型枠支保工における安全作業を紹介します。
まず、支保工の種類ですが下記のものがあげられます。
1.金属管(単管、パイプ端太)
2.金属管(パイプサポート)
3.木製端太
4.コラムクランプ、ビームクランプ
5.鋼管枠(枠組足場によるもの)
6.鋼製仮設梁
7.木製仮設梁
8.システム型枠
9.その他(組立鋼柱、ステージング、特殊ビーム等)
このような材料、システムによって組立てられた支保工は、コンクリート打設に伴う様々な荷重に充分耐えられるものでなければなりません。
よって、支保工に関して、労働安全衛生規則により、安全作業が細かくうたわれています。
<安衛則237条>材料は、著しい損傷、変形、腐食がない事
<安衛則238条>支柱、梁の鋼材はJIS適合品を使用する事
<安衛則239条>支保工の構造は、型枠の形状、コンクリート打設方法に応じた堅固な構造のものを使用する事
<安衛則240条>組立図は、届出の要否に関係なく作成し、支柱・梁・つなぎ・筋かい等、部材の配置・接合部・寸法を明記する事
<安衛則241条>設計荷重と許容応力度の確認を行う事
<安衛則242条>型枠支保工についての措置等
<安衛則243条>段状の型枠支保工の形状
<安衛則244条>コンクリートの打設作業時においては、型枠支保工を点検・補修させ、異常を認めたら作業を中止させる
<安衛則245条>支保工の組立時には、関係者以外の立入り禁止措置及び悪天候時は作業中止とする
<安衛則246条>支保工の組立作業主任者を作業グループ毎に配置する
などなどがあります。
また、型枠支保工の支柱の高さが3,5m以上のものは、安衛法88条2項によるところの、建設物・機械等設置届けが必要な工事となります。
下記写真は、某マンションの型枠支保工状況です。
現場に掲載する安全掲示板です。
通常、現場事務所の近くに設置し、朝礼等は、この掲示板の前にて行う事が多いです。
なにを掲示しなければならないという決まりは特別ありませんが、通常掲示するものを紹介します。
まず最初に作業主任者の掲示です。
作業主任者とは、労働安全衛生法(安衛法14条)とその関連法令(安衛令6条、安衛則16、17条)により定められた労働災害防止のための、一つの制度です。
事業者が業務を労働者におこなわせる場合において、その業務の全部又は一部に「労働災害の危険性・おそれ」がある場合、それらの業務を行う労働者の中から一定の要件(資格)を満たす者を「作業主任者」として選任し、当該作業に従事する労働者に対する指揮を行わせなければならないこととされています。
事業者から作業主任者に選任されるためには、当該業務に関連する免許を所持するか、又は都道府県労働局長等が行う技能講習を修了していなければなりません。
各工種の作業により、作業主任者が必要になります。
例えば、型枠工事の場合は、支保工の高さが3,5m以上の作業の場合、作業主任者が必要になります。
次に有資格者表示です。
ここで表現される有資格者とは、技能検定により、取得した技能士免許資格をあらわします。
技能検定は、労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、これを公証する国家検定制度です。
労働者の技能と地位の向上を図り、国の産業の発展に寄与しようとするものであって、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に基づいて実施されています。
技能検定は、労働者の技能習得意欲を増進させるとともに、労働者の雇用の安定、円滑な再就職、労働者の社会的な評価の向上に重要な役割を有するものです。
平成15年度には全国で約45万人が技能検定を受検し、約18万人が合格しており、技能検定制度が開始された昭和34年度から平成15年度までの累計では、延べ約661万人が技能検定を受検し、延べ約296万人が合格して技能士となっています。
他には、「安全施工サイクル」「今月の安全スローガン」「無災害記録表」「安全当番」「お知らせ」「クレーンなどの合図法」「玉掛けワイヤー点検項目」等を掲示する事が多いです。
下記写真は一般的な安全掲示板です↓
鉄骨造基礎の型枠取付状況です。
型枠工事の定義は、一言でいえば、コンクリート(躯体)を形成するための器を作成することです。
鉄筋で作られた建物の骨組に、コンクリートを流し込むために、ベニヤ板及び金物を使用し、器を作成し、躯体形状を確立します。
コンクリートが固まった後に、解体工が型枠を取り外せば建物の形が出来上がります。
ここまでの作業を、通常型枠工事の範囲とします。
又、このような型枠を取付ける作業をする職種を型枠大工と称します。
躯体精度は、型枠工事により優劣が決まります。
そのため、厳密な計画と慎重な施工が肝要です。
通常のRC造建築工事費の比率からみると、躯体工事の35~40%、全工事費の11~14%程度を占める重要な工事です。
型枠は、コンクリートに直接接するせき板、せき板を支える支保工及びせき板と支保工を緊結するセパレータ、締付け金物等から構成されます。
支保工とは、床・梁等を支える根太、大引、支柱(パイプサポート)、支保梁、支柱の座屈を防止する水平つなぎ、ブレス等をさします。
型枠は、コンクリート硬化後に取りはずすものですが、コンクリートの自重や工事中の荷重に十分耐える強さを持ったものでなければなりません。
また同時に、取付け、取りはずしが容易であり、かつ、繰り返し使用できるものであることが望ましいです。
コンクリートが打ち込まれてからせき板と支保工が取り除かれるまでの間は、コンクリートにとって初期の養生期間になるので、型枠はコンクリート養生を阻害するものであってはなりません。
様々な施工上の決まり事がある型枠工事ですが、今後たびたび紹介致します。
型枠取付け状況です↓
(クリック拡大)
型枠工事の見積内訳書です。
積算をする場合、型枠とコンクリートは、一緒に数量を拾います。
建物の形状/種類により、この二つは密接な関係にあり、ある程度係数により、数量の予測が出来ます。
つまり、コンクリートを入れる器が型枠であり、コンクリートは、「m3」であらわし、型枠は「m2」で数量を表現します。
3m(横の長さ)、2m(縦の長さ)、1m(高さ)の、建物のベース基礎があるとすれば、コンクリートは、3*2*1=6m3(体積)となり、型枠は、そのコンクリートを入れる箱の面積ですから、(3+2+3+2)*1=10m2、(周長*高さ)となります。
型枠は、見積もり時は、一般型枠、打放型枠、特殊型枠等にわかれます。
他の項目として、型枠にコンクリート打設時に一緒に取付けて打ち込むものなどを入れます。
例えば、断熱材、面木などです。
下の表にも入れてあります。
以前から感じていることですが、例えば一般型枠+運搬費「m2/3,300」とした場合、この3,300円には、型枠工が施工図に基づき加工場でコンパネ等にて枠を作成し、そこから現場に搬入しその枠をいろいろな金物を使用し取付けて、支保工にてささえ、コンクリートを打設し、養生期間が過ぎたあと枠を解体し、解体した枠を加工場に下げます。
ここまでが、一色単に3,300円なのです。(コンクリート打設はもちろんはいっていませんが)
アバウトすぎませんか?
もちろん、基礎部分と一般部で、単価を分けたり、材料と工賃で分けたりもします。
しかし、本当の原価をつかむことは、非常に難しいことです。
つまり、同じ50m2でも、平面しかない50m2と、クランクだらけの50m2では、ちがってきますし、壁の形状、スラブの形状、柱、梁の形状、開口部の個数、建物の種類、スパン、階高でもちがってきます。
型枠数量が1000m2の平屋と、同じ数量の5階建てでは、当然違います。
コンクリートの材料単価とは違うのです。
究極をいえば、前もって提出する見積書では、本当の原価は、材料代しかわからないということです。
過去のいろいろな実績、経験に基づき、例えば、
「この建物は基礎は少し複雑なので、m2/3,500円とし、開口部が異常に多いので、その部分を別項目にて型枠単価を計上し、他の一般部は、m2/2,800円とする」
このように、判断するのが、現在では、一般的ではないでしょうか。
以下、下表に関しては、次回説明致します。
B 建築工事(単価、金額は参考価格)
| 番号 | 名 称 | 仕 様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
| 5 | 型枠工事 | ||||||
| A | 型枠損料 | 一般 | 500 | m2 | 3,000 | 1,500,000 | |
| B | 型枠損料 | 打放し | 600 | m2 | 4,000 | 2,400,000 | |
| C | 型枠損料 | R枠 | 100 | m2 | 8,000 | 800,000 | |
| D | 型枠運搬費 | 1200 | m2 | 300 | 360,000 | ||
| E | 廃材処理費 | 1200 | m2 | 100 | 120,000 | ||
| F | 面木・目地棒 | 500 | m | 100 | 50,000 | ||
| G | SF板打込手間 | t30基礎梁 | 100 | m2 | 1,000 | 100,000 | |
| H | 天井インサート | 材工 | 1000 | 個 | 100 | 100,000 | |
| I | 耐震スリット | 鉛直 材工 | 200 | m | 1,500 | 300,000 | |
| J | 耐震スリット | 水平 材工 | 300 | m | 1,500 | 450,000 | |
| K | 避難ハッチ打込 | 5 | 箇所 | 2,000 | 10,000 | ||
| 合 計 | 6,190,000 |
エクセル仮設構造物の設計例〈3〉足場工・型枠 支保工編
石井 充 東 正人
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