今回は、仮設工事における親綱、親綱支柱、安全ネットに関して、記述します。
実際いろいろな使用パターンがありますが、鉄骨造平屋建の倉庫を例にとって説明してゆきます。
親綱とは高所作業に用いる安全帯のフックを掛けるロープのことです。
その親綱を張るために用いるのが親綱支柱です。
安全ネットは、墜落を防ぐために張るネットです。
それでは、鉄骨を立てる際に使用する一般的な親綱、安全ネットの設置手順の説明を致します。
高所での作業は基本的に、安全ネットの上であるか、建物端部や安全ネットの無い場所、状態では、親綱への安全帯使用が絶対条件となります。
ここでポイントは、先行設置という考え方の作業手順です。
1.最初に親綱の設置方法です
まず、鉄骨材の玉掛荷揚げをする前に、親綱を梁上に沿わせるように配置します。
この時点で、親綱支柱も一緒に設置します。
下記写真は、某現場における親綱設置状況です↓
(クリック拡大)

ここでの注意事項は、高所の作業員が、危険な状態にならないように必ず手の届く範囲に親綱の端部を置くことです。
2.柱に梁を上架し、親綱や支柱の方向などが間違ってないかを確認します。
3.高所での作業員は、前もって設置された親綱に安全帯を掛けて、次の梁を設置します。
下記写真参照↓
(クリック拡大)

4.梁の接合が完了したら、相方と確認をして梁の上に載っている親綱の設置をします。
玉外しの作業は必ず親綱設置後におこないます。
設置した親綱に安全帯を掛けて、玉外しをおこないます。
5.以上の作業を繰り返し、親綱を設置します。
親綱支柱間での親綱の最大スパンは9m以内です。
高所での作業をできるだけ効率よく行うことがポイントではないでしょうか。
最近は、「安全帯の二丁掛」が、常識です。
これは、親綱から別の親綱にわたるときに、安全帯を二つ使用し、ひとつのフックを別の親綱に掛けてから、もうひとつの安全帯のフックを外して移動する安全行動です。
次に安全水平ネットの設置方法ですが、これは次回の記事(その2)に致します。
最後に、親綱及び親綱支柱の材料の写真を紹介します↓
(クリック拡大)
左の写真が親綱と親綱緊張器で、右の写真が親綱支柱です。
今まで紹介してきた、鉄骨工事の記事は全て、工事現場内の状況でしたが、今回は工場における製作に関して記述致します。
建築物に使用される鉄骨は、工場にて加工されます。
鉄骨工場製作の、流れとしては、下記によります。
1.設計図書の確認、製作工程表の作成、管理技術者の資格確認などの準備
2.平行して、材料、ロール材などの発注→鋼材入荷→受入検査
3.施工計画書作成、承認
4.工作図の作成→承認
(a) 現寸図(型板及び定規を含む)は、必要に応じて、作成します。
(b) 高力ボルト及び普通ボルトの縁端距離、ボルト間隔、ゲージ等は、特記によります。
5.原寸検査
(a) 定規、型板の確認
(b) 鋼製巻き尺の照合
(c) 納まり等問題点の解決
6.工場加工、矯正、けがき、切断、孔開け、曲げ加工、摩擦面の処理、仮溶接、本溶接
(a) けがき
(1) けがきは、工作図、現寸図、型板、定規等により正確に行ないます。
(2) 引張強さ490N/mm2以上の高張力鋼、曲げ加工する外側等の箇所は、たがね、ポンチ等により傷をつけてはいけません。
ただし、溶接により溶融する箇所又は切断、切削及び孔あけにより除去される箇所については、この限りではありません。
(b) 切断及び曲げ加工
(1) 鋼材の切断面は、指定されたものを除き、材軸に垂直とします。
(2) ガス切断による場合は、原則として、自動ガス切断とします。
やむを得ず手動ガス切断とする場合は、形状及び寸法が正しくなるようグラインダー等で整形します。
(3) 厚さ13mm以下の鋼板は、せん断による切断とすることができます。
ただし、主要部材の自由端及び溶接接合部には、せん断縁を用いてはいけません。
(4) 切断面に有害な凹凸、まくれ、切欠き、スラグの付着等が生じた場合は、修正するか又は取り除きます。
(5) 曲げ加工は鋼材の機械的性質等を損なわない方法により行ないます。
7.工場内検査
(a) 形状、寸法等の工場自主検査
(b) 溶接等の自主検査
8. 製品検査
(a) 溶接試験
(b) 形状、寸法等の検査
9.下地調整、工場錆び止め塗装
10.工場最終確認→輸送
以上、ざっと書きましたが、これだけで本1冊になり、まだまだ奥が深いです。
次回以降、それぞれの項目を掘り下げてゆきたいと考えています。
下記写真は、某鉄骨造現場にて製品検査時に見学した、工場内のロボットです。
(クリック拡大)

鉄骨工事現場施工計画書の作成マニュアル
軽量鉄骨工事の見積書を紹介します。
共通仕様書(社団法人公共建築協会)によると、金属工事に種別されます。
以前「軽量鉄骨壁下地」という記事を紹介しましたが、一般的に軽量鉄骨下地は、壁と天井に分けられます。
見積書の作成としては、下地の仕様により、単価が違うので項目をそれぞれ作成します。
通常壁の場合は、スタッドの幅(50形から100形迄あります)にて、天井の場合は、外部と内部により、野縁の大きさが19形と25形に分かれます。
壁の50形は、RC壁等の片面仕上げの下地を想定しており、自立壁の下地は適用外としています。
以外にも、下張りの有無により、下地材のピッチが変わり、単価に反映します。
他の項目として、開口補強があります。
壁の場合は、出入口等に水平垂直方向に補強材を取付けます。
天井には、点検口、照明器具、ダクト等が取り付くため、大きさにより野縁を切断して、補強野縁を入れます。
壁の場合は、補強材のm数に対して、単価を入れます。
天井は、○○○*○○○の大きさの開口1カ所あたりの単価を入れるのが一般的です。
下がり壁、天井役物、ライニングなども、特殊な細工になるので、形状がわかる様に記入し、単価を入れます。
最近は、耐火遮音壁(LGS100+PB15mm両面2重張)などもあり、項目に追加されます。
下の見積書は、一般的なマンションの例です。(単価は参考価格です)
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鉄骨平屋建某店舗の、鉄骨建方状況です。
建方の際には、効率の良い建て方順序を選定する事が大切です。
また、建方途中では構造が不安定であるため、事故の起こす事の無いように十分な検討が必要です。
建て方計画書には、下記事項が記載されます。
1.工程表(準備開始時期、各節ごとの組立て及び接合時期、完了時期)
2.施工管理体制
3.組立て順序(図面表示が望ましい)
4.吊り足場等の安全施設、仮設材や二次部材等で地組するものの有無(図面表示が望ましい)
5.主な部材の質量表(平面図等に記入)
6.建て方用機械の種類、性能(吊り上げ能力、作業範囲、設置位置及び保安上の注意事項)
7.建て方途中の建入れ測定方法及びその修正方法
8.建て方完了時の建入れ測定方法及びその修正方法
9.部材集積場所及び集積方法
10.建入れ検査の合否の基準
11.建方中の強風に対する補強の方法及び仮ボルトの本数等
12.接合作業の手順及び検査方法
13.安全管理及び養生の方法
建て方機械の選定は、非常に大切な事項です。
特に、機種、台数、最大荷重、作業半径、作業能率等は、事前に充分な検討が必要です。
また、建て方機械を設置する構造体、架台、路盤、構台等が、自重、風圧力、地震力、衝撃力等に対して安全である事を確認しなければなりません。
高所作業になる事が多く、安全設備の確固たる準備が大切です。
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