今回は、型枠工事です。
過去に9回、型枠取付けに関して記事にしています。
RC造において、梁の型枠を地組みして、レッカー等にて吊り込んで設置する工法は、よく行われます。
その場合の安全作業手順を、紹介します。
柱の型枠を最初に立て、その柱の仕口部分に、クレーンにより梁の型枠を、のせます。
その梁の型枠は、サポート(支柱)によりすぐに支えます。
この作業に使用する設備・機械は、
・作業台・はしご・脚立・足場板・ゴムバンド
・移動式クレーン・高所作業車・ローリングタワー
等です。
使用する工具・機器は、
・丸のこ盤・電動丸のこ・電動ドリル・電工ドラム・電動釘打機・高速カッター
・インパクトレンチ・延長コード・ハンマー・玉掛用具・手鋸・ラジェットスパナ
・バール・墨つぼ・Pコン廻し・差金・シノ・番線カッター・布袋
等です。
使用する安全設備・保護具は、
・保護帽・保護メガネ・安全靴・皮手袋・保護手袋・安全帯・安全標識・親綱支柱
・ 親綱・カラーコーン・コーンバー・バリケード・トラロープ
等で、
使用資材は、
・コンパネ・補助さん・フォームタイ・端太パイプ・端太角・サポート
・チェーン・単管・緊結金具・タンバックル・根絡みクランプ・釘・番線
・剥離材・セパレーター・Pコン・結束線・端太受金物・ビニール袋
等です。
この作業に必要な主な資格と、配置予定者(作業主任者・作業指揮者・監視人等)は、下記です。
・型わく支保工の組立て等作業主任者
・玉掛技能講習修了者
・5t未満のクレーン運転の特別教育
・高所作業車の運転特別教育
・職長(安全衛生責任者)
この図で、安全注意事項が4つ、描かれています。
① 支柱を立て親づなを張る
② 安全帯を使用する
③ 昇降は、はしご等を使用する
④ 関係者以外立入禁止措置をとる
下記写真は、実際の現場において、梁型枠を設置している作業状況です↓
(クリック拡大)

それでは、大梁型枠組立てを行う際の、
「危険有害要因の特定」と「危険有害要因の除去・低減のための実施すべき事項の特定」を書き出してみます。
それぞれ、危険要因と、その除去事項です。
1.大梁型枠の玉掛・荷崩れによる荷の落下
・重量の確認と必要により補強
2.玉掛者の吊上げ時に、荷にはさまれ・激突
・玉掛作業は有資格者が行う
・反動や風で荷が振れるので、介錯ロープを使用する
3.柱型枠への取付時に墜落
・柱内の低い姿勢で作業をする
・柱筋を利用して安全帯を使用する
(親綱を張る柱筋はD25以上とし、状況により補強対策を行う)
・梁底端太に転倒防止を取付ける
・梁底のサポート取付けを確認する
・サポートは専用ピンを確実に差す
・2人一組で声をかけあって作業する
4.昇降時の転落・墜落
・はしご等の昇降設備を設備する
・はしごは固定して使用する
・近道行動をしない
等々が考えられます。
この梁枠取付作業は、型枠工事の中でも一番「危険有害要因」が多く、また重大災害につながる確率も高いといえます。
必ず作業前に、
一つ一つの作業に対して、どのような危険が潜んでいて、その危険を回避するためにはどのような行動を心がければよいか、常に考えることが、安全作業に直結するのではないでしょうか。
今回は,型枠の床版取付状況を記載します。
基本的に、型枠は、せき板と支保工から構成され、作業荷重、コンクリートの自重及び側圧、打込み時の振動及び衝撃、水平荷重等の外力に耐え、かつ、所要の品質が得られるように設計する必要があります。
また、有害な水漏れがなく、容易に取外しができ、取外しの際コンクリートに損傷を与えないものとします。
このようなことを踏まえて、<床版型枠の組立手順>です。
1.作業床の整理
あたりまえのことですが、サポートを立てる床上を整理整頓し、また、凹凸がある床又は土間の場合など沈下および滑動の恐れがあるときは敷板、端太角等で補強します。
2.パイプサポート長さを調整する
パイプサポートの変形、ガタ、専用ピンの有無を点検し、階高に合わせて長さを調整します。
パイプサポートの專用ピンは確実に差込む必要があります。
また、サポートの継ぎ足しは2本までとし(3本以上継いではならない)、必ず、指定のボルトで継ぐ(9㎜×4本)ことが大切です。
差込式補助サポートは、抜け落ちないようにしっかり差込みます。
3.パイプサポート、大引を取付ける
サポート、大引きは、施工計画図又は型枠支保工計算書通りに配置します。
標準型サポートを支柱として使用します(水平繋のある場合を含む)。
スパンの長い所では両端と中央を先に立て、高さを決めた後に間のサポートを立てる手順とします。
大引架けは、1組3人以上で合図良く架けていきます。
サポートや大引の手渡しは確実に行い、大引は梁から水平継ぎを取るようにします。
4.根太を取付ける
根太聞隔は施工計画図通りに組立て、根太の長い跳出しがないように組立てます。
材料を仮置する場所は、計画図に従い支保工等を補強します。
5.床版型枠を張る
床板を張る前に、床下の照明設備の有無を確認します。(貼ると内部が暗くなるため)
梁側の通りを修正し、通り糸を張って割付図通りに張りつけていきます。
スラブ型枠上でベニア等を切断する場合はシート等養生して行い、壁型枠の中へ切断くずが入らないようにします。
危険個所では、親綱を利用して安全帯を使用することが大切です。
作業進行方向を前向き姿勢で行い、一枚ずつ釘止めをしていき、スラブと柱、梁の接合部は正確に堅固に組立てます。
コンクリート打設時に、セメントペーストが漏れないように、隙間なく取付けます。
結束する等、材料の飛散防止措置をすることも大切です。
6.床版の高さを調整する
根太を組み、スラブを張り、鉄筋組立て後、高さを再度チェックし、サポートで調整します。
7.水平つなぎを取付ける
水平つなぎは、施工計画図に従い、各サポートの直角2方向に専用クランプで緊結します。
8.金物等を取付ける
床版の上に基準の取付用の墨を出し、その墨に基づき、取付物、インサート、開口部等を取付けます。
9.組立後の点検を行う
コンクリート打設前に下記事項を、作業主任者が点検します。
A.施工計画図通りか
B.サポートの本数、間隔は良いか
C.まっすぐに立っているか
D.ピンは正規のものか、ずれていないか
E.水平繋ぎの取付けは良いか
F.締付及び緊結は良いか
G.床版型枠の高さ、取付金物等を検査する
以上の手順をふまえ、各工程ごとに作業の確認を行い、適切な枠を取付けることが大切です。
梁の上にて根太を掛けている作業状況です↓

160)【マキタ】現場での型枠づくりや、造作作業に最適!マルノコ盤2703
コンクリートを打設後、型枠を解体するまでの時間を在置期間と表現します。
今回は、型枠の存置期間及び取外しを記述します。
型枠の取外しは、型枠の最小存置期間を経た以後に行ないます。
その型枠の最小存置期間は、コンクリートの材齢又はコンクリートの圧縮強度により定めます。
寒冷のため強度の発現が遅れると思われる場合は、圧縮強度により定めます。
その場合は、コンクリートの試験結果及び安全を確認するための資料により、監督員の承諾を受けなければなりません。
コンクリートの材齢による場合、せき板の最小在置期間は、部位が、基礎、梁側、柱、壁で、セメントの種類が、普通ポルトランドセメントの場合、在置期間の平均気温が15℃以上で3日、5℃以上で5日、0℃以上で8日となります。
コンクリートの圧縮強度による場合は、セメントの種類及び気温に関係なく、圧縮強度が5N/mm2以上となるまでと規定されています。
次に、支柱の最小存置期間ですが、側部のせき板とは大幅に違います。
コンクリートの材齢による場合、スラブ下で、セメントの種類が、普通ポルトランドセメントの場合、在置期間の平均気温が15℃以上で17日、5℃以上で25日、0℃以上で28日となります。
梁下の場合は、セメント及び気温に関係なく28日です。
コンクリートの圧縮強度による場合は、スラブ下の場合、セメントの種類及び気温に関係なく、圧縮強度が設計基準強度(Fc)の85%以上又は12N/mm2以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることが確認されるまでと規定されています。
梁下の場合は、さらに圧縮強度が設計基準強度(100%)以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることが確認されるまでとなっています。
ここで大切なことは、「かつ」以降の文章です。
つまり、「強度が確認されたとしても、施工中に考えられる積載荷重等に関しては、安全が確認されるまで支保工を解体してはいけません」と言っている訳です。
他に、片持梁、ひさし、長大スパンの梁、大型スラブ等の型枠を支持する支柱、又は施工荷重が著しく大きい場合の支柱等は、必要に応じて、存置期間を延長しなければなりません。
寒中時のコンクリートの品質管理及びせき板在置期間に関しては、事前に計画書を作成し、監督員と協議する必要があります。
下記写真は、現場におけるコンクリート試験状況と、型枠支保工状況です。
型枠支保工を解体する手順を説明します。
この作業には、危険がたくさん含まれています。
以前の記事(型枠支保工と安全)にて、支保工の概略を少しばかり記事にしたのですが、今回はその支保工の解体作業です。
作業する上での資格は、型枠支保工の組立等作業主任者(令6)が必要になります。
これは、組立時と一緒です。
それでは、作業の手順と安全のポイントを説明します。
作業に入る前の準備として下記事項を確認します。
1 作業前のミーティング
・作業の方法、手順
・作業の場所、作業床
・関係者以外の立入禁止措置をする
・保護具等の使用
2 使用機械、資機材、設備等の点検
・電気系統(キャブタイヤケーブル、電工ドラム、プラグの損傷)等、電動工具の使用前点検
・玉掛ワイヤロープ、支保工材、締付材等、資機材
・脚立、足場板、立馬、ローリング、足場等の仮設設備
・高所作業車、フォークリフト等の機械
3 作業員の適正配置
・新規入場者教育の実施をする
・作業主任者の配置をする
・有資格者の確認をする
・資格証の携帯を確認する
次に実際の作業に入ります。
最初に、せき板の在地期間の関係もありますが、通常、柱、壁、梁側型枠の解体を先に行います。
<柱、壁、梁側の解体>
1 建入直しのパイプサポート、チェーン等を取外す
・安全な作業床であるか、墜落の危険はないか確認する
・床の端部、開口部周囲では安全帯を使用する
・墜落の危険のある場所では水平ネット等の養生を確認する
・照明は充分確保されているか確認する
2 フォームタイをゆるめ、端太パイプを取外す
・横端太パイプを取外す際、パイプを足の上に落とさない
・たてパイプを取外す際、倒れやすいので注意する
・外壁の場合は二人以上で作業をし、物を落とさないように注意する
3 型枠パネルを取外す
・転用できるように、出来るだけ傷めない
・足場上では反動のかかる無理な動作はしない
<梁底、床版型枠の解体>
1 梁下、床版下の資材を片付ける
2 床コンクリート面を養生する
・直仕上げ済みの場合はベニヤ等で養生する
3 根がらみ及び水平つなぎを取外す
⇔作業中開口部より墜落
⇔飛来、落下
⇔激突され
⇔落下物が当る
⇔反動により足場から転落
4 最後に残すパイプサポートを一旦ゆるめ、再び取付ける
5 最後に残すパイプサポートを残し、その他のパイプサポートを取外す
・根太の配置を考え、よく検討して決める
6 パイプサポートを外した部分の大引を取外す
・取外したサポートは直ぐに片付ける
・大引、根太が落下しないよう確認して取外す
7 残したパイプサポートを引き出し、大引、根太を落とす
・周囲に人が居ない事を確認する
8 桟木、合板パネルを取外す
⇔飛来、落下
⇔根太、大引が落ちた時跳ね る
⇔飛来、落下
⇔足場から転落
⇔資材が落下する
⇔足場から転落
最後に後片付けを行います。
1 残材を整理する
・掃き掃除(清掃)
・毎目作業終了後に片付け
・ベニヤ、桟木の切れはし、ごみ屑は整理袋や篭に入れ、指定場所まで運ぶ
2 仮設資材を整理する
・不良材、不用材は早期に返却、除去する
3 機械工具類を片付ける
・機械のスイッチを切る
・機械工具を点検する
・風や雨に対する養生をする(異常時の措置)
・整理整頓、片付を行う
4 作業終了の報告を行う
以上、作業手順を並べてみました。
下記の漫画絵は、支保工解体作業中の状況です。
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