街中のきらびやかな店先で輝いているショールーム、ショーケース。
そこで使われている、とっても大きいガラスを、嵌め込む作業を、紹介します。
ポイントは「吸盤」です。
硝子の持ち運びには、欠かせない道具です。
「タコ」という呼称もあるようです。
硝子はその性質上、かなりの重量があり、また破損しやすく、運搬には気を使わなければならない材料です。
切断面はとても鋭く、危険です。
ガラスを枠にはめる際などは、ガラスを手で持つことが出来ない為、ガラス吸盤を使って持ち上げます。
このガラスを揚重するときに使う大きな吸盤状の道具は、吸盤ハンドリング機、吸着パッドなどとよばれています。
吸着盤の原理を応用して作られた真空吸着式運搬器です。
着脱はワンタッチシステムの構造になっています。
板ガラスなど板状の物体を持ち運びをする際に、レバーを押し下げることによって、ゴムの部分と相手方(被吸着面)との間が真空状態となり、吸着力を保持するのです。
それぞれの吸盤によって、垂直吸着保持力が規定され、吊ることのできる重さが決まっています。
また、ガラス表面が平らな材料(透明ガラス)と、凹凸のある材料(型ガラス)で、使用する吸盤の種類が違います。
最近は、建築床材であるOAフロアなどを施工する際にも、この吸盤が使用されています。
吸盤取り扱い上の注意として、下記があります。
1.濡れたガラスには絶対に使用しない(濡れていると、滑ります。雨の日厳禁)
2.吸盤器の吸着面およびガラス面は、乾いた布等でよく拭いてから(ゴミなどを除去してから)使用する。
3.厚さの異なるペアガラスの場合は、できるだけ厚いガラスに吸着させる。
下記ビデオは、某建築工事現場にて、高さ3.6mの硝子を嵌め込んでいる作業状況です。
硝子一枚の重量は、約200kgです。
ゴム製の大型パットが4個付いている、充電式の大型吸盤機を使用しています。
なかなか見られない作業の一つです。
御覧ください↓
とにかく、ガラスを扱っている職人さんにとって、この吸盤はなくてはならない道具の一つです。
これから先も、より優れた「道具」の一つとして、改良されていくと思います。
下記サイトにて、いろいろな吸盤機が紹介されています↓
「ATEC」
建具・硝子工事 (絵で見る建設図解事典)
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硝子工事に関しては、以前ガラスブロックの記事を掲載しただけで、今までは一度もありませんでした。
今回は、硝子に関しての一般的な事項と、取付工法などを紹介します。
硝子を分類すると、建築物の建具・装飾等に使われる「板ガラス」、自動車等の車両に使用される「自動車用加工ガラス」、その他、ディスプレィ、化学品、エレクトロニクス事業などに、分けられます。
今回は、建築工事に用いられる板ガラスを記載します。
最初に材料の種類です。
(1) フロート板ガラス
溶融した硝子(約1600℃)を溶融した金属(錫)の上に浮かべて製板するフロートシステムにより生産される透明、かつ、きわめて平滑な硝子。
現在、流通する板ガラスの主流です。
板厚さは、2ミリから19ミリまで10種類あります。
(2) 型板ガラス
2本の水冷ローラーの間に、直接溶解した硝子を通して製板するロールアウト法により生産される硝子。
下部のローラーで型付けさせます。
型は、旧来のものが数種類に整理されており、選択には注意が必要です。
(3) 網入板ガラス及び線入板ガラス
(2)のロールアウト法の2本のローラーの間に、同時に網(線)を挿入して生産される硝子。
網入板ガラスは、乙種防火戸用として認定されていますが、線入板ガラスは、乙種防火戸用としては使用出来ません。
(4) 合わせガラス
2枚以上の硝子の間に接着力の強い特殊樹脂フィルム(中間膜)を挟み、高温高圧で接着し、生産される硝子。
破損しても中間膜によって破片の大部分が飛散しない性質があります。
用途は、住宅や学校用の安全硝子の他、高層階のベランダ手摺や中間膜を種々変えた装飾用等があります。
(5) 強化ガラス
硝子を強化炉で650から700℃程度まで加熱した後、両表面に空気を吹付け急冷して硝子表面付近に強い圧縮応力層を形成し、耐風圧強度を約3倍に高めた硝子。
破損時の破片は、細片になるので鋭利な破片は生じにくい性質があります。
用途は、枠の無い強化硝子ドアや手摺等の他、住宅や学校用の安全硝子等に使用されます。
(6) 熱線吸収板ガラス
フロートシステムにより生産される板ガラスで、硝子原材料に日射吸収特性に優れた金属を加え、着色し生産される硝子。
硝子の色は、ブルー、グレー、ブロンズの他、近年グリーンが加わりました。
熱線吸収効果で、日射を30〜40%程度吸収し、冷房負荷の軽減効果があります。
(7) 複層ガラス
一般に2枚の硝子をスペーサーで一定の間隔(一般に6mm又は12mm)に保ち、その周囲を封着材(一般にプチルゴム)で密閉し、内部に乾燥空気(内部の圧力は外気圧に近い)を満たした硝子。
断熱効果が高く、冷暖房負荷の軽減効果と結露防止効果があります。
(8) 熱線反射ガラス
硝子の片面に金属反射薄膜を付け、生産される硝子。
ミラー効果、可視光線を遮り、窓際の眩しさや局部的な昇温の防止、冷房負荷の軽減効果等があります。
(9) 倍強度ガラス
強化硝子と同様な加熱処理を行ない、耐風圧強度を約2倍に高めた硝子。
用途は、一般窓ガラス用ですが、フロート板ガラスでは厚さが不足するような風圧力が大きく、かつ、開口面積が大きい部位に使用します。
次に、ガラス留め材を紹介します。
建具枠に板ガラスを固定させ、且つ、板ガラスの耐風圧性、建具としての気密性、水密性及び耐震性等が確保出来るものを「ガラス留め材」と称します。
ガラス留め材は,次の(A)及び(B)により,種別は設計図書の特記によります。
ただし,防火戸のガラスの留め材は,防火戸が建築基準法第2条第九号の二ロの規定に基づき定められ又は認定を受けた条件によります。
(A) ガラス留めに用いるシーリング材は、JIS-A-5758(建築用シーリング材)に規定されるタイプGが用いられます。
各種性能を確保するためには、シーリング材の充填巾(目地巾)に一定の制限があります。
(B) アルミニウム製建具のガラスのはめ込みに用いるガスケットは、JIS A 5756(建築用ガスケット)により、種類はグレイジングチャンネル、グレイジングビード、グレイジングビード(先・後付け)及びグレイジングビード(スカイライト)の4種類があります。
特記がなければ、枠見込み70mmのサッシに用いる引違い及び片引きの障子の場合は、グレイジングチャンネル形とします。
(c) セッティングブロック
建具下辺の硝子溝内に置き、硝子の自重を支え、建具と硝子の接触を防げる小片であり、一般に硝子の横巾寸法のおおよそ1/4のところに2カ所設置します。
材料は、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム又は塩化ビニル樹脂製などがあり、ガラスの大きさに相応したものとします。
ガラス溝の寸法、形状等です。
(a) 板ガラスをはめ込む溝の大きさ(面クリアランス,エッジクリアランス及び掛り代)は、設計図書特記によります。
特記がなければ、アルミニウム製建具、鋼製建具及びステンレス製建具の場合は、規定値とします。
合わせガラスを使用する場合は、ガラスの合計厚さによります。
(b) 外部に面する複層ガラス、合わせガラス、網入り板ガラス及び線入り板ガラスを用いる下端ガラス溝には、径6mm以上の水抜き孔を2箇所以上設ける必要があります。
また、セッティングブロックによるせき止めがある場合には、セッティングブロックの中間に1箇所追加します。
それでは、建具に硝子を入れ込む施工手順です。
(a) ガラスの切断、小口処理を下記手順に基づき、行ないます。
(1) 板ガラスの切断は,クリアカットとし,形状及び寸法を正確に行ないます。(建具を採寸します)
(2) ガラス端部で枠にのみ込まない部分は、小口加工とします。
(3) 外部に面する網入り板ガラス等の下辺小口及び縦小口下端より1/4の高さには、ガラス用防錆塗料又は防錆テープを用い防錆処置を行ないます。
(b) ガラスのはめ込み
(1) シーリング材を用いる場合は、セッティングブロックを敷き込み、ガラスを溝の中央に保ち、シーリング材を充填します。
(2) グレイジングガスケットを用いる場合は、ガスケットを伸ばさないようにし、各隅を確実に留め付けます。
なお、グレイジングビードを用いる場合は、セッティングブロックを敷き込みます。
(3) 熱線反射ガラスの映像調整は,特記によります。
(4) 木製建具で、押縁留めの場合は、ガラスを入れ、押縁で押さえます。
落し込みの場合は、ガラスを入れ、かまち回りをシーリング材で固定します。
(c) 養生及び清掃
(1) ガラスのはめ込み後は、(2)の清掃まで破損等の生じないように、適切な表示、養生等を行なう必要があります。
(2) 建物完成期日にあわせ、新設したガラスの内外面を清掃します。
硝子の種類は多種多様にわたっており、前もって取付け場所及び条件を充分検討し、最適な材料・工法を選択することが大切です。
大型窓ガラスを取り付けている状況と、硝子シーリング施工状況です↓

JISハンドブック(ガラス 2008)
バルコニー手摺に関して、記述致します。
建築工事における手摺の主用途は、開口部からの転落を防止したり、生活上の手掛りになる補助的用途に使用されることです。(介護用手摺は、この補助的用途に含まれます)
バルコニーに用いられる手摺材質には、硝子、ステンレス、スチール、アルミ、ポリカポネイト、パンチングメタル、木製(ウッドデッキ等)、等があります。
優良住宅部品(BL部品)とは、品質、性能、アフターサービス等に優れた住宅部品のことです。
手摺に関しては、住宅の廊下・バルコニー・窓に使用するものについて基準を設け、強度等各種の試験に合格したものを、BL認定部品としています。
“BL”とは“Better Living(よりよい住まいを)”の頭文字をとったものです。
人々の住生活水準の向上と消費者の保護を推進することを目的として認定し、その普及を図っています。
認定を受けた住宅部品には、「BLマーク証紙」の貼付等により優良住宅部品(BL部品)である旨を表示することとなっており、表示された部品には、瑕疵保証と損害賠償の両面からのBL保険がついています。
BL保険では、施工瑕疵による賠償もカバーされますので、PL法に対応した製造物責任保険より幅広い保証が得られます。
BL基準における、墜落防止手すりは、集合住宅(RC造、S造等各種構造)のバルコニー又は共用廊下等に用い、人の墜落を防止するための手すりを対象としています。
認定基準として、下記項目があります。
(強度、手すりの落下)
複数の人間がよりかかっても手すりが落下しないよう、廊下・バルコニー用のユニット強度に基準を設け、水平荷重をかけたとき、躯体取付部が破壊しないことを確認しています。
(たわみ)
複数の人間がよりかかった場合のたわみによる不安感がないよう、廊下・バルコニー用のユニット強度は、水平荷重をかけたとき、たわみが支持間距離に対して問題がないことを確認しています。
(手すり子の破損)
人力により手すり子が破壊しないよう、また、有害な変形がしないよう、廊下・バルコニー用の手すり子の強度は、面外・面内方向の局部荷重に対し破損がなく、また、面外・面内方向の局部荷重に対し残留変形が2mm以下であることを確認しています。
(下弦材)
下弦材に人間が乗っても、下弦材が破壊しないよう、また、有害な変形がしないよう、廊下・バルコニー用の下弦材の強度は、一定の鉛直荷重で破損しないことと定めています。
(耐風圧)
風圧によりパネルが破壊しないよう、また、有害な変形がしないよう、廊下・バルコニー用のパネルの強度は、一定の等分布荷重、衝撃荷重、局部荷重で破損しないために基準を設けています。
上記以外にも様々な規定をBL基準では、設けています。
手摺の高さに関しては、様々な法規・基準があります。
建築基準法施行令、公営住宅建設基準、都市基盤整備公団、ベターリビングなどがあり、建築基準法施行令第126条では、T1=1,100という基準があります。㎜
また、バルコニー手摺の安全性確認のひとつである水平な格子は、その部分に足が掛けられて転落する危険が大きいです。
よって、そこには何らかの対策を施す必要があります。(格子の間隔、足がかりの高さ等の規定)
(財)ベターリビングホームページ優良住宅部品(BL部品)認定制度>BL認定基準>窓・手すりにおいても、足がかりについて、下記の記載があります。
「公営住宅建設基準第36条(手すり)における“足がかり”の解釈について」
i)床面からの高さが65cm以下で、幼児が足をかけて上る危険性のある部分で、他の部分につかまることなく自立できる構造のものをいう。
ii)床面から高さが65cm以下の部分で、幼児が他の部分につかまりながら上る危険性のある部分を、足のかかる部分といい、手すりの高さはその部分から85cm 以上とする。
(足がかりから110cm未満のときは110cm 以上)
ただし、その足のかかる部分から高さ65cm 以下に再び足のかかる部分がある場合は、その部分から85cm 以上とする。
手摺に関しては、紹介した記事以外にも様々な法令がありますので、理解することが大切ではないでしょうか。
集合住宅に、手摺を設置している状況写真です↓
(クリック拡大)


久しぶりの帳場の一日シリーズです。
今年の2月24日(定例会議)以来です。
今回は、現場主任であるC主任と、B副所長が、施工図に関して、やり取りをおこなう場面を想定してみました。
C主任
「副所長、サッシュの施工図、チェック完了しましたので、確認していただけますか?」
B副所長
「わかった。
そこに置いといてくれ。
ところで、いつまでだ?」
C主任
「はい。
来月の初めには、製作にかかりたいので、2週間後の定例には、承認図を提出したいと考えています。
よって、今週中に目を通していただきたいのですが」
B副所長
「シャッターの図面も入っているのか?」
C主任
「はい。
シャッターは特に製作期間が厳守されていますので、確認願います」
B副所長
「わかった」
…….2,3日後……..
B副所長
「主任、サッシュ施工図確認したので、ちょっと打ち合わせしようか」
C主任
「はい。
お願いします」
B副所長
「水産作業室部分の、窓のW寸法を30mm狭くしているのは、厨房機器の納まりから来ている数字なのか?」
C主任
「はい。
その通りです」
B副所長
「当然、法規関係はクリアしているんだな」
C主任
「はい」
B副所長
「定例の議題に乗せ、再確認するように」
C主任
「はい」
B副所長
「それと、次回定例に、サッシュの型材・サンプルを提出するように。
今回、スィングドアのメーカー指定は、無かったんだな」
C主任
「はい。
サンプルは昨日現場に届いているので、来週の定例に提出します。
ドアのメーカー指定は、一応ありません。
ただし、出来れば(価格的に折り合いがつけば)、○○町にある店舗を参考に△△商店のものを使用してくださいと、見積もり段階の質疑にて、××設計からの返答がありました。
今回は、△△商店で、何の問題もないということで、施工図を書いています」
B副所長
「わかった。
全体的に、寸法の間違い等は、付箋をしてあるので確認してみてくれ。
また、各テナントを仕切るパーティションの、位置的寸法は、テナント各担当者にも、最終確認してもらうように」
C主任
「はい」
B副所長
「シャッターボックスの袖パネルと、C通りB3小梁のクリアが5mmしかないが、施工精度的に問題があるようなら、最初から、D通り側にシャッター全体をあと5mmずらしたほうが良いのではないのか?」
C主任
「はい。
検討します」
B副所長
「マスターキーも含めた、キープランの根本的な方向性も、次回の定例にて確認するように。
また、X9通り側の、窓AW4のガラスが設計図書では透明なのだが、隣地にある住宅からの距離が短いので、カスミのほうがベターだと思うのだが、このことも次回の定例の議題にするように。
以上」
C主任
「わかりました。
それでは、検討も含めて施工図の訂正を行い、次の段階に進みます」
このように、施工図を確認する作業は、帳場の大切な仕事のひとつですね。
最近は、施工図を描くのは、完全にCADの時代になりましたね。
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