建築物の基礎鉄筋を組み立てている状況を紹介します。
むかし、わたしが若いころ、鉄の棒をどうやって組み立てるのだろうと、いつも疑問に感じていました。
毎日、現場で組み立てるのを観察し、その技術に感銘を受け、感服しました。
どのように加工して、どのように組み立てるのかということを、現場で学びました。
どうなのでしょう。
日本人のこの器用さ、正確・精密さは、世界でもトップクラスではないのでしょうか。
他国と比較をしてみたいです。
本当にきれいに組み立ててゆきます。
もちろん、かぶり・定着長さ・継手長さ・継手位置・主筋本数・スタラップピッチ・フープピッチ・フック形状・開口補強・
その他、すべての細かい規定を満足して、組み立てるのです。
夏の暑い日は、鉄筋が異常なほど熱を帯びます。
触るだけでも大変です。
屈んで行う作業も多く、腰には一番こたえます。
重労働でしょう。
そのような作業を、今回はビデオにて紹介します。
基礎の配筋組立状況です。
建物の基礎は、ベース・柱・地中梁(大梁・小梁)・耐圧板などに分類されます。
鉄筋を組む順番として、最初にベース部分の下筋を組み立てます。
その後、柱筋を組みフープを巻いてゆきます。
そこまでの手順を、ビデオにアップしました↓
その後、ベースマン、基礎ベース(過去記事 鉄筋受架台)などを使用して、地中梁を設置します。
鉄筋同士は、重ね継手若しくは、圧接して繋いでゆきます。
その手順です↓
このように、すべての工程・流れを、確実に正確に手順よく進めてゆきます。
地中梁にスタラップを巻き、完成です↓
この後、かぶりを取るためのスペーサー類、土間・壁などの差し筋を行います。
ざっと流れを紹介しました。
今後、鉄筋工の技術に、もっと高い評価を与えるべきと感じます。
鉄筋最前線―鉄筋工事の「なぜ?」を解きほぐす
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今回より、はじめて、ビデオを導入してみました。
建築工事は、時間がかかるため、なかなかビデオ紹介は、うまくいきません。
しかし、もちろん、写真よりビデオのほうが、わかりやすいのはもっともです。
そこで、はじめてビデオ紹介する作業が「鉄筋ガス圧接」です。
鉄筋ガス圧接とは、鉄筋と鉄筋を接合する継手工法です。
接合する鉄筋の端面の付着物を完全に除去し、鉄筋を圧接器を用いて付き合わせ、鉄筋軸方向に圧力を加えながら、付き合わせ部分を酸素・アセチレン炎で加熱し、さらに圧力を加え接合する方法です。
過去記事に、鉄筋工事(ガス圧接)を、紹介しています。
2006年12月14日ですから、かなり前ですね。
この記事に目を通していただければ、鉄筋の圧接がどのような作業なのか、ある程度は理解できると思います。
その鉄筋が、ガスによって接合される様子をビデオにて撮影しました。
一ヶ所を圧接するのに、時間が40秒かかっています。
この時間は、今まで計測したことがなかったので勉強になりました。
撮影には、iPhoneの「15秒」というソフトを使用しています。
余計なものが一切ついていなく、起動も早いのでとても使いやすいです。
「You Tube」に、アップしました。
便利な時代になりました。
それでは、鉄筋同士がくっついてゆく過程をじっくりとご覧ください↓
(某現場における基礎配筋 (地中梁下筋 D22)圧接状況、約40秒です)
鉄筋を組み立てる際の大切な注意事項として、かぶり厚さ確保があります。
コンクリートと鉄筋との付着を確保し、鉄筋の腐食を防ぎ、火災に対して鉄筋を保護するためには、鉄筋をコンクリートで十分に包んでおく必要があります。
一言で言いあらわせば、かぶり厚さ確保の理由は、耐久性の確保です。
コンクリート中に配置される鉄筋の最外面からコンクリート表面までの距離、すなわちかぶり厚さが、施工基準で厳密に規定されています。
少し詳しく説明します。
鉄筋が錆びてしまうと膨張して、コンクリートを破壊します。
コンクリート自体は、非常に強い塩基性(アルカリ性)物質で構成されています。
その為、鉄筋がコンクリートに包まれると、そのアルカリ性により、表面に錆びにくい不動態皮膜が形成され、錆びにくくなります。
しかし、コンクリートは空気に触れる表面部分から、空気中のCO2と反応し、塩基性の基である水酸化カルシウムが、炭酸カルシウムに変化していき、そのアルカリ性を失っていきます。
これが、コンクリートの中性化です。
中性化が進行することにより、鉄筋が錆びて、コンクリートの強度にも影響してゆきます。
下表は、かぶり厚さの仕様書に記載されている基準値です↓
(クリック拡大)
注)
- ※印のかぶり厚さは、普通コンクリートに適用し、軽量コンクリートの場合は、特記による。
- 「仕上げあり」とは、モルタル塗などの仕上げのあるものとし、鉄筋の耐久性上有効でない仕上げ(仕上げ塗材、吹付または塗装など)のものを除く。
- スラブ、梁、基礎及び擁壁で、直接土に接する部分のかぶり厚さには、捨てコンクリートの厚さを含まない。
- 杭基礎の場合のかぶり厚さは、杭天端からとする。
- 塩害を受ける恐れのある部分など、耐久性上不利な箇所は、特記による。
それでは、材質によるそれぞれの特徴を記載します。
スペーサーの一般的な材質としては、プラスチック製、鋼製、コンクリート製、モルタル製、セラミック製等があリます。
1.プラスチック製
プラスチック製は安価であり、軽くて錆びず丈夫であって使い勝手がよいことから、建築工事では多く使用されています。
しかし、コンクリートとの熱膨張率の相違、付着及び耐荷力不足等の問題があります。
その結果、コンクリートにひび割れが発生し、そこから水等が侵入して鉄筋が錆び、構造物の弱体化を招く恐れがあるため、使用や施工には注意を要しなければなりません。
形状はメーカーによって様々ですが、壁や柱には車輪の形をしたドーナツ型、スラブや梁にはサイコロ型が主に用いられます。
下記写真は、プラスチック製ドーナツ型の材料とその使用例です↓
(クリック拡大)



中央写真は、基礎地中梁に使用している例です。
右側は、断熱材部分に直接スペーサーをあてると、断熱材がへこんでしまうので、鉄板をあてて施工している状況です。
続いて、鋼製型です。
鋼製は、プラスチック製より重量はあるものの安価で使い勝手がよく、加工の容易さからバー型を始めとして様々な形状のものが製作されています。
土木工事、建築工事問わず使用されています。
鋼製を使用する場合は、本体の鉄筋と同等以上の品質を有するものを使用する必要があります。
通常、型枠と接する部分には防錆処理が行われます。
ただしこの場合、スペーサーがコンクリート表面に露出することとなるため、この部分から錆び始め、徐々に内部の鉄筋まで腐食し、鉄筋コンクリート構造物の強度を低下させる恐れがあります。
また、表面の錆は外観上の問題も発生します。
土壌や水の塩分濃度が高い場所、温泉地域などでは腐食する恐れがあるので、使用には充分な注意を要します。
下記写真は、スラブ筋に使用するための、鋼製スペーサーです。
本体は、鋼製ですが、脚の部分が錆防止のために、プラスチック製となっています。
材料と、使用方法の写真です↓
(クリック拡大)
もうひとつ、コンクリート製・モルタル製です。
コンクリート製、モルタル製は耐久性があり、生コンクリートとの親和性が高いことから、トンネルや地下構造物、海洋構造物などの土木工事で多く用いられています。
また建築工事でも基礎などで使用されています。
基礎、スラブ、梁などではサイコロ型やブロック型、壁や柱では馬蹄型、ロケット型、ドーナツ型などがあります。
モルタル製、コンクリート製を使用する場合は、本体コンクリートと同等以上の品質を有するものを使用する必要があります。
型枠と接する部分では、モルタル製あるいはコンクリート製を用いることが原則とされています。
コンクリート製、モルタル製は、プラスチック製、鋼製と比べて鉄筋へ固定する方法が難しいです。
そのため、フック、グリップ、キャッチャー、結束線などが材料についているものを使用して固定していますが、固定力はプラスチック製などと比べて劣ることがあります。
また、コンクリート製、モルタル製は重いため、使い勝手はプラスチック製などよりは劣ります。
基礎などで用いられる四角いサイコロ型のスペーサーは、その形から「キャラメル」と呼ばれています。
最後に、ステンレス製です。
ステンレス製は、強度はコンクリート製、モルタル製と同等であり、使い勝手はそれよりも良いものが多いです。しかし、鉄筋との異種金属間の接触腐食については、不明確な点もあり、使用頻度は他のものと比べて低いようです。
以上、紹介したように、いろいろな種類・材質・形状の材料がありますが、
使用する場所によって、適正なスペーサーを選択することが、必要となってきます。
05 世界で一番やさしいRC・S造 監理編 (エクスナレッジムック 世界で一番やさしい建築シリーズ 5)
参考入り数:150 ☆ 1個価格上下筋スペーサー PL付 H 30 X 100
記事数17回目の鉄筋工事です。
前回は、壁開口補強筋を紹介しました。
今回は、スラブ開口補強筋です。
RC造の場合、床(スラブ)に開口を設ける際には、当然ですが、鉄筋にて補強を施します。
その形状は壁と同じように、開口部四方周辺と、開口部の四方隅に斜めに補強します。
一般的に、開口部の寸法が700mm以上になる場合は、受け梁等を開口端部に設置します。
700mm以内の場合は、下図に倣った補強筋を施します。
これは、鉄筋配筋要領図、標準配筋要領図、 鉄筋コンクリート構造配筋標準図、国土交通省大臣官房長官営繕部「公共建築工事標準仕様書」をもとにした標準図、において、基準とされています。
(クリック拡大)

つまり、スラブ開口が700mm以下の場合は、開口によって切られる鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、隅角部に斜め筋を上下の鉄筋の内側に配筋します。
ここには、壁開口補強と同じように、L1という表現を使用しています。
再掲しますが、L1とは、鉄筋の太さ×40です。
例えば、D13ですと、13*40=520mmとなります。
スラブ開口の最大径が両方向の配筋間隔以下で鉄筋を緩やかに曲げることにより、開口部を避けて配筋できる場合は、補強を省略することができます。
孔径が100 mm以下のとき等は、床スラブ配筋間隔以下となるので、補強は設けず、200mmくらいまでは緩やかに曲げて納めます。
スラブ配筋が、縦横200mmで、そこに設備スリブ150φがぶつかった場合なども同様です。
下記写真は、某現場において、設計図書に基づいた、スラブ開口補強の状況です↓
(クリック拡大)

写真を見ると、開口補強筋がどのように入れられているのか、一目瞭然だと思います。
スラブ開口補強は、鉄筋工事の数あるチェックポイントのひとつです。
確実な施工管理が求められます。
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