最近、書いていなかった「30.見積書」カテゴリーの記事です。
3年前に書いた、2006/10/14「建築工事の見積書」と、2006/10/15「現場経費と一般管理費」の記事を、公共工事の観点から、再記述致します。
そもそも、公共工事(こうきょうこうじ)とは、一般に、国、都道府県、市区町村などの行政府が道路や橋などの社会資本の整備を目的として行われる工事のことです。
原則として競争入札(一般競争入札・指名競争入札)によって発注先を決定しますが、小規模または小額の工事の場合は、随意契約もあります。
今回は、「公共建築工事共通費積算基準」より、共通費の考え方を綴ってみます。
この本は、
「著者:建築コスト管理システム研究所 /国土交通省
出版社:建築コスト管理システム研究所 /大成出版社」
で、この記事の最後に紹介しています。
さて、ここでいうところの「積算」とは、広義には「計算結果を累積していくこと」であり、狭義(建築分野)では「設計図書に基づいた対象とする建築物の事前原価としての工事価格を予測すること」と、定義されます。
それでは、共通費の定義から。。。
共通費の区分と内容です。
共通費は、「共通仮設費」「現場管理費」及び「一般管理費等」に区分されます。
それぞれの内容は下記です。
A.共通仮設費
共通仮設費は、各工事種目に共通の仮設に要する費用とする。
B.現場管理費
現場管理費は、工事施工に当たり、工事現場を管理運営するために必要な費用で、共通仮設費以外の費用とする。
C.一般管理費等
一般管理費等は、工事施工に当たる受注者の継続運営に必要な費用で、一般管理費と付加利益からなる。
このように説明されています。
私の以前の解釈(現場経費と一般管理費)より、ちょっとニュアンスが違いますね。
それでは、最初に共通仮設費の項目内容から紹介します。
1.準備費として、
敷地測量、敷地整理、道路占有料、仮設用借地料、その他の準備に要する費用
2.仮設建物費として、
監理事務所、現場事務所、倉庫、下小屋、宿舎、作業員施設等に要する費用
3.工事施設費として、
仮囲い、工事用道路、歩道構台、場内通信設備等の工事用施設に要する費用
4.環境安全費として、
安全標識、消火設備等の施設の設置、安全管理・合図等の要員、隣接物等の養生及び補償復旧に要する費用
5.動力用水光熱費として、
工事用電気設備及び工事用給排水設備に要する費用並びに工事用電気・水道料金等
6.屋外整理清掃費として、
屋外及び敷地周辺の跡片付け及びこれに伴う屋外発生材処分等並びに除雪に要する費用
7.機械器具費として、
共通的な工事用機械器具(測量機器、揚重機械器具、雑機械器具)に要する費用
8.その他として、
材料及び製品の品質管理試験に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
以上です。
除雪に要する費用が、屋外整理清掃費に含まれていることなどは、私はちょっと違和感をおぼえてしまいます。
つづいて、現場管理費です。
1.労務管理費
現場労働者及び現場雇用労働者の労務管理に要する費用
・募集及び解散に要する費用
・慰安、娯楽及び厚生に要する費用
・純工事費に含まれない作業用具及び作業用被服等の費用
・賃金以外の食事、通勤費等に要する費用
・安全、衛生に要する費用及び研修訓練等に要する費用
・労災保険法による給付以外に災害時に事業主が負担する費用
2.租税公課
工事契約書等の印紙代、申請書・謄抄本登記等の証紙代、固定資産税・自動車税等の 租税公課、諸官公署手続き費用
3.保 険 料
火災保険、工事保険、自動車保険、組立保険、賠償責任保険及び法定外の労災保険の保険料
4.従業員給料手当
現場従業員及び現場雇用労働者の給与、諸手当(交通費、住宅手当等)及び賞与
5.施工図等作成費
施工図等を外注した場合の費用
6.退 職 金
現場従業員に対する退職給与引当金繰入額及び現場雇用労働者の退職金
7.法定福利費
現場従業員、現場労働者及び現場雇用労働者に関する労災保険料、雇用保険料、健康 保険料及び厚生年金保険料の事業主負担額並びに建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額
8.福 利 厚 生 費
現場従業員に対する慰安、娯楽、厚生、貸与被服、健康診断、医療、慶弔見舞等に 要する費用
9.事務用品費
事務用消耗品費、OA機器等の事務用備品費、新聞・図書・雑誌等の購入費、工事写真代等の費用
10.通信交通費
通信費、旅費及び交通費
11.補 償 費
工事施工に伴って通常発生する騒音、振動、濁水、工事用車両の通行等に対して、近隣の第三者に支払われる補償費。
ただし、電波障害等に関する補償費を除く。
12.原価性経費・配賦額
本来現場で処理すべき業務の一部を本店及び支店が処理した場合の経費の配賦額
13.その他
会議費、式典費、工事実績の登録等に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
この現場管理費は、各会社により金額が大きく変わるところではないでしょうか。
特に給料の考え方は、金額の割合も多くなる部分です。
つまり、管理する現場に携わる現場員の人数*日数*金額という試算になるのですが、ここのばらつきは当然起こりうるわけです。
また、その他には、竣工式、宿泊、夜食代、研修費用などなど各企業の個性の出る項目でもあります。
次回は、最後の一般管理費の項目内訳と、それぞれの共通費の率の計算方法を紹介します。
つまり、例えば一億の工事の場合「共通仮設費はいくら、現場管理費はいくら、一般管理費はいくらとする」という計算式があるのです。
この分野は、私自身も現在学んでいる最中で、結構奥が深く、累乗だの、ログ(Log)だのと、いろいろな数式を駆使しているのです。
まるで学生時代に戻ったように頭が逆回転してしまいます。
そこのところを具体的に記載しますので、後編はお楽しみに。。
以前の記事にて、100mmALCの施工手順を詳しく書きました。
2008/06/29「ALC施工手順」
今回は50mmです。
とても扱いやすく、鉄骨造の場合は、外壁等に使用される割合がとても多いのです。
軽量で加工しやすく、断熱性・耐火性に優れています。
厚み50mmのALCは、縦寸法1.8m – 2.0m、幅0.6mが多く、鉄骨胴縁等にビス止めで、施工します。
縦貼りと横貼りのどちらも、可能です。
貼付施工後に、パネル間および異なる材料(サッシュ、笠木、水切り等)間のコーキングを行い、欠損部と、固定の為に使った穴を専用材を使用し、埋めて仕上げます。
出隅部分は専用パネルがあります。
木造住宅においても、ALC50mmは、需要があり、多数の実績があります。
高性能外壁材として国土交通省から、耐火・準耐火1時間という優れた認定を受けており、一般の外壁材の家に比べかなり火災保険料が安くなります。(建築地によって異なります)
ちなみに私の住宅も、木造+外壁ALCです。
もちろん、火災時の延焼も防ぎ、主原料が無機質のため、高温になっても煙や有毒ガスを発生しません。
このように、ALCボードの外壁材は断熱性、遮音性、耐火性など、優れた建材ですが、 経年劣化により、表面の防水性が低下しますと、雨水等が浸入し、 (水分を吸ってしまい)性能や強度が低下してしまいます。
特に、パネルのジョイント部分、サッシュ周りなどのコーキングが劣化するとその部分より塗装が劣化することが多くあります。
ALCの優れた性能を維持する為にも、外壁表面の劣化具合を定期的に点検する事が非常に大切です。
我が家は、築21年になりましたが、一般部分の塗装は汚れだけで、塗装の浮きはまだ見られません(目視ですが)。
ただし、積雪地のため、冬期における屋根からの落雪により、地面より1m以上雪が積もる部分があり、その部分のALCは、塗装の剥がれどころか、ALCの材料自体が爆裂したような状態になり、3年程前に貼り直しをしました。
このようなことに充分注意を払い、適切な使用及び施工をすることが大切ではないでしょうか。
とても優れた材料なのですから。
参考図として、ALC50mmの参考納まり図を、紹介します。
ALC薄型パネルの、鉄骨造タテ張りヨコ胴縁(外胴縁)の納まりです。
左より、外観納まり図、断面詳細図です。
(クリック拡大)

次に、平面詳細図、出隅入隅詳細図、開口部納まり図です↓
(クリック拡大)

下記写真は、某鉄骨造の現場におけるALC50mmの、材料と施工状況です↓

建築工事標準仕様書・同解説(JASS 27 2003)
久しぶりの見積書に関する記事です。
前回は、今年の1月27日に記載した、「積算業務その2(拾い~提出迄)」ですから、約10ヵ月ぶりです。
今回は内装工事です。
最初に、施工する個所を、床、巾木、壁、天井、廻縁などに分け、その部位ごとに見積もりを作成してゆきます。
基本的に、それぞれの部位ごとに、下地材、仕上げ材などを、材工の単価にて記入してゆきます。
「材工」という言葉は、いままで何度も出てきていますが、材料費と、工賃を足した複合単価のことです。
つまり、内装工事の場合、一般的には、材料代と、施工手間賃は、分けないということです。
たとえば、クロス張りの単価は、m2当たり、いくらという表現を用いますが、この単価は、材料も手間も入っているのです。
ここらあたりは、過去のそれぞれの他の工種においても記事にしています。
鉄筋を組み立てる見積などは、一般的に、鉄筋の材料がいくらで、加工組立手間はいくらという形で材料と手間をわけて、見積もりを作成してゆきます。
内装工事は、そうではなくて、複合単価で作成してゆくということです。
さて最初は床です。
床は、材料ごとに、数量と単価を入れてゆきます。
下地は、コンクリート金ゴテ、モルタル金ゴテ等の場合は左官工事に入れます。
木床組下地の場合は、木工事に入ります。
置き床、アジャストフロア、ネダフォーム等の場合は、内装工事に入れることが多いようです。
内装工事に入れない場合は、雑工事でしょうか。
壁も同じように、下地材と仕上げ材に分かれます。
下地の軽量鉄骨材は、以前の記事にも記載しましたが「金属工事」に分けられることが多いです。
軽量鉄骨下地に、プラスターボードを貼り、クロスで仕上げる場合などは、プラスターボード(PB)と、クロス張りを、内装の見積もりに入れます。
軽量鉄骨下地を内装工事に入れる場合は、軽量鉄骨下地のみを分類して記入することが多いです。
天井も壁と同じ考えです。
内装工事の見積もりは、「縦」掛ける「横」で面積をだし、その数値に単価を掛ければ、金額が出る訳ですから、皆さんも自分の部屋等を、面積を計算して、例えばクロス張りの単価を入れたり、床材の単価を入れると、その部屋の模様替えの価格がおおよそわかると思います。
もちろん業者の経費は別ですが。。。
材料の単価については、内装工事の場合とてもたくさんの種類があるので、本当に必要な機能なのか、材質なのかを適切に判断し、材料を決定することが大切です。
特に床材等はピンキリです。
また、見積もりを作成する場合は、材料の仕様、番号等を間違えないように注意する必要があります。
内装工事の場合(他工種でもありますが)設計図書で、「同等品以上」のような表現があります。
たとえば、床フローリング張りの仕上げ表にて、DAIKEN-PSS3082(NS800)と記載があり、備考欄等に「同等品以上」と書かれている場合は、「この記載番号がある材料と、機能面が同等か又は、それ以上の材料であれば、使用してもよろしいです」と解釈します。
そのようにして、単価を入れるので、非常に大切な部分でもあります。
下の表は、かなり材料の種類等を省略しています。
通常、全ての材料、工法の違いにより単価が違ってきますので、内装工事の見積項目は、多くなることが一般的です。
他に項目として、造付家具、窓枠、木製巾木、台輪、断熱工事、カーテン・ブラインド工事、などを見積もり項目に入れる場合もあります。
下表の単価は参考価格です↓

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