左官工事のひとつで、床を、コテで押さえて仕上げる作業です。
適用の対象となるのは、この上に直接床材を張る場合、または工場、倉庫等でこのままで床を使用する場合等があります。
「建築工事共通仕様書」では、床面の仕上がりの精度は下記にて規定しています。
- 壁の巾木周りは、3mにつき3mm以内とする。
- 仕上がり面でのむらは目視により支障が無い程度にする。
- 合成樹脂塗り床、ビニル系床材、コンクリート直均し仕上げの場合、3mにつき7mm以内とする。
- カーペット張り、防水下地の場合、3mにつき10mm以内とする。
- タイル張り、モルタル塗り等の場合、1mにつき10mm以内とする。
もちろん、上記規定内だからといって、仕上げ材が納まらなかったり、建具の扉が床に擦ってしまったり等の障害は論外です。
左官工事は、昔に比べると量は減っていますが、床コンクリート押さえの仕事は非常に大切な部分です。
この工法の工程は、下記によります。
- コンクリート打設にともない、レベルに合わせコンクリートをならします。
- 中むら取りを木ゴテで行います。
- 踏み板を用いて、金ゴテ押さえを行い、セメントペーストを充分に表面に浮き出させます。
- 締まり具合を観て、金ゴテで強く押さえ平滑にします。
- 床仕上げ厚が薄い場合等には、金ゴテ仕上げで、下ずり、中ずり及び仕上ずりの三工程を行います。
金ゴテ仕上げの段階で、コンクリートが締まり過ぎ、不陸・コテむらがとれなくなったりしたときに、セメントや水等を表面に散布したりすると、耐摩耗性が無くなったり、その部分が剥離する等の支障をきたす事があるので注意が必要です。
また、最終の押さえは、コンクリートの調合、気温、スラブ厚さ等により、その時機の判断が難しく、真夜中になる事等もあるので、作業環境も含め諸条件を前もって計画しておかなければなりません。
下記写真は、上記工程の3の段階です↓
建築工事標準仕様書・同解説(15)第6版 JASS 15 左官工事 [ 日本建築学会 ]
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