労働安全衛生法 安全管理

重機の積込みには危険がいっぱい!(危険予知訓練)建築工事現場編

2013年4月22日

前回に引き続き、危険予知訓練です。

今回は、重機の積み卸しの際に起こりうる災害について考えてみました。

ユンボ(重機)の事故は、段差乗り越え時や、車両の積み卸しの時が一番多いそうです。

乗車中の横転は、即死亡事故にもなりかねません。

それでは早速、危険予知訓練です。

この状況で予知される災害は?

ユンボ積込02

ミニ油圧ショベルを4トントラックに載せようとしています。

道板は使わずに、ブームとアームでまずクローラ先端部をトラックの荷台に載せ、次いで、旋回して後側を上げて荷台に乗り込むところです。

さて、この状況からどんな危険が予知されるでしょうか?

こんな災害が発生しました!

ユンボ積込03

オペレータは運転席から投げ出され、機体の下敷きとなって死亡しました。

 

災害発生防止のポイント

ユンボ積込01

1.​車両系建設機械を移送する場合は、安全確保のため専用の車両を使用し、積み降ろしに際しては道板等を使用する。

2.​建設機械の積み降ろしは、作業指揮者を定め、その者の指揮のもとで作業を行う。

3.作業指揮者は、安全対策を含めた積み降ろしの作業手順、方法を決定し、関係作業者に周知させる。

4.当該作業に関する危険、および危険要因を具体的に示した安全教育を実施し、安全意識の向上を図る。

 

再発防止対策

同種災害防止のためには、以下の対策が考えられます。

1、 建設機械の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれがある場合には、誘導者を配置し、安全な誘導のもとに作業を行うこと。

2、 建設機械を積込むときは、傾斜や凹凸のない場所において、道板等を使用して積込むことが横転事故発生の防止に非常に有効です。

 

関係法令があります!

労働安全衛生法第20条第1項(労働安全衛生規則第161条)

事業者は、車両系建設機械を移送するために自走又はけん引により貨物自動車等に積卸を行う場合において、道板、盛土等を使用するときは、当該車両系建設機械の転倒、転落等による危険を防止するため次に定めるところによらなければならない。

一、 積卸は、平たんで堅固な場所において行うこと。

二、 道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当な勾配で確実に取り付けること。

三、 盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅強度及び勾配を確保すること。

下記写真は、工事現場で重機をトレーラーから降ろしている作業状況です。
(クリック拡大)

ユンボ積込04 ユンボ積込05 ユンボ積込06

このような法律を遵守し、安全な積み卸し作業をおこなうことが大切です。

叉、万が一、重機の横転事故が発生した際、一概には言えませんが、運転者が運転席キャビンより飛び出すことは、かえって下敷きとなる可能性があり危険です。

昨今は、各メーカーともに現行のドラグショベル等について、トレーラーからの横転程度では運転席キャビンが損壊しないよう安全性を高く設計しており、ドアを閉めた状態だと一層強固なものとなるようになっています。

作業時は、運転席ドアを閉めること、シートベルト装着車両についてはシートベルトを使用すること等は、運転者が下敷きとなる大変危険な事態を回避することに、とても有効です。

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