杭工事は、過去に何度か記事にしています。
今回は、セメントミルク工法における、セメントミルクの試験方法について、紹介します。
この工法は、既製コンクリートパイルを用いた埋め込み杭工法に分類されるプレボーリング工法の一種です。
スパイラルオーガーと先端ビットにより、掘削液を注入しながら地盤を掘削し、所定の深度に達したら、根固め液に切り替えて支持層の土砂を、掘削・攪拌します。
その後、オーガーを正転で引き上げながら杭周固定液を注入します。
そして、先端閉塞型のコンクリートパイルを自沈、圧入または軽打により所定深度に定着させる工法です。
それでは、某現場における杭工事施工計画書に習い、「セメントミルクの配合および試験方法」を紹介します。
各種注入液材料
①水・・・水道水を使用
②セメント・・・JIS R5211に適合する高炉セメント(B種)を使用する。
③ミラセピア・・・ホルマイト系繊維質鉱物
各種注入液
掘削固定液、根固め液の標準配合表
①根固め液標準配合表(杭1本あたり)
②掘削固定液配合表(注入長1mあたり)
各種注入液の配合方法および攪拌方法
①水の計量は混合用タンクに設置してある透明ビニル管に必要量を目盛り、ビニルテープなどでマーキングして目視にて管理する。
②セメントおよびミラセピアの計量は、重量単位または袋単位による。
セメント・25㎏/袋、ミラセピア・20㎏/袋。
③配合方法は、まず混合用タンクに水を所定量計量し、水に攪拌翼を回しながら、ミラセピア・セメントの順に投入し、十分に攪拌する。
供試体の管理
根固め液、掘削固定液とも、ミキサー内のセメントミルクが約半分排出された時点で、ミキサー排出口よりポリバケツに直接採取する。
①採取回数は、試験杭は1本ごと、本杭は継ぎ手のない場合は、30本ごとまたは、その端数に付き1回、継ぎ手のある場合は、20本ごとまたは、その端数に付き1回とする。
②供試体は直径50㎜のポリエチレン袋に下図のように採取し、長さ100㎜程度にカットして、円柱形供試体を作成する。
③1回の採取の供試体の数は3個とする。
供試体の養生
①採取後、現場内でその供試体が移動および切断可能になるまで吊したままの状態で養生する。
②採取後は直射日光を避け、叉、供試体相互及び他の物と接触が無いようにする。
③硬化時点でポリエチレン袋を取り去り、水槽内で所定材令まで水中養生を行う。
圧縮強度試験
①圧縮強度試験(以前の記事をご覧ください)は、JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験法)による。
②圧縮強度は3個の供試体の平均値で、根固め液は15N/m㎡以上、掘削固定液で9N/m㎡以上とする。
③圧縮強度試験は、メーカーの試験室で行う。
セメントサイロに、セメントを搬入している状況写真です。
(クリック拡大)
セメントミルクの管理は、施工管理知識を持って対応することが大切です。
叉、設計事務所(監理者)と施工計画書等にて、事前に打ち合わせを行います。
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