仮設工事

きちんと学びたい帳場のための「ローリングタワー」入門(仮設足場工事)

2009年6月21日

以前の記事(内部足場)で、ローリングを一度紹介しましたが、再度、技術基準などを含め、記事にしました。

そもそも、ローリングタワーとは、高い部分の作業に用いる移動式の足場を指します。

移動式足場(通称:ローリングタワー)は、脚立・うま・はしご等とともにある程度の高さ迄の作業には便利で、設備・配管・塗装などに幅広く活用されています。

つまり、全面足場を組まなくとも、移動しながらの作業が簡単に可能なのです。

当然いろいろな規制がかかっています。

それでは、高さの規制から。。。

●ローリングタワーの高さの規制

①控枠(アウトリガー)が無い場合

脚輪(キャスター)の下端から作業床までの高さ(H.m)と、ローリングタワーの外郭を形成するキャスターの主軸間隔(L.m)とは次の式を満足するものとする。
H≦7.7L-5

②控枠(アウトリガー)を有する場合

控枠を有する構造のローリングタワーにあっては、①の式に於けるLmの値を、次の式により得られる値とすることができる。
L=A+1/2(B1+B2 )
上式においてA・B1・B2 は下図に示すものとする。

ローリングタワー01

次に積載荷重です。。。

●積載荷重

ローリングタワーの積載荷重(Wkg)は、作業床の面積(Am2)に応じて次の式により得られた値とする。
A≧2のとき W=250(kg)
A<2のとき W=50+100A(kg)
○以上の式は、仮設工業会発行の「移動式足場の安全技術基準」によります。

一般的なローリングタワーの、形状図です↓
(クリック拡大)
この他にも様々なタイプがあります。

ローリングタワー02 ローリングタワー03

●使用上の注意は、下記によります。

(1)足場に積載荷重を表示し、その荷重以上積載しないこと。
専用の仮設標識があります。

(2)足場には偏心荷重、水平荷重および衝撃荷重をなるべく与えないようにすること。

(3)作業床上では、脚立、はしごなどは使用しないこと。
作業床の高さは非常に大切であり、時に斜めの天井等において、作業部分に届かない等の場合、生じる不安全行動です。

(4)枠組構造部の外側空間を昇降路とする移動式足場は同一面より同時に2名以上の者が昇降しないこと。

(5)作業者などを乗せたまま移動しないこと。
これもよくある不安全行動です。
単なる横着からによります。

(6)傾斜面での使用については、脚柱ジャッキによって枠組構造部を鉛直に立て、作業床の水平を保持すること。
基本的には、傾斜部では使用しないほうが良いと考えます。

(7)作業者が無理な姿勢で作業を行わないで済むように作業箇所に近接した位置に足場を設置すること。
よく、手が届かなく身を乗り出して作業するなどの行動がおこりがちです。

(8)脚輪のブレーキは、移動中を除き常に作動させておくこと。(車輪ロック)

(9)移動路面および移動空間にある障害物は撤去すること。

下記写真は、某現場において使用したローリングタワーです↓
(クリック拡大)
作業床の高さを調整するために最下部を単管にて組み立てています。
ローリングタワー04 ローリングタワー05

 

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