けんちく

現場員必見!!5年後以降の建築物その終末

2006年11月7日

前回の記事の続きを書きたいと思います。

完成してから、5年後。

かなりのスピードで欠陥部分は蝕まれていきます。

この時期になると、潜在的な欠陥も含まれてきますので、技術的な見解を持った診断も必要になってきます。
ここで、考えていただきたいのですが、みなさんの所有している車の寿命はどのくらいでしょうか。
たとえば、200万の車にかかる維持管理保全費の割合は、年間に割り返し、タイヤ交換なども含めると2〜3%は、かかっていると思います。
車とは、単純に比較できないかもしれませんが、建物にかかる維持費の割合は、2000万の木造住宅で年間2〜3%とすると、40〜60万、10年で400〜600万になります。

車は、工場で作ります。
建物は、自然の中で人間の手でほとんどが作られます。
そういうことを、トータル的に考え、保全に対する処置をとるべきではないでしょうか。

さて竣工後10年。

防水の保証期間が切れます。

いろいろな部分に損傷が出始めます。
瑕疵の責任所在は、ますます不明確になります。

設計事務所の担当者は、会社を辞めました。
施工会社はつぶれました。

建築主は、施工責任を追及する意識も失うのではないでしょうか。
例えばこんな話があります。
建物を建てる前に、建築主が、絶対に雨漏れだけはしない建物にしてくださいとお願いし、設計事務所も施工会社もまかせてくださいと話をします。
3年後に見事に雨漏れしました。
天井をはがし、原因を突き止め早急な対応で直しました。
それですべて解決したわけではなく、一番大切な信頼関係が損なわれます。

もう一度漏れたら、どうなるのでしょうか。

一番先の話し合いの際に、漏水に対する技術的見解を、顧客に説明し理解していただくということが大切なことだと考えます。
つまり、絶対にアマモレしないのではなく、アマモレする確率がコンクリート造でアスファルト防水の場合は、何%です。
原因としては、ドレンの目詰まり、笠木取合いの防水の劣化などがあります。
木造で、長尺屋根の場合はこのくらいの確率で、また原因としてはこういう原因で漏水が起こる可能性があります。
宇宙船は、絶対にアマモレしない代わりに坪単価が建築物の何百倍です。
などなど。

こう説明するのが正しいのではないでしょうか。

最悪、保全を第3者にお願いするというかたちをとらなければ、健全な事故処理は望めないなどとならないよう、また、建築産業がクレーム産業にならないよう、日々考え行動するべきと自己反省も含め、2回にわたり綴らせていただきました。

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