前回に引き続き「親綱、支柱、安全ネット、その2」を紹介します。
墜落・転落、飛来・落下の予測される作業エリアには、必ず安全ネット等の水平養生を設置しなければなりません。
ここでは、前回に倣って、鉄骨造平屋建ての倉庫を例にとり、説明します。
親綱のときと同じく先行設置を心がけ、安全で先を見越した設置を実行します。
1.安全水平ネットの設置方法
梁にネットをぶら下げて設置する方法です。
事前に大梁・小梁に水平ネットのサイズを確認し、セットして置きます。
この時にサイズによっては大きすぎる場合は折りたたむなどします。
吊ったときに風の影響も受けやすいので考慮してセットします。
ネットは、吊りひも、もしくは吊クランプを使用して、吊り下げます。
吊りクランプの特長は、フックタイプなので、ネットの取付け、取外しがワンタッチで簡易です。
締め付けボルトは、鉄骨にしっかり固定できる窪み先ボルトで、信頼性があります。
最近は、この吊りクランプを使うことが多いです。
水平ネットのネットクランプのピッチは、下記によります。
社団法人仮設工業会の「安全ネットの構造等に関する安全基準と解説」によると「安全ネットの支持間隔は安全ネット周辺と、作業場所のあきから墜落することのないように定めなければならない」とあります。
ネットを設置したときの周囲の隙間が15cmから20cm以内となるようにネットクランプの支持間隔を決定することが必要です。
2m以内また設置の範囲によっては90cm以内毎での設置が必要となります。
2.安全水平ネットの設置方法
セットした梁を玉掛けします。
大きな吊荷になりますので、周囲の確認が大切となります。
この時に、重機や建物、人間、道具、資材がひっかかる可能性もあるので十分に注意が必要です。
当然作業範囲内は、関係者以外立ち入り禁止です。
吊荷を操作する介錯ロープは必ず必要となります。
高所では風の影響が大きいので、重機のオペレーターも注意が必要です。
高所の作業員の様子、合図等を確認してゆっくりと指定の位置にもって行きます。
下記写真は、某現場における梁を設置している作業状況です↓(安全水平ネット吊り込み)
高所の作業員は、重機をうまく利用して水平ネットを容易に設置します。
微調整の合図を指示しながら最終的には、梁の接合と水平ネットが同時に完了できるようにします。
常に、安全帯か水平ネットがある状態を保って安全作業するようにします。
下記写真は、某現場における安全水平ネットを張った状況写真です↓
安全水平ネットの材料は、強靭で復元性がよく、軽くて取り扱いやすいものが求められます。
大きさの規格は1mx10m、2x10、3x6、5x5、5x10、6x6、6x10、7x10、8x10、9x9、10x10などがあります。
安全水平ネットは、安全第一で作業するために、また作業員の命を守るために欠かせない大切な設備のひとつです。
安全ネットの張り方は、施工手順も含め、事前に作業計画等で、綿密に考慮する必要があります。
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今回は、仮設工事における親綱、親綱支柱、安全ネットに関して、記述します。
実際いろいろな使用パターンがありますが、鉄骨造平屋建の倉庫を例にとって説明してゆきます。
親綱とは高所作業に用いる安全帯のフックを掛けるロープのことです。
その親綱を張るために用いるのが親綱支柱です。
安全ネットは、墜落を防ぐために張るネットです。
それでは、鉄骨を立てる際に使用する一般的な親綱、安全ネットの設置手順の説明を致します。
高所での作業は基本的に、安全ネットの上であるか、建物端部や安全ネットの無い場所、状態では、親綱への安全帯使用が絶対条件となります。
ここでポイントは、先行設置という考え方の作業手順です。
1.最初に親綱の設置方法です
まず、鉄骨材の玉掛荷揚げをする前に、親綱を梁上に沿わせるように配置します。
この時点で、親綱支柱も一緒に設置します。
下記写真は、某現場における親綱設置状況です↓
(クリック拡大)


ここでの注意事項は、高所の作業員が、危険な状態にならないように必ず手の届く範囲に親綱の端部を置くことです。
2.柱に梁を上架し、親綱や支柱の方向などが間違ってないかを確認します。
3.高所での作業員は、前もって設置された親綱に安全帯を掛けて、次の梁を設置します。
4.梁の接合が完了したら、相方と確認をして梁の上に載っている親綱の設置をします。
玉外しの作業は必ず親綱設置後におこないます。
設置した親綱に安全帯を掛けて、玉外しをおこないます。
5.以上の作業を繰り返し、親綱を設置します。
親綱支柱間での親綱の最大スパンは9m以内です。
高所での作業をできるだけ効率よく行うことがポイントではないでしょうか。
最近は、「安全帯の二丁掛」が、常識です。
これは、親綱から別の親綱にわたるときに、安全帯を二つ使用し、ひとつのフックを別の親綱に掛けてから、もうひとつの安全帯のフックを外して移動する安全行動です。
次に安全水平ネットの設置方法ですが、これは次回の記事(その2)に致します。
最後に、親綱及び親綱支柱の材料の写真を紹介します↓
(クリック拡大)
左の写真が親綱と親綱緊張器で、右の写真が親綱支柱です。
今まで紹介してきた、鉄骨工事の記事は全て、工事現場内の状況でしたが、今回は工場における製作に関して記述致します。
建築物に使用される鉄骨は、工場にて加工されます。
鉄骨工場製作の、流れとしては、下記によります。
1.設計図書の確認、製作工程表の作成、管理技術者の資格確認などの準備
2.平行して、材料、ロール材などの発注→鋼材入荷→受入検査
3.施工計画書作成、承認
4.工作図の作成→承認
(a) 現寸図(型板及び定規を含む)は、必要に応じて、作成します。
(b) 高力ボルト及び普通ボルトの縁端距離、ボルト間隔、ゲージ等は、特記によります。
5.原寸検査
(a) 定規、型板の確認
(b) 鋼製巻き尺の照合
(c) 納まり等問題点の解決
6.工場加工、矯正、けがき、切断、孔開け、曲げ加工、摩擦面の処理、仮溶接、本溶接
(a) けがき
(1) けがきは、工作図、現寸図、型板、定規等により正確に行ないます。
(2) 引張強さ490N/mm2以上の高張力鋼、曲げ加工する外側等の箇所は、たがね、ポンチ等により傷をつけてはいけません。
ただし、溶接により溶融する箇所又は切断、切削及び孔あけにより除去される箇所については、この限りではありません。
(b) 切断及び曲げ加工
(1) 鋼材の切断面は、指定されたものを除き、材軸に垂直とします。
(2) ガス切断による場合は、原則として、自動ガス切断とします。
やむを得ず手動ガス切断とする場合は、形状及び寸法が正しくなるようグラインダー等で整形します。
(3) 厚さ13mm以下の鋼板は、せん断による切断とすることができます。
ただし、主要部材の自由端及び溶接接合部には、せん断縁を用いてはいけません。
(4) 切断面に有害な凹凸、まくれ、切欠き、スラグの付着等が生じた場合は、修正するか又は取り除きます。
(5) 曲げ加工は鋼材の機械的性質等を損なわない方法により行ないます。
7.工場内検査
(a) 形状、寸法等の工場自主検査
(b) 溶接等の自主検査
8. 製品検査
(a) 溶接試験
(b) 形状、寸法等の検査
9.下地調整、工場錆び止め塗装
10.工場最終確認→輸送
以上、ざっと書きましたが、これだけで本1冊になり、まだまだ奥が深いです。
次回以降、それぞれの項目を掘り下げてゆきたいと考えています。
下記写真は、某鉄骨造現場にて製品検査時に見学した、工場内のロボットです。
(クリック拡大)

鉄骨工事現場施工計画書の作成マニュアル
軽量鉄骨工事の見積書を紹介します。
共通仕様書(社団法人公共建築協会)によると、金属工事に種別されます。
以前「軽量鉄骨壁下地」という記事を紹介しましたが、一般的に軽量鉄骨下地は、壁と天井に分けられます。
見積書の作成としては、下地の仕様により、単価が違うので項目をそれぞれ作成します。
通常壁の場合は、スタッドの幅(50形から100形迄あります)にて、天井の場合は、外部と内部により、野縁の大きさが19形と25形に分かれます。
壁の50形は、RC壁等の片面仕上げの下地を想定しており、自立壁の下地は適用外としています。
以外にも、下張りの有無により、下地材のピッチが変わり、単価に反映します。
他の項目として、開口補強があります。
壁の場合は、出入口等に水平垂直方向に補強材を取付けます。
天井には、点検口、照明器具、ダクト等が取り付くため、大きさにより野縁を切断して、補強野縁を入れます。
壁の場合は、補強材のm数に対して、単価を入れます。
天井は、○○○*○○○の大きさの開口1カ所あたりの単価を入れるのが一般的です。
下がり壁、天井役物、ライニングなども、特殊な細工になるので、形状がわかる様に記入し、単価を入れます。
最近は、耐火遮音壁(LGS100+PB15mm両面2重張)などもあり、項目に追加されます。
下の見積書は、一般的なマンションの例です。(単価は参考価格です)
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