木の寸法です↓
60mm(高さ)×914mm(長さ)
75mm(高さ)×914mm(長さ)
100mm(高さ)×914mm(長さ)
それでは、一般的な施工法です。
下地が、ボード・モルタル・木・無機質板等の壁面を想定します。
1.最初に、巾木に糊を塗っていきます。
2.壁面にも糊を塗っていきます。
3.時間を置いた後、巾木を貼っていきます。
4.ローラーで圧着します。
ローラーがない場合は指で押さえていきます。
5.余分なところをカットして、完成です。
糊が乾くまでは、触らないようにします。
巾木を使用しない部屋は、まず和室です。
和室には、「畳寄せ」と呼ばれる木見切が畳と壁の間に取り付いており、押し入れ等には、「雑巾ずり」と呼ばれるこれまた木製の見切りがついています。
さらに、壁材が堅固なもの(石、タイル等)は、巾木の役目を壁が行なっており、取付けることはありません。
皆さんの住まいにおいても、和室およびタイル張りの部屋(浴室等)は、巾木が取り付いていないと思います。
以外の部屋は、全てに、巾木が取付いていると考えますが、その種類の中でも経済性を考慮すると、ソフト巾木の需要は非常に多いものとなっています。
上の写真2枚が、巾木と接着剤の材料の写真です。
下が、接着剤塗布状況と、巾木取付状況の写真です↓


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