以前の記事「鉄筋工事 (ガス圧接)on 2006年12月14日」で、一度、ガス圧接の概要について、取り上げています。 鉄筋をつなぐ方法には、
必見!
鉄筋を一定の長さに重ねる「重ね継手」、
鉄筋を加熱・加圧しながらつなぐ「ガス圧接継手」、
カプラーなどによって鉄筋をつなぐ「機械式継手」、
溶接による「溶接継手」の4つの工法があります。
さらに、一歩踏み込んだ手順を、紹介致します。
下記作業手順は、某建築現場における「鉄筋ガス圧接工事施工要領書」の抜粋です。
鉄筋ガス圧接作業手順
圧接端面の処理
平滑な圧接端面(2mm以下)確保のため、圧接面を出来るだけ平坦に研削または、切断します。
下記写真は、鉄筋切断面のサンダー掛け状況です↓
(クリック拡大)
また、圧接端面から100mm程度の範囲に、油脂、塗料、セメントペーストなどが付着している場合は除去しておきます。
加圧及び加熱
加圧及び加熱作業は、次の順序及び方法で行うのを標準とします。
①圧接器取付
鉄筋に圧接器を取付、加圧したとき、鉄筋突き合わせ面の隙間が2mm以下で、偏心、曲がりのないことを、目線によって確認します。
②一次加圧、加熱
圧接する鉄筋の軸方向に鉄筋断面積あたり30MPa以上の加圧(一次加圧)を行い、圧接面の隙間が完全に閉じるまで還元炎(アセチレン過剰炎)で加熱(一次加熱)します。
このとき、火炎の中心が圧接面から外れないようにします。
③二次加圧、加熱
圧接端面の隙間が完全に閉じたことを確認したあと、鉄筋の軸方向に適切な圧力(二次加圧)を加えながら、中性炎(酸素、アセチレンが等しい火炎)により鉄筋の表面と中心部の温度差が無くなるように十分な時間加熱(二次加熱)します。
④三次加圧、加熱
最終加圧(三次加圧)は鉄筋断面積あたり30MPa以上になるように加圧します。
また、加圧、加熱(三次加熱)によって圧接部の膨らみは直径が鉄筋径の1.4倍以上で、かつ、なだらかになるようにします。
⑤圧接器取り外し
加圧・加熱作業が終了し、加熱部分の火色が完全に消失したあとに圧接器を取り外します。
⑥加熱中に火炎が消えた場合
圧接部を切り取り再圧接しなければなりません。
ただし圧接面の隙間が完全に閉じたあと、加熱炎に異常があった場合は、火炎を再調整して作業を行ないます。
以上が、鉄筋圧接の作業の流れです。
日本で発明されたといわれる、この施工方法は、世界に誇れる技術ではないでしょうか。
熟練工の成せる技量とともに。。
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