仮設工事における外部足場に関して、記述致します。
以前、「外部足場組立状況」という記事を掲載しました。
その時は、建築工事における足場という概念、種類、形状などを書かせていただきました。
今回は、その足場の「手すり先行工法」を紹介します。
建設業における死亡災害のうち、墜落による落下災害が過去にもっとも多く、その中でも足場からの墜落による災害が、非常に高い割合を占めています。
そこで、足場からの墜落災害等を防止する有効な対策として、足場の組立・解体時の「手すり先行工法」が開発されました。
一言で表現すると、手すり先行工法とは、足場の組み立て・解体作業を、常に二段手すりが先行されている状態で行うことが出来る工法です。
この工法の主目的は、
足場の設置を必要とする建設工事において、手すり先行工法による足場の組立て、解体又は変更の作業を行うことにより、働きやすい安心感のある足場作りと、労働者の足場からの墜落等を防止し、併せて快適な職場環境の形成に資することです。
手すり先行工法には、「手すり先送り方式」「手すり据置方式」「手すり先行専用足場方式」の3方式があります。
基本的な組立解体方法は、
◆足場の組み立て作業を行う場合…
労働者が一層上の足場の作業床を設置する前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手摺りを先行して設置。
◆足場の解体作業を行う場合…
最上層の作業床を取り外すまで、最上層の作業床の端に手すりを残置。
となります。
それでは、それぞれの工法を説明します。
手すり先行工法による足場設置基準(概要)
A.手すり先送り方式
足場の組立・解体または変更の作業で、足場の最上層に床付き布枠等の作業床を取付ける前に、最上層よりいっそうしたの作業床上から、建枠の脚柱等に沿って上下スライド等が可能な手すり又は手すり枠を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

B.手すり据置方式
足場の組立・解体または変更の作業において、足場の最上層に作業床を取付ける前に、最上層よりいっそうしたの作業床上から、据置き型の手すり又は手すり枠を当該作業床の端となる箇所に先行する方式であり、また最上階の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の据置き手すり機材を残置して行う方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

C.手すり先行専用足場方式
鋼管足場用の部材及び付属金具の企画の適用除外が認められた枠組足場であり、足場の最上層に作業床を取付ける前に、当該作業床の端となる箇所に、最上層より一層下の作業床上から手すりの機能を有する部材を設置することができ、かつ最上層の作業床を取り外す時は、当該作業床の端に手すりの機能を持つ部材を残置して行うことが出来る構造の手すり先行専用のシステム足場方式。
下図参照↓
(クリック拡大)

下記写真は、某現場において手すり先行工法の「据置工法」にて施工している状況です↓
(クリック拡大)

某現場における、手摺先行足場の、完成です↓
(クリック拡大)

足場上の高い緊張状態が要求される作業を改善するためには、関連する労働安全衛生関係法令の全ての規定を満たした上で、定められた基準を満たす働きやすい安心感のある足場とすることが大切であると考えます。
働きやすい安心感のある足場構築に向け、最善の工法を採用することが、これからの労働災害防止に大きく関与してくるのではないでしょうか。
いずれにしても、今後、仮設工事(足場)等に限らず、いろいろな工種において、このような安全に対する新しい工法が採用されてくるようになると思います。
今回の記事は建設業労働災害防止協会のガイドラインを参考にさせていただきました。
足場作業の安全―労働安全衛生規則改正
新しい足場の安全基準
前回記事に書いた「監理技術者の更新講習」の2日後に、建設業労働災害防止協会(建災防)主催の、統括安全衛生責任者講習に行ってきました。
その時の様子を、記述致します。
今回は全部で、46人でした。
2人掛けで、ゆったりしていて、ラッキー?なことに、席順が一番後ろで、一人掛けでした。
場所は、北海道建設会館でした。
朝、7時23分のJRで恵庭駅を出発し、札幌に8時3分に到着。
徒歩で、8時10分に、会場に着きました。
なんと、一番乗りで、受付の方も来ていませんでした。
講師の方が来ていて、部屋があいていたので、席に座って待っていました。
今回の講師は、元○○組の、安全担当部長さんでした。
講義はスクリーンを使用して、テキスト併用で、いろいろな話を交えて、わかりやすく説明なされていました。
統括安全衛生責任者(とうかつあんぜんえいせいせきにんしゃ)とは、
特定元方事業者(建設業など)の現場において、安全衛生に関する統括管理する者を指します。
労働安全衛生法第3章安全衛生管理体制第15条に規定されています。
ここで表現されている、元方事業者とは、
一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせている事業者で、最も先次の請負契約における注文者を指します。
また、特定元方事業者とは、
特定事業(建設業・造船業)を行う元方事業者です。
統括安全衛生責任者を、選任しなければならない条件として、下記が規定されています。
1.特定事業(建設業・造船業)に、常時50人以上の労働者を従事させる特定元方事業者は、統括安全衛生責任者を選任し、作業場を管轄する労働基準監督署長に報告しなければなりません。
2.ずい道等の建設、圧気工法による作業、橋梁の建設の場合は常時30人以上の労働者を従事させれば、選任義務が生じます。
統括安全衛生責任者は、次の職務を行います。
1.元方安全衛生責任者の指揮(※建設業のみ)
2.協議組織の設置運営
3.作業間の連絡調整
4.作業場所の巡視
5.関係請負人が行う安全衛生教育に対する指導や援助等
統括安全衛生責任者は、建設現場などにおいて事業の実施を統括管理する者の中から選任しなければなりません。
資格要件は「事業場においてその事業の実施を統括管理する者」であり、「常時50人以上の労働者を従事させる事業場(建設現場)において、その事業の実施を統括管理」を行う、現場代理人、主任技術者、監理技術者に選任された所謂「現場事務所長」があたることが多いです。
従って、安全衛生上の資格要件は特に必要なく、現場を統括する実質的な権限を有していることが必要と考えることができます。
また、国家資格である衛生管理者(第一種・第二種)の免許を有さなくても選任されることは可能です。
ただし、建設業においては建設業労働災害防止協会で開催されている統括安全衛生責任者講習あるいは現場管理者統括管理講習、造船業においては地方運輸局と全国造船安全衛生対策推進本部が共催で行っている「統括安全衛生責任者研修会」を受講していることが望ましいとされています。
また、公共工事における総合評価方式による入札においては、講習受講の有無が評価項目となる場合があります。
さて、
一時限目(9時00分~10時00分)は、建設業の労働災害と問題点の講習でした。
全体的に、あらためて安全について考えさせられました。
二時限目(10時00分~12時00分)は、統括管理の意味の説明でした。
これは、普段一番接する分野ですので、いろいろ頷きながら聴いておりました。
ここまで約1時間置きに10分程度の休憩を挟み、昼休み(12時00分~13時)です。
そして、午後の授業が始まりました。
三時限目(13時~16時00分)は、「統括管理の具体的な進め方」でした。
四時限目(16時00分~16時30分)は、「建設業の労働衛生管理」についての、お話でした。
最後に、リスクアセスメントを取り入れたKY活動の用紙が、配布され、全員で記入、検討しました。
以上で、講習の修了となりました。
私が今回の講習で、特に印象に残った事項は、
1.ヘルメットに、8mm以上の発泡スチロールが張っているのが、墜落防止用ヘルメット。
以外は、単なる飛散防止ヘルメット。
2.ヒヤリハットを一歩進め、ホットアンシン。。
これは、例えば、風で煽られ、落下しそうになったが、安全帯をつけていて落ちなく、安心した。。。などなどの啓蒙運動です。
3.実際の事故・災害の写真を使っての講義。
4.一人親方の確認。
労災の適用なし。
一人親方専用の保険(年7、8万程度)に入っていれば、問題なし。
等々の話です。
私が取得した免許証と、講習にて使用したテキストの写真です↓
(クリック拡大)

安全第一の言葉が空言にならないよう、またコンプライアンス(法令遵守)に基づいた具体的安全対策がとても重要であることなどを、再認識した一日でした。
コンクリートブロック(CB)工事に関しては、過去に二度記事にしております。
屋上花壇ブロック積と、コンクリートブロック積です。
今回は、写真を豊富に取り混ぜ、一段階掘り下げて説明してゆきます。
それでは、最初に材料です。
コンクリートブロックはその圧縮強度等によって、A種、B種、C種の3種類に分類されており、C種が、最も性能が良いブロックです。
基本的なブロックサイズは390mm*190mmで、厚みは100・120・150・190mmと4種類になります。
このことは、以前の記事にも書きました。
下記写真は、某現場にてコンクリートブロック材料搬入状況です↓
(クリック拡大)

はじめに、縦の鉄筋を溶接します。
両面5d以上又は片面10d以上のアーク溶接を行う場合にかぎり、継手を設けることができます。
下記写真は、鉄筋溶接状況です↓
(クリック拡大)

ブロックを積む際に必要な鉄筋は、縦筋と横筋です。
それぞれピッチは、400mmと規定されています。
縦筋に倣ってブロックを積んでゆき、2段ごとに横筋用ブロックを使用し、鉄筋を横に挿入します。
壁鉄筋の重ね継手長さは40dと決められています。
下記写真参照↓
(クリック拡大)

コンクリートブロックは目地をモルタルで作り一つ一つ積み上げていきます。
そのため、目地のモルタルの硬化時間があるため、1日にあまり高く積んでしまうとコンクリートブロックの重みで目地がつぶれてしまいます。
よって、1日に積み上げられる高さは8段(1.6m)までと決まっています。
下記写真は、ブロックの目地を目地ゴテを使用して仕上げている(化粧目地)状況写真と、一日の積み上げ完了写真です↓
(クリック拡大)

開口部の上部には、臥梁(がりょう)を設置します。
これは、煉瓦造り・ブロック造りなどの組積造で、壁の頂部をかためる水平のはりのことを言います。鉄筋コンクリートで作り、階の継ぎ目、屋根の下などに設けることが多いです。
ブロック壁の窓などの開口には、アングル(スチール製)を使用することもあります。
このようにして、ブロックを一枚ずつ積み上げてゆき、完成します。
下記写真は、積み上げ状況と、完了写真です↓
(クリック拡大)

どこかの現場でブロックを積んでいる作業を見かけたら、しばらく観察してみてください。
職人さんの手際の良さは、技術と熟練度の高さを、とても感じます。
最近、いろいろな乾式工法により、ブロック積みは少なくなってきている気がしますが、いつまでも残ってほしい工種のひとつです。
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新年あけましておめでとうございます。
今年も、よろしくお願いします。
さて、2010年最初の記事は、安全関係から始めます。
そのなかで、今回は「電動工具の安全点検」です。
安全大会、安全衛生協議会、災害防止協議会、安全週間、他いろいろな現場の安全行事の中で「電動工具の点検」は、かかせないものです。
火災、感電、けがなどの事故を未然に防ぐため、使用前に、工具始業前点検を必ず行い、正しく使用することが大切となります。
私も過去に現場において、ドリルを使っている際に差込口から発火した経験があります。
又、仮設電線が燃え上がったこともありました。
現場においては、結構、電動工具・電線などからの火災事故は多いのです。
また、仮設電気の漏電ブレーカーが、いろいろな原因により落ちることは、よくある事です。
(もちろん、あってはならないのですが。。。)
移動式電動機械器具、可搬式電動機械器具及びアーク溶接機等については、あらかじめ、指名した点検者に、法令で定めるところにより使用前点検させ、異常を認めた場合には、直ちに補修し、又は取替える必要があります。
ここで言うところの、移動式電動機械器具とは、ベルトコンベア、水中ポンプ、コンクリートミキサー等をいいます。
又、可搬式電動機械器具とは、電気ドリル、携帯用丸のこ、電動かんな、電動グラインダー等をいいます。
また、定期の点検は、一ヶ月を超えない一定の期間ごとに行う必要があります。
以下、電動工具の点検事項です。
1.配線の損傷はないか。
2.コネクターの破損はないか。
3.アースは確実にとってあるか。
4.操作スイッチ、手元スイッチの作動はよいか。
5.十分な太さのキャブタイヤケーブルを使用しているか。
6.丸のこ等の接触防止装置(カバー等)の確認
下記写真は、工具をテスターを使用して点検している状況です↓
(クリック拡大)

これらの機械工具を使用する場合には、その金属製外枠を確実に接地し、その接地線の被覆は、緑色とします。
ただし、やむを得ず緑色の被覆でないものを使用する場合には、接地線の両端に緑色のテープを巻きます。
また、電気機械器具に接続する移動電線は、単相用では3芯、三相用では4芯のものを使用し、そのうち1 芯を専用の接地線とします。
移動式電動機械器具又は可搬式電動機械器具を使用する場合には、法令で定めるところにより、感電防止用漏電しゃ断装置を使用しなければなりません。
他に、電気関係の現場点検事項として、
1.架空電線保護状況
2.分電盤(取扱者、行先表示、アース、設置高さ)
3.電球ガード、配線状態(保安灯の設置状況)
4.アーク溶接機(電撃防止、ホルダー)
等々があります。
下記写真は、現場に設置している分電盤の点検している状況です↓
(クリック拡大)

いずれにしても、確実で適切な点検を実行し、未然に事故を防ぐことが大切です。
以上、今年も皆さんにとって良い年でありますように。。。
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