今回、この材料を、はじめて紹介します。
「押出成形セメント板」(おしだしせいけいせめんとばん)です。
これは通常、無機質繊維と混和剤を混錬し、中空を有する形に押し出し成形したものを、高温高圧蒸気養生した板のことです。
ECP(Extruded Cement Panel)と略して言うこともあります。
外壁・間仕切壁などに使用する、耐火認定の材料で、昨今、需要が爆発的に増えています。
現在、発注から納入まで、60日程度かかるといわれています。
発注に至るまでは、施工図にて確認・承認後となりますので、業者を選択して、施工図を書き、承認まで30日としても、約90日(3ヶ月)かかってしまいます。
施工は、およそ300㎡で、7日間程度です。(作業人数にもよります)
つまり、現場での施工工程は、RC造などと比較しても格段に短いのですが、そこに至るまでの工程が、長いのです。
国内では、下記メーカーにて製作されています。
押出成形セメント板の特徴としては……
- 耐火性能を持った建材である
- 高い耐震性を持っている
- 工場で製作してくる為、工事(現場での施工)が早い
- 中空構造の為、遮音性能もある
わたし自身も、4,5回しか施工経験がなく「押出成型セメント板」に関しては初心者です。
それでは、材料から紹介します。
①セメント板の種類
厚さ60mm平パネル、ワイドパネル、デザインパネル、コーナーパネル、タイル貼り用パネル、塗装パネル、などなどがあります。
板と板のジョイント部は、さねになっています。
下記写真参照 現場搬入状況(クリック拡大)
②施工手順
1.基準墨・レベル墨の確認
2.施工図に従い、腰壁上にレベル調整ボルトを600ピッチで取付けます。
墨出しに従い、取付用金物アングル(L-50×50×6)を溶接にて仮止めします。
仮止め終了後、再度、墨を確認して本溶接をおこないます。
溶接個所は、スラグを除去し、指定された錆止めペイントを塗布します。
下記写真参照 (クリック拡大)
全体の工程の中で、下地取付に半分程度の日数を要します。
3.取付所定位置に合わせて、アスロック裏面側に、上下左右の計4ヵ所のZクリップ用穴あけを行ったあと、Zクリップを仮固定します。
アスロック凹側に隣接パネルとの目地段差を調整するための振れ止めパッキング(厚さ2~3㎜)を取付けます。
4.外足場などに、ウィンチをぶら下げ、パネルを吊り上げながら設置します。
これは、㎡当たり63kg(厚さ60mm)の重量により、通常1枚当たり200kgを超しますので、このような施工方法になります。
パネルの出入り・レベルを確認し、Zクリップを定規アングルに水平にセットし、かかり代を確認してボルトを締めます。
下記写真参照 取付状況(クリック拡大)
その後、板と板との間にシーリングを施します。
これで完成です。
「押出成型セメント板」は、今後も改良が加えられながら、工程、経済性も踏まえ、需要が伸びてくると考えます。
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