仮設工事

建築工事における「親綱、支柱、安全ネット」その2

2009年6月7日

前回に引き続き「親綱、支柱、安全ネット、その2」を紹介します。

墜落・転落、飛来・落下の予測される作業エリアには、必ず安全ネット等の水平養生を設置しなければなりません。

ここでは、前回に倣って、鉄骨造平屋建ての倉庫を例にとり、説明します。

親綱のときと同じく先行設置を心がけ、安全で先を見越した設置を実行します。

1.安全水平ネットの設置方法

梁にネットをぶら下げて設置する方法です。
事前に大梁・小梁に水平ネットのサイズを確認し、セットして置きます。

この時にサイズによっては大きすぎる場合は折りたたむなどします。
吊ったときに風の影響も受けやすいので考慮してセットします。

ネットは、吊りひも、もしくは吊クランプを使用して、吊り下げます。
吊りクランプの特長は、フックタイプなので、ネットの取付け、取外しがワンタッチで簡易です。

締め付けボルトは、鉄骨にしっかり固定できる窪み先ボルトで、信頼性があります。
最近は、この吊りクランプを使うことが多いです。

水平ネットのネットクランプのピッチは、下記によります。

社団法人仮設工業会の「安全ネットの構造等に関する安全基準と解説」によると「安全ネットの支持間隔は安全ネット周辺と、作業場所のあきから墜落することのないように定めなければならない」とあります。

ネットを設置したときの周囲の隙間が15cmから20cm以内となるようにネットクランプの支持間隔を決定することが必要です。
2m以内また設置の範囲によっては90cm以内毎での設置が必要となります。

2.安全水平ネットの設置方法

セットした梁を玉掛けします。
大きな吊荷になりますので、周囲の確認が大切となります。
この時に、重機や建物、人間、道具、資材がひっかかる可能性もあるので十分に注意が必要です。

当然作業範囲内は、関係者以外立ち入り禁止です。
吊荷を操作する介錯ロープは必ず必要となります。

高所では風の影響が大きいので、重機のオペレーターも注意が必要です。
高所の作業員の様子、合図等を確認してゆっくりと指定の位置にもって行きます。

下記写真は、某現場における梁を設置している作業状況です↓(安全水平ネット吊り込み)

(クリック拡大)
安全水平ネット01

 

 

高所の作業員は、重機をうまく利用して水平ネットを容易に設置します。
微調整の合図を指示しながら最終的には、梁の接合と水平ネットが同時に完了できるようにします。
常に、安全帯か水平ネットがある状態を保って安全作業するようにします。

下記写真は、某現場における安全水平ネットを張った状況写真です↓

(クリック拡大)
安全水平ネット02 安全水平ネット03

安全水平ネットの材料は、強靭で復元性がよく、軽くて取り扱いやすいものが求められます。

大きさの規格は1mx10m、2x10、3x6、5x5、5x10、6x6、6x10、7x10、8x10、9x9、10x10などがあります。
安全水平ネットは、安全第一で作業するために、また作業員の命を守るために欠かせない大切な設備のひとつです。

材料
(クリック拡大)
安全水平ネット04

 

 

安全ネットの張り方は、施工手順も含め、事前に作業計画等で、綿密に考慮する必要があります。

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