前々回に引き続き、「塗替え」工事を紹介します。
塗床の種類は、耐久性エポキシ床材です。
それでは、以前紹介した下地処理完了以降を、説明してゆきます。
最初に施工にあたり、材料の取扱注意事項です。
1.火気厳禁
エポキシ材は、危険物に分類されており、引火性または可燃性の材料です。
そのため、材料保管時や施工時における現場付近での喫煙・溶接作業などの火気の使用は避けなければなりません。
万が一の火災に備えて消火器を用意します。
2.換気対策
有機溶剤の揮発により作業室内に有機溶剤が充満した場合は、爆発や酸欠・急性有機溶剤中毒の危険性があります。
送風機などを使用し換気する必要があります。
また、換気が十分にできない場合は、有機溶剤用のマスクの着用などが必要です。
3.保護具の使用
エポキシ材や洗浄剤が皮膚に接触すると、発赤やかぶれなどの皮膚炎症が出ることがあるので、取扱時に保護手袋・保護衣を着用します。
4.材料保管
直射日光・雨・雪の当たらない屋内に保管します。
加熱される場所や火気の周囲には保管せず、40度以下の温度で保管します。
容器は、密栓した状態で保管します。
それでは施工手順です。
下地処理が終わると、いよいよ塗床の工程に入っていきます。
床用塗料の施工のステップ
(今回、某建築現場にて使用した、ABC紹介の耐久性エポキシ床材ーNに基づいて、説明します)
1.プライマー
プライマーの役目は、密着性向上、吸い込み止め、アルカリ押さえなどです。
使用材料
ケミクリートEプライマー
施工方法
ローラー刷毛で均一に塗布する。
塗布間隔
3時間
下記写真は某建築工事現場における、プライマー塗布状況です↓
(クリック拡大)

2.下塗
使用材料
耐久性エポキシ材
施工方法
エポキシ材の基剤と硬化剤を既定の配合で混合し、金ゴテでシゴキ塗布し、ピンホール止めを行う。
塗布間隔
20度以上 10時間
10~20度 18時間
5~15度 24時間
3.墨だし
色分け、ライン、文字書きなどがある場合は、この時点で、位置を出します。
4.上塗
使用材料
耐久性エポキシ材(下塗りと同じ)
施工方法
エポキシ材の基剤と硬化剤を既定の配合で混合し、金ゴテで塗り広げる。
その後、金ゴテで平滑に仕上げ押えをします。
養生
72時間
5.色分け・ライン・文字入れ
上塗り材で、墨出しの位置に従い、色分けします。
下記写真は、色分け・文字書き込み状況です↓
(クリック拡大)

6.完成
その後2日間、養生をして完成です。
(温度23℃、湿度50%時において)
各メーカーそれぞれで、施行技術資料(マニュアル)がありますので、熟読し施工にあたることが大切です。
すべての工事工程に言えることですが、下地と施工環境がすべてです。
この部分は特に気を使わなければなりません。
下地状態や施工部位・気温などの施工条件によって、標準仕様が変化することもあります。
後の補修が困難な場合が多いので、注意する必要があるでしょう。
フロアーシールS 18リットル(9リットル×2) コンクリート床用クリアータイプローラー塗り防塵塗料
ユータッククリーンE U-64 4kgセット 日本特殊塗料
塗床の、塗替え工事を紹介します。
塗床工事は、以前も一度、記事「塗床工法(フェロコンハード)」にしています。
今回は、既存の工場の床を、耐久性エポキシ床材で、塗替える工法・手順です。
塗替え工事で、一番大切なことは、現場を事前に、十分調査することです。
この調査結果を検討し、材料の種類、作業工程、などが決定されます。
塗床は、多くの工場・倉庫・事務所などの床面に、施されています。
経済的で、耐久性・機能性等に優れた材料です。
しかし、塗床もハードな条件下では、次第に傷んできます。
また、材料の耐久性にはもちろん限界もあり、劣化も進んできます。
床用の塗料に求められる機能・性能は、下記です。
美観、
耐久性・耐摩耗性、
耐候性、
耐荷重・耐衝撃性、
耐薬品性・耐油性、
耐水性⇔透湿性、
防汚性能・防塵性・抗菌性、
清潔性・清掃の容易さ、
強度⇔柔軟性、
下地との相性、
安全性(防滑性)、
クラック追従性、
速乾性(業務への影響)、
環境性能(VOC含有度)、
作業性(施工時の)、
タッチアップ性(補修の容易さ)、
経済性
既存床のこのような機能・性能を変えること無く、塗替え工事をおこないます。
手順は以下です。
床用塗料の塗替え工事 施工手順
【1】下地調査 下地の材質、状態を確認します。(傷み、汚れ、割れ…等)
【2】撤去調整 既存の床の塗床材を撤去し、サンディング処理を行います。
【3】素地調整 下地の汚れ落とし、突起物、ゴミ・ダスト、クラック・不陸の修正、目荒らしなどを行ないます。
下記写真は、某建築工事現場の、塗床撤去状況です↓
(クリック拡大)


床研磨機(ハツリ機・ポリッシャー)などを使用して、床材を撤去しています↓
(クリック拡大)


その後は、一般的なエポキシ塗床の工程・作業手順となります。
以下、次回とします。
塗装の種類は多々あり、いままでも4回記事にしていますが、今回は、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「建築工事共通仕様書」によるところの、「つや有合成樹脂エマルションペイント塗」を紹介します。
材料は、JIS-K5660に規定されており、合成樹脂エマルションペイントと着色顔料、体質顔料、補助剤、添加剤等から構成される水系塗料です。
水による希釈が可能で水を加えて塗料に流動性をもたせることができ、臭気が少なく溶剤の揮散による大気汚染や中毒の危険性がない塗料です。
最近の環境問題に適した塗料といえるのでしょう。
塗装工事において、適正な塗膜作るためには、適正な塗布工程が必要です。
それでは、さっそく「素地ごしらえ」からです。
素地ごしらえについては、以前の記事「鉄鋼面の素地ごしらえ」に書いてありますので、再読してみてください。
今回は、「ケイカル面のつやあり合成樹脂エマルションペイント塗」とします。
ケイカルとは、ケイ酸カルシウム板のことです。
この材料は、ケイ酸カルシウムと繊維系物質を化学的に配合して生まれた物質です。
ケイ酸カルシウム板の特徴としては、耐火性・断熱効果・強度に優れていることがあげられます。
さて、そのような素材に対する素地ごしらえです。
せっこうボード面及びその他ボード面の素地ごしらえは下表によります。
種別は特記によります。
特記がなければ、せっこうボードの目地工法が継目処理工法の場合はA種、その他の場合はB種とします。
せっこうボード面及びその他ボード面の素地ごしらえ↓(クリック拡大)

1. 屋外及び水回り部の場合は、工程3及び工程5の合成樹脂エマルションパテは、塩化ビニル樹脂パテとします。
2. 工程3及び5のせっこうボード用目地処理材は、素地がせっこうボードの場合に適用します。
3. けい酸カルシウム板の場合は、工程3の前に吸込止めとして反応形合成樹脂ワニス(2液形エポキシ樹脂ワニス)を全面に塗り、工程7は省略します。
4. 仕上げ材が仕上塗材の場合は、パテ及び工程7の吸込止めは、仕上塗材製造所の指定するものとします。
5. 仕上げ材が壁紙の場合は、パテ及び工程7の吸込止めは、壁紙専用のものとします。
下記写真は、某現場における「ケイカル板」に「つや有合成樹脂エマルションペイント」を施す際の素地ごしらえ状況です↓(クリック拡大)
左より「汚れ、付着物除去」次が「吸込止め」です。

続いて「穴埋め・パテかい」最後が「研磨紙ずり」です。

つづいて、塗装工程です。
コンクリート面・モルタル面・プラスター面・せっこうボード面・その他ボード面等つや有合成樹脂エマルションペイント塗りは、下表により施工します。
種別は特記によります。
特記がなければB種とします。
下記写真が、某現場における「ケイカル板」に「つや有合成樹脂エマルションペイント」を施す際の塗装施工状況です↓(クリック拡大)
左より「下塗り」次が「上塗り」です。

このような下地から仕上げまでの工程を経て、完成となります。
塗装工事の施工管理における一般的な注意事項です。
(a) 塗装場所の気温が5℃以下、湿度が85%以上又は換気が適切でなく結露するなど塗料の乾燥に不適当な場合は、原則として、作業を行わない。
やむを得ず塗装を行う場合は、採暖、換気等の養生を行う。
(b) 外部の塗装は、降雨のおそれのある場合及び強風時には、原則として、行わない。
(c) 塗装面、その周辺、床等に汚染、損傷を与えないように注意し、必要に応じて、あらかじめ塗装箇所周辺に適切な養生を行う。
(d) 塗装を行う場所は、換気に注意して、溶剤による中毒を起こさないようにする。
(e) 火気に注意し、爆発、火災等の事故を起こさないようにする。
また、塗料をふき取った布、塗料の付着した布片等で、自然発火を起こすおそれのあるものは、作業終了後速やかに処置する。
以上、適材適所に応じた、施工管理が大切になります。
塗装シート 建築工事用常用シート 1.8×3.6(m) 15枚入 HS4-1
素地ごしらえは、塗装対象となる素地面の汚れ及び付着物を取り去り、素地に対する塗料の付着性を確保するとともに、素地面を塗装に適した状態に調整するために塗料に先立って実施する作業です。
どんなに性能が優れた塗料を使用しても、素地ごしらえが不適切であれば塗装直後の仕上がりが良好でないばかりか、早い時期に塗膜剥離や素地の劣化を招くことになります。
したがって、素地ごしらえが塗装仕上げの良否を決定するといっても過言ではなく、塗装工事において特に重要な工程です。
素地ごしらえは、塗装対象である木材、金属、セメント系ボード類等の素地の種類によって大きく異なります。
今回は、スチール製のドアに塗装をする際の下地ごしらえを紹介します。
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「建築工事共通仕様書」では、鉄面に対する素地ごしらえの種別をA、B、Cの3種類と規定しています。
A種は、化成皮膜処理であり、主として製作工場にて行なわれます。
B種は、ブラスト法を用いて鉄面の錆を落とし、清浄な鋼材表面を得る素地ごしらえで、この上に施される塗膜の耐久性が向上します。
主として、2液形ポリウレタンエナメル塗や常温乾燥形フッ素樹脂エナメル塗等の高性能で耐久性を期待する塗り仕様には、必ず適用します。
C種は、主として、電動工具、手工具等を使用して、不安定な黒皮や赤錆等を除去する一般的な素地ごしらえです。
種別は設計図書の特記により、特記がなければ、C種とします。
下表が素地ごしらえの工程です。
鉄鋼面の素地ごしらえ(下表クリック拡大↓)

建築工事現場においては、C種による工程が一般的です。
下記写真は、左から素地ごしらえの第3段階「錆落し」におけるペーパー掛け(研磨)状況、その後の鉄鋼面合成樹脂調合ペイント塗(SOP)における、パテ処理および中塗り(1回目)状況です。
クリック拡大↓

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