建築の内装工事において、天井材の一つである「岩綿吸音板」を紹介します。
おなじ天井材の仲間「ジプトーン」は、以前記事にしていますので、再読してみてください。
総して「岩綿吸音板」(がんめんきゅうおんばん)とは、
無機質繊維の岩綿(ロックウール)を主原料として板状に成型し、表面仕上げをした内装材です。
特徴として、吸音性・断熱性・防火性などに優れた不燃材で、主に天井材に用いられます。
優れた吸音性能は、素材のロックウールによります。
また、大きな断熱効果があることにより、熱抵抗が高いため、室内の温度を一定に保ち、冬暖かく、夏涼しいという特性を持ちます。
まさしく、環境に優しい素材ですね。(もちろんその事象に見合った価格設定になっていますが)
皆さんの近くでは、オフィスビル、エントランス付近の天井、ショールームの天井などに用いられているはずです。
他には、地下通路、駅のプラットフォームの天井や階段室などにも、使用されています。
材料は、四隅が鋭角になっています。(面取りされていない)
よって、直張すると不陸が生じて材料同士に目違いが生じます。
又、直張の場合はビスで天井下地に止めることになるので、見た目が良くありません。
材料単体では強度が低くもろい材料なので、一般的に、t9.5の石膏ボードを下張りして、岩綿吸音板を接着材併用でタッカー(ステープル)止めします。
ここが、ジプトーンとの一番の違いではないでしょうか。
つまり、施工がジプトーンの2倍手間がかかるということです。
また、接着剤を使うということは、手直しの際は、すべて下地ごと壊すしかありません。
雨漏れして、天井を一部張り替えるなどとなると、大変一大事です。
現在生産されている岩綿吸音板の主な製品には、ミネラトーン(日本ソーラトン㈱)、ソーラトン(日本ソーラトン㈱)、ダイロートン(大建工業㈱)、ロッキー(パナソニック電工㈱)があります。
タッカーを使用する際は、コンプレッサーをホースでつなぎます。
コンプレッサーは高圧の空気を送り出すエアーツールで、タッカーにピンを入れてエアーの力でピンを打ち出します。
貼り方は「千鳥張り」が主です。
下で紹介しているビデオは、建築工事現場において、ロックウール化粧吸音板のソーラトンを貼付けている施工状況です。
ローリング足場の上にて、接着材を併用し、吸音板をタッカー留めしています。
ソーラトンは、平板であるフィッシャー柄となっています。
また、併用してストライプ板も、貼付けています。
凹凸による影が創造的な天井を造り出します。
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