型枠工事において、断熱材、複合板などをコンクリートと一緒に打ち込む施工方法があります。
これは、型枠合板に、素材(断熱材・複合板など)を取付けて、打ち込む場合と、素材そのものを型枠代わりにして、打ち込む場合があります。
当然、使用する金物(セパレーターなど)が違ってきます。
外断熱工法も、その一つです。
この工法は、積雪寒冷地の厳しい気象条件に対応する有用な建築技術の一つであり、北海道内における採用実績も多数あります。
また、地球環境保全の視点からも優れた建築技術として認識されています。
一方で、材料・工法の手順、施設の熱的特性に配慮した設備の設計手法、運転手法の確立等は標準化されていません。
それぞれのメーカーにて、それぞれの工法があるといったところでしょうか。
一般的に、外断熱工法とは、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等熱容量が大きな構造躯体の外側に断熱を施す工法を指します。
外壁については、構成上の分類をすると、下記となります。
(1)断熱材の施工方法による分類
ア. 打込み工法:
断熱材を型枠に取付けるか、又は断熱複合板を型枠にしてコンクリートを打設し、躯体と一体化する工法
イ 後張り工法:
コンクリート打設後、接着剤等を使い断熱材を躯体に取付ける工法
打込み工法は工程短縮に効果があり、特に型枠として用いる場合は型枠材の軽減となりますが、断熱材の種類が水を吸わない発泡系に限られます。
一方、後張り工法は型枠取外し後の施工となり、打込み工法と比べて工程が増えますが、断熱材及び仕上材の選択範囲が広まります。
(2)通気層の有無による分類
ア 通気層工法:
断熱材と外装材の間に通気層を確保する工法
イ 密着工法:
断熱材と外装材を密着する工法
通気層工法は内部結露の原因となる水蒸気や侵入した雨水の排出に対し有効であるため、繊維系の断熱材ではこの工法による必要があります。
一方、密着工法は外装材と断熱材を一体化した複合板を用いるもの等があり施工性や経済性の点から実施例が多いです。
複合板の種類は、下記のような材料があります↓
# 木毛セメント板+断熱材
# 石膏ボード+断熱材
# フレキシブルボード+断熱材
# 珪酸カルシウム板+断熱材
# 繊維混入パーライトセメント板+断熱材
# 合板+断熱材
# ベニヤ+断熱材
それぞれ、不燃用、耐火用、型枠打込用などが、製品として出荷されています。
外断熱建物は、選定した材料・工法等によって、経済性や環境負荷低減に対する効果等に差異が生じます。
よって、総合的な視点から材料・工法を的確に選定することが大切になります。
いづれにしても、今後、積雪寒冷地における建築技術の主流のひとつになりうる工法だと考えています。
下記写真は、某現場にて複合板にて、外枠を施工している状況です↓
(クリック拡大)

外断熱工法の具体的手法は、再機会を設け、記事にするべく取り組んでおります。
やっぱり赤レンガの家に住みたい! ―究極の耐火・外断熱工法「200年住宅」の凄さを公的機関で実証
21世紀は、外断熱の時代。家作りの急所が何故、隠されたままなのか?「いい家」が欲しい。改訂2…
久しぶりの見積書に関する記事です。
前回は、今年の1月27日に記載した、「積算業務その2(拾い~提出迄)」ですから、約10ヵ月ぶりです。
今回は内装工事です。
最初に、施工する個所を、床、巾木、壁、天井、廻縁などに分け、その部位ごとに見積もりを作成してゆきます。
基本的に、それぞれの部位ごとに、下地材、仕上げ材などを、材工の単価にて記入してゆきます。
「材工」という言葉は、いままで何度も出てきていますが、材料費と、工賃を足した複合単価のことです。
つまり、内装工事の場合、一般的には、材料代と、施工手間賃は、分けないということです。
たとえば、クロス張りの単価は、m2当たり、いくらという表現を用いますが、この単価は、材料も手間も入っているのです。
ここらあたりは、過去のそれぞれの他の工種においても記事にしています。
鉄筋を組み立てる見積などは、一般的に、鉄筋の材料がいくらで、加工組立手間はいくらという形で材料と手間をわけて、見積もりを作成してゆきます。
内装工事は、そうではなくて、複合単価で作成してゆくということです。
さて最初は床です。
床は、材料ごとに、数量と単価を入れてゆきます。
下地は、コンクリート金ゴテ、モルタル金ゴテ等の場合は左官工事に入れます。
木床組下地の場合は、木工事に入ります。
置き床、アジャストフロア、ネダフォーム等の場合は、内装工事に入れることが多いようです。
内装工事に入れない場合は、雑工事でしょうか。
壁も同じように、下地材と仕上げ材に分かれます。
下地の軽量鉄骨材は、以前の記事にも記載しましたが「金属工事」に分けられることが多いです。
軽量鉄骨下地に、プラスターボードを貼り、クロスで仕上げる場合などは、プラスターボード(PB)と、クロス張りを、内装の見積もりに入れます。
軽量鉄骨下地を内装工事に入れる場合は、軽量鉄骨下地のみを分類して記入することが多いです。
天井も壁と同じ考えです。
内装工事の見積もりは、「縦」掛ける「横」で面積をだし、その数値に単価を掛ければ、金額が出る訳ですから、皆さんも自分の部屋等を、面積を計算して、例えばクロス張りの単価を入れたり、床材の単価を入れると、その部屋の模様替えの価格がおおよそわかると思います。
もちろん業者の経費は別ですが。。。
材料の単価については、内装工事の場合とてもたくさんの種類があるので、本当に必要な機能なのか、材質なのかを適切に判断し、材料を決定することが大切です。
特に床材等はピンキリです。
また、見積もりを作成する場合は、材料の仕様、番号等を間違えないように注意する必要があります。
内装工事の場合(他工種でもありますが)設計図書で、「同等品以上」のような表現があります。
たとえば、床フローリング張りの仕上げ表にて、DAIKEN-PSS3082(NS800)と記載があり、備考欄等に「同等品以上」と書かれている場合は、「この記載番号がある材料と、機能面が同等か又は、それ以上の材料であれば、使用してもよろしいです」と解釈します。
そのようにして、単価を入れるので、非常に大切な部分でもあります。
下の表は、かなり材料の種類等を省略しています。
通常、全ての材料、工法の違いにより単価が違ってきますので、内装工事の見積項目は、多くなることが一般的です。
他に項目として、造付家具、窓枠、木製巾木、台輪、断熱工事、カーテン・ブラインド工事、などを見積もり項目に入れる場合もあります。
下表の単価は参考価格です↓

内装工事DIY入門
図説建築の内装工事改訂版
建築物を断熱するのは、次の3つの理由によります。
1.表面結露を防ぐため:結露防止
2.燃料費・暖冷房費低減のため:省エネルギー
3.居住性を向上させるため:居住性向上
断熱材は大別すると、発泡プラスチック系、無機質繊維系(グラスウール等)及び木質繊維系(インシュレーションボード等)に分類されます。
過去記事においては、断熱材現場発泡工法(ウレタン吹付け工法)を主に紹介してきました。
今回は、無機質繊維系であるグラスウールを紹介します。
グラスウールとは、短いガラス繊維でできた、綿状の素材です。
建築物における断熱材として広く用いられるほか、吸音材(遮音ではない)としてもスピーカー等や防音室の素材として用いられています。
防火性にも優れており、アスベストの代替材としても広く使われています。
特徴としては、下記が挙げられます。
* 価格が安いわりに断熱性能が良い。
* 切断・曲げなど、自由に加工することができる。
* 材料の厚さ・サイズが豊富です。
厚さは、壁用で50mm・75mm・100mmなどがあり、床下用で42mm・80mmなどがあります。
サイズは、壁用で 430mm×1370mm・430mm×2740mmなどがあり、床下用で263mm×1820mm・415×1820mm・820×1820mmなどがあります。
その他に、天井用等で、ロール状に巻かれている長物もあります。
* 密度も豊富です。
密度は10kg/m³・16kg/m³・24kg/m³・32kg/m³などがあります。
* 断熱性能は、厚さにほぼ比例します。
* 火に強く、防火性能が高いです。
このため、一定の厚さ以上のグラスウールを入れた壁に、石膏ボードなどを組み合わせて、防火構造の壁を作ることができます。(耐火壁,耐火間仕切)
また、万一燃焼しても、発熱量が少なく、有害ガスをほとんど発生しません。
* 優れた吸音効果があります。
このため、断熱以外の目的で、住宅の天井裏に使われたり、病室・ホテルの個室・放送室・スタジオ・体育館の壁に使われたりもします。
製法は、建築物や自動車の窓に使われていた廃ガラスが、現在の主な原料で、溶かしたガラスを火炎法・遠心法などで綿状とし、接着剤としてフェノール樹脂を添加して、板状・ロール状などに整形したものが製品となっています。
安全性として、材料の砕けたガラス繊維は微細で鋭利な繊維となり、吸ったり接触すると口の中に砂が入ったようになる、目が痛くなる、手が痒くなる、という症状が出やすいため、ゴーグルおよびマスクの使用が必要です。
吸引時の安全性は、ガラス繊維は非結晶性であるために肺がんなどの原因になることは証明されておらず、石綿と比較すると危険性は相対的に低いとされています。
グラスウールは建築断熱材料として、世界中で最も多く使用されています。
アメリカでは住宅用断熱材の8割、日本でも5割以上にグラスウールが使用されています。
それほど、一般的に普及している材料です。
グラスウールの施工時において注意しなければならない事項のひとつとして、水にぬれた場合の処置があります。
施工時の急な雨濡れなどでグラスウールが濡れてしまった場合、グラスウールの繊維自体には吸水性はありませんが、一時的に保水してしまうことがあります。
このような場合には乾燥させる等、適切な処置を取った上で再施工を行なう必要があります。
保水したまま使用すると、断熱性能の低下等につながってしまうことがあります。
やはり、一番の特徴は、建築物に使用する断熱材料の中でも、コストパフォーマンスが非常に優れている素材であるということではないでしょうか。
施工ポイントで最も注意することは、隙間無く、きちんと敷き詰め(張付ける)ことです。
下記写真は、左と中央がグラスウール材料で、右側が某倉庫壁にGWを使用している施工写真です↓(クリック拡大)

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以前、断熱防露工事の記事にて、現場発泡ウレタン施工に関しては、いろいろ書いておりますが、今回はウレタン施工と火災の因果関係を記述します。
ウレタンは工場生産品と現場発泡の2種類があります。
吹付硬質ウレタンフォームは、シームレスの断熱層が形成できること、断熱性能が優れていること等から、近年断熱材の市場で3割以上のシェアを占め、今後も増加の傾向を示しています。
この工法は、現場において原料を化学反応させてウレタンフォームを生成するものです。
吹付けに使用するミキシングガン(スプレーガン)に2種類の原料を送り込み、当該ミキシングガン内部で混合して吹き付け、吹き付けられた対象物上で化学反応と発泡を進行させ、硬質ウレタンフォームを形成するものです。
また、発泡中に対象物と接着し、発泡終了後は強力な接着力を発揮します。
今、日本で建てられている内断熱マンションのほとんどは、現場発泡硬質ウレタンによる吹付工法となっています。
施工中は火災の危険があるため、火気厳禁です。
発泡ウレタン工事において、以前は火災に合うと材料から有毒ガスが発生していましたが、現在は、有毒ガスが発生しにくい、あるいは発生しない製品になっています。
<難燃性>硬質ウレタンフォームといわれるものは、その用途に応じた燃焼試験を行い、難燃性と判定されたフォームであることを意味しています。
例えば、建築用断熱材として、準不燃材料、難燃材料の認定を受けた製品などがあり、難燃処理をしていない硬質ウレタンフォームと比べて火炎の伝播や発煙量を少なくする処理が施されています。
硬質ウレタンフォームの難燃性はJIS A 9511、9526、1321などで規定された試験によって評価されますが、これらの試験は一定の条件下での材料の燃焼性の比較を目的としたものであり、必ずしも実際の火災時の危険性を反映したものではありません。
従って、これらの試験に合格したもの、あるいは準不燃・難燃材料の認定をうけている材料であっても火気に接すると燃焼します。
施工における火災防止対策として、下記が挙げられます。
(1) 元方事業者等統括管理義務者の実施すべき事項について
A.使用する断熱材の種類及び燃焼性について確認を行うこと。
また改修工事等にあっては、使用されている断熱材の種類及び燃焼性について確認を行うこと。
B.発泡系断熱材を使用する、又は使用されていることを確認した場合には、当該場所に、その旨と火気厳禁についての表示を行うこと。
C.当該作業場所に立ち入ることとなる関係請負人のすべての労働者に対し、新規入場時教育等において、発泡断熱材を使用する作業及び使用されている場所並びにその危険性について周知するための教育の実施状況の確認を行うこと。
また、必要に応じて自ら教育を実施すること。
D.発泡断熱材を使用する作業又は使用されている場所における作業を実施させるに当たっては、火気管理を含む内容の作業計画を策定するとともに、関係請負人にその内容を周知すること。
E.発泡断熱材を使用する場合は、当該作業中及び作業実施後において、当該場所において火気を使用することとならない作業計画を策定し、その徹底を図ること。
F.発泡断熱材を使用している場所でやむを得ず火気を使用する作業を行う場合には、発泡プラスチック系断熱材を使用している場所を不燃性のボード、シート等で遮蔽するとともに、あらかじめ適切な消火器を配置する等消火のための対策を講じさせること。
(2) 発泡断熱材を使用する作業又は使用している場所において火気を取り扱う作業を行う関係請負人の実施すべき事項について
A.作業に従事する労働者に発泡断熱材の危険性、火気管理対策等について十分な教育を実施すること。
また、その結果について元方事業者等に報告すること。
B.作業を行うに当たっては、火気管理等を含む作業計画を策定すること。
当該作業計画の策定に当たっては、元方事業場等に報告し、必要な調整を行うこと。
C.発泡断熱材を使用する作業及び使用されている場所で火気を使用する作業を行う場合には、当該作業を指揮する者を定めるとともに、その者に直接作業を指揮させること。
D.発泡断熱材を保管している場所には、仮置場所を含め、その旨と火気の使用を厳禁する旨の表示を行うこと。
E.現場の整理整頓を行い、原材料等を放置しないこと。
最近は、ウレタン施工に起因する酸欠事故も発生しています。
その過去の事故例です↓
<マンション新築工事において、2名の労働者が1階床下に入ってウレタンフォーム吹付けによる断熱工事を行っていたところ、発泡剤として使用していたフロンガスが空気と置換して生じた酸素欠乏空気を吸入して酸素欠乏症となった。
その後、ウレタンが燃焼し、燃焼ガスによる中毒及び全身熱傷になった>
発泡剤には、フロン又は代替フロンが用いられているため、床下、天井裏その他の通風が不十分な場所において施工すると、フロン等が空気と置換して、酸素欠乏状態になるおそれがあるのです。
いずれにしても、現場発泡ウレタン工事においては、正しい環境での安全な作業が必須である工事の一つです。
ウレタンに火をつけているビデオがありましたので紹介します↓
発泡ウレタン燃やしてみました[アメーバビジョン]
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