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板ガラス取付状況(建築工事編)

硝子工事に関しては、以前ガラスブロックの記事を掲載しただけで、今までは一度もありませんでした。

今回は、硝子に関しての一般的な事項と、取付工法などを紹介します。

硝子を分類すると、建築物の建具・装飾等に使われる「板ガラス」、自動車等の車両に使用される「自動車用加工ガラス」、その他、ディスプレィ、化学品、エレクトロニクス事業などに、分けられます。

今回は、建築工事に用いられる板ガラスを記載します。

最初に材料の種類です。

(1) フロート板ガラス
溶融した硝子(約1600℃)を溶融した金属(錫)の上に浮かべて製板するフロートシステムにより生産される透明、かつ、きわめて平滑な硝子。
現在、流通する板ガラスの主流です。
板厚さは、2ミリから19ミリまで10種類あります。

(2) 型板ガラス
2本の水冷ローラーの間に、直接溶解した硝子を通して製板するロールアウト法により生産される硝子。
下部のローラーで型付けさせます。
型は、旧来のものが数種類に整理されており、選択には注意が必要です。

(3) 網入板ガラス及び線入板ガラス
(2)のロールアウト法の2本のローラーの間に、同時に網(線)を挿入して生産される硝子。
網入板ガラスは、乙種防火戸用として認定されていますが、線入板ガラスは、乙種防火戸用としては使用出来ません。

(4) 合わせガラス
2枚以上の硝子の間に接着力の強い特殊樹脂フィルム(中間膜)を挟み、高温高圧で接着し、生産される硝子。
破損しても中間膜によって破片の大部分が飛散しない性質があります。
用途は、住宅や学校用の安全硝子の他、高層階のベランダ手摺や中間膜を種々変えた装飾用等があります。

(5) 強化ガラス
硝子を強化炉で650から700℃程度まで加熱した後、両表面に空気を吹付け急冷して硝子表面付近に強い圧縮応力層を形成し、耐風圧強度を約3倍に高めた硝子。
破損時の破片は、細片になるので鋭利な破片は生じにくい性質があります。
用途は、枠の無い強化硝子ドアや手摺等の他、住宅や学校用の安全硝子等に使用されます。

(6) 熱線吸収板ガラス
フロートシステムにより生産される板ガラスで、硝子原材料に日射吸収特性に優れた金属を加え、着色し生産される硝子。
硝子の色は、ブルー、グレー、ブロンズの他、近年グリーンが加わりました。
熱線吸収効果で、日射を30〜40%程度吸収し、冷房負荷の軽減効果があります。

(7) 複層ガラス
一般に2枚の硝子をスペーサーで一定の間隔(一般に6mm又は12mm)に保ち、その周囲を封着材(一般にプチルゴム)で密閉し、内部に乾燥空気(内部の圧力は外気圧に近い)を満たした硝子。
断熱効果が高く、冷暖房負荷の軽減効果と結露防止効果があります。

(8) 熱線反射ガラス
硝子の片面に金属反射薄膜を付け、生産される硝子。
ミラー効果、可視光線を遮り、窓際の眩しさや局部的な昇温の防止、冷房負荷の軽減効果等があります。

(9) 倍強度ガラス
強化硝子と同様な加熱処理を行ない、耐風圧強度を約2倍に高めた硝子。
用途は、一般窓ガラス用ですが、フロート板ガラスでは厚さが不足するような風圧力が大きく、かつ、開口面積が大きい部位に使用します。

次に、ガラス留め材を紹介します。

建具枠に板ガラスを固定させ、且つ、板ガラスの耐風圧性、建具としての気密性、水密性及び耐震性等が確保出来るものを「ガラス留め材」と称します。

ガラス留め材は,次の(A)及び(B)により,種別は設計図書の特記によります。

ただし,防火戸のガラスの留め材は,防火戸が建築基準法第2条第九号の二ロの規定に基づき定められ又は認定を受けた条件によります。

(A) ガラス留めに用いるシーリング材は、JIS-A-5758(建築用シーリング材)に規定されるタイプGが用いられます。
各種性能を確保するためには、シーリング材の充填巾(目地巾)に一定の制限があります。

(B) アルミニウム製建具のガラスのはめ込みに用いるガスケットは、JIS A 5756(建築用ガスケット)により、種類はグレイジングチャンネル、グレイジングビード、グレイジングビード(先・後付け)及びグレイジングビード(スカイライト)の4種類があります。
特記がなければ、枠見込み70mmのサッシに用いる引違い及び片引きの障子の場合は、グレイジングチャンネル形とします。

(c) セッティングブロック
建具下辺の硝子溝内に置き、硝子の自重を支え、建具と硝子の接触を防げる小片であり、一般に硝子の横巾寸法のおおよそ1/4のところに2カ所設置します。
材料は、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム又は塩化ビニル樹脂製などがあり、ガラスの大きさに相応したものとします。

ガラス溝の寸法、形状等です。

(a) 板ガラスをはめ込む溝の大きさ(面クリアランス,エッジクリアランス及び掛り代)は、設計図書特記によります。
特記がなければ、アルミニウム製建具、鋼製建具及びステンレス製建具の場合は、規定値とします。
合わせガラスを使用する場合は、ガラスの合計厚さによります。

(b) 外部に面する複層ガラス、合わせガラス、網入り板ガラス及び線入り板ガラスを用いる下端ガラス溝には、径6mm以上の水抜き孔を2箇所以上設ける必要があります。
また、セッティングブロックによるせき止めがある場合には、セッティングブロックの中間に1箇所追加します。

それでは、建具に硝子を入れ込む施工手順です。

(a) ガラスの切断、小口処理を下記手順に基づき、行ないます。
(1) 板ガラスの切断は,クリアカットとし,形状及び寸法を正確に行ないます。(建具を採寸します)
(2) ガラス端部で枠にのみ込まない部分は、小口加工とします。
(3) 外部に面する網入り板ガラス等の下辺小口及び縦小口下端より1/4の高さには、ガラス用防錆塗料又は防錆テープを用い防錆処置を行ないます。

(b) ガラスのはめ込み
(1) シーリング材を用いる場合は、セッティングブロックを敷き込み、ガラスを溝の中央に保ち、シーリング材を充填します。
(2) グレイジングガスケットを用いる場合は、ガスケットを伸ばさないようにし、各隅を確実に留め付けます。
なお、グレイジングビードを用いる場合は、セッティングブロックを敷き込みます。
(3) 熱線反射ガラスの映像調整は,特記によります。
(4) 木製建具で、押縁留めの場合は、ガラスを入れ、押縁で押さえます。
落し込みの場合は、ガラスを入れ、かまち回りをシーリング材で固定します。

(c) 養生及び清掃
(1) ガラスのはめ込み後は、(2)の清掃まで破損等の生じないように、適切な表示、養生等を行なう必要があります。
(2) 建物完成期日にあわせ、新設したガラスの内外面を清掃します。

硝子の種類は多種多様にわたっており、前もって取付け場所及び条件を充分検討し、最適な材料・工法を選択することが大切です。

大型窓ガラスを取り付けている状況と、硝子シーリング施工状況です↓

JISハンドブック(ガラス 2008)




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