過去の記事に於いて、22.断熱防露工事のカテゴリーでは、グラスウール、ウレタン吹付工法、外断熱工法などについて、記載してきました。
今回は、断熱塗装を紹介します。
住宅建築等における、一般的に使用されるタイプの断熱材は、下記等が挙げられます。
グラスウール(最安価、耐熱性、吸音性)
ロックウール(安価、耐熱性、吸音性)
羊毛断熱材(吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、有機化合物吸着性)
セルロースファイバー(吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、駆虫性、防カビ性、防音性、吸音性、防錆性、調湿性)
ウレタンフォーム(高い防水性、現場発泡施工)
フェノールフォーム(高い断熱性)
ポリスチレンフォーム(樹脂系では安価、軽量、耐水性)
EPS(ビーズ法ポリスチレン)
発泡ゴム(FEF) : 防水性と難燃性が卓越している。発塵しない。
このような断熱材以外に、最近「断熱塗装」が、施工されるようになってきています。
現在いろいろなメーカーにて、断熱性能を有する塗料が販売されています。
代表されるところでは、「断熱くん」「ガイナ」「キルコート」「ヒートカット」「スーパーサーム」などなど。
一般的に断熱塗料は、特殊セラミックの効果により、断熱性能を有する塗料です。
熱伝導率は、下記試験状況において、およそ、0.013kcal/mh℃前後が多いようです。
試験条件
塗装方法:こて塗り 塗膜厚:0.5mm 試験板:鋼板 熱伝導率用試験片:フリーフィルム
ちなみに、鉄(Fe)は、84、ガラスは、1、水(H2O)は、0.6です。
もちろん他の断熱材と同じく、断熱塗料の役目として、
夏の遮熱効果、冬の結露防止効果、遮音、防音効果等が挙げられます。
それでは、施工手順です。
最初に材料です。
某現場にて、「断熱くん」を使用しました。
その時の材料です↓
(クリック拡大)

次に、稀釈ですが、
原液使用が基本です。
ただし、下記調整がうたわれています。
塗付できる濃度に調整してありますが、調整が必要な場合には清水を少量ずつ加えながら稀釈してください。
稀釈しすぎると性能が発揮できなくなることがありますので、稀釈量を厳守してください。
刷毛・ローラー
1缶/清水200cc(牛乳瓶1本)まで
吹付け
1缶/清水500~1000ccまで
パターン塗り
原液とする。
そして、塗装工程です。
塗装の工程は一般の水性塗料と同じです
但し、断熱性能を充分発揮させるために、施工の際は各メーカーの「施工仕様書」等を一読した方がよいでしょう。
最初に、下地調整です。
●下地のゴミやサビ、汚れ等を除去し、ケレン、洗浄します。
(必要により高圧洗浄)
次に、下塗りです。
●下地に適合した下地処理(プライマー、シーラー)をしてください(市販の下地剤使用可)。
●鉄はサビ止めをします。
上塗り
(1)下地の乾燥を充分におこないます。
(2)缶を開封し、他の容器に移す前に電動攪拌機で5分以上攪拌してください。
下記写真は、某現場における攪拌状況と、塗装缶に入れ替えている状況です↓
(クリック拡大)

(3)塗装作業中も軽く攪拌します。
※攪拌が不充分な場合、性能が発揮できないことがあります。
刷毛・ローラー
【塗付面積】 25~30㎡/14kg (2回塗付量)
【塗付量】 0.46~0.56kg/㎡ (2回塗付量)
0.23~0.28kg/㎡ (1回塗付量)
吹付け
【塗付面積】 15~20㎡/14kg (2回塗付量)
【塗付量】 0.7~0.93kg/㎡ (2回塗付量)
0.35~0.465kg/㎡ (1回塗付量)
※数値は標準数値ですので、施工方法や形状等で変わります。
下記写真は、某現場における塗布1回目です↓
(クリック拡大)

仕上がり塗膜厚は0.6mm以上必要です。
必ず2回塗り以上で施工します。
また、2回目塗付は、1回目乾燥後に行ないます。
下記写真は、断熱塗料塗布2回目です↓
(クリック拡大)

塗装作業中・塗装後は換気を充分にして、自然乾燥させます。
開封した缶は使い切るようにします。
乾燥時間目安は、
夏:2時間(20℃)
冬:4時間(10℃)となります。
断熱塗料は、ウレタン吹付と比較して、厚さが少なくて済むので、RC造の床の巻き返しなどに最近使用されてきています。
上記写真も、床部分の断熱処理として施工しています。
また、発泡ウレタンと違い、火災の発生が少ないです。
いろいろ利点もありますが、信頼性・施工実績を増やしてゆけば、今後、ウレタン吹付けに変わる工法になるのかもしれません。
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新年あけましておめでとうございます。
今年も、よろしくお願いします。
さて、2010年最初の記事は、安全関係から始めます。
そのなかで、今回は「電動工具の安全点検」です。
安全大会、安全衛生協議会、災害防止協議会、安全週間、他いろいろな現場の安全行事の中で「電動工具の点検」は、かかせないものです。
火災、感電、けがなどの事故を未然に防ぐため、使用前に、工具始業前点検を必ず行い、正しく使用することが大切となります。
私も過去に現場において、ドリルを使っている際に差込口から発火した経験があります。
又、仮設電線が燃え上がったこともありました。
現場においては、結構、電動工具・電線などからの火災事故は多いのです。
また、仮設電気の漏電ブレーカーが、いろいろな原因により落ちることは、よくある事です。
(もちろん、あってはならないのですが。。。)
移動式電動機械器具、可搬式電動機械器具及びアーク溶接機等については、あらかじめ、指名した点検者に、法令で定めるところにより使用前点検させ、異常を認めた場合には、直ちに補修し、又は取替える必要があります。
ここで言うところの、移動式電動機械器具とは、ベルトコンベア、水中ポンプ、コンクリートミキサー等をいいます。
又、可搬式電動機械器具とは、電気ドリル、携帯用丸のこ、電動かんな、電動グラインダー等をいいます。
また、定期の点検は、一ヶ月を超えない一定の期間ごとに行う必要があります。
以下、電動工具の点検事項です。
1.配線の損傷はないか。
2.コネクターの破損はないか。
3.アースは確実にとってあるか。
4.操作スイッチ、手元スイッチの作動はよいか。
5.十分な太さのキャブタイヤケーブルを使用しているか。
6.丸のこ等の接触防止装置(カバー等)の確認
下記写真は、工具をテスターを使用して点検している状況です↓
(クリック拡大)

これらの機械工具を使用する場合には、その金属製外枠を確実に接地し、その接地線の被覆は、緑色とします。
ただし、やむを得ず緑色の被覆でないものを使用する場合には、接地線の両端に緑色のテープを巻きます。
また、電気機械器具に接続する移動電線は、単相用では3芯、三相用では4芯のものを使用し、そのうち1 芯を専用の接地線とします。
移動式電動機械器具又は可搬式電動機械器具を使用する場合には、法令で定めるところにより、感電防止用漏電しゃ断装置を使用しなければなりません。
他に、電気関係の現場点検事項として、
1.架空電線保護状況
2.分電盤(取扱者、行先表示、アース、設置高さ)
3.電球ガード、配線状態(保安灯の設置状況)
4.アーク溶接機(電撃防止、ホルダー)
等々があります。
下記写真は、現場に設置している分電盤の点検している状況です↓
(クリック拡大)

いずれにしても、確実で適切な点検を実行し、未然に事故を防ぐことが大切です。
以上、今年も皆さんにとって良い年でありますように。。。
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今回は、某建築工事現場にて行われた消防竣工検査のなかの、水圧解錠の検査を紹介します。
カテゴリーは、「000.建築関連法」の「02.消防法」としました。
このカテゴリーとしては、初めての記事です。
そもそも、消防法(しょうぼうほう、昭和23年7月24日法律第186号)とは、
「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」(1条)を目的とする法律です。
その内容は、下記の章に分類されています↓
* 第1章 – 総則(第1条~第2条)
* 第2章 – 火災の予防(第3条~第9条の3)
* 第3章 – 危険物(第10条~第16条の9)
* 第3章の2 – 危険物保安技術協会(第16条の10~第16条の49)
* 第4章 – 消防の設備等(第17条~第21条)
* 第4章の2 – 消防の用に供する機械器具等の検定等(第21条の2~第21条の16の6)
* 第4章の3 – 日本消防検定協会等(第21条の17~第21条の57)
* 第5章 – 火災の警戒(第22条~第23条の2)
* 第6章 – 消火の活動(第24条~第30条)
* 第7章 – 火災の調査(第31条~第35条の4)
* 第7章の2 – 救急業務(第35条の5~第35条の9)
* 第8章 – 雑則(第35条の10~第37条)
* 第9章 – 罰則(第38条~第46条の5)
* 別表 – 第1、第2(第21条の46関係)、第3(第21条の46関係)
この消防法の下位法令として、下記があります↓
* 消防法施行令
* 消防法施行規則
* 危険物の規制に関する政令
この法律に基づくと、消防検査とは、
「消防法17条
学校・病院・その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は政令で定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持しなければならない」
に基づき、建築物が適正かどうか判断し、検査するものです。
つまり通常、工事などで消防設備を新設・改修した場合に最終検査として消防が立ち会って機能検査をするものをいいます。
部分的な中間検査も実施されています。
不具合がある場合や指摘事項がある場合は、是正措置をしないと、検査済票が交付されません。
これが交付されないと建物の使用自体が違法行為となります。
これと似たものに、消防査察があります。
査察はすでに使用している建物を見て、問題がないか消防がチェックするものです。
消防査察で指摘を受けると、改善計画書とか改善回答書などの書類を作り、提出します。
原則的にはこのような書類を出して、改善すれば査察は完了です。
現在の消防法では、消防が建物の使用禁止命令を出すことができますので、これが出ると建物を使用することが、できなくなります。
消防検査の内容としては、
火災の発生時に安全に避難する事ができるか
停電の時に誘導灯が動力なしに点灯するか
火災報知器が正しく作動するかどうか
消火栓・消火器などが的確な位置に配置されているか
など多種多様にわたっており、大きな建物になると、一日がかりにもなります。
そのなかで今回は、水圧解錠装置の検査です。
この装置は、万一、火災等が発生した場合に、外部から消防放水の水圧で手動シャッター等を開放する装置です。
シャッター等を破壊することなく、素早く開放できますので、敏速な消火・救助活動が行えます。
この他にも検査を受ける設備は下記のようなものがあります。
消火設備
*消火器具 *屋内消火栓設備 *スプリンクラー設備
*泡消火設備 *粉末消火設備 *不活性ガス消火設備
*ハロゲン化物消火設備 *水噴霧消火設備 *屋外消火栓設備
*動力消防ポンプ設備 *ドレンチャー設備
警報設備
*自動火災報知設備 *ガス漏れ火災警報設備 *漏電火災警報器
*消防機関へ通報する火災報知設備
*非常警報設備[非常ベル・自動式サイレン・放送設備]
避難設備
*避難器具 *誘導灯 *誘導標識
消火活動上必要な施設等
*消防用水 *排煙設備 *連結散水設備
*連結送水管 *非常コンセント設備 *無線通信補助設備
火災発生のおそれのある設備及び少量危険物等の届出
熱風炉・炉・厨房設備・温風暖房機・ボイラー・給湯湯沸設備・乾燥設備サウナ設備・
ヒートポンプ冷暖房機・火花を生ずる設備・放電加工機燃料電池発電設備・変電設備・
発電設備・蓄電池設備・ネオン管灯設備
水圧解錠装置は、火災時に、送水口に消火ホースで水圧をあたえることにより、鍵を使用せずに錠前を解錠することができます。
それでは、消防の水圧解錠検査です。
某倉庫新築現場にて、外部に設置した鋼製両引戸に、水圧解錠を取付けました↓
(クリック拡大)
左側の写真が、外部から見た装置です。
消のマークは、シール張付けです。
その下の装置に、水をかけます。
そうすると、右側写真(内部)の赤丸部分の棒状シリンダーが下がり、鍵を解錠します。
仕組み自体はとても単純です。
なお、放水する水圧の規定等が定められております。

放水状況です↓
(クリック拡大)

設置届けの用紙の見本です↓
(クリック拡大)

わたしの30年前の卒業研究のテーマは、「アメリカにおけるシステム防災の仕組み」というものでした。
その当時の担当教授が、日本における火災防止設備は、「花魁のかんざし」だ。
このような表現をよく使っていました。
つまり、たくさんあって豪華に見えるが、役には立たない。
火災予防にたいして一番有効な設備は、「スプリンクラー設備」であって,これさえ全ての建物に完全に設置していれば(もちろんメンテも含めて)他は何一つ必要としない。
簡潔に基本的なことを話せばこのような内容でした。
30年後の今も、わたしの頭の中に残っています。
(昨晩の夕食の献立を忘れるほどの、とりあたまのなかに。。。)
確かに、前述した、消火設備・警報設備・避難設備だけをとっても非常に多くの設備規定があります。
しかし、スプリンクラー設備の一番のマイナス要素は、費用です。
イニシャルコストもかかりますが,ランニングコストもかかります。
(用語の意味は以前の記事を参照)
また、絶対に誤作動を起こしてはいけません。
全てがそれこそ水の泡です。
いろいろな諸条件のなかで、単純に導入するのは、現在の消防法では困難な部分も多いのではないでしょうか。
もちろん一定の用途・規模の建物には必ず設置しなければならない規定には、なっているのですが。
とにかく、火災は起こってしまってからでは手遅れです。
その被害は全てのものを消失してしまいます。
建物を造る側にも、使用する側にも、同じように、常に火災に対して関心を持ち、注意することが必要ではないでしょうか。
(消防法は奥が深く、後日また紹介したいと考えております)
特殊消化剤強化液の威力で抜群の消化力てんぷら鍋火災の消火に最適わが家の消防士 シュッパー
消防設備士のことなら – sirube
建築工事現場における、安全教育・安全大会等において、火災訓練は大切な教育のひとつです。
現場火災に関しては、以前「ウレタン工事と現場火災」の記事にて、多少書いております。
訓練は、現場火災発生時に、適切で迅速な対応ができるよう、併せて現場で働いている全ての作業員及び職員の防火意識の向上を図ることを、目的としています。
訓練実施内容としては、現場により様々ですが、一般的には下記のようになります。
1.全員集合
2.講師による、火災講話(ビデオ等)
3.訓練内容説明
(防火管理者が、訓練の想定、人員配置と訓練の流れについて説明する)
4.初期消火訓練(訓練用消火器、消化用水等を使用)
5.通報連絡訓練(防火体制消防チームによる)
6.避難誘導訓練(同上)
7.防火管理体制の再確認
8.終了
現場における火災原因としては、タバコ、ウレタン火災、電気系統火災、火を使う作業(溶接、ガス圧接等) などなど多種にわたります。
火災経験は大小を問わず、経験している方も多いのではないでしょうか。
わたしも、仮設電線がショートして火を発生したり、溶接の火がゴミに燃え移ったり、いろいろ体験しています。
そういう可能性も含め、日頃より、消火設備の日常点検および火災予防パトロールが非常に大切です。
下記写真は、某現場においての、火災訓練(初期消火)状況です↓
(クリック拡大)

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