記事数17回目の鉄筋工事です。
前回は、壁開口補強筋を紹介しました。 壁開口補強筋
初心者に贈る壁開口補強筋の急所!
斜め筋が、2-D13、周辺はタテ6-D13、ヨコ6-D16です。
今回は、スラブ開口補強筋です。
RC造の場合、床(スラブ)に開口を設ける際には、当然ですが、鉄筋にて補強を施します。
その形状は壁と同じように、開口部四方周辺と、開口部の四方隅に斜めに補強します。
一般的に、開口部の寸法が700mm以上になる場合は、受け梁等を開口端部に設置します。
700mm以内の場合は、下図に倣った補強筋を施します。
これは、鉄筋配筋要領図、標準配筋要領図、 鉄筋コンクリート構造配筋標準図、国土交通省大臣官房長官営繕部「公共建築工事標準仕様書」をもとにした標準図、において、基準とされています。
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つまり、スラブ開口が700mm以下の場合は、開口によって切られる鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、隅角部に斜め筋を上下の鉄筋の内側に配筋します。
ここには、壁開口補強と同じように、L1という表現を使用しています。
再掲しますが、L1とは、鉄筋の太さ×40です。
例えば、D13ですと、13*40=520mmとなります。
スラブ開口の最大径が両方向の配筋間隔以下で鉄筋を緩やかに曲げることにより、開口部を避けて配筋できる場合は、補強を省略することができます。
孔径が100 mm以下のとき等は、床スラブ配筋間隔以下となるので、補強は設けず、200mmくらいまでは緩やかに曲げて納めます。
スラブ配筋が、縦横200mmで、そこに設備スリブ150φがぶつかった場合なども同様です。
下記写真は、某現場において、設計図書に基づいた、スラブ開口補強の状況です↓
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写真を見ると、開口補強筋がどのように入れられているのか、一目瞭然だと思います。
スラブ開口補強は、鉄筋工事の数あるチェックポイントのひとつです。
確実な施工管理が求められます。
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