アスファルト防水-その2に引き続き、その3です。
前回は、プライマー塗付及びアスファルト溶融まで記述しました。
いよいよ、ルーフィングの貼り付けです。
某現場のアスファルト防水材料です↓(クリック拡大)
何と、背景に雪が!!
作業手順です。
(d) アスファルトルーフィング類の張付け
(1) 出隅、入隅、下地目地部等は、一般部分の張付けに先立ち、下記の増張りを行ないます。
(ア) コンクリートスラブの打継ぎ箇所及び著しいひび割れ箇所には、幅100mm 程度の絶縁用テープを張り付け、その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りします。
(イ) 出隅及び入隅並びに立上りの出隅及び入隅には、幅300mm 以上のストレッチルーフィングを最下層に増張りします。
ただし、屋根露出防水の絶縁工法における出隅及び入隅では、幅700mm 以上のストレッチルーフィングを用いて、平場へ500mm以上張り掛けて増張りします。
増し張りは、最初に行う大切な作業です。
(2) 平場の張付け
(ア) アスファルトルーフィング類の張付けは、空隙、気泡、しわ等が生じないように平均に押し均して、下層に密着するように行ないます。
下記写真は、溶融釜より、アスファルトを取り出している作業状況です↓(クリック拡大)
さらに、ルーフィングを張付けている作業状況です↓(クリック拡大)
なお、空隙、気泡、しわ等の生じた場合は、各層ごとに直ちに補修します。
(イ) アスファルトルーフィング類の継目は、縦横とも、原則として、100mm以上重ね合わせ、水下側のアスファルトルーフィングが、原則として、下側になるよう張り重ねます。
ルーフィング材料に100mmのラインが入っていますので、それに合わせます。
水下が下側というのは、基本中の基本です。
(ウ) アスファルトルーフィング類の上下層の継目は、同一箇所にならないようにします。
(エ) 立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付けます。
ただし,立上りの高さが400mm未満の場合は、平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができます。
なお、立上りと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は、立上り部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に150mm以上張り掛けます。
次に立ち上がりです。
(3) 立上り部の張付け
(ア) 各屋根及び屋内保護防水工法における防水層の立上り部の納まりは、最上層が所定の位置にくるようにし、下層になるほど30mm程度ずつ短くして、端部が厚くならないようにし、次に幅100mm程度の網状アスファルトルーフィングを増張りし、溶融アスファルトで目つぶし塗りをして押さえたのち、端部にシール材を塗り付けます。
(イ) 各屋根露出防水工法における防水層の立上り部の納まりは、所定の位置に各層の端部をそろえ、押え金物で固定した上に、シール材を充填します。
(ウ) 押え金物は、ステンレスビスを用いて、両端を押さえ、間隔450mm程度に留め付けます。
(4) ルーフドレン、和風便器、配管等との取合い
じつは、漏水の原因のほとんどがこの部分の施工です。
よって、非常に大切です。
(ア) 各層を、よくなじませながら入念に施工します。
(イ) ルーフドレン回りは、最下層にドレンのつばとスラブ面の両方に張り掛けるように300mm以上ストレッチルーフィングを増張りし、平場のルーフィング類を張り重ねます。
また、ドレン回りの増張りとパラペットの入隅の増張りとが重なる部分は、一方を省略することができます。
(ウ) 和風便器及び配管回りは、最下層及び最上層に網状アスファルトルーフィングを増張りします。
(エ) 配管類の場合は、ステンレス製既製バンドで防水層端部を締め付け、上部にシール材を塗り付けます。
ここまででルーフィング貼り付けは完成です。
このあと、保護層(断熱材、コンクリート、レンガ積み、モルタル塗等)がある場合は、施工して一連の防水工事の完了です。
保護層を設けない場合は、保護仕上げ塗料(アクリル樹脂を主成分とするエマルションタイプの防水工事用保護塗料)などを塗布します。
この材料は、耐候性、耐久性に優れ防水層を熱や紫外線から保護します。
また、最近はいろいろなタイプの軽歩行用屋上仕上げ材も、使われています。
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