杭頭接合工法のひとつである「NCPアンカー」について記述致します。
杭頭補強に関しては、過去に2度ばかり「パイルスタッド」「杭頭補強筋」の記事を掲載しました。
このように、杭と基礎とを接合する工法はいろいろあるのですが、今回紹介する「NCPアンカー工法」は、既製コンクリート杭(PHC杭・ PRC杭)の杭頭端板に設けられた雌ねじに、NCPボルトの雄ねじ部を螺合し、かつ、内面に非螺合部(ねじ無し部)を設けたNCPカプラーを雄ねじ部に装着して締め付ける事により、雌ねじとの接合部の直上に雄ねじの伸び部を形成し、かつ、緊張して接合部に軸力を導入して接合する工法です。
基本的には、下図のような構成になります↓
(クリック拡大)※岡部株式会社カタログ抜粋

NCPアンカー特長としては、下記が挙げられます。
1.迅速で信頼性の高い技術サポートと、確実なトルク管理で取付け強度を確認できます。
2.確実な機械式接合
非螺合部を成型したNCPカプラーを用いて機械的に接合する際、トルクレンチで導入された軸力を管理する事により、1本毎に取付け強度を確認する為、確実で信頼性の高い杭頭接合部を形成出来ます。
これは、確かに非常に簡易な方法です。
3.工期短縮
現場環境及び天候に左右されず、かつ、小さな作業スペースで施工可能であり、特殊技能を必要としないトルクレンチでの作業である為、工程管理が容易であると共に大幅な工期短縮が期待できます。
従来の鉄筋かごを挿入するだけの工法も、工程的には有利だと考えますが、パイルスタッド工法と比較すると、天候等の面で短縮につながります。
4.杭内部処理の低減
杭中空部の残土(土ソイルセメント)の除去量が低減可能なため、残土処理費用も低減できます。
杭径がおおきく、本数も多い場合等は、在来工法に比べ、経済的にかなり有利ではないでしょうか。
5.各社杭メーカーの既製コンクリート杭(PHC杭・PRC杭)に対応し、高支持力杭にも適用可能です。
設計図書に最初から盛り込まれている場合がほとんどで、確認申請の構造図書にも、計算書が添付されます。
それでは、NCPアンカーの施工手順です。
NCPアンカーの取付作業は、杭を打設し捨てコン打設後、かつ基礎ベース配筋前になります。
1.準備作業
杭端板ねじ部の養生
これは、杭打設前に杭頭のネジ部分の孔がセメントミルク等で塞がれないよう、専用スポンジ等で養生します。
養生用のスポンジ・ゴムキャップは各種ねじサイズに合わせたものを使用します。
2.NCPアンカー材料
某現場にて使用した、NCPアンカーです↓
(クリック拡大)

3.ねじ部の清掃
専用研磨機・スポイト等を使用して、雌ネジ部分を清掃します。
某現場にて、清掃状況です↓
(クリック拡大)

4.ねじ深さの確認
ネジの深さをノギス等の計測器にて計り確認します。
5.NCPアンカーの仮締取付
下写真のように、NCPアンカーを取付けて、仮締めを行ないます。
(クリック拡大)

6.NCPアンカー螺合長を確認
アンカーの長さを、スケールで計り確認します。
7.仮締め位置のマーキング
鉄骨工事の高力ボルトと同じ考えで、NCPアンカーのカプラー部分と杭の頭のプレートにそれぞれマーキングをします。
某現場におけるマーキング状況↓
(クリック拡大)

8.NCPアンカーのトルク締付け
指定のトルクまで、レンチを使用して締め付けます。
某現場における締め付け状況及び、トルク確認写真です↓
(クリック拡大)

9.マーキングのズレを確認
最後に、マーキングのずれを確認し完了です↓
(クリック拡大)

わたしが経験した現場においては、杭30本に、それぞれ8本ずつ施工し(30*8=240ヶ所)作業員2名で、半日程度でした。
非常に簡易的で優れた工法ではないでしょうか。
過去に紹介した工法と、今回の工法と、それぞれ比較してみてください。
杭基礎設計便覧平成18年度改訂
杭頭補強筋です。
以前、「パイルスタッド」という記事にて、杭頭と基礎との、あたらしい接合方法を記述しました。
今回は、元来施工されてきた一般的な、杭頭補強を紹介します。
これは、杭頂部を基礎に締結する工法で、パイルキャップにて杭頭を塞ぎ、そこに杭頭補強のための鉄筋かごを組み挿入し、中詰めコンクリートを打設する方法です。
この鉄筋かごを一般的に、杭頭補強筋と称します。
既製コンクリート杭の場合、杭頭と基礎との接合方法は、固定の程度により異なってきます。
①A形(半固定)の場合
基礎内に杭を100mm程度埋め込むことによる半固定的なタイプです。
杭頭部の中詰めコンクリート補強筋は、杭頭切断によって生じるプレストレス減少による張力低下分等を補うものです。
②B形(固定)の場合
基礎フーチング内に杭を杭径長さ分埋め込むタイプです。
このタイプは杭頭切断によって生じるプレストレス減少のための杭頭部の補強ならびにほぼ固定に近い固定度の確保を目的としています。
場所打ちコンクリート杭の場合は、一般に杭頭は、固定とする場合が多く、杭筋の定着長さについては、L1とします。
現在、杭頭を塞ぐパイルキャップと、杭頭補強筋が一緒になった、製品が使われています。
これは簡潔な構造で、技能工の熟練を必要とせず合理的な配筋施工が容易かつ正確にでき、効率性及び経済性にも優れた杭頭補強筋ユニットです。
建物と杭とを強固に結合でき、さらになんといっても、工場生産により配筋精度及び品質が一定しているのが、魅力的です。
杭の径により、杭頭補強の本数、太さ、長さが決められます。
下記写真は、一般的な杭頭補強の納まり図と、規格表です。
規格寸法表は、あくまでも参考値で、設計図書が優先します。(クリック拡大)

下記写真は、実際の底キャップ付杭頭部補強鉄筋の材料と、セッティング状況です。
(クリック拡大)

杭基礎の耐震問題に関連して
場所打ちコンクリート杭のコンクリートに関連する施工指針・同解説第2版
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