解体工事 産廃処理

アスベスト処理 (レベル3) その1(発じん性が比較的低い作業)

2011年1月9日

新年第2弾は、アスベストをちょっとかじってみます。

また今回から、「36.解体工事」のカテゴリーを作成しました。

皆さんご存じの、悪名高きアスベストとは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物です。

日本名では、アスベスト鉱石をほぐすと、綿のような形状であることから石綿(「いしわた」、または「せきめん」)と呼ばれています。

以前より、アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に優れており、
さらに、安価であるため、建材、電気製品、 自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきました。

ただし、その石綿粉塵が呼吸とともに人体に吸い込まれると、体内で分解されず細胞に突き刺さり、20年から40年潜伏した後に、肺がんや中皮腫などの重大な健康被害をもたらすことが、近年明らかになりました。

そこで日本では、平成18年9月1日をもって、アスベストが、0.1%を超えて含有する全てのアスベスト製品の製造・輸入・譲渡・提供・新規の使用が、全面禁止となりました。

建物の解体やリフォームを行う場合などでは、アスベスト含有の事前調査を行います。

まず、施工図面等の設計図書で、建物や建材の石綿使用の有無を確かめます。

その結果、不明の場合は現場の検査・確認をし、目視・分析により作業の対応を判断致します。

その上で石綿の含有が不明の場合や、正確な含有濃度を測定する場合には検体のサンプル採取による、石綿濃度の分析調査を行います。

その結果、アスベストは、3つのレベルに分かれます。

アスベストレベルとは、『建設業労働災害防止協会』により定められている石綿含有建材別作業レベル区分のことです。

石綿の除去工事や処理をする際、レベルに応じた適切な処理をするための基準とされます。

これは、レベル1・レベル2・レベル3の三つに分類されています。

レベル1とは、

著しく発じん量が多い作業で、作業場所の隔離や高濃度の粉じん量に対応した防じんマスク、保護衣を適切に使用するなど、厳重なばく露防止対策が必要なレベル。
吹付け石綿など。

レベル2

比重が小さく、発じんしやすい製品の除去作業であり、レベル1に準じて高いばく露防止対策が必要なレベル。
①石綿保温材
②けいそう土保温材
③パーライト保温材
上と同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材。

レベル3

発じん性が比較的低い作業で、破砕、切断等の作業においては発じんを伴うため、湿式作業を原則とし、発じんレベルに応じた防じんマスクを必要とするレベル。
上記以外の石綿含有建材

このように分類されるのです。

今回は、某現場における、レベル3のアスベスト除去を紹介します。

作業手順を追ってゆきます。

除去するものは、石綿含有建材(アスベスト成形板)です。

1.機材の搬入

所定の場所に機材を搬入し、整頓して保管する。
機材とは、真空掃除機、アスベスト廃棄用ポリ袋、保護マスク、保護手袋、保護衣、区画用ポリエチレンシート、散水用噴霧器などです。

2.アスベスト取り扱い作業であることの表示を行う。

(1) 工事関係者以外立入禁止の表示と措置(特化則24条)(石綿則第7条)

(2) 作業主任者と職務内容の表示(安衛則18条)(石綿則第33条)

(3) 石綿処理工事であることの表示(石綿則第34条)

① 石綿処理工事であることの表示
② 石綿の有害性、人体に及ぼす作用の表示
③ 石綿の取扱上の注意事項の表示
④ 使用すべき保護具の表示

(4) 石綿の有害性、注意事項、保護具仕様等の表示(特化則38の3)

(5) 作業場所での喫煙・飲食禁止の表示(特化則38の3)(石綿則第33条)

下記写真は、某現場における仮囲いに掲示した、石綿解体作業に関するお知らせ看板です↓
(クリック拡大)
asubesuto01

3.養生作業 (石綿則第14条)

作業員には、防じんマスク・保護マスク・保護衣を着用させます。

下記写真は、某現場におけるレベル3の成形板除去の保護衣です↓
また、もう一枚の写真は、作業にかかる前の、教育状況です↓
(クリック拡大)
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レベル3は、非飛散形とも呼ばれ、比較的撤去に関する管理がレベル1,2と比較するとゆるいですが、決められたことを必ず守り、作業することが肝心です。

次回は、この続きから、いよいよ撤去にかかります。

 

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