新しいカテゴリー「外構工事」です。
建築工事において、外構とは、敷地内の建物以外の外廻りの工事をさすことが一般的です。
種類としては、排水工事(枡、側溝など、これは設備工事と重複します)、植栽工事、舗装工事、附帯工作物工事(門、塀、ゴミ置き場、看板、車庫、物置など、これらは雑工事等に含む場合もあります)、その他(縁石、ライン、化粧砂利、芝張など)があります。
今回は、舗装工事の中の、アスファルト舗装について記述します。
前回、前々回と「アスファルト防水工事」の記事を書きましたが、そもそもアスファルト(Asphalt)とは、原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質の素材です。
粘度の高い液体であり、常温ではほとんど流動しないものが多く、道路の舗装や防水剤などに使われます。
アスファルト舗装とは、そのアスファルトと骨材を結合して作った表層を持つ舗装で、一般的に上から表層、基層、上層路盤、下層路盤の4層からなり、その下を路床と呼びます。
表層から下層路盤までが舗装にあたり、大型車の交通量が少ない路線では表層と路盤のみで構成されることが多いです。
それでは、それぞれの言葉の定義です。
1.表層
道路の表面(最上層)のことで、一層が5cm程度のアスファルト混合物の層です。
その層の役割は交通荷重を分散して下層に伝達するとともに、交通荷重による流動、摩耗、ひびわれに抵抗し、平坦ですべりにくく、快適な走行が可能な路面を確保することです。
2.基層
表層の一つ下層に敷設される5cm程度のアスファルト混合物の層です。
表層に加わる交通荷重を路盤に均一に伝達します。
重車両の交通量に応じて省略されることがあります。
3.路盤(上層路盤・下層路盤)
路盤は、上層から伝達された交通荷重をさらに分散させ路床に伝達します。
上層路盤
基層(または表層)の下層に敷設される層を指します。
下層路盤
上層路盤の下の層です。
4.路床
舗装の直下にあたる約1mの部分。
路床は舗装と一体になって交通荷重を支持し、路床の下部にある路体に対して交通荷重をほぼ一定に分散させます。
盛土区間では良質土により十分に締め固められた層が構築され、切土区間の多くでは現地盤がそのまま用いられます。
軟弱地盤では、一定の厚さの地盤を良質土で置き換えたり、セメントや石灰等による安定処理工法が施されます。
続いて、アスファルト舗装の工法です。
施工時の気温が5℃以下の場合は、原則として、施工を行わず、また、作業中に雨が降り出した場合は、直ちに作業を中止します。
それでは、順番に紹介します。
(1) アスファルト乳剤の散布
乳剤とは、道路舗装の表層(及び基層)を施工する際、防水効果を得たり、合材との接着をよくするためにまかれる褐色の液体です。
また舗裝の継ぎ目にも隙間からの破損等を防ぐために流し込まれます。
水とアスファルトを界面活性剤を使って混合させたもので、水分が蒸発すると黒色になりアスファルト分だけが残ります。
表層と基層間に撒かれるものをタックコート、合材と路盤間に撒かれるものをプライムコート、継ぎ目に流し込まれるものをシールコートと呼びます。
乳剤の散布量は,プライムコート1.5ℓ/m2,タックコート0.4ℓ/m2程度を標準とします。
アスファルト乳剤の散布に当たっては,散布温度に注意し,縁石等の構造物は汚さないようにして均一に散布します。
下記写真は、プライムコートを散布している工事状況です(クリック拡大)
(2) アスファルト混合物等の敷均し
アスファルト混合物等は、所定の形状、寸法に敷き均します。
アスファルト混合物等の敷均しは、原則として、フィニッシャによるものとします。
ただし、機械を使用できない狭いところや軽易な場合は、人力によることができます。
アスファルト混合物等の敷均し時の温度は,110℃以上とします。
アスファルト混合物等の敷均しに当たっては、その下層表面が湿っていないときに施工します。
アスファルト混合物等の敷均し作業中に雨が降り出して作業を中止する場合は、既に敷き均した箇所のアスファルト混合物等を速やかに締め固めて仕上げを完了します。
アスファルト混合物等は、敷均し後、所定の勾配を確保し、水たまりを生じないように、締め固めて仕上げます。
以上で完了です。
実際に、アスファルト舗装を施工する場合には、
フィニッシャーマン(フィニッシャー運転)
アジャスターマン(フィニッシャーのアジャスター調整)
レイキマン 2人程度(フィニッシャーの施工した端の処理や最終的な合材の調整)
スコップマン2人程度(レイキマンの処理した合材の処理や大まかな合材調整)
ローラーマン 2人程度(プレートや振動ローラやコンバインドローラやタイヤローラでの転圧)
などの、役割を行なう人員が必要になります。
施工の善し悪しも、このチームにより決定します。
安全面では、重機災害防止および、アスファルト合材の温度が150℃近辺になるので、真夏の舗装作業の、熱中症対策を十分に取る必要があります。
下記写真は、某現場において、フィニッシャーによるアスファルト合材敷設状況です(クリック拡大)
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