共通費(積算基準)後編です。
前回は、共通費のひとつである現場管理費の内容迄、紹介しました。
今回は、一般管理費から記述いたします。
一般管理費の項目内容としては、下記が挙げられます。
1.役 員 報 酬
取締役及び監査役に要する報酬
2.従業員給料手当
本店及び支店の従業員に対する給与、諸手当及び賞与 (賞与引当金繰入額を含む)
3.退 職 金
本店及び支店の役員及び従業員に対する退職金 (退職給与引当金繰入額及び退職年 金掛金を含む)
4.法定福利費
本店及び支店の従業員に関する労災保険料、雇用保険料、健康保険料及び厚生年金 保険料の事業主負担額
5.福利厚生費
本店及び支店の従業員に対する慰安、娯楽、貸与被服、医療、慶弔見舞等の福利厚 生等に要する費用
6.維持修繕費
建物、機械、装置等の修繕維持費、倉庫物品の管理費等
7.事務用品費
事務用消耗品費、固定資産に計上しない事務用備品、新聞参考図書等の購入費
8.通信交通費
通信費、旅費及び交通費
9.動力用水光熱費
電力、水道、ガス等の費用
10.調査研究費
技術研究、開発等の費用
11.広告宣伝費
広告、公告又は宣伝に要する費用
12.交 際 費
得意先、来客等の接待、慶弔見舞等に要する費用
13.寄 付 金
社会福祉団体等に対する寄付
14.地 代 家 賃
事務所、寮、社宅等の借地借家料
15.減価償却費
建物、車両、機械装置、事務用備品等の減価償却額
16.試験研究償却費
新製品又は新技術の研究のための特別に支出した費用の償却額
17.開発償却費
新技術又は新経営組織の採用、資源の開発並びに市場の開拓のため特別に支出した 費用の償却額
18.租 税 公 課
不動産取得税、固定資産税等の租税及び道路占有料その他の公課
19.保 険 料
火災保険その他の損害保険料
20.契約保証費
契約の保証に必要な費用
21.雑 費
社内打合せの費用、諸団体会費等の上記のいずれの項目にも属さない費用
以上になります。
さて、ここからが今回の本題である「率」の話です。
公共工事の場合、予定価格を算出するわけですが、その根拠となるのが公共建築工事積算基準をはじめとする積算基準類です。
これは、国の機関が共通して使用する統一基準であると共に、品質確保の上でも重要な基準として位置付けられるものです。
この基準を参考に、各都道府県、市町村はそれぞれ独自の基準を作成しています。
それでは最初に、共通仮設費の算定です。
(1) 共通仮設費は、費用を積み上げにより算定するか、過去の実績等に基づく直接工事費に対する比率(以下「共通仮設費率」という)により算定します。
(2)当該共通仮設費率に含まれる内容は下表とします↓
(クリック拡大)
(3) 共通仮設費率は、下表によるものとします。
なお、共通仮設費率に含まれない内容については、必要に応じ別途積み上げにより算定して加算します。
一般的に、設計図書などに共通仮設積み上げ分の指示が記述してあります。
これがどういうことかというと、(2)の表に出ている項目は、各社により考え方で費用に差が出てきやすい部分です。
よって、予定価格を決定する際に、率を用いるのです。
例えば、(2)の表に載っていない「仮囲い」という項目が共通仮設費の工事施設費には含まれています(これは前回の記事に載っています)。
「仮囲い」は、材料、材質、施工区間、損料期間、運搬費などを図面上で指定することが出来、指定することにより、適正な価格をはじき出すことが可能です。
これを「共通仮設の積上分」と呼び、以外の項目は率によって計算するのです。
ちょっと、わかりにくいですね。
下表クリック拡大
それではちょっと計算してみます。
新営建築工事で、
直工費がちょうど1億、共通仮設の積上分が500万とします。
その時の共通仮設費は、
率(Kr)=4.83×(100000)^-0.0168=3.98%
100,000,000*0.0398+5,000,000=8,980.000
となるわけです。
(私は、このような計算はすべてGoogleの検索窓にて計算しています。
※入力してreturnで答えがすぐ出て、とても便利です)
これ以外にも、電気設備、機械設備、昇降機設備工事の率がおのおの決められています。
共通費に関して、2週にわたり前編・後編と掲載しましたが、とても書ききれなくなりました。
現場管理費、一般管理費の率は、追って近々記事に致します。
また、率の補正、その他工事、単独・分割発注などなど、独特の決まり事がたくさんありますので、すべて後日紹介します。
公共建築工事標準単価積算基準は、国土交通省のホームページからも閲覧することが出来ます↓
国土交通省 >> 官庁営繕関係統一基準 >> 公共建築工事標準単価積算基準
設計業務等標準積算基準書―設計業務等標準積算基準書(参考資料)〈平成21年度版〉
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最近、書いていなかった「30.見積書」カテゴリーの記事です。
3年前に書いた、2006/10/14「建築工事の見積書」と、2006/10/15「現場経費と一般管理費」の記事を、公共工事の観点から、再記述致します。
そもそも、公共工事(こうきょうこうじ)とは、一般に、国、都道府県、市区町村などの行政府が道路や橋などの社会資本の整備を目的として行われる工事のことです。
原則として競争入札(一般競争入札・指名競争入札)によって発注先を決定しますが、小規模または小額の工事の場合は、随意契約もあります。
今回は、「公共建築工事共通費積算基準」より、共通費の考え方を綴ってみます。
この本は、
「著者:建築コスト管理システム研究所 /国土交通省
出版社:建築コスト管理システム研究所 /大成出版社」
で、この記事の最後に紹介しています。
さて、ここでいうところの「積算」とは、広義には「計算結果を累積していくこと」であり、狭義(建築分野)では「設計図書に基づいた対象とする建築物の事前原価としての工事価格を予測すること」と、定義されます。
それでは、共通費の定義から。。。
共通費の区分と内容です。
共通費は、「共通仮設費」「現場管理費」及び「一般管理費等」に区分されます。
それぞれの内容は下記です。
A.共通仮設費
共通仮設費は、各工事種目に共通の仮設に要する費用とする。
B.現場管理費
現場管理費は、工事施工に当たり、工事現場を管理運営するために必要な費用で、共通仮設費以外の費用とする。
C.一般管理費等
一般管理費等は、工事施工に当たる受注者の継続運営に必要な費用で、一般管理費と付加利益からなる。
このように説明されています。
私の以前の解釈(現場経費と一般管理費)より、ちょっとニュアンスが違いますね。
それでは、最初に共通仮設費の項目内容から紹介します。
1.準備費として、
敷地測量、敷地整理、道路占有料、仮設用借地料、その他の準備に要する費用
2.仮設建物費として、
監理事務所、現場事務所、倉庫、下小屋、宿舎、作業員施設等に要する費用
3.工事施設費として、
仮囲い、工事用道路、歩道構台、場内通信設備等の工事用施設に要する費用
4.環境安全費として、
安全標識、消火設備等の施設の設置、安全管理・合図等の要員、隣接物等の養生及び補償復旧に要する費用
5.動力用水光熱費として、
工事用電気設備及び工事用給排水設備に要する費用並びに工事用電気・水道料金等
6.屋外整理清掃費として、
屋外及び敷地周辺の跡片付け及びこれに伴う屋外発生材処分等並びに除雪に要する費用
7.機械器具費として、
共通的な工事用機械器具(測量機器、揚重機械器具、雑機械器具)に要する費用
8.その他として、
材料及び製品の品質管理試験に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
以上です。
除雪に要する費用が、屋外整理清掃費に含まれていることなどは、私はちょっと違和感をおぼえてしまいます。
つづいて、現場管理費です。
1.労務管理費
現場労働者及び現場雇用労働者の労務管理に要する費用
・募集及び解散に要する費用
・慰安、娯楽及び厚生に要する費用
・純工事費に含まれない作業用具及び作業用被服等の費用
・賃金以外の食事、通勤費等に要する費用
・安全、衛生に要する費用及び研修訓練等に要する費用
・労災保険法による給付以外に災害時に事業主が負担する費用
2.租税公課
工事契約書等の印紙代、申請書・謄抄本登記等の証紙代、固定資産税・自動車税等の 租税公課、諸官公署手続き費用
3.保 険 料
火災保険、工事保険、自動車保険、組立保険、賠償責任保険及び法定外の労災保険の保険料
4.従業員給料手当
現場従業員及び現場雇用労働者の給与、諸手当(交通費、住宅手当等)及び賞与
5.施工図等作成費
施工図等を外注した場合の費用
6.退 職 金
現場従業員に対する退職給与引当金繰入額及び現場雇用労働者の退職金
7.法定福利費
現場従業員、現場労働者及び現場雇用労働者に関する労災保険料、雇用保険料、健康 保険料及び厚生年金保険料の事業主負担額並びに建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額
8.福 利 厚 生 費
現場従業員に対する慰安、娯楽、厚生、貸与被服、健康診断、医療、慶弔見舞等に 要する費用
9.事務用品費
事務用消耗品費、OA機器等の事務用備品費、新聞・図書・雑誌等の購入費、工事写真代等の費用
10.通信交通費
通信費、旅費及び交通費
11.補 償 費
工事施工に伴って通常発生する騒音、振動、濁水、工事用車両の通行等に対して、近隣の第三者に支払われる補償費。
ただし、電波障害等に関する補償費を除く。
12.原価性経費・配賦額
本来現場で処理すべき業務の一部を本店及び支店が処理した場合の経費の配賦額
13.その他
会議費、式典費、工事実績の登録等に要する費用、その他上記のいずれの項目にも属さない費用
この現場管理費は、各会社により金額が大きく変わるところではないでしょうか。
特に給料の考え方は、金額の割合も多くなる部分です。
つまり、管理する現場に携わる現場員の人数*日数*金額という試算になるのですが、ここのばらつきは当然起こりうるわけです。
また、その他には、竣工式、宿泊、夜食代、研修費用などなど各企業の個性の出る項目でもあります。
次回は、最後の一般管理費の項目内訳と、それぞれの共通費の率の計算方法を紹介します。
つまり、例えば一億の工事の場合「共通仮設費はいくら、現場管理費はいくら、一般管理費はいくらとする」という計算式があるのです。
この分野は、私自身も現在学んでいる最中で、結構奥が深く、累乗だの、ログ(Log)だのと、いろいろな数式を駆使しているのです。
まるで学生時代に戻ったように頭が逆回転してしまいます。
そこのところを具体的に記載しますので、後編はお楽しみに。。
久しぶりの見積書に関する記事です。
前回は、今年の1月27日に記載した、「積算業務その2(拾い~提出迄)」ですから、約10ヵ月ぶりです。
今回は内装工事です。
最初に、施工する個所を、床、巾木、壁、天井、廻縁などに分け、その部位ごとに見積もりを作成してゆきます。
基本的に、それぞれの部位ごとに、下地材、仕上げ材などを、材工の単価にて記入してゆきます。
「材工」という言葉は、いままで何度も出てきていますが、材料費と、工賃を足した複合単価のことです。
つまり、内装工事の場合、一般的には、材料代と、施工手間賃は、分けないということです。
たとえば、クロス張りの単価は、m2当たり、いくらという表現を用いますが、この単価は、材料も手間も入っているのです。
ここらあたりは、過去のそれぞれの他の工種においても記事にしています。
鉄筋を組み立てる見積などは、一般的に、鉄筋の材料がいくらで、加工組立手間はいくらという形で材料と手間をわけて、見積もりを作成してゆきます。
内装工事は、そうではなくて、複合単価で作成してゆくということです。
さて最初は床です。
床は、材料ごとに、数量と単価を入れてゆきます。
下地は、コンクリート金ゴテ、モルタル金ゴテ等の場合は左官工事に入れます。
木床組下地の場合は、木工事に入ります。
置き床、アジャストフロア、ネダフォーム等の場合は、内装工事に入れることが多いようです。
内装工事に入れない場合は、雑工事でしょうか。
壁も同じように、下地材と仕上げ材に分かれます。
下地の軽量鉄骨材は、以前の記事にも記載しましたが「金属工事」に分けられることが多いです。
軽量鉄骨下地に、プラスターボードを貼り、クロスで仕上げる場合などは、プラスターボード(PB)と、クロス張りを、内装の見積もりに入れます。
軽量鉄骨下地を内装工事に入れる場合は、軽量鉄骨下地のみを分類して記入することが多いです。
天井も壁と同じ考えです。
内装工事の見積もりは、「縦」掛ける「横」で面積をだし、その数値に単価を掛ければ、金額が出る訳ですから、皆さんも自分の部屋等を、面積を計算して、例えばクロス張りの単価を入れたり、床材の単価を入れると、その部屋の模様替えの価格がおおよそわかると思います。
もちろん業者の経費は別ですが。。。
材料の単価については、内装工事の場合とてもたくさんの種類があるので、本当に必要な機能なのか、材質なのかを適切に判断し、材料を決定することが大切です。
特に床材等はピンキリです。
また、見積もりを作成する場合は、材料の仕様、番号等を間違えないように注意する必要があります。
内装工事の場合(他工種でもありますが)設計図書で、「同等品以上」のような表現があります。
たとえば、床フローリング張りの仕上げ表にて、DAIKEN-PSS3082(NS800)と記載があり、備考欄等に「同等品以上」と書かれている場合は、「この記載番号がある材料と、機能面が同等か又は、それ以上の材料であれば、使用してもよろしいです」と解釈します。
そのようにして、単価を入れるので、非常に大切な部分でもあります。
下の表は、かなり材料の種類等を省略しています。
通常、全ての材料、工法の違いにより単価が違ってきますので、内装工事の見積項目は、多くなることが一般的です。
他に項目として、造付家具、窓枠、木製巾木、台輪、断熱工事、カーテン・ブラインド工事、などを見積もり項目に入れる場合もあります。
下表の単価は参考価格です↓

内装工事DIY入門
図説建築の内装工事改訂版
前回「積算業務その1」の続きです。
数量の拾いと平行して行う作業として、現地調査があります。
つまり、実際建物が建つ場所に足を運び、目で見て確認することです。
調査する事項として、敷地内の状態、敷地周りの状態、近接道路、近隣施設の状態、などなどがあります。
このことにより、仮設工事のあり方等を決定し、見積もりに反映させます。
例えば、道路が狭いことによる搬入機器の大きさの検討、学校等が近ければ警備員の人数増加、敷地が土なのか舗装なのか、砂利なのか、このことによる掘削工事の難易度・単価調整、電柱電線の有無による仮設電気の検討、歩道養生の方法、仮囲いの方法、このような事項を調査する訳です。
それぞれの工種における見積もり作成方法は、過去記事カテゴリー30.見積書を参考にしてください。
さて、もう一つ大切な業務があります。
質疑応答です。
拾いにおいて、わからない部分を、質疑書を作成し、提出します。
この回答が来るまでは、拾えない(拾っても単価を入れることができない)部分が出てきます。
よって、この質疑回答のやり取りは、積算上でも非常に大切でスムーズに行わなければならない作業です。
回答後、各外注業者にも、同じ内容を返答します。
数量を拾い終えてから、各工種ごとに、工事項目を入力し、数量・単価を入れていきます。
また、外注業者にその数量に対する単価を確認する作業も平行して行います。
材料の価格は、施工会社によっては、購買部等に確認します。
各外注業者からあがってきた見積書に対しては、内容の確認、数量の確認、各業者の価格比較を行い、見積書に反映させていきます。
過去の工事データーの価格等も検討しながら、積算採用金額を決定していきます。
最終的に、拾い落しがないかどうかの図面確認、工種間にて項目が重複していないかどうかの確認、質疑が反映されているのかどうかの確認、工事見積要領書に記されている事項の確認、タイプミスの確認、などを行い、見積書を完成させます。
最後に、検討会等を開いて、会社の経費などを打合わせ、提出金額を決定します。
この最後のダシ値は、工事概要、工事期間、必要現場員数、顧客との関係、会社としての経営方針、支払条件など営業部もいっしょに、検討することが一般的です。
ざっと流れを書きましたが、積算業務は、決められた時間のなかで、出来うる限りの工事原価を明確におさえる作業です。
時間におわれることも多々あり、又提出金額は、会社の命運を掛けることにもなり、非常に大切な業務であると確信します。
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