前回に引き続き、「杭工事」です。
今回は、杭を打設する手順を、ビデオにて紹介します。
このビデオは、実際の建築工事現場において、セメントミルク工法により構築した「杭打設」の手順を撮影した映像です。
施工順序は、下記によります。
①掘削・攪拌
②掘削孔の築造
③根固め部の築造
④ロッドの引き上げ
⑤杭の埋設
⑥定着
以上、ご覧ください。
杭打設機械が大きいので、縦撮りになってしまいましたが、大枠な流れは、写真よりは理解しやすいと感じています。
ビデオは、これから違う工種でも、積極的に取り入れようと考えています。
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杭工事は、過去に何度か記事にしています。
今回は、セメントミルク工法における、セメントミルクの試験方法について、紹介します。
この工法は、既製コンクリートパイルを用いた埋め込み杭工法に分類されるプレボーリング工法の一種です。
スパイラルオーガーと先端ビットにより、掘削液を注入しながら地盤を掘削し、所定の深度に達したら、根固め液に切り替えて支持層の土砂を、掘削・攪拌します。
その後、オーガーを正転で引き上げながら杭周固定液を注入します。
そして、先端閉塞型のコンクリートパイルを自沈、圧入または軽打により所定深度に定着させる工法です。
それでは、某現場における杭工事施工計画書に習い、「セメントミルクの配合および試験方法」を紹介します。
1)各種注入液材料
①水・・・水道水を使用
②セメント・・・JIS R5211に適合する高炉セメント(B種)を使用する。
③ミラセピア・・・ホルマイト系繊維質鉱物
2)各種注入液
掘削固定液、根固め液の標準配合表
①根固め液標準配合表(杭1本あたり)
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②掘削固定液配合表(注入長1mあたり)
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3)各種注入液の配合方法および攪拌方法
①水の計量は混合用タンクに設置してある透明ビニル管に必要量を目盛り、ビニルテープなどでマーキングして目視にて管理する。
②セメントおよびミラセピアの計量は、重量単位または袋単位による。
セメント・25㎏/袋、ミラセピア・20㎏/袋。
③配合方法は、まず混合用タンクに水を所定量計量し、水に攪拌翼を回しながら、ミラセピア・セメントの順に投入し、十分に攪拌する。
4)供試体の管理
根固め液、掘削固定液とも、ミキサー内のセメントミルクが約半分排出された時点で、ミキサー排出口よりポリバケツに直接採取する。
①採取回数は、試験杭は1本ごと、本杭は継ぎ手のない場合は、30本ごとまたは、その端数に付き1回、継ぎ手のある場合は、20本ごとまたは、その端数に付き1回とする。
②供試体は直径50㎜のポリエチレン袋に下図のように採取し、長さ100㎜程度にカットして、円柱形供試体を作成する。
③1回の採取の供試体の数は3個とする。
5)供試体の養生
①採取後、現場内でその供試体が移動および切断可能になるまで吊したままの状態で養生する。
②採取後は直射日光を避け、叉、供試体相互及び他の物と接触が無いようにする。
③硬化時点でポリエチレン袋を取り去り、水槽内で所定材令まで水中養生を行う。
6)圧縮強度試験
①圧縮強度試験(以前の記事をご覧ください)は、JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験法)による。
②圧縮強度は3個の供試体の平均値で、根固め液は15N/m㎡以上、掘削固定液で9N/m㎡以上とする。
③圧縮強度試験は、メーカーの試験室で行う。
セメントサイロに、セメントを搬入している状況写真です。
(クリック拡大)


セメントミルクの管理は、施工管理知識を持って対応することが大切です。
叉、設計事務所(監理者)と施工計画書等にて、事前に打ち合わせを行います。
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先週は、継杭の溶接について、紹介しました。
今回は、その検査方法を紹介します。
その試験は、浸透探傷試験(カラーチェック)(JIS Z 2343)です。
これは、材料の非破壊検査法の一種で、一般に行われている方法は、染色浸透探傷法です。
簡単に手順を書きますと、
最初に、溶接部に浸透性のよい赤色の液を吹付けて割れ部分に浸透させます。
その後、一度ふき取り、さらに白色になる現像液を吹付けます。
これに、にじみ出た赤色により欠陥を発見する方法です。
英語では、PI (penetrant inspection) やPT(penetrant testing, 浸透探傷試験)とも呼ばれ、材料表面に開口した傷(クラック)を探し出すことができます。
吸水性の良いものやポーラス(多孔質)なもの以外のほぼ全ての材料に使用できますが、検出できるのは表面の開口している傷のみです。
クラックは大きな応力のかかる場所などに生じる亀裂ですが、クラック端は半径が非常に小さいため応力が集中し、クラックは次第に進展して材料の強度低下や破壊を招きます。
これを事前に発見する「カラーチェック」は、非常に大切な検査です。
浸透探傷検査は、以下に挙げる観察方法・余剰浸透液の除去方法・現像方法の組み合わせでひとつの検査方法となります。
①観察方法による分類: 染色浸透探傷検査と蛍光浸透探傷検査
②余剰浸透液の除去方法による分類: 溶剤除去性浸透探傷検査・水洗性浸透探傷検査・後乳化性浸透探傷検査
③現像方法としては、速乾式現像法・湿式現像法・乾式現像法・無現像法
このような各方法を組み合わせ、例えば、「染色浸透探傷検査・溶剤除去性・速乾式現像法」などとなります。
特に、浸透液の除去に溶剤を使用する染色浸透探傷検査はダイ・チェック (dye check) と呼ばれることもあります。
それでは以下、検査作業手順です。
- 前処理 – 表面の洗浄
- 浸透処理 – 浸透液の塗布、浸透
- 洗浄処理 – 浸透液の除去
- 現像処理
- 観察
- 後処理 – 現像液の除去
まず被検査材料の表面を清浄にし、乾燥させた後、検査用の浸透液(赤色など)を塗布してクラックに染みこませます。
下記写真は、某現場における浸透液塗布状況です↓
(クリック拡大)

塗布にはスプレーのほか刷毛塗りなどの方法もあります。
浸透時間は浸透液の種類や被検査物の材質・温度などにより決めます(一般的に5~10分程度でそれより長い場合もあります)。
適当な浸透時間経過後に、材料表面からいったん浸透液を除去します。
既述したように、これには水洗と溶剤による方法とがあります。
このとき、クラック内にのみ浸透液が残るような、適度な洗浄が必要とされます(たとえば、洗浄液を直接スプレーするのではなく、ウエスに含ませて拭う、等)。
下記写真は、某現場における洗浄液塗布状況です↓
(クリック拡大)

表面が乾燥したら現像液(白色など)を塗布する。
下記写真は、某現場における現像液塗布状況です↓
(クリック拡大)

これにより、クラック内にしみこんでいた浸透液が材料表面ににじみ出し、指示模様を描く。
下記写真は、某現場における塗布完了状況です↓
(クリック拡大)


所定の時間内に、目視により観察・判定を行ったら、材料表面の浸透液や現像液を除去して終了です。
※利点と制限
他の非破壊検査と同様、材料を破壊せずにクラックの検出を行うことができるため、出荷物の全品検査などに用いることができます。
特に染色浸透探傷は、特別な設備を必要とせず現場で手軽に実施できるという大きな利点があります。
また、磁粉探傷検査や電磁誘導による渦電流検査等の電気/磁気を用いる方法と違い、非金属材料にも一般に適用できる点が優れています。
一方で、いずれの浸透探傷検査法も、表面に露出したクラックしか検出できないという欠点をもちます。
さらに、原理上、液体を吸いこむ性質を持つ多孔質の表面をもつ材料(ある種の金属材料や複合材料、木材・スポンジ・発泡材料など)には適用できません。
材料内部にクラックが存在すると思われる場合には、超音波探傷検査や放射線透過検査といった、別の非破壊検査方法を用いる必要があります。
いずれの試験を選択するかは、現場の状況・材料・工法等を十分に検討し、担当監督員に確認し、決定する必要があります。
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建造物の基礎における「杭工事」は、過去6回ほど記事にしています。
今回は、継杭の溶接工法を紹介します。
継杭とは、必要な杭の長さが、一本の杭では足りない場合に、継手を設けて打設時に連結して打ち込む杭のことをいいます。
先に打ち込む杭が下杭、それに継ぐ杭が上杭と呼ばれます。
例えば、施工杭長が15mという事であれば、上杭C種=7mと下杭A種=8mの2本杭を溶接で連結し施工したりします。
杭の現場継手は、溶接継手と無溶接継手とありますが、今回は溶接継手の半自動溶接という方法を、記述します。
こういった特殊作業には、専用の資格が必要となり、資格を持った技能者が施工に当たります。
継杭溶接の一般的な仕様です。
A.杭の継手の工法は、特記による。
特記がなければ、アーク溶接による溶接継手とする。
B.継手の施工に当たっては、上下杭の軸線を同一線上に合わせる。
C.継手の溶接は、溶接方法に応じた次の技能資格者が行う。
a)手溶接を行う場合は、JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)によるA-2H程度、または(社)日本溶接協会規格 WES 8106によるFP-A-2Pの技量を有する者。
b)半自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準) によるSS-2H程度、若しくは(社)日本溶接協会規格 WES 8106によるFP-SS-2P又はFP-SA-2Pの技量を有する者。
c)自動溶接を行う場合は、JIS Z 3841によるSS-2F又はSA-2F以上の技量を有し、自動溶接に 1年以上従事した者。
d)a)又はb)によることが困難な場合は、手溶接にあってはA-2F、半自動溶接にあってはSS-2F又 は、SA-2Fの技量を有し、1又は2と同等以上の能力があると認められる者。
D.溶接施工は、JIS A 7201(遠心力コンクリート杭の施工標準)及び(社)日本溶接協会規格 WES 7601(基礎杭打設時における溶接作業標準)による。
E.溶接部の確認は、JIS A 7201の9.6溶接部の検査による。
F.準備作業
杭継手溶接部における表面の錆・泥土などの溶接に有害な付着物を、ワイヤーブラシ及び布などで除去する。
気温が0℃から-15℃の場合は、溶接部から100㎜以内の部分をプロパンバーナーで36℃以上に余熱してから行う。
G.溶接ワイヤー
溶接ワイヤーは、JISZ3313「軟鋼及び高張力鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤー」を使用する。
また、ワイヤー径は、3.2㎜とする。
H.溶接機
溶接機は、半自動溶接機を使用する
I.溶接施工
a)降雨、または強風(10m/S以上)の時は施工しない。
ただし、ある程度の風で溶接部及び溶接工が影響を受けないようにシートで防護処置を行う場合は、責任技術者の承諾を受けて行う。
b)溶接ワイヤーの保持は、適当なアーク長さと角度を保ち、運棒に注意して十分な溶け込みを確認する。
c)溶接は、全周溶接とし、余盛りは3㎜以下とする。
d)溶接完了後は、スラグを取り除く。
J.外観検査
溶接完了後は、目視によって、溶接部に欠陥がないか検査する。
建込みから、溶接までの作業手順です。
A.上杭の建込
①上杭を下杭と同様の手順で、吊り込む。
②下杭・上杭の溶接端板をウエス・ワイヤーブラシで清掃する。
③下杭に建込バンドを取り付ける。
④上杭を下杭に載せる。
⑤上下の杭軸が一直線になるようにして、溶接開先部の食い違い量は2㎜以下、ルートかんかくは4㎜以下に調整する。
⑥溶接開先部を仮止め溶接する。
⑦建込バンドを外す。
B.継手溶接
①開先部の泥や錆をワイヤーブラシで取り除く。
②継手溶接を行う。
下記写真が、某現場における継杭溶接状況です↓
(クリック拡大)



杭工事は、奥が深いので、これからも度々紹介する予定です。
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