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だれでも3分で理解するH型PCパイル(H-PV工法)

2017年1月11日

某現場の杭工事で、H型PCパイルを使用しました。

杭・地業工事の記事は、過去13回アップしています。

H型PCパイルは、プレストレス構造のプレキャスト杭状地盤補強材です。

今回工事を行った、杭工事の概要は、下記です。

  1. 杭種別 H型PCパイル(200*200)
  2. 杭打設工法 H-PV工法
  3. 杭長さ・本数  L=4.0m 58本(外周)
  4. 同上  L=5.0m 85本(内部)

それでは、H型PCパイルの特長です。。。

強度が大きい

PC杭(プレテンション方式のプレストレストコンクリート杭)のため曲げに強く、プレストレストにより取扱い時におけるクラックの心配がありません。
コンクリートの圧縮強度が高く、錆に強く、耐衝撃性にも優れています。
H型の断面(200*200)で、φ250mm円筒杭に比べると周面長が長く、周面摩擦を大きく採用できるため、大きな支持力で建物を支える事ができます。
周長比較 H型 200*4+200*2=1200mm

     円筒型 250*3.14=785mm

土質を選ばない

プレキャスト製品のため、土質を選びません。
腐植土や酸性の強い地盤でも、固化不良などの心配は無用です。
また土壌・水質の汚染や改良材の飛散によるトラブルがありません。

施工が早い

柱状改良工法に比べると、工期を約半分に短縮できます。
また、養生期間が必要なく、施工後、強度確認なども必要ないため、すぐに次の工程へ移ることができます。

低振動・低騒音施工、粉塵の心配もない

H型PCパイルは、専用杭打機での油圧圧入により、低振動・低騒音で施工されます。
杭打機も小型なため、狭い敷地での施工も可能です。

また、セメント系固化材を使用する柱状改良工法のように、粉塵が舞う心配もありません。

信頼性が高い

H型PCパイルは、徹底した品質管理の下で生産されます。
また現場でセメント系固化材を使用しないため、六価クロムによる土壌汚染や地下水汚染の心配もありません。


 

施工する工法名は、 H-PV工法といいます。

この工法は、オーガーを用い、設計時に計画された深度まで地盤を掘削した後、掘削孔中に杭を建て込み、高周波振動と圧入力を併用して所定深度まで貫入させ、基礎下部に配置する工法です。

最初に、杭の材料搬入状況です。

スケールをあてて写真を撮っています。

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左下写真の、コンクリート面に記載されているムカワの文字は、北海道の鵡川(ししゃもの産地で有名です)にある工場の製品をあらわしています。

會澤高圧コンクリート株式会社 鵡川工場

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施工手順です。

①杭芯セット

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②掘削

機械を設置し、オーガーで孔削します。

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③杭の建込み

孔削した箇所に、杭を建て込みます。

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④振動圧入

杭を圧入します。

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⑤施工完了

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この材料・工法は、とても簡易的です。
的確な構造計算をもとに、材料を選択・施工する事が大切だと考えます。

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