鉄筋の圧接試験は、過去にも2回、記事にしています。
「鉄筋圧接引張試験」と、「鉄筋圧接部超音波探傷試験」です。
今回は、「外観検査」に関して記載いたします。
外観検査はガス圧接施工の良否を判定する検査であり、圧接に関する専門的な知識をもつ技術者によって行われることで、構造物の高い信頼性を得ることができます。
基本的には、目視による外観の観察や簡単な治具による測定を行ない、良否の判別を決定するものです。
施工の良否は、外観に最も端的に表れるため、その意味でも最も基本的な検査です。
それでは、手動・自動ガス圧接法の外観検査対象項目です。
(a)圧接部のふくらみの直径および長さ
圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径の1.4倍以上(通常は1.4~1.6倍、SD490の場合は1.5倍以上)です。
ふくらみの形状は必ずしも円形ではないので、普通直交する2方向の寸法の平均値で判別します。
ふくらみの直径が確保できても、ふくらみの長さが小さく、ふくらみが極端な、つぼ形をしたり、焼き割れ・垂れ下がりがあるのは好ましくありません。
圧接部のふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上(SD490の場合は1.2倍以上)でなければならないと規定されています。
(b)圧接面のずれ
圧接面がふくらみ中央からずれた位置に存在する場合です。
これは加熱位置が両鉄筋の突き合わせ位置からずれていることを示してます。
この圧接面のふくらみ中央(頂部)からのずれは、鉄筋径の1/4以下でなければならないと規定されています。
(c)圧接部における鉄筋中心軸の偏心量
鉄筋中心軸の偏心は、応力伝達上好ましくないので、著しい偏心は不合格と判断します。
許容される偏心量は、鉄筋径(形の異なる場合は細い方の径)の1/5までです。
(d)圧接部の折れ曲り
圧接部の折れ曲りは、応力伝達上、また配筋の納まり上からも好ましくありません。
3.5°以上の折れ曲りがあった場合は、再加熱・加圧によって補正しても良いことになっています。
(e)その他有害と認められる欠陥
その他有害と認められる欠陥とは、焼き割れ、へこみ、垂れ下がりなどです。
下写真は、実際に某現場にて、自主検査で外観検査を行っている状況です。
専用ノギスを使用し、圧接部分の寸法を測っています。
また、目視により、外観の状態を確認しています↓
(クリック拡大)

最後に、圧接管理技士および圧接技量資格者について少し記述します。
圧接管理技士とは、ガス圧接工事管理責任者として本工事施工計画書の作成にあたるとともに、圧接作業の工程管理、品質管理、安全管理、および圧接作業の指導を行なう者を称します。
手動ガス圧接技量資格者とは、手動ガス圧接における加熱、加圧作業を実施する資格者を称します。
手動ガス圧接技量資格者の資格別による圧接作業可能な鉄筋の種類および鉄筋径は、下表の通りとします。
(クリック拡大)

また、圧接作業に従事するガス圧接技量資格者以外の補助員は、作業に必要な知識と経験を有する者を配置しなければなりません。
圧接作業班は2~3名を1班とし、その班の責任者はガス圧接技量資格者とします。
下写真は、実際の技量資格免許症です↓
(クリック拡大)

今回記載した、外観検査では、内部が十分に結合されているかどうかはわかりません。
それを調べる方法として非破壊検査と破壊検査の2通りの検査方法があり、
非破壊検査として超音波探傷法と熱間押抜法の2通りの方法があります。
破壊検査としては引張り試験があります。
それぞれの試験に関しては、最初に紹介した過去記事を振り返ってみてください。
いずれにしても、外観検査は圧接検査の基本中の基本です。
現場においても自主検査、工程内検査、ISO検査等に必ず必要な検査となります。
鉄筋工事におけるガス圧接作業に関しては、以前も記事(2007/12/14ガス圧接)に致しましたが、今回はそのガス圧接部分の、破壊検査である引張り試験を紹介します。
鉄筋の圧接部分の検査は、圧接箇所の全数について外観試験を行い、その後、超音波探傷試験又は引張り試験による抜き取り試験を行います。
引張試験は、現場にて抜き取った供試体(鉄筋)を法的試験機関で引張試験機にかけ、切断されるまで引っ張り、基準通りの強度をもっているかを判断する試験です。
引張り試験による抜き取り試験の試験箇所数は、1作業班が1日に施工した箇所数とし、採取数は1ロットに対して3本としています。
作業班ごとの外観試験に合格したもののうち最も外観の悪いものについて行い、その採取箇所は監督職員が指定することが望ましいです。
試験片を採取した箇所は、同種の鉄筋を再圧接により継ぎ足して修正します。
ただし、鉄筋がD25以下の場合にはコンクリート打設等に問題が無ければ鉄筋の納まりを考慮して重ね継ぎ手として修正しても構いません。
試験片の形状は、圧接部を中央とし、長さを以下の規定以上とします。
(10*d*d)+つかみ代以上
※d=異形棒鋼の場合は公称直径、棒鋼の場合は表示の直径
ロットの合否判定は、抜き取った試験片の全数が母材のJIS規格引張り強さ以上で、かつ、圧接面での破断が無い場合を当該ロットの合格とします。
母材のJIS規格引張り強さ以上でも、圧接面で破断した場合に不合格としているのは、圧接面破断を起こすような技量では、圧接技量資格者を信頼出来ないという理由によります。
抜取り試験で不合格ロットが生じた場合には、直ちに圧接作業を中止し、欠陥の発生箇所、圧接面に発生している欠陥の種類を調べて破断面欠陥の発生原因を究明します。
原因が明らかになった時点で、再発防止のための改善措置を検討し、施工計画書の修正等を行った後、作業を行うこととします。
以前から使用されてきたこの試験方法は、下記のような短所があり、品質確認の有効的な手段としては必ずしも満足できるものではありません。
1.抜取率を大きくする事は実質的に不可能であり、目標品質に応じた抜取率を選べない
2.切り取った箇所の再圧接は、端面の処理や加圧の困難さ等の理由により品質的に劣る恐れがある
3.試験結果を得るのに時間を要し、工程的な支障が大きい
そこで最近では、現場で簡便に検査・判定可能であり、高い欠陥検出能を有する非破壊検査法として超音波探傷検査が多く用いられています。
機会を設け、この検査方法に関しても紹介したいと考えています。
下記写真は、某現場における圧接試験体を、試験機関にて検査をしている状況です↓


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