塗り壁とは、一般的に、左官職人が金属のコテを使い、仕上げる壁を称します。
塗り壁は、左官工がコテのエッジを立てて塗るため、厚みのある凹凸仕上げで、独特で、ハンドクラフト的な質感となり、カラフルで模様のついた壁となります。
外壁に使用する材料は、エマルジョン樹脂を使用した水系の塗材が主で、環境・人体に優しく、高い耐候性と接着性を併せ持ちます。
また、室内用の塗り壁材では体に優しい健康壁の珪藻土が最近の人気ですが、日本古来から使われている漆喰(しっくい)も新素材がでているようです。
それでは、外部塗壁の施工手順です。
一般的な≪アクリル系高耐候性左官仕上材≫のパターン塗とします。
使用材料は、モルタル下地の場合、専用シーラーが必要です。
1液型透明で、水性タイプのアクリル系が一般的です。
あとは、主材です。
下記写真は、ベルアートと、マジックコートの主材です↓(クリック拡大)
主な施工道具は、金ゴテ(剣先ゴテ)です。
下地は、モルタル金ゴテ押さえ(平滑)とします。
最初に塗装する部分の周りを塗装剤が付着しないように、養生します。
1工程.シーラー塗布
施工方法 ローラー刷毛又はスプレーガン
下地に最適なシーラーを選定し、施工します。
3時間以上48時間以内を、乾燥時間とします。
2工程.主材 下塗り
金ゴテにて平滑に塗布します。
夏期 4時間以上
冬期 12時間以上の乾燥を確認後、次工程に移ります。
3工程.主材 配り塗り
金コテにて塗布します。
追いかけ(5分以内)
4工程.パターン付け
配り塗りしたジョリパットが乾燥しないうちに、金ゴテのエッジ部分に軽く力を入れ、コテを少し壁面から浮かすような感覚で扇状に塗りのばして、パターン付けを行ないます。
扇状の模様が規則正しくそろわないよう気を付けます。
乾燥したら、周りの養生をはがして完成です。
<施工のポイント>
1.壁面に対しコテの片側を少し浮かすようにして、コテを滑らせパターンを付けます。
下図参照
2.扇状の模様が規則正しくならないよう、パターン付け始めのコテの角度を変えます。
半径10cmぐらいの扇を描くようにランダムにパターンを付けます。
<入り隅、出隅の処理方法>
・入隅や出隅、幅木のちりは、材料が乾燥する前に水を浸した刷毛(平刷毛など)で押さえます。
<施工の注意事項>
・塗布量が少ないと透ける場合があります。
・コテの大きさや形状によってパターンは多少異なります。
・何度もパターンの手直しをすると、材料が乾燥して皮張りをおこし、仕上がりが悪くなるため、速やかにパターン付けを行なう必要があります。
・施工前に必ずコンパネ等で試し塗りを行い、仕上がり、乾燥性を確認します。
・乾燥が比較的速いため、塗り継ぎ時間に注意します。
(特に大面積を施工する場合は、作業人工や化粧目地による分割を検討しなければなりません。)
・塗手が異なると多少のパターンの違いが表れます。
下記写真は、某現場における左官塗壁(㈱フッコーのマジックコート)の下ゴスリから、仕上塗りまでの状況です↓(クリック拡大)
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