建築工事においては、現場ではなく、工場にて製作するものがあります。
代表的なものでは、鉄骨、サッシュ、金物、設備機器等が挙げられます。
これらは、製作時に工場で検査を行います。
そのひとつの、鋼製建具の工場における製品検査に関して記述いたします。
一般的に呼ばれている「サッシュ製品検査」は、施工業者、工事監理者(設計事務所等)が立会で、製品の製造過程および製作状況を確認します。
工場製品検査項目として、一般的に、
寸法、雨仕舞、外観、色調、金具の取付状態、膜厚などを確認します。
最初に工場にて、一通りの説明を受けてから、視察します。
基本的に、現場納入予定のサッシュが予定通り、規定通り作られているかどうかを検査します。
現在の工場では、かなりオートメーション化が進んでいます。
寸法等は、数カ所対角線を、WH寸それぞれ計測します。
また、膜厚は、専用機器にて測定します。
下の写真は、某現場における製品検査状況です↓
左2枚が、スチールドアの検査で、右端が、アルミサッシュの寸法検査状況です。
(クリック拡大)

型材を切断したあとに、複雑な加工が行われます。
下記写真は、建具を加工する機械のひとつです↓
(クリック拡大)

それぞれの製品における検査項目を確認し、完了となります。
ともすれば、儀礼化してしまいがちな検査ですが、まえもって確認事項をまとめておき、疑問事項は積極的に確認し合うことが大切だと考えています。
今年最後の記事になりましたが、来年も又よろしくお願い致します。
皆様、良いお年をお迎えください。。
型枠工事において、断熱材、複合板などをコンクリートと一緒に打ち込む施工方法があります。
これは、型枠合板に、素材(断熱材・複合板など)を取付けて、打ち込む場合と、素材そのものを型枠代わりにして、打ち込む場合があります。
当然、使用する金物(セパレーターなど)が違ってきます。
外断熱工法も、その一つです。
この工法は、積雪寒冷地の厳しい気象条件に対応する有用な建築技術の一つであり、北海道内における採用実績も多数あります。
また、地球環境保全の視点からも優れた建築技術として認識されています。
一方で、材料・工法の手順、施設の熱的特性に配慮した設備の設計手法、運転手法の確立等は標準化されていません。
それぞれのメーカーにて、それぞれの工法があるといったところでしょうか。
一般的に、外断熱工法とは、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等熱容量が大きな構造躯体の外側に断熱を施す工法を指します。
外壁については、構成上の分類をすると、下記となります。
(1)断熱材の施工方法による分類
ア. 打込み工法:
断熱材を型枠に取付けるか、又は断熱複合板を型枠にしてコンクリートを打設し、躯体と一体化する工法
イ 後張り工法:
コンクリート打設後、接着剤等を使い断熱材を躯体に取付ける工法
打込み工法は工程短縮に効果があり、特に型枠として用いる場合は型枠材の軽減となりますが、断熱材の種類が水を吸わない発泡系に限られます。
一方、後張り工法は型枠取外し後の施工となり、打込み工法と比べて工程が増えますが、断熱材及び仕上材の選択範囲が広まります。
(2)通気層の有無による分類
ア 通気層工法:
断熱材と外装材の間に通気層を確保する工法
イ 密着工法:
断熱材と外装材を密着する工法
通気層工法は内部結露の原因となる水蒸気や侵入した雨水の排出に対し有効であるため、繊維系の断熱材ではこの工法による必要があります。
一方、密着工法は外装材と断熱材を一体化した複合板を用いるもの等があり施工性や経済性の点から実施例が多いです。
複合板の種類は、下記のような材料があります↓
# 木毛セメント板+断熱材
# 石膏ボード+断熱材
# フレキシブルボード+断熱材
# 珪酸カルシウム板+断熱材
# 繊維混入パーライトセメント板+断熱材
# 合板+断熱材
# ベニヤ+断熱材
それぞれ、不燃用、耐火用、型枠打込用などが、製品として出荷されています。
外断熱建物は、選定した材料・工法等によって、経済性や環境負荷低減に対する効果等に差異が生じます。
よって、総合的な視点から材料・工法を的確に選定することが大切になります。
いづれにしても、今後、積雪寒冷地における建築技術の主流のひとつになりうる工法だと考えています。
下記写真は、某現場にて複合板にて、外枠を施工している状況です↓
(クリック拡大)

外断熱工法の具体的手法は、再機会を設け、記事にするべく取り組んでおります。
やっぱり赤レンガの家に住みたい! ―究極の耐火・外断熱工法「200年住宅」の凄さを公的機関で実証
21世紀は、外断熱の時代。家作りの急所が何故、隠されたままなのか?「いい家」が欲しい。改訂2…
わたしのこのサイトのなかで、2番目に人気がある記事が「軽量鉄骨壁下地」です。
今回は、その第2弾です。
前回の記事と合わせて、一読下さい。
最初に「軽量鉄骨」LGS壁の長所を紹介します。
1.施工性がよい。
鉄骨造やRC造の場合、溶接やコンクリート釘などにより簡単に下地を組み立てることができます。
2.木下地と比較すると、それほど熟練能力を必要としない。
3.木下地に比べ単価が安い。
4.シロアリなどの被害がない。
続いて、LGS壁の短所です。
1.壁の下地は、幅により軟弱さがある。
2.溶接を使う場合は、火災の危険性がある(これは、LGS工事自体が、ウレタンなどを吹いた後の工程になるので、過去においても火災例が多々あります)
それでは,最初に材料の種類です。
LGS壁は、基本的に「スタッド」「ランナー」「振れ止め」「開口補強材」で構成されています。
幅の寸法で、50形から100形迄あり、それぞれで使用出来る高さが決まっています。
(下表右列参照)
それ以上の高さの場合は、一度その高さで水平材(H鋼など構造的に耐えうる材料)で受けてから、その上に足すことになります。
墨出し(位置出し)を行い、材料の段取りが完了すれば、すぐに組み立てることができます。
以前は、床に出した墨を「下げ振り」を用い上部スラブ等にあげていたのですが、最近はレーザーポイント等の機械ですぐに正確な位置出しが可能になりました。
これからますます、現場のスピード化が促進されるのでしょう。
最後に、某現場における軽量鉄骨壁(間仕切り)の写真を紹介します↓

薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き
【種類別工具】トラスコ中山:TRUSCO 一般軟鋼用溶接棒心線径3.2棒長350
「スタッド」とは鉄骨とコンクリートを一体化するため、鉄骨の母材に溶接で取り付けるボルトなどの鋼棒の呼び名です。
この溶接作業工程を「スタッド溶接」と称します。
鉄とコンクリートを、効率よく経済的に一体化するために、スタッドは用いられます。
鉄骨造において、梁の上に取付けて、デッキの上に打設するコンクリートとの一体化を増大させたり、鉄骨柱に、根巻きコンクリート(鉄骨の柱脚部をコンクリートで固めること)を打設する際に、同じように一体化させるようなときに、使用します。
さて、実際の施工方法です。
スタッドと呼ばれるピン(ネジなど)を、専用ガンに取り付けて、母材に押し当てて、スイッチを入れます。
専用ガンと専用溶接機によって短時間で自動的に溶接が行われます。
軸径19ミリで約1秒間程度です。
スタッド溶接は、溶接棒や溶接ワイヤーを用いず、スタッドそのものが溶接材となります。
よって、スタッドの化学成分はもちろん、太い断面積に安定したアークを発生する溶接装置などが、溶接品質を保つ重要な要素になります。
もう少し、詳しく述べますと、建築の鉄骨工事で主として使用されるのは、アークスタッド溶接です。
アークスタッド溶接は、アークシールドと呼ぶセラミックスの保護筒内で母材とスタッド間にアークを発生させ、その発熱により母材及びスタッドを溶融し、一定時間後、スタッドを母材面上に形成された溶融池に圧入して接合する溶接法です。
以下、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「建築工事監理指針」より抜粋です↓
7.7.2 スタッド溶接作業における技能資格者
(a) スタッド溶接作業を行う技能資格者は,JASS 6 付則4[スタッド溶接工技術検定試験]により,工事に相応した技量を有する者とする。
(b) 溶接技能資格者の技量に疑いを生じた場合は,工事に相応した試験を行い,その適否を判定し,監督職員の承諾を受ける。
7.7.3 スタッドの仕上り精度
(a) 仕上り高さは,指定された寸法の±2mm以内,傾きは5°以内とする。
(b) 母材及びスタッド材軸部に発生したアンダーカットは,0.5mm以内とする。
7.7.4 スタッド溶接施工
(a) スタッド溶接は,アークスタッド溶接の直接溶接とし,原則として,下向き姿勢とする。
(b) スタッド溶接用電源は,原則として,専用電源とする。
(c) 施工に先立ち溶接条件を適切に設定する。
溶接条件の設定は,スタッドの径が異なるごとに午前と午後それぞれ作業開始前2本以上の試験スタッド溶接を行い定める。
(d) 磁気吹きの影響を受けるおそれがある場合は,その防止に必要な措置を講ずる。
(e) 溶接面に,水分,著しい錆,塗料,亜鉛めっき等溶接作業及び溶接結果に障害となるものがある場合は,スタッド軸径の2倍以上をグラインダー等により丁寧に除去し,清掃を行う。
(f) デッキプレートを貫通させてスタッド溶接を行う場合は,事前に引張試験,曲げ試験,マクロ試験等を行って溶接部の健全性が確保できる施工条件を定める。
7.7.5 スタッド溶接後の試験
(a) スタッド溶接完了後,次により試験を行う。
(1) 外観試験
(ⅰ) 母材及び材軸部のアンダーカットの有無を,全数について確認する。
(ⅱ) 仕上り高さ及び傾きの試験は,次による。
① 試験は抜取りとし,スタッドの種類及びスタッド溶接される部材が異なるごと
に,かつ,100 本ごと及びその端数について試験ロットを構成し,1ロットにつき1本以上抜き取る。
② 仕上り高さ及び傾きは,測定器具を用いて計測する。
③ 試験したスタッドが合格の場合,そのロットを合格とする。
④ 試験したスタッドが不合格の場合は,同一ロットから更に2本のスタッドを試
験し,2本とも合格した場合は,そのロットを合格とする。それ以外の場合は,
ロット全数について試験する。
(2) 打撃曲げ試験
(ⅰ) 抜取りは,(1)(ⅱ)①による。
(ⅱ) 打撃により角度15°まで曲げたのち,溶接部に割れその他の欠陥が生じない場合は,そのロットを合格とする。
(ⅲ) 試験したスタッドが不合格の場合は,(1)(ⅱ)④による。
(b) (a)の試験結果の記録を監督職員に提出し,不合格となったスタッドは,7.7.6による補修を行う。
7.7.6 不合格スタッド溶接の補修
(a) 母材又はスタッド材軸部に深さ0.5mmを超えるアンダーカットの発生したものは,隣接部に打増しを行う。
なお,母材にアンダーカットを生じたスタッド材の処置は,(c)による。
(b) 仕上り寸法が不合格となったスタッド材及び打撃曲げ試験で割れ又は折損の生じたスタッド材は,隣接部に打増しを行う。
(c) (a)及び(b)の不合格スタッド材で欠陥が母材に及んでいる場合は,スタッド材を除去したのち,予熱して補修溶接を行い,グラインダーで母材表面を平滑に仕上げる。
(d) (a)及び(b)で,隣接部に打増しができない場合は,(c)により不合格スタッドを除去したのちに打直しを行う。
(e) 打撃曲げ試験により,15°まで曲げたスタッドは,欠陥のない場合そのまま使用する。
(f) (a)から(d)により補修を行ったスタッドは,全数について7.7.5(a)(1)に準じて試験を行い,その結果の記録を監督職員に提出し,承諾を受ける。
施工に際しては、上記のような細かな規定と、材料メーカーによる指針等もありますので、十分な施工計画のもとに品質管理をすることが大切です。
某鉄骨造倉庫で使用した、実際のスタッドピンと、スタッド溶接用アークシールドですの写真です↓
(クリック拡大)

引き続き、専用ガンによる溶接施工状況写真と、完了写真です↓
(クリック拡大)

鉄骨工事技術指針(工事現場施工編)第6版
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