内装工事における、床材の一種である「ビニルシート」に関して記述致します。
過去の関連記事として、2007/03/10「床張用接着剤塗布状況」2008/09/13「長尺シート溶接工法」が、ありますので再読してみてください。
さてそれでは、一般的な床用タイル・シート類の施工手順を紹介します。
a.下地
1) コンクリート直均し仕上げ、モルタル塗り下地においては、下地が十分乾燥している状態で施工します。
やむを得ず不十分な乾燥状態で施工する場合、あるいは土間などで湿気が下地にこもるような場合は、エポキシ樹脂系接着剤を使用します。
すべての内装工事において、大切な基本は下地です。
2)合板等の木質系下地の場合は、釘頭が突出しないように打ち込まれた状態とし、目地についても不陸や2mm以上の透き間のないように管理を行ないます。
b.シート類の貼付け
1)シート類は,施工に先立ち仮敷きを行い巻きぐせ取りを行ないます。
とくにリノリウムについては仮敷きにより十分な伸縮調整を行なうことが大切です。
2)貼付けに先立ち下地はよく清掃の後、約 500g/m2の接着剤を櫛目ごてでむらなく塗布します。
3)貼付けは貼付け方向を正しく取り、空気溜まりを押し出しながら隙間なく平らに貼付けます。柱、出入口周り、改め口などのの周囲の凹凸も、出入りにならって隙間なく貼付けます。
4)貼付け後、はみ出た接着剤を清掃し、ローラーやこてで下地に圧着させます。
5)熱溶接工法の場合は、接合目地部をシート厚の2/3程度の深さにVカットあるいはUカットの後、余盛りを生じる程度に溶接を行ないます。
冷却後、余盛りは平滑に削り取ります。
C.保護ワックス掛け
特記なき限り、タイルあるいはシートの貼り付け後、清拭して、表面保護のための保護ワックス掛けを行ないます。
タイル・シート類の表面保護に使用するワックスについては特記によります。
特記のない場合は、アクリルエマルション系ワックスとします。
下記写真は、某現場における、床ビニルシートの材料搬入状況と、張付け施工状況です↓
(クリック拡大)

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ちょっと、いつもと違う観点で、建物のVOC検査に関して記述致します。
カテゴリーは、ニュアンスが違うのですが、33.安全管理にしました。
最近は、コンクリート、鉄筋等の品質検査に並んで、このVOC検査も行なうようになりました。
VOCとは、人体に有害な揮発性有機化合物の略称です。
新築やリフォーム住宅において「目がチカチカする」「のどが痛い」「めまいや吐き気、頭痛がする」などの症状である「シックハウス症候群」の一因とされているのが、建材や家具等から発生するホルムアルデヒドやVOCなのです。
そこで、シックハウス症候群の対策として、ホルムアルデヒドやVOCを低減化した建築材料を採用したり、VOC検査の実施などに取り組むようになりました。
一般のVOC検査とは、ホルムアルデヒドとVOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の濃度を検査します。
改正建築基準法におけるホルムアルデヒドに関する建築材料の規制は、「居室」と、その居室をとりまく「天井裏等」を対象としています。
それでは、測定方法です。
建物が完成後、1週間以内に行うことが理想的です。
室内空気質の測定方法は大きく分けて、「標準的な測定方法(標準法)」と「パッシブ型採取機器による測定方法(パッシブ法)」と「簡易法」の3種類があります。
「標準的な測定方法(標準法)」は正確に測定できますが、測定機器がやや大がかりで複雑になるので、専門の機関に頼むことが必要です。
「パッシブ型採取機器による測定方法(パッシブ法)」は、分析法が標準法と同じで、精度がよく、バッジ型のものとチューブ型のもの等があります。
測定機器の取り扱いが容易で、専門的な知識や経験がなくても測定できます。
「簡易法」は、取り扱いが容易で、測定結果がすぐにわかります。
しかし、機器によっては精度上の問題があること等により、安定した測定値を得ることが困難です。
そのため、指針値を超えていないことをスクリーニング(室内化学物質濃度のおおよその目安を測定)するために使うことが望ましいとされています。
パッシブ型の具体的測定方法です。
①家全体の窓と室内扉(キッチンや収納等設備類の扉も含みます)を30分開放します。
②その後、5時間、窓のみを密閉します。
その際換気システムは稼動し、台所換気扇は停止します。
③居室の中央付近で床から1.2〜1.5m(息をする高さ)のところに袋からとりだし、裸の状態にした測定バッチをおきます。
(測定バッチを設置する際、設置者の整髪料、たばこ、香水、化粧等には十分注意します)
④設置が終わったら24時間密閉状態で、人が出入りしないようにします。
(このとき、玄関のドアに測定中入室禁止の張紙などをし、立入禁止を明確にします。)
⑤24時間経過したら、すみやかに測定バッチを引き下げ、指定の密閉袋にいれ、検査機関に送り、完了です。
測定を行うにあたっての注意事項です。
・建物と外部ドアに関しては、必ず閉めること。
・室内のドアや収納庫などは開放しておくこと。
・時間帯としては、できる限り一日の中で気温の高い昼前後での測定が望ましい。
一般的な化学物質名と、その発生源の一例です。
1.「ホルムアルデヒド」 合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられるユリア系、メラミン系フェノール系等の合成樹脂、接着剤・一部ののり等の防腐剤
2.「アセトアルデヒド」 木材、一部の接着剤等
3.「トルエン」 内装材等の施工用接着剤、塗料等
4.「キシレン」 内装材等の施工用接着剤、塗料等
5.「エチルベンゼン 内装材等の施工用接着剤、塗料等
6.「スチレン ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等
これらの建材を使用する場合には、できるだけホルムアルデヒドの発散量の少ないものを使用することが大切です。
下記写真は、某集合住宅現場における、パッシブ法のよるVOC検査状況です↓
(クリック拡大)

ホルムアルデヒドによる室内空気汚染に関する設計・施工等規準・同解説
ALC(Autoclaved-Lightweight-Concrete)とは、高温高圧蒸気養生処理して作られた「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる建築材料です。
セメント、石灰、硅砂等を主原料とした多孔質のコンクリートです。
比重0.6前後ですから、ALCは水に浮きます。
しかし、吸水性もあります。
日本におけるALCの歴史は古く40年程前迄さかのぼります。
建築基準法に基づき「ALC構造設計基準」が認定されたのは、昭和58年になります。
もともと、ALCの生まれはヨーロッパで、1930年ごろスウェーデンで工業生産化され、北欧を中心に広がっていったそうです。
ALCの特徴は、下記が挙げられます。
1.不燃であり、有毒ガス・煙をだしません。
2.アスベスト含有率0%です。
3.ホルムアルデヒドをはじめとした有害化学物質を一切含んでいません。
4.高い断熱性能があります。
ALCの断熱性能はコンクリートの約10倍です。
5.遮音性能も評価できます。
6.現場で作るコンクリートに比べ、工期が短くなるほか、品質が安定しています。
7.ALC板の内部には重量を軽くするために多数の気泡があり、水分を吸収しやすく、水分を吸収したALC板は性能が低下してしまいます。
施工の際には、このような特徴を捉え、理解することが大切です。
特に、外壁等に使用する場合は、雨水に対する処理を充分検討する必要があります。
(皮膜塗装の種類、地盤面からの基礎立ち上がり寸法等)
ALCは建物のいろいろな部位に採用されています。
1.外壁
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm 200mm
鉄骨造(C型鋼胴縁下地) -ALC厚- 50mm
木造 -ALC厚- 35mm 37mm 50mm
2.床
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm
木造 -ALC厚- 35mm 75mm 80mm
3.屋根
鉄骨造 -ALC厚- 100mm 120mm 125mm 150mm
4.間仕切
鉄骨造 -ALC厚- 75mm 80mm 100mm 120mm 125mm 150mm
5.耐火野地板(屋根下地) 鉄骨造 -ALC厚- 50mm
6.耐火被覆(柱・梁) 鉄骨造 -ALC厚- 50mm
外壁部分の、ALC施工手順です。
現在、ALCパネルの厚さは、50mm、もしくは100mmが一般的であり、施工方法が違います。
50mm以下の薄形パネルは、ビスにより下地胴縁に取付ける構法です。
それに対し、100mm以上の壁における施工方法は下記によります。
1.工事範囲、構法の確認、取付け位置の確認、施工図の確認
2.足元金物工事-ALCを取り付ける為に基礎の部分に、フラットバー金物を取付けます。(階高、風荷重によりアングル金物になる場合もあります)
3.下地金物工事-ALCを取り付ける為に各階の鉄骨梁の部分に、アングル金物を取り付けます。
4.建込み工事-ALC専用取付金物を下地金物に取り付けて、建て込みます。
5.シーリング工事-ALCを建て込んだ後、版と版の間にシーリングをします。
6.清掃して、ALC工事完了です。
壁ロッキング構法では出入隅部やベランダ等の腰壁との取合いおよび、階毎の水平目地にパネル伸縮目地を設けます。
伸縮目地のクリアランスは出入隅部では10~20mm、腰壁や他部材との取合いでは20mm、階毎の水平目地では10mmを標準とします。
左が、現場に外壁用ALC100mm材料を搬入してきた状況写真で、右側が外側スラブ面に下地のアングルを溶接している作業状況です↓

足元下地アングルの取付け完了写真と、作業員2名にて100mmの版を吊りながら設置している作業状況です↓

ALC建築設計のポイント
床の下地工法には、いろいろありますが、今回は「ネダフォーム」を紹介します。
「ネダフォーム」とは、発泡ポリスチレンフォームからなるコンクリート床及び木造床下パネルです。
床下地工法には、「根太工法」(根太を組み、下地から床面を離す工法)と「直貼工法」(下地に直接床仕上げ材を貼る方法)があります。
下記は一般的な床下地施工方法です。
「根太工法」
1.木床組+合板+仕上げ材
2.アジャストフロアー+合板+仕上げ材
3.システムフロアー
4.鋼製床組
5.ネダフォーム+合板+仕上げ材
「直貼工法」
1.コンクリート金ゴテ+仕上げ材
2.モルタル金ゴテ+仕上げ材
ネダフォームの一般的な特徴を列記します。
1.床下地材が断熱材そのものであることにより、床仕上工事の施工合理化を図ることができる。
2.床重量衝撃音の軽減になる。
3.高断熱、高遮音など高性能の各種製品を選択することが可能です。
4.原料にホルムアルデヒドを使用しておらず、区分は F☆☆☆☆等級です。
5. 適度な弾力性により、歩行感が良く疲れにくく、転倒時の安全性が高い。
さて、施工方法です。
コンクリート床下地に、ネダフォームを使用し、フローリングを張る迄の施行手順です。
最初に、床レベル、及び割付図に基づいた墨出しを行います。
壁との取合い部分に木製際根太を施工します。
コンクリート面に、専用接着剤ネダタイトを塗布します。
次の段階として、モルタル団子(専用レベル調整材ネダモルト)を敷きながらパネルを設置していきます。
使用するパネルは、上張りが出来る、合成木材の桟木が303mmピッチで入っている製品を、使用します。
レベルを調整して完成です。
この上に直接床材(フローリング)を張ることが可能です。
北海道の場合、この工法に断熱性能をすべて負担させることはあまりありませんが、歩行感は確かにすばらしいと感じます。
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